この記事の概要を簡単まとめ!
- Androidはスマートフォンもタブレットもテレビも存在する
- Androidタブレットは価格が性能に直結しやすい
- 中華製タブレットはあたりとはずれのギャンブル
- サブモニタとして、性能を重視しつつ価格を抑えるため中華タブレットを中古市場で漁る
- 深圳のAlldocubeからiPlay 30 Proを入手したので使ってみた!
- 圧倒的な7000mAhバッテリーと1920×1200の解像度を持つ
- ブラウザや動画に関しては問題なし、ゲームは軽量設定なら行ける
- SuperDisplayでの使用は問題なし、途中で接続が切れることもない
- 専用フィルムやケースはないため汎用のものを流用する
- 中華タブレットは一般用途に十分なスペックがあればモニタになる
最近、妹ちゃんの活動のためにあらゆる機材を調達することが多くなった。最も大きい調達機材はHASEE Kingbook T65だが、これは意外にも¥25,000のストレート落札によって入手成功している。入手以降は非常に高性能な配信用PCとして、しかもラップトップであるので持ち運びができ、任意の場所に配置できるという特性を生かし、主に妹ちゃん専用として運用されている。
ゲーム用PCは元々純粋にゲームをするために使用するものだったので、1つのモニタしか用意していない。また、スペース的にもう1台のモニタを置く余裕もない。だからといって小型のモニタを使おうとすると、解像度で引っかかる。大抵は1280×720(HD)以下で、これでは表示したいものも表示できないため、結果的にただ金を無駄にするだけとなる。そこで思いついたのが、タブレットをモニタ化するということである。
しかしタブレットもピンキリだ。安いが性能が極端に悪く、普通の使い方さえ満足にできないものがある中で、もはやゲーム用としか言えないほどの性能で超高額という石油王しか使わないものもある。モニタ用途に性能はそこまで要らないが、かといってCPUもRAMも貧弱では話にならない。条件を満たす中古品はないかと探していた時、中華PC・タブレットで最近勢いのあるAlldocubeから、条件を満たした中古品を発見した。iPlay 30 Proは、一般的なスマホに匹敵するスペックを持ちながらFHDである。モニタ以外にも使えそうなため、調査することにした。
ひとっ飛びできる目次
本気でゲームはしない?なら必要十分を満たしている
Android OSの範囲
Androidはスマートフォンもタブレットもテレビも存在する
世界には色々なOSがある。PCならWindows, Linux, Mac OS。スマートフォンやタブレットならiOSとAndroidである。特殊な場合としてBrackBerryがあるが、使用している人は少ない。なのでスマートフォンとタブレットに関しては、一般流通しているのはiOSとAndroidということになる。
Androidは知っての通りGoogleが主導で開発したLinuxカーネルやオープンソースソフトウェアベースの汎用OSである。スマートフォンやタブレットに使用することは前提に、TV, 自動車、ウェアラブルデバイスにも使用できるように設計されている。なおその場合はそれぞれAndroid TV, Android Auto, Wear OSとしてそれぞれ異なるバージョンになっている。また、これとは別にPC用に移植・最適化されたのがAndroid-x86で、超貧弱スペックでも動作できる軽量版にAndroid Go is GODがあり、通常はGo Editionと呼ばれることが多い。このうちAndroid-x86についてはNECの業務用2in1のVKT12SG-5に当時最新の8.1.0をインストールして検証し、これを記事にした。
Android TVについては賃貸の備え付けのテレビがこれであることがたまにあり、かつて失敗社畜だった頃に3ヶ月だけ大宮でレオパレス21に住んでいたが、この時のテレビがそれだった。Android Autoについてはなかなか聞かないので詳細は不明だ。Wear OSは中国や台湾のメーカーが出していることが多いようである。それに対してiOSの場合、Apple Watchは存在するが、Apple TVはテレビそのものではなくテレビに接続する箱型のデバイスとなっているようである。しかし全体的には、Androidの方が多く見かける印象である。Appleは「井の中の蛙」な馬鹿な日本人9割、開発者1割というイメージであり、後は製造国であるアメリカで流行っている印象である。
