この記事の概要を簡単まとめ!
- 開始から6ヶ月目でシーズン3へ突入する、APEXモバイル
- ゲームバランスは本家に準するも、その出来は本家よりも上に感じる
- シーズン3は本家APEXからアッシュが乱入、フェードに関係がある様子
- 公式キャッチコピー「慈悲無き扇動家」の「アッシュ」
- 死亡検知、死体の再利用「死の烙印」で敵の位置を知る
- 手裏剣っぽい罠「アークスネア」を投げ、電気的に敵を拘束する
- 「フェーズティア」で一方通行ポータルを狙った場所に開き、移動する
- 敵より先に敵の位置を察知でき、漁夫狙いの動きがしやすい
- フェーズティアを利用して位置を変え、敵を翻弄して優位に立つ
- 突然乱入してきたアッシュの目的は如何に
APEXモバイルのゲームバランス調整は、様子見しながら行われているようだ。私が感じるのはガスおじの調整がやや微妙ではないか、ということ。その考えはテンセント、もっと言えばLightspeedも同じ考えだったようで、その調整がシーズン2「アフターショー」で実施された。ガスの基本ダメージが上昇した代わりに、本家APEXと同様、ガストラップが破壊できるようになった。ガスおじも本家APEXに準ずる形で最適化された。後はワットソンさえいれば、空爆とグレネードに対する完全な対策になるので欲しいところである。データは既にあるはずだ。
APEXモバイルの独自要素の1つに、限定レジェンドがある。フェードとラプソディが該当し、これらは私の方でも実際に使用してそのレポートを出している。とはいえ限定レジェンドはなかなか作るのが難しいはずで、シーズン更新毎に1人、というのは無理な話になるだろう。EA本体より有能なLightspeedが過労死するのはまずいことだ。
また、限定レジェンドのストーリーを構築するにあたって、本家APEXのレジェンドをいくつか投入する必要があるとも感じていたようだ。以前は家族の復讐という意味でフェードとローバが繋がった。そしてフェードがクリプトと共にキングスキャニオンで試合中、上空に現れたコロシアムに侵入し、リングでチャンピオンになったときに、フェーズティアでいきなり現れたのがアッシュだ。これでAPEXモバイルにもアッシュが乱入することが確定したのである。APEXモバイルに参戦するにあたって、パークによるレジェンド自体の性能の変動もある。この点を踏まえて、APEXモバイルとしてのアッシュを分析することにした。
犯人はシンジゲートか、それとも別の者か
APEXモバイル詳細解説記事 第3回
開始から6ヶ月目、シーズン3へ突入
APEX Legendsを語るとき、単にAPEXとした場合はプレイステーション・Xbox・PC(・Switch)でプレイできる、所謂コンソール版を示し、APEXモバイルとした場合はiOS/Androidで提供されているAPEX Legends Mobile、スマートフォン版を示すことが多い。私は以前からコンソール版は本家APEX、スマートフォン版はAPEXモバイルと呼んで明確に区別している。
2022年5月18日の開始以来の動向を簡単にまとめると、シーズン1から限定レジェンドのフェードが同時解禁となり、後半は本家APEXからローバが登場した。続くシーズン2は2022年7月13日から開始となり、そこでは2人目の限定レジェンドであるラプソディが登場した。後半はクリプトが登場し、ドローンについてはAPEXモバイル独自の改良が加えられて、APEXモバイル限定で使い勝手が非常に良くなった。癖の強いレジェンドから汎用性の高いレジェンドとなり、戦場で見かける機会も多くなった。フェードも少々微妙だった性能に手が加えられて、これも適度に戦場で見かけるようになった次第である。
ゲームモードについては、本家APEXに準じてカジュアルとランクマが存在するが、APEXモバイルではそれぞれ1人称視点、3人称視点の2つの視点モードがある。また当初から本家APEXには存在しない6vs6型TDMと、本家APEXでもおなじみのアリーナがあったが、途中からアリーナはお休みになった。その代わりに敵を倒していくたびに銃が代わり、最大レベルまで行くと素手で3人を殴り倒すことで勝利となる「ガンゲーム」、某ゲームのパクリではないかと噂される、サテライトをハッキングする装置を置いて75秒経過するまで守り通す、防衛側はそれを解除する、あるいは敵を全滅させることで4本先取した方が勝ちになる「ハック」が定期的に入れ替わる形で登場している。ちなみにガンゲームはゲームルールを本家APEX用に調整した上で、本家APEXのゲームモードとして存在するようである。
