【超手軽メタバース】”αU metaverse”解説書~ライト・メタバース新境地~ | Raven's Articles

【超手軽メタバース】”αU metaverse”解説書~ライト・メタバース新境地~

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この記事の概要を簡単まとめ!

  • 数えると割と存在する国産メタバースプラットフォーム
  • 三大キャリアの中で積極的に促進しているKDDI
  • 出資先のclusterとは別でKDDIは新たなメタバースプラットフォームを作り始める
  • βテスト段階のVCを経て新登場した、auのメタバース”αU
  • 新規登録とプリセットからアバター作成ですぐに始められる簡単さ
  • 現在は渋谷と大阪の2つのマップを探索可能、渋谷では特定の場所で中に入ることもできる
  • コミュニケーションは音声オンリーではあるがプリセットエモートが利用可能
  • 各所で公式スタッフが常駐し、cleaちゃんもその1人である
  • 不定期でイベントが開催されており、VTuberや芸人も多数出演
  • 当面の問題は負荷が高く、バグもよく見られること
  • αUがライト・メタバース新境地となる

私はそれまで、VRやVTuberに懐疑的な時代があった。それが大体15ヶ月前になる。それを破壊したのがcleaちゃんである。この時に私はカルチャーショックを受けたのを覚えている。今まで全く関係ないであろう世界を目の当たりにした結果、その凄さにただ感動した。そしてその世界を深く知ることを始めたのである。最初に感じた怖さは、既に楽しさに変わっていた。

それは他の人も、もしかしたら同じことを感じているのだろう。その起点となりつつあるメタバースプラットフォームがKDDIから登場した。出資先のclusterとは異なり、KDDI自体が開発し、iOS/Androidのアプリ版のみで展開している”αU metaverse”である。前身であるVCを2022年10月20日からβテスト的に展開し、2023年3月7日にαUに名称を変更して正式リリースとなった。VCの頃から寄せられていた不具合を解消し、現在は小周期的に更新を行う形でサービス提供が進められている。

一般にメタバースやVRを語るとき、取り上げられやすいのはVRChatだ。その次にcluster, VirtualCastと続く形であり、最近はNeosVRも注目され始めている。しかしそれらは総じてPC+HMDを基準に語られることが多い。また、挙げた中でスマホ対応は現時点ではclusterのみである。それらと異なり、完全にスマホのみで展開されている珍しいタイプのメタバースである。αUでcleaちゃんがスタッフとして仕事していることもあって、一体どんなものなのかを検証することにした。

メタバースの新境地が誕生した

国産メタバースプラットフォーム

増えてきた国産メタバース

メタバースという言葉はだいぶ浸透した。だが、具体的には何をどう示すのかという定義は曖昧で、或いは間違って捉えられている節も不定できないことである。ここではメタバース=VRまたはVR-SNSであると仮の定義を置くとして、VR-SNSを挙げたときにまず何が出てくるだろうか。多くの人は間違いなくVRChatを真っ先に出すはずだ。非常に早い段階で登場したVR-SNSであり、技術的に成熟し、知名度も高いことがその要因である。大型イベント開催時は大抵VRCで行われていることが殆どである。

次点で人気が上がってきているのがNeosVRである。これは「殆どがNeosVR内で完結する」のが特徴で、コンテンツアップロードにUnityを利用するVRCとは異なり、Unityを介さずに直接コンテンツをアップロードし、各種調整もNeosVR内で行える。アバターアップロードからセットアップもNeosVR内で完了し、独自のプログラミング言語であるLogiXによってギミックの動作もNeosVR内で全て組めてしまうという、とにかく「NeosVRだけで出来ること」が非常に多い。Unityをはじめとするソフトウェアの登場は全くと言っていい程少ない。この点で他のVR-SNS利用者が驚くことに定評がある。

視点を国内に向ける。国産VR-SNSは一体何があるかを探してみると、clusterとVirtualCastになるであろう。経営元はそれぞれクラスター株式会社、株式会社バーチャルキャストとなるわけだが、clsuterはKDDIが出資元である。バーチャルキャストはコンテンツはThe SEED Online(TSO)と分離され、それとリンクすることによってユーザーコンテンツのアップロードが可能になっていた。これは後にバーチャルキャストに統合されて、現在はそこでTSOで行っていたことがそのままできるようになっている。