Androidタブレットは価格と性能が直結しやすい
スマートフォンはリストアップしても数え切れないほどであるが、これはタブレットでも同じことである。製造メーカーは非常に多く、スマートフォンで有名なメーカーがあれば、全く聞いたことのないメーカー製のものあり、その場合のメーカーの所在地は中国であることが殆どだ。また、タブレットはスマートフォンと同様、価格と性能が直結しやすいものにもなっている。その最も判定しやすい方法が、Amazonで「Android タブレット」と検索することで出てくる結果である。
この結果で確認すると、中には1万円を割るタブレットが存在することが分かるはずだ。そして殆どに何故か割引クーポンがおまけでついていることも多い。その場合は性能は期待できるものではない。というのも、1万円台は必要最低限すらこなせないほどの酷い性能で、買うことすら失敗であると言えるものになってしまうものが多い。また、画面解像度がHD以下で、そのくせ画面は無駄に大きいのであまり使い物にならないということが多いのである。動作がもっさりするのならストレスの原因となり、殆どのアプリで使用に支障が出るはずだ。画面だけ大きければいいというものではない。
つまり、価格が安ければ当然性能は期待出来ず、逆に高い場合は満足するものが得られる可能性は高いということになる。ゲーム用途なら5万円程度出せば、満足するものが得られるであろう。しかしそれなら素直にスマートフォンを買った方がいい場合が多く、クリエイティブ系用途に使用するならむしろiPadの方がいい。そのためAndroidタブレットについては、趣味の域を出ないものとなりがちである。
中華製タブレットはあたりとはずれのギャンブル
私の専門領域は中国製品と中古品なので、当然検証対象はそれらのものになる。中華製タブレットの探し方は簡単で、Amazonで先の検索ワードで調べるだけでいい。そこで出てきたタブレットの商品ページを見て、見慣れないメーカー名が出てきたらそれは確実に中華製タブレットである。その中でもよく名前が出るのがCHUWI, Teclast, Alldocubeである。これらはタブレット以外にもPC本体やパーツを製造・販売している。それ以外のメーカーもAmazonをはじめとする各ECサイト、及びオークション・フリマサイトで見かけるようになってきている。
全ての中華製品は、あたりとはずれのギャンブルである。これはメーカーの知名度や各サイトで見かけるかどうかにはよらず、或いは正規の工場で製造されたものを購入した場合でも無関係である。一定確率で初期不良に遭遇する割合が高く、その後3ヶ月~1年以上経ってから不具合が判明することも珍しくなく、しかし中華製はその特性からサポートを受けることが非常に難しいものである。寧ろ、サポートを受けることについては捨てた方がいいと言えるほどだ。連絡しても返答がなかったり、英語ですら通じなかったり、サポートを申請してIssueがクローズするまでに非常に時間がかかるなどの、一般ユーザーには到底お勧めできない苦労が待っているためである。この場合は、完璧に「はずれ」である。この面倒が嫌いなら、素直に名の知れたメーカーを選ぶべきである。
しかし逆に、「あたり」も存在する。想定していたよりも性能や体感がよく、長持ちして、それでいて一般メーカー製よりも安いものであった場合は、あたりと判定することができるであろう。ただこれは一度のチャレンジであたりを引ければ最高なのだが、運が悪いとメーカー製を1個買うのと同じ価格分購入してやっとあたりを引けたということも少なくない。なので、実際にはメーカー製と同じ額を出してもいいという感覚で購入しなければならない。金がかかるので、ある意味大人の遊びである。
目的:サブモニタとしての利用
タブレットの話をしているということはタブレットを欲しがっているということでもある。今更タブレットを欲しがるその理由は、サブモニタとして利用するためである。私の環境では机が小さいため、大型のモニタ1つと必要機材を置いたら、残りのスペースは小さいモニタを1つ置くくらいしか余裕がなくなる。元々狭い場所鹿スペースがなかったところに無理矢理に置いている関係で、拡張も難しい。だからといって小型のモニタを使おうにも、小さいと解像度が低く画面も見にくいので、おそらく使い物にならない。それではただ金を無駄にするだけになってしまう。
それならばと気付く。Androidタブレットをモニタ代わりにすれば、限られたスペースで配置可能であり、元はタブレットなのでモニタ以外の用途にも使用できるようになる。モニタはモニタの仕事しかできないが、タブレットなら普段はタブレットとして、必要時に専用のアプリを使用してモニタとして使用できる。限定的な小さいスペースでもタッチパネル付きのモニタとして使用でき、モニタとして使い終わったらタブレットとしてそれで作業なり遊ぶなりに使うことができる。この点を考えたとき、単に小さいモニタを買うよりも効率的で、資金的にも安く済むはずである。
捜索場所は中古市場
ともなれば早速探すことになるが、実際に探すにあたって必要なスペックを決めておかなければならない。したがって次の条件を満たすタブレットを探すことにした。
- CPU:総計8コア存在し、1コアあたりの周波数は1.60GHzを超える。
- GPU:最低限、ブラウザゲームレベルのアプリが余裕で動かせるレベル。
- RAM:4GB以上が前提。それ以下では動作が不安定。
- ROM:用途がほぼ限定的なので64GBあれば十分である。足りなければSDXCを使用する。
- バッテリー:サブモニタ時はPCとUSBで接続するため、3000mAh程度あれば問題ない。
- 画面解像度:FHD(1920×1080)以上であること。それに伴い本体は10インチであること。
- カメラ:なくても困らないがあってもいい。
- 重さ:持ち運ぶことを考えて1kgが理想。
- 価格:中古なら1万円以内で買えるもの。
ここまですると条件がきつすぎると思われるが、しかしどれか1つでも妥協したことによって「ゴミ」を掴んだら最悪である。1発で綺麗に決めるためにも、条件はきっちり決めておく。また、探す範囲については当然中古市場である。その場合は画像と情報、そこから読み取れるメーカーと型番から、それが求めている性能と一致するかどうかを入念に調べていく。調べていけば大抵はそのメーカーの公式サイトがあって、型番から製品情報も確認できるからである。
そして最近に、偶然見つけたタブレットがAlldocubeから、iPlay 30 Proである。既にAlldocubeは日本ではある一定数のユーザーが存在し、製品展開も積極的であるため知っている人も多い。なのでメーカーについてはクリアで、次にその型番でスペックを調査したところ、使用目的に十分耐えることのできるスペックを持っていることが分かった。これがいつものヤフオクに存在しそれがストア出品であった。相場と他者が入札を諦めるタイミングは幾度となく観察してきて知っているので、うまく操って無事に落札した。その落札額は¥5,775を5%オフし、そこに送料の¥1,100を乗せて¥6,586である。発売当時の価格は¥23,900(2020年12月)だったので、実に1/4の価格である。出品側の格付けは最低ランクのジャンク品扱いだったが、到着してみれば全然問題ないものであったので、その紹介と共に実際に使ってみた結果を書いていく。
価格と性能の両立 Alldocube iPlay 30 Pro
確認:Alldocubeはどんなメーカーか
iPlay 30 Proの製造元となるAlldocubeは、当然のことながら中国のメーカーだ。公式サイト及びWikipedia(日本語)が存在し、既に調べている人1)参照:ALLDOCUBEとはどこの国のメーカー?おすすめタブレットの評判まとめ | Pentablet Clubもいた。その情報によれば以下の通りとなっていた。
- 社名:Alldocube
- 中国語名:酷比魔方
- 本拠地:広東省深圳市大浪
- 設立:2004年
- 代表的な製品:カラー画面のMP3プレーヤー(2005年), BBE音楽プレーヤー(2008年11月), Talk 7X(2013年12月), 2-in-1 i9(2016年9月), Laptop Thinker(2017年1月), Alldocube X(2018年9月)
- 連携している企業:MediaTek Inc. (2013年~), Intel(2017年~)
- R&D拠点:北京、南京、杭州、東莞、深圳、サンディエゴ(米)
中国企業ではあるのだが、ここに限っては詳細な情報を入手するのは難しく、中国語版Wikipediaにも情報がなかったため、明確なことは不明である。しかし設立はかなり早い方であり、2013年の時点でタブレットは既に出していた。そのためタブレットメーカーとして考えた場合、古参である。台湾のSoCメーカーであるMediaTekと連携していることもあって、性能に関しては一定の水準を確保できる状態になっているようだ。