KDDIが出たということは、三大キャリアの残りもVR-SNSに関連していることを行っている。ドコモ(正式にはNTT名義)はXR WorldとDOORを提供している。クソフトバンクダメダーのイメージしかないソフトバンクもNaver Z(韓国系)に出資しており、そこが制作しているZEPETOもメタバースである。ただ、XR WorldやDOORと比較すると知名度は圧倒的に低く、話を聞くことは少ない。DOORについては、マルチデバイス対応でブラウザからのアクセスが可能という点を生かし、VRCやVCasのイベントのもう1つの開催場所として利用されることも多いので、それで知っている人とユーザーが多いようである。

積極的なKDDI、自社のメタバースプラットフォームを構築開始

auでお馴染みのKDDIは、三大キャリアの中でもメタバースに積極的な姿勢であるように見える。それは出資先のclusterが次第に大きくなっているところを見ても明らかである。だがKDDIはそれで満足はせず、自社でメタバースプラットフォームを展開しようと考えたわけである。そのプロジェクトは2022年10月20日から始動した。KDDIの公式ニュースリリースにはどういうわけか一切掲載されていないのだが、この日にiOSとAndroidの両方で”VC“という名でアプリがリリースされていた。事実上のβテストであるが、その割にはKDDIからこれについての発表が全く無いのは不思議であった。私の確認できる範囲では、2023年2月時点では誰でもダウンロードできるようになっていたようだ。

このプロジェクト自体、水面下で進行していたのかは定かではないが、βテスト開始前からスタッフについても募集がされていた可能性がある。これは後述するが、公式スタッフとしてcleaちゃんがアバターワークを行っており、そのことから推測できることである。おそらくVC時代にもスタッフは存在したのであろう、しかし公式リリース前だったこともあってあまり表立って言えなかったものであると考えられる。またVC時代から何回かイベントが開催されていたことが、お知らせからも確認することができる。そのイベントにはアーティスト・芸人・VTuberなどの様々なジャンルの人物が出演しているので、その点ではこれまでのメタバースとは一線を画す存在になること目指していることが分かる。

3月7日、αU metaverseを始動

そうして迎えた3月7日、VCはαU metaverse名称を変更し、正式サービス開始とした。このタイミングで渋谷しかなかったマップに大阪が加えられ、この日を記念して多数のイベント開催が公式から発表された。なお、このタイミングではまだαU(KDDI)からの許可が降りていなかったため口頭では言えなかったが、cleaちゃんも公式スタッフとして11時間活動していたことが確認できる。とはいえその前にαU関連のツイートをしていたわけで、知っている人は知っている状態であった。

VCから継続して提供はiOS/Androidでのみ行われることは変わらず、VC時代から声が上がっていたいくつかの不具合修正・機能改善を行い、現在は使用できない機能も順次調整を経て開放される形で更新が継続して行われるスタイルである。βテストを行っていたとはいえ、αUは当然のことながらclusterとは勝手が違い、ターゲット層や利用目的も大きく違う。幾多のクロスプラットフォーム対応メタバースが一般的な中で、あえてスマホプラットフォームのみのメタバースを展開するところは、KDDIにとっては斬新な取り組みであるとも言える。3D技術をふんだんに使う以上、要求されるスペックもそれなりであるが、余程「連絡用」のスマホでなければαUで遊ぶことはできるようになっている。

私としてもこれは調べないわけにはいかなかった。それはメタバースという概念を大きく変える存在になることと、cleaちゃんがスタッフとして活動しているので、気軽にcleaちゃんに会えるからである。スマホだけということは、HMDが使えない=要らないということであり、αUユーザーは(機種によるスペック差を除いて)全員が同じスタートラインに立ってプレイできることでもある。cleaちゃんのところへ遊びに行くついでに、このメタバースの中身を詳しく解説することにした。




αU meteverseを始めよう

本題の前に:言葉の新定義を行う

本題に入る前に、言葉の新定義を行う。メタバースの分類として、次の言葉を定義する。

  • クロス・メタバース
  • クロスプラットフォームに対応するメタバースのことを示す。代表的なものがclusterであり、現段階ではHMD単体、PC、スマホのいずれからでもアクセスできる。それ以外のものではVRChat, VirtualCastはPC・HMD単体の両方で利用することができるので、この点でクロス・メタバースに分類することができる。
  • ディープ・メタバース
  • PC利用のみが提供されているメタバース、またはクロス・メタバースのうちPC+HMDで利用した方が体験度が高いもののことを示す。現時点では(SteamDeckを除き)NeosVRは支援者のみAndroid版が提供されているが、それはあまり知られていないことを考慮すれば実質PC版のみと言える。また、上記ではVRChat, VirtualCastもクロス・メタバースでありディープ・メタバースということになる。
  • ライト・メタバース
  • ディープ・メタバースとは対照的に、HMDが不要で、PCでの利用は提供されていない、あるいはPCではブラウザから利用可能であるものを示す。ブラウザから利用できるものとしてはDOOR, XR Worldが代表的である。DOORは既にスマホとQuest版を提供開始しており、クロス・メタバースにもなっている。XR WorldはPCとスマホのみであり、ライト・メタバースである。これから解説するαUは現時点ではスマホ(タブレット)アプリのみの提供のため、ライト・メタバースの中でも「最もライト」である。