Intelとの連携によって2-in-1を中心にラップトップの製造も行っている。性能に関してはエントリークラスの、所謂Celeronを採用したモデルが多い。そのためゲーミング用途には満足しないが、手頃なタブレットPCやラップトップが欲しい場合には選択肢となるだろう。しかし最新モデルであるiWork GTは最高でi7-1165G7を採用しているので、最近はミドルユーザー向けも対応し始めた印象である。
Alldocube iPlay 30 Pro スペック・実機確認
落札後に到着したiPlay 30 Proのスペックと実機確認を行う。カタログスペックは次の通りである。
- 名称:Alldocube iPlay 30 Pro
- 型番:T1012
- 全高×全長×幅:258.3×159.4×8.2[mm]
- 重さ:510g
- インストールOS:Android 10 Q
- CPU:MediaTek Helio P60 8 Cores / 8 Threads, A-Core: 4x Cortex-A73 (big, 2.00GHz), B-Core: 4x Cortex-A53 (LITTLE, 2.00GHz), MAX RAM: 8GB, LPDDR4x, 1,800MHz
- GPU:ARM Mali-G72 MP3 800MHz (3 Units, 48 Shaders, MAX VRAM 2GB)
- RAM:6GB LPDDR4
- ROM:128GB
- 追加ストレージ:micro SDXCカードを最大256GBまでサポート
- 画面:10.5インチ、1920×1200(フルHD)、216 PPI, IPS液晶
- タッチスクリーン:静電容量式マルチタッチ、10点タッチ、オンセルフルラミネーションシステム、撥油層あり、アイプロテクションモード搭載
- カメラ:フロント 5Mピクセル、リア 8Mピクセル、オートフォーカスあり、フラッシュなし、録画フォーマット: MP4
- ネットワーク:デュアルSIM 4G LTE(規格: Nano SIM), CAT 6, GSM: B2/3/5/8, WCDMA: B1/2/5/8, FDD: B1/2/3/5/7/8/20/28AB, TDD: B38/39/40/41
- ワイヤレス:Wi-Fi: IEEE802.11 ac/a/b/g/n(2.4GHz/5GHz), Bluetooth: 4.2
- センサ:重力、光、距離センサを搭載。ホール(磁界)、ジャイロは非搭載。
- その他:FM、デュアルスピーカー、マイク搭載。GPSはGPS-A/GPS/GLONASS/BeiDou2)北斗衛星導航系統[EN: BeiDou Navigation Satellite System]のことで、中国独自の衛星測位システム(GNSS)である。2012年12月27日よりアジア太平洋地域での運用を開始している。 参照:北斗衛星導航系統 – Wikipedia
- インタフェース:USB Type-C x1(充電/OTG)、φ3.5mm イヤホンジャック
- メディア:ビデオプレイバック: HEVC/VP9/H.264 2160P, H.263/MPEG4/DIVX 1080P, オーディオプレイバック: MP3/WMA/WAV/AAC/FLAC/APE, イメージフォーマット: JPG/BMP/PNG他
- バッテリー:7000mAh, USB Type-Cチャージ(5V/2A)
- 発売開始日(Amazon準拠):2020年12月23日
- 発売当時価格:¥23,900

外見は非常にシンプルで、物理ボタンやインタフェースも最小限に留めているような設計である。上方向をイヤホンジャックのある面とするなら、本体の上面にイヤホンジャック、右側面に電源ボタンとボリューム、左側面にSIM・microSDカードトレイ、下面にスピーカーとType-Cメスコネクタがある。このタブレットにはホールやジャイロは搭載されておらず、指紋認証システムなどの「高価な遊び道具」もないが、そのおかげで低価格化できているものであると考えられる。もっとも、大型画面のタブレットでジャイロ機能があっても、これを手にもって振るというのはなかなか難しいが。
iPlay 30 Proの特徴