これから先、「メタバース」は非常に多くの意味を含んだものに変わってくるはずだ。そのため、単にメタバースとしたとき、一体何を指示しているのかが分からなくなる可能性がある。そこで、「メタバースプラットフォーム」とした場合のメタバースについて、新たに3種類の言葉を作り、それぞれに上記の定義を当てはめた。私が体験する限りでは、現在主流であるのは間違いなくディープ・メタバースであり、その入口としてクロス・メタバースがある、という認識である。技術が進んでいる影響か、ライト・メタバースは蔑ろにされている傾向が否めない。

ただ、これは少々悪い傾向である。というのも、これだけメタバースが話題となりながらも、未だにメタバースを知らないという人は多く、未だメタバースとは怖いものであると恐れている人もいる。或いは意識高い系による策略で誤った知識を植え付けられてしまったということも少なくない。その誤解を解き、メタバースの体験教材として利用できる存在にライト・メタバースはこれから必須になるはずだ。いきなり敷居が高めなVRChatなどを勧めても途中で諦めてしまう可能性があることは想定でき、それならばスマホやブラウザから手軽にできるメタバースでどういうものであるかを体験するのが、今後のメタバースの促進に繋がるはずである。そのためにも、私が新たに定義したこの言葉は絶対に必要である。

αU metaverseに登録する

ちょっとした寄り道を終わらせて、実際にαUに登録することから始める。ここではAndroid版を基準として話を進める。要求スペックはAndroid10以上、RAMが4GB以上あることで、ミドルクラスからハイエンドのスマートフォン及びタブレットが対象である。なお、動作保証対象外だがBluestacksなどのエミュレータでも動作する。登録作業は以下の手順で行う。

  1. αUのトップ画面から「新規ログイン」を選択(画像撮り忘れ)。
  2. メールアドレスを入力し、認証コードを受け取り、それを入力する。
  3. 認証が成功したら、パスワードを入力して設定する。パスワードの条件はきつめに設定されている。条件をクリアしていると登録ができる。
  4. 年齢確認(生年月日入力)と利用規約への同意を行い、プロフィールを設定する。
  5. プロフィールの入力が完了したらリソースダウンロードが開始される。その後、アバター作成を行う。
    • プリセットから任意に選択して作成する形式である。顔と服装が変更可能になっている。
  6. 「保存」をタップすると軽い説明の後、マイルームからスタートになる。
αU登録から開始まで
αUの登録から開始までの手順を画像化したもの。パスワードは他サービスと比較して強固にする必要がある。現在はアバターはプリセット選択式だが、将来的にもこの作成方法は変わらないものと考えられる。

パスワードの設定ルールが他のメタバースプラットフォームと比較して厳格なものであり、それ以外は殆ど一緒なものであるようだ。アバターについてはVRMなどのアバターデータをアップロードすることは現在不可能で、プリセットのものを自由に選択して作成する方式である。今後の更新でVRMアップロードが実装されるかは不明であるが、ライト・メタバースを推していくのであれば今後参入する新規に対して敷居が高くなってしまうことを考慮し、対応しないものと思われる。だが逆にメタバースに慣れていない人からすれば、この方が楽で下手に構えなくて済むと感じるはずである。ライト・メタバースにおいて手軽さは寧ろ大事な要素だ。




操作方法と画面説明

操作方法はバーチャルパッドと右側の何もない場所をスライドして操作するタイプである。現段階では縦向きでのみプレイでき、横向きは非対応である。マイルームでは歩くのみで、外に出るとダッシュが可能である。歩きとダッシュの判定はスティックの傾き具合で判定しているようである。視点移動は右側を任意の方向にスライドすることで、その方向に視点のみ移動する。フリールック的なものを想像してもらうと分かりやすい。ただ現時点では縦向きでのみプレイできる状態であるので、視点移動には少し苦労するであろう。

デフォルトでは上にマイルームの公開状態(マイルーム)、マップアイコン(渋谷または大阪)、所有eLが表示されている。マップは1回タップすることでミニマップとして表示し、その状態でもう1度タップすることで全体マップとなる。格納する場合はミニマップを左へスワイプする。下にはカメラ、エモート、メニューがある。ここでは主に下側メニューについて解説する。

モーション:様々なエモートで意思を伝える

エモートは主にゲームにおける表現の1つとして利用されるもので、現在はあらゆるゲームで採用されている非言語コミュニケーション手段である。VR-SNSでもプラットフォーム側でデフォルトで用意している場合や、アバターのアニメーションなどに仕込むことで利用することが多い。αUではモーションでデフォルトのエモートが各種用意されており、これを利用して他のユーザーに意思を伝えることができるようになっている。使用例が以下である。

モーション使用例
標準機能のモーションの使用例。様々なモーションが搭載されており、これだけでも色々と意思を伝えられる。

αUで利用できる基本コミュニケーション手段は音声のみであり、人によっては音声でのコミュニケーションを好まない、所謂「無言勢」も多く存在するため、その場合は自分の意思を伝達することが難しい。しかし簡単なコミュニケーションであればこれを利用することで相手にそれを伝えることができる。αUを本格的にやる場合は考えなければならないが、散策等を中心にする場合はこれで足りるであろう。とはいえ今はまだ散策できるエリアは少ないので、それはもう少し先の話になる。

カメラ:モーションしながら撮影できる

VR-SNSで求められる機能がスクリーンショットを含むカメラ機能である。これはVRChatやVirtualCastを利用している人ならいかに重要なものであるか分かるはずだ。αUは開始当初からこの機能がある。撮影方法は簡単で、カメラを起動したら、画面右側で視点を自由に移動し、いいところでシャッターを切る。それだけである。やり方自体はカメラアプリを使っている感覚と同じである。ただし、カメラモード中は移動ができなくなるので、立ち位置の微調整はカメラモードを終了する必要がある。撮影イメージは以下である。

カメラ操作方法
カメラ操作方法。この時は画面のどこを触っても視点移動できるようになる。以前はモーションを行ってから写真を素早く撮る必要があったが、現在はカメラモードでモーションが使える。また、自撮りモードの場合はモーションが別のものになる。

撮影時はモーションを使用することができる。以前は同時に使用できず、先にモーションを使用してからカメラモードにする必要があった。この部分は要望によって改善されたものとなる。通常モードでの撮影は必ず自分が中央に入るように視点を移動する。ただし視点移動方向の周囲に障害物がある場合は中央から外れることもある。また、カメラ切替のボタンで自撮りモードとなり、この時は自分の顔を中心にフォーカスし、真正面から撮影する状態になる。この時はカメラ位置とズーム倍率のみを操作することができるほか、モーションも自撮り用に変化する。それぞれ仕様が異なるものとなるので、撮影目的に応じて使い分けることによっていい感じの写真を撮ることが可能になる。

なお、撮影した写真はαUの内部データとして保存されるようになっている。写真をアルバムなどに取り出したい場合は通常のカメラアプリのように、対象の写真を選択してダウンロードすることによって保存できる。ちなみにデータそのものは"内部ストレージ/Android/data/com.kddi.PJVC/files/Capture"にあり、拡張子はbytesとなっているが、これの末尾に.pngを加えることによって画像化される。アルバムに保存する動作はコピーしたそれの拡張子がpngになる作業を自動化しているもので、その場合のデフォルトでの保存先が"内部ストレージ/Android/DCIM/vc"となり、内部容量を圧迫する原因にもなりやすい。画像自体はαUから直接共有できるが、拡張子の問題でうまくいかないので、画像を取り込んだら用事がない限り削除するか、SDカードへ移動するなどの対応が必要になる。

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メニュー解説

αUのメニューは次のものがある。

移動する・マイルームに戻る

場所を移動する。現在選択可能な外出先は渋谷か大阪で、渋谷はさらにSHIBUYA 109とセンター街に直接移動することができる。渋谷の場合は渋谷駅西口・渋谷警察署渋谷駅交番前(スクランブル交差点前)から、大阪の場合は道頓堀・心斎橋周辺からとなる。また、外に出ている場合、「マイルームに戻る」ことができる。外に出るとマイクのON/OFF切り替えが可能になり、他のユーザーと交流することができるようになる。