iPlay 30 Proの特徴は、7000mAhのバッテリーを搭載していることである。一般的なタブレットは殆どが3000~4000mAhが多い中で、これは圧倒的な容量である。とはいえバッテリーを消費するアプリを使用したり、モバイル回線を使用する場合は電池は勢いよく減っていくことには変わらないが。また、大容量バッテリーを搭載する場合に起きがちなのが重量が一般的なタブレットよりも増えることである。これに関しては本体をアルミ素材(推定)にすることによって軽量化し、持ちやすくしているものと考えられる。とはいえ10.5インチのそれを普段から持って使用する機会は少ないであろう。そう考えた場合、重量はあまり気にならない要素とも言える。同時に、充電についてもコネクタをType-Cとしたことで、一般的なタブレットに多いmicro-Bよりも大容量(5V/2A)での急速充電も可能になっていて、同時にPCや他の機器との接続がしやすくなっている。
一般的なタブレットの遅い原因は、SoCとRAMの貧弱性である。特に1万円を切ったり1万円台のものは取り上げた2つの項目については最低限か、あるいはそれ以下の「ブラウザすら満足に動かせない」性能なことがよくある。よく言われるのが、Amazon製タブレットのFireシリーズはAmazonコンテンツ以外に使うなら辞めておけということで、おそらく一般用途には耐えられないほどに性能が低いためにこのような助言があると思われる。それ以前に、Google Playは特殊な方法で入れなければならないため、これを考慮すればAndroidタブレットの代替にはならない。また、画面解像度だけ優先した結果SoCとRAMが捨てられた性能になっていることもあるので、中古市場では特に型番で性能をチェックする必要がある。
iPlay 30 ProはMediaTek Helio P60を搭載し、これはSnapdragon 660・670, Apple A10 fusion, Intel CPUではm3-8100Y, Pentium Gold 6500Yに相当する。それぞれはarrows NX(2017)/OPPO R11/ASUS Zenfone 5 Max(660), Google Pixel 3a(670), iPhone 7/7Plus, Surface Go 2, Surface Go 3に採用されているもので、いずれも一般的なスマートフォン、PCの性能と同じであることになる。これにRAMが6GBもあるわけで、これらを考えれば動作が重くてイライラすることはまずないはずだ。それでいて1920×1200のフルHDなので、¥7,000以内で入手した中古品にしては、非常に良くできているタブレットである。
なお、このタブレットは今では珍しくない、デュアルSIM対応タイプである。5Gには対応していないが、このタブレットで電話も可能ということになる。しかし大型故に、ファブレットとしての使用は腕が疲れるであろう。
iPlay 30 Pro使ってみた!
iPlay 30 Proをいくつかの用途で実際に使用し、どのような感じかを確認していく。
通常用途:ブラウザの場合
まず確認すべきなのは、普通に使って問題ないかどうかである。これがどうにもならない場合、使いようがない。本来ならAuTuTuベンチマークを指標とすべきであろうが、既に多くの人が試していること、SoCとしての情報が既に多くの場所で公表されていることから、今更ベンチマークを回す必要がないのである。なお、MediaTek Helio P60のスコアは機種によって微妙に値が異なっており、平均値で総合20万台、GPU4万台である。参照元はこのページである。
ブラウザは諸事情により、Yandexを使用する。これで検索を行い、文字入力、画像の表示等を行い問題がないかどうかを確認する。その様子を動画で収録したのが以下である。
この動画では、文字入力と画像表示を中心にチェックしている。これを見る限りでは、動作が重くなるような事態は起きていないので、この用途では問題なく使用できると言える。また、いつものベンチマークサイト「阿部寛のホームページ」も使用して確認したところ、回線速度に関しても問題ないことが確認できた。このタブレット自体が802.11acに対応し、5GHz帯での接続も可能であるからだ。安いタブレットであると2GHz帯しか対応していないこともあるので、この差は大きいものとなる。
動画をフルHDで見ることはできるのか
多くの人が気になっていることとして、YouTubeの動画をフルHDで見ることができるのかと気になっているはずである。結論から言えば、全く問題なく観れる。そのベンチマークとしてcleaちゃんのシャルルを使用した。
この動画は容量の関係で画質とFPS値を削減しているが、実際のiPlay 30 Proの画面を見ても、映像処理で引っかかるということは発生しなかった。10.5インチの大画面で綺麗な動画を楽しめることは確実である。少し画質で微妙と感じる人はいるかもしれないが、人間の眼は細かい違いに関しては補正によって気にならなくなることも多いので、あまり気にすることもないであろう。