アバター着せ替え

アバターの編集が行える。最初に始めるときのものと同じで、自由に編集可能である。今後のαUで開催されるイベントやコラボで販売や配布されているアバターやパーツを入手したときもここから着せ替えて使用する。通常はあまり使う機会はないが、気分転換したいときには使えるものになる。

マイルーム編集

マイルームを編集する。保有しているオブジェクト系のアイテムを任意の場所に配置して飾ることができる。このことは後述する。

お知らせ

お知らせを開く。新規のお知らせがある場合、ここに通知数が表示される。お知らせの内容はイベント情報と不具合情報の2つであり、何かある場合はここを見ることで分かるようになっている。

アイテムBOX

ここにはこれまで入手したアイテムが格納される。また、イベント入手や他のユーザーからプレゼントとしてアイテムを貰った場合は「受け取り」タブに表示される。その場合は通知数が表示される。「着せ替え」「マイルーム」「その他」で分けられており、アバター関連は着せ替え、オブジェクト系はマイルームに置かれる。その他は今のところないが、イベントチケットなどがここに置かれるものと推測される。

ショップ

αU専用通貨”eL”でアイテムを購入する。購入できる種類はアバター、マイルーム、スペシャルの3つで、一部はNFTで数量限定となっているもの、期間限定でのみ販売されているものがある。なお、eLは現時点ではαUから直接購入する形であり、課金ルールは基本的にソシャゲと同様である。入手したものはアイテムBOXで使用可能である。

抽選所

抽選所もショップと似ているようであるが、現時点では抽選できるものはなかった。動作内容は不明だが、eLがここでも出ているのでeLで抽選を行うものであると思われる。ここでもアバター、マイルーム、スペシャルの3つのタブがある。

フレンド

αU内でフレンドになっている人と自分に向けてフレンド申請された人を確認できる。フレンドリクエスト方法はリクエストしたい相手のアバターをタップし、そこに現れる「フレンドになる」をタップすることで可能である。フレンドリクエストを受け取った場合はここに通知数が表示され、許可は「認証待ち」のタブから許可と却下を選択することができるようになっている。現在フレンドに対して行えるのはプロフィールの確認とオンライン状態の表示のみである。今後この部分の機能は何かしら拡張されるものとみられる。

設定

次の項目について設定を行える。

  • 環境設定:次の項目を設定できる。
    • パフォーマンス設定:現在設定できる項目は解像度のみで、これをHigh・Normal・Lightから選択する。ゲーミングモデルはHigh、ハイエンドはNormal、それ以下はLightで快適に動作するはずである。
    • 音量設定:各種音量を設定できる。ボイスチャットが重視されるαUでは、BGM、環境音、操作音・効果音は抑えめにして、マイク感度を適度に調整し、ボイスチャットを大きめにするとやりやすくなる。
    • ウォレット連携:現在は選択できない。
    • ログアウト:ログアウトする。
    • アカウント削除:アカウントを削除する。
  • 履歴:現在は課金履歴のみ確認できる。
  • ヘルプ:各種ヘルプにアクセスできる。
  • タイトルへ戻る:タイトル画面に戻る。アプリを終了するわけではない。

αUを使用する際はまず環境設定を変えておく。ここを変えないとボイスチャットを聞きづらい、自分の話し声が音割れしてしまうなどの影響がある。また使用中に異常を感じた場合はここを確認すると直せることが多い。現在設定できることは最小限のものに限られるようだが、更新されれば詳細な設定も後々可能になるはずである。

αUを実際に楽しむ

αUの基本部分を解説したところで、実際にαUを楽しむ。一体どんな感じになっているのかを見てみよう。

渋谷・大阪の街並み

現在提供されているマップである渋谷と大阪は、容量の関係で一部省略こそされているが現実のそれらとほぼ相違ないものになっている。そこで、その風景の例を一部掲載する。

渋谷と大阪の街並み
渋谷と大阪の街並み。現時点では許諾の関係もあって看板や店名は完全再現ではないが、それでも現実のそれと相違ない完成度である。

現在の街並みはこのようになっており、αUは元々渋谷を先に制作して展開していた関係で、3つのエリアに分かれている。また特定の箇所は中に入れる(別マップに行ける)ようになっている。現在は単純な屋内としての機能が多いようで、まだ「何か買える機能がある」マップはないようである。大阪はαUとしてのサービス開始時に新しく追加されたものとなり、まだ建物が少なく、看板も少なめで入れる場所がない。そのため今後の更新やユーザーからの要望によって何らかの要素が追加されるものと考えられる。大阪なら食べ物系になることが予想される。

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実際のコミュニケーション

前述の通り、αUでのコミュニケーションは音声オンリーである。テキストはまだ提供されていない以上、この世界はまだ「無言勢」には厳しいものである。それはともかく、執筆時点でのαUにはスタッフが案内を行っている、いわば「コアタイム」が存在している。主に新規ユーザーの案内が目的で、その他にイベントの案内があり、αU全体で開催される一部イベントではスタッフも参加している。一般ユーザー同士の交流は時間帯と相手が無言勢であるとなかなか難しいが、コアタイムならスタッフは各地点に必ず1人存在するので、そのタイミングであれば他のユーザーとの交流はしやすくなっている。

αUのスタッフはアバターワークの1つとなる。この仕事にcleaちゃんも参加しており、多い日で週5日、ショート(4時間)またはフル(8時間)、αUを利用するユーザーに対して操作方法・イベントの案内を行っている。基本的に指定の仕事場所から動くことはなく、マップもほぼ確実にどちらかにいるわけで、探せばかなりの確率で会うことができる。アバターこそプリセットのものをスタッフ用にしたものであるが、声はいつものcleaちゃんである。

元々cleaちゃんとはTwitterをはじめとして様々な場所で会っては話をしているので、話題に困ることはない。その内容は普段の活動や配信のことから業務連絡まで様々だ。そうでなくても、案内を受ける以外にも普通に世間話することもOKである。私はcleaちゃん以外のスタッフとも遭遇したことがあるが、それとも普通に話をしているほか、話している時に遭遇した他の一般ユーザーとも交流している。例えば次の画像のような感じである。

集合写真
ある日の集合写真。公式スタッフの1人であるあかねんと、その常連のユーザーたちとその場に居合わせた人との記念撮影。このような偶然の出会いがあるのもαU独特のものである。

これは別の公式スタッフのあかねんで、ここに集まった人のうちの2人はVC時代からのユーザーでもあったようだ。しかもその2人は現実でも友人同士で、私の住んでいる地域と近いということがあった。メタバースとは距離と関係なく人と会うことができるわけだが、逆に現実で近くにいても会うことが殆どなく、メタバース上で初めて会ったということも少なくない。その意味では、まだ見ぬ人と手軽に会って話の出来る、或いはそれが既存のメタバースプラットフォームよりしやすいということの証明であるようにも思える。

不定期開催されるイベント

αUの強い部分は、不定期ながらイベントが開催されやすいことであろう。VCの頃から既にいくつかイベントが開催されていたが、αUとしてのサービス開始時に同時に複数イベントが開催されていた。3月7日のお知らせによれば、次のイベントが開催されていたようである。

  • とうあ展:1stフォトブック「何者」の未公開フォトを展示したバーチャル展。
  • 雪下まゆ展:個展のバーチャル開催。渋谷109の反対の裏路地にスペースがある。書き下ろしを含めた16点のイラストを展示。
  • レイザーラモンRGの”あるある”トークライブ:3/7~3/12の期間中、毎日19~23時の時間内に大阪のどこかに出現して、参加者からお題を貰い、あるあるを歌い続ける企画。専用アバターでの登場であり、さらに3月31日まで限定グッズも販売されていた。
  • 水曜日のカンパネラ virtual reality mini live & ミーグリ:3/12に開催された、水曜日のカンパネラによるバーチャル音楽イベント。主演/歌詞担当の詩羽が「赤ずきん」MVに登場するオリジナルのアバターとなってライブするものである。メタバースの利点を生かし、空間移動も行った。ライブ後は事前申し込み抽選、人数限定のミーグリも実施された。ライブ自体は無料なのが大きい。こちらも3月31日まで限定グッズも販売されていた。
  • balallel-meta-Party:3/11に開催された、次世代型アーティストプロダクション”ANNIN”がサポートする新プロジェクト”bala”によるバーチャル音楽ライブ。”bala”コレクティブメンバーKANOがデザインしたメンバー個々のバーチャルペット”BI”が1stシングル”barla”を含めた3曲を初公開する舞台。ライブは無料で、アーカイブとして同日21時、23時にも同じ内容のライブを見ることができた。3月31日までbala展も開催されていた。
  • 獅子神レオナ virtual reality mini live & ミーグリ:3/10に開催された、VTuber獅子神レオナによる音楽ライブ。セットリストはオリジナル曲のみで構成されており、これもライブ後に事前申し込み抽選、人数限定のミーグリも実施された。両方とも参加無料であるのは大盤振る舞いと言える。また、4月30日まで限定グッズが販売されている。