本題:SuperDisplayでサブモニタ化する
それでは本題である。タブレットを入手した本来の目的である「サブモニタ化」を検証する。サブモニタ化する方法は様々に存在するが、ここでは有線接続で最も安定して使用できる”SuperDisplay“を使用する。これは現状ではWindows限定で使用できるアプリで、タブレット側で専用アプリをインストールし、Windows PC側でドライバをインストールした上でタブレットをUSBで接続することで、タッチパネル機能を搭載したディスプレイとして扱うことができるようになる。なお、アプリは¥1,050で買い切りであり、1つの端末で購入すれば他の端末でも適用される。詳しい設定方法はここでは解説しないため、公式サイトや先駆者の情報を頼りにすること。
サブモニタにするにあたっての不安点は、画面の反応速度である。当然サブモニタとして使うからには画面拡張を目的としていることが多い。その際に、通信速度は有線なので問題はないが、画像処理(ウィンドウの移動の反映やマウスクリックなど)で描写が遅くなることや、タッチパネルからの入力の際、反応しないので何度か押したら連打扱いになっていたなどの誤操作が発生しては使い物にならないためである。そこでSuperDisplayの実験を行った。出力設定はミラーリングモードで、同じ画面でどれだけ遅延しているか、フレームが飛んだりタッチした場合の挙動はどうなのか、それらについて直撮りで確認を行った。
音声は編集でクリックする瞬間のみ再生し、それ以外はすべてミュートとしている。この動画では、まずストップウォッチ機能を利用してどれくらいずれるかを確認した。それによれば、約200ms程度の遅延であることが判明した。オンラインゲームでは致命的だが別にゲームをするわけではない。USB2.0での接続のためこの遅延は致し方無いところもあるだろう。USB3.0やType-Cの場合は、もう少し遅延が改善できることを期待できるはずだ。
次にcleaちゃんのシャルルを流しながら、本体とタブレットでそれぞれ操作した場合、どのような感じに映るかを確認した。タッチ操作は、ウィンドウの配置場所や触り方によるのか、タッチした場所とは違う部分を押した判定になること、タッチ操作=クリック動作が正しく反映されていないなどの操作的な問題があった。スマホのようにスワイプすることは可能ではあるが、反応速度によってはスワイプではなくタッチやドラッグとして扱われることもあるようで、タッチ操作の反映精度はあまり期待しない方がいいだろう。単純な拡張ディスプレイとして扱い、マウスで操作した方が安定する。なお、SuperDisplayのアプリ側ではタッチ操作を行わないよう操作ロックする設定ができるので、必要に応じてその設定にしておくといいだろう。
検証結果としては、問題なく使えるということになる。基本的な接続はUSB2.0で、Type-AオスとType-Cオスで接続するはずだが、もし可能であればType-C同士で接続し、通信速度を向上させればもう少し遅延を改善できる可能性はあるはずだ。
おまけベンチマーク:PUBG Mobileが動く
人はAndroidタブレットを語るとき、どうしても孕原神をベンチマークにしたがる。私は別に好きでもないので、逆にFPSでベンチマークを行うことにした。APEXモバイルをプレイするにはおそらくスペックが足りないことははっきりしているため、それよりもずっと前からリリースされて今でも遊ばれている簡易ピネガキ製造スマホFPSことPUBG Mobileをベンチマークの代わりとした。
デフォルトのグラフィックの設定値はクオリティを標準、フレームレートを中としていた。アンチエイリアスは切られており、影は有効である。iPlay 30 ProはHDまでしか上げることができず、アンチエイリアスも2xまでであった。しかし標準でも満足に動かせるので、グラフィックを求めない人にはこれでも十分にプレイできるものと判明した。戦闘中も設定値が標準であれば、特にフレームレートが変動することもなく、安定して動かすことができた。操作については元々がスマホ用設計のため、10.5インチの画面であるとボタンが押しにくく、イヤホンジャックの位置の関係でストレートケーブルの場合ボタン操作に影響が出る(邪魔になる)ことがあるが、画面が広くプレイできる分、ドン勝はある程度はしやすいはずだ。もっとも公式大会ではスマホ限定のため、ランクに無関係な完全な遊び用途のみに限定されるが。