この後もお知らせで不定期にイベント開催が予告されており、その数は主流のメタバースプラットフォームと比較すると決して多い方ではないが同時に少なくもない。また、VR-SNSの場合はユーザー主体のイベントであることが多いが、αUの場合はαU=KDDIが企画し運営しているイベントとなる。現在は大学・専門学校とのコラボ、ユーザー同士の交流を目的としたイベント、配信者同士のαUでの対決企画といったものが開催されており、今後もこのようなイベントが増えていくものと予想される。




VTuber・アーティストはもちろん芸人も気軽に使用し、初メタバースユーザーも多い

従来の考えでは、VTuberなどがメタバースイベントを開催する場合、その開催場所は個人レベル・小規模な団体であればcluster、中規模であればVRChat、大規模であると実際のリアル会場とVRの同時開催という規模になるものと考えられる。これはあくまでも私の見解であるので実際のところは不明であるが、とはいえ実際にイベントを開くとなれば、それに係る様々な準備や、場合によってはそのプラットフォームへの申請が必要な場合があり、色々と面倒であったりする可能性がある。

αUの場合は、そもそもがアバターがプリセットのものを利用することが基本で、αU公認である場合は専用のアバターが与えられることがあるようで、それは過去のイベントからも分かる。また、これまでのお知らせとイベントの流れを見るに、芸人の参入が多いのが特徴と言える。これまでαUでイベントを行った芸人はレイザーラモンRG, あべこうじ、こがけん、チャンス大城、トニーフランク、おばたのお兄さん、さらば青春の光 森田(敬称略)がそれぞれトークライブやイベント出演を行った。これは今までのメタバースとはかなり違う部分である。比較的VTuberやアーティスト向けとされるのがメタバースであり、芸人がメタバースをするにしてもそれは「個人的」な部分が多かったはずである。それがαUであれば呼んでイベントを開催している所を見るに、芸人も参入しやすいメタバースであると言えよう。

また、cleaちゃんをはじめとする公式スタッフからの話では、αUが初めてのメタバースという人を見かけることが多いという。年齢層も、下は小学生から上は40代・50代まで、幅広い層がαUを使用しているという。どうやら年齢層に関わらず、メタバースという言葉を知っているが内実は全くわからないという人、メタバースに対して悪いイメージを持っているか、なんとなく警戒している人が利用しているとのことである。また、メタバースはHMDが無ければ体験できない考えている人は一定数存在するようで、実際のところはVRChatやclusterはデスクトップ版もあるのだが、クロス・メタバースゆえにどうしても敷居が高いと感じてしまっているようだ。その意味では、ライト・メタバースとなるαUは「メタバースとはいかなるものか」を知るには最適なアプリであるといえよう。基本無料で、少しやってみようの感覚で出来るのが重要なポイントになるのであろう。もちろん、特定のイベント目的での参入も、十分理由になる。

気になる点が2つ存在するαU

これで皆が快適に使えるのならよかったのだが、気になる点が2つ存在する。

気になる点1:要求スペックが高く、負荷が高い

まず1つは、要求スペックが高めで、同時に負荷が高いということ。まず、公式が発表している要求スペックは次の通りである。

※iOS推奨環境:iOS14.0以上
端末:iPhoneXS以降
※iPhone XR, iPhoneSE(第2世代)は除く
※Android推奨環境:Android10以上
端末:2019年以降発売メモリ(RAM) 4GB以上
※初回起動時にデータをダウンロードします。ご注意ください。
※本サービスは無料でご利用いただけますが、一部コンテンツの利用は有料になります。
※本サービスは13歳以上の方が対象になります。
※13歳以上の未成年者の方は、必ず親権者の同意を得たうえで本サービスをご利用ください。

注意事項 – αU metaverse

ここでiOSについては明確な機種が指定されており、iPhone XSはApple A12 Bionic、RAM 4GBである。AnTuTu ver9によれば総合559142, GPU202450となっている。しかしXRとSE(2)はそれぞれRAMが3GBとなっているため、動作要件を満たさないために除外されている。最初の段階で要求されるスペックがどうにも高く感じるものになっている。それに対してAndroidはあまりにも数が多すぎるためか、発売時期が2019年以降でRAM4GB以上という条件のみ指定されている。この条件をクリアしているものを例に挙げると、Xperia 1(初代、2019)である。だがそのXperia 1でさえ妙に重く感じるのである。