専用アクセサリはないため汎用のものを流用する
有名メーカーのスマートフォンやタブレットでフラッグシップモデルや人気モデルの場合、そのモデル専用のアクセサリが存在することが多い。しかし中華製の場合は専用アクセサリの用意は殆どなく、そのメーカー公式からもそのようなアクセサリの販売も殆どない。したがって、そのモデルの規格を確認して、それに合う汎用アクセサリを流用することが必要になってくる。汎用アクセサリ自体はAmazonをはじめとする、各大手ECサイトで入手することができる。
汎用アクセサリの場合、いわば「フリーサイズ」のものが多いわけで、それを使っているものに合わせて改造する手間がある。その際は不可逆な操作、例えばハサミやカッターでカットする作業などもあるので、それが苦手であると一発で決めることは難しい。逆にそれが得意なら、好きなようにアクセサリを追加して、本体の安全性確保、画面汚れ防止、利便性向上を行うことができるようになる。そもそも中華製タブレットを選んでいる時点で、それができる人が多いので心配することはないだろう。
私の場合は10インチ系対応の横置き時に立てかけができるケース、フリーカットの保護フィルムを使用して、本格的な使用に耐えるようにした。最低限これだけでもしておけば、傷をつけることも少なくなり、タブレットを長く使うことができるようになるはずである。スマホでもそのようなアクセサリを使うのだから、タブレットでも当然すべきことである。
中華タブレットは一般用途に十分なスペックがあればモニタになる
モニタはいくつあっても困らない、というのはいつの時代でも言えることだ。仕事なら複数のモニタを表示してそれぞれで必要な情報を表示しながら作業して、一般用途ならSNSを表示しつつ動画やらネットサーフィンやらしていることであろう。YouTuberないしVTuberなら動画制作や配信に必要なものが多いので、それを1つのモニタで管理するのは相当面倒になるので、やはり最低でも2画面は必須となる。単一PCでの配信の場合はそれに+1しなければ、相当管理が大変になる。
それを解決する手段はもちろん、モニタを増やすこと。しかし、活動資金、スペースの関係、市場価格といった様々な要因によって、モニタの追加が難しいことも少なくないはずだ。しかし手元にあるスマートフォンは、意外にもアプリをダウンロードして、PC側には専用のドライバをインストールして、USBかWi-FI接続することでミラーリングないし拡張が可能になる。しかし元々小さいスマホでは大きさ的に不十分で、そうなるとiPadかAndroidタブレットで同じようにアプリをダウンロードして使用するのが理想的である。ただiPadは旧モデルでさえ中古市場は高い価格を維持しているので、安く仕入れるのならAndroidタブレットとなり、しかも中華製が必然的な選択肢となる。これの中古品ならもっと安く手に入るであろう。
しかし中華タブレットの注意しなければならないこととして、性能がピンキリであるということ。その指標として、Amazonで1万円を切るか1万円台のタブレットは性能的に満足できるものではない可能性が非常に高いのである。要するに、ゴミ。下手をすればMS-DOSより動かないということを洒落でもなく言えてしまえるほどに酷いこともある。その回避方法はしっかり調べることで、名前を聞いたことがないものでもまず調べる癖をつけることが、失敗しない中華タブレット選びに必須である。そして情報を精査して、一般用途に耐えうるタブレットの情報を発見したら、中古市場を漁る。そして手に入ったとき、きっと満足するはずだ。モニタとしても、モニタ以外の本来の用途としても、である。
以上、Alldocube iPlay 30Pro使ってみた!であった。次は何の記事で会おうかな?
KIBEKIN at 00:00 Dec. 21th, 2022
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脚注
本文へ1 | 参照:ALLDOCUBEとはどこの国のメーカー?おすすめタブレットの評判まとめ | Pentablet Club |
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本文へ2 | 北斗衛星導航系統[EN: BeiDou Navigation Satellite System]のことで、中国独自の衛星測位システム(GNSS)である。2012年12月27日よりアジア太平洋地域での運用を開始している。 参照:北斗衛星導航系統 – Wikipedia |