おそらくメタバース空間における建造物やオブジェクトの3Dモデルの描写、動画や音声の再生にリソースが取られがちで、まだ十分な最適化が完了していないためであると考えられる。現在は「設定/環境設定/パフォーマンス設定」から解像度を落とすことができるものの、逆に言えばそれだけしか設定できない。そのため、αU側でもう少し細かい設定ができるようになれば、少しスペックが低くても快適に利用することができるはずである。ここはシステムの部分のため、声が多い程対応が早くなるはず。近くの公式スタッフに改善要望として、ユーザーの声を送ってもらうといいだろう。

気になる点2:バグが多い

どんなアプリも更新すれば必ずバグが発生するものだが、基本的には致命的バグが発生することはあまりない。だがαUは、ほかのアプリと比較しても、ややバグが多く感じる。執筆時点で発生している、私が遭遇したことのあるバグは次のものがあった。

  • 何もしていないのに落ちた:本当に何もしていないのに落ちた。これは私を含めて遭遇した人が多い。cleaちゃんも同様に何もしていない状態で突然落ちたことがある。
  • お知らせが重い:お知らせを開こうとすると重い。最悪の場合、落ちる。これは少し前から発生している。
  • マイルーム配置バグ:マイルームでオブジェクトを任意の位置に置いた後、配置時に出るチェックマークを押さずに保存するとめちゃくちゃな位置に置かれた状態になる。特に、移動できない場所に動かしてから離し、自動で戻った後に保存すると起きがちである。何のための移動制限だよ(困惑)。
  • 音声高音化バグ:ユーザーが他のユーザーの声を聴ける範囲に3人以上いる場合で、自分以外の誰かが喋った場合、その喋った人の声が何故か高音の、「匿名インタビュー」風の声になってしまう。しかしこれは場所によって発生しないこともあって、明確な条件が不明である。ライバーランキング決定戦vol.1を前にした更新から発生するようになったので、このことで一部参加ライバーからガチの苦情をスタッフ経由で運営に送ったとかないとか。

これ以外にもバグはあるが、代表的なものは上記である。これらはプレイするにあたって問題ないものであればよかったのだが、落ちたり動作に影響があるものが多いので大問題である。しかもライバーからすれば音声が乱れるのも死活問題であり、運営サイドの改善努力は認めるが手を抜いている感が否めない。ライト・メタバースとして将来性が高いだけに、この部分はしっかりとサポートしてもらいたいものである。一番効果があるのはユーザーの声を運営に届けることなので、バグに遭遇したら近くの公式スタッフに報告するのが最も近道になる。ついでに雑談の1つでもしていくと楽しめる。

αUがライト・メタバース新境地となる

以上でαUの解説を終了する。これまでのメタバースはいずれもPCやHMDを前提としているものが多く、これによって参入の敷居が高いと感じる人は少なからず存在した。かといって、参入がしやすいメタバースは何かと言われてもなかなか出てこないものだった。しかしそれはもう過去の話である。スマートフォン・タブレットのみのメタバースであるαUの登場によって、誰もが手軽にメタバースに入ることができ、メタバースとはいかなるものかをこれまでよりも簡単に体験することができるようになった

運営元となるKDDIはclusterに出資していて、その意味ではメタバース展開に積極的である。ただ、出資しているだけであるならKDDIとしては技術的部分は持っていない可能性はある。どちらにしても、その経験とKDDIとしてメタバースを出すという目標があって、まずその前身となるVCがβテスト的に展開され、満を持して3月7日にαUとなったわけである。そしてそこにcleaちゃんが公式スタッフとしてアバターワークをしていたことで、私も参戦する理由が出来たわけである。実際、これまで以上にcleaちゃんと話せるタイミングが増えた。

おそらく現在はまだ手探りな部分も存在し、それ故アップデートすると別のバグが発生するという状態であると考えられる。とはいえαUという試み自体は間違っていない。このようなライト・メタバースは、今後の企業ないし通信業者のメタバース展開の見本ともなるはずである。メタバースとはHMDやフルダイブ型であるべきもの、そんな常識が定着しそうな中で誕生したαU。ライト・メタバースという考えが流行することこそ、メタバースを成功させるために必要な要素になるはずだ。その先にある「面白い世界」を目指して。

 

以上、”αU metaverse”解説書~ライト・メタバース新境地~であった。次はどんなイベントが開催されるかな?

 

KIBEKIN at 00:00 Apr. 19th, 2023


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RA管理人。名前は時にない。かつてこのサイトを管理していた前任者はどこかへ消えてしまった。


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