そしてAPEXモバイルがしたのは、本家APEXでは絶対にやらないであろう「パークシステム」の実装である。これは開始当初から存在するもので、各レジェンド専用のレジェンドトークンを、そのレジェンドを使用するゲームプレイによって獲得し、レジェンド限定の特殊能力の解放・装備と特典を獲得できるものとなっている。能力については、全般・フィニッシャー・アビリティのそれぞれで3個存在し、そのうちの1つを選択して装備できるというものである。これはそれぞれでメリット・デメリットが異なるため、とりあえず全て使って確かめてから何を装備するかを決めていくというのが一般的である。このシステムはこれまでずっとランクマでは使用不可能であったが、後に解放されることとなった。
それ以外の余談としては、報酬が獲得できる特殊なトレーニングが週替わりで登場するようになっている。また、本家APEXよりもコレクション要素が多く、イベントも多いため、どちらかといえばソシャゲ感のあるAPEXに仕上がっている。が、特定のレジェンダリー以外は殆どは自力で獲得可能なため、特に重く考える必要はない。追加レジェンドも基本的に追加されたシーズンのバトルパスを25まで上げれば解放可能であるからだ。その意味では、本家APEXとは別のゲームとして楽しめるものに仕上がっている。
シーズン3、本家APEXとのゲームバランス比較
さて、シーズン3になってどうなったか、そして本家APEXとのゲームバランスはどうなのかを比較してみる。シーズン3の少し前、シーズン2の終盤で追加されたのがランパート製LMGのランページ。肝心のランパートが不在なのは微妙だが、弾数が調整されているのでランパート以外のレジェンドでも拡張マガジンLv3でテルミット加速をフル活用できるようになった。しかしディヴォーションも出戻りしてきたので、近接LMG対決は使用者の腕にかかっている。
レジェンドのバランス調整では、ブラッドハウンドの各アビリティの動作時間が短くなった。これまでソナーを照射してから行動できるまでの待機時間が長かったが、これが圧倒的に短くなり、隙がなくなるようになった。ガスおじは基本ダメージが8からスタートになる代わり、ガストラップは本家APEXと同様150の耐久値を持つようになり、破壊可能になった。ガスグレネードはリチャージ時間が120秒に短縮され、この部分は本家よりも強力になっている。フェードはフラッシュバックのリチャージ時間が5秒延びて、無理が効かなくなった。立ち回りを少し慎重にする必要が出てくるようになったのである。
まだレジェンドが多くないこともあるので、全体的なゲームバランスは本家と比較しても良好であると考えられる。というのも、本家APEXは「一体何がしたいのかわからない調整」をしていると感じることが多いためである。3年も続いていればマンネリ化することはあるにせよ、ウイングマンのスナイパーアモ化はなんだその改悪とも感じており、RespawnもいよいよDICE化してきたのではないかとも思った次第である。それに対しての相対的評価になりがちであるが、まだ極端な変更を加えていないこと、絶妙なバランスでレジェンドと武器が調整されている点で、テンセント/Lightspeedの方がゲーム制作の腕は良いように思える。後は未だに蔓延する、動物園から脱走したチーターの一掃を頼みたいところである。
シーズン3は本家からの差し金で参戦
これまで2シーズン連続で限定レジェンドが投入されてきた。これらがAPEXモバイル独自要素の1つとして挙げられるものである。ただ、毎回限定レジェンドを考えるのは疲れるようで、流石に3シーズン連続で限定レジェンドというわけにはいかなかった。それに代わってか、フェードに専用格闘武器、スーパーエターナル「星座」が実装され、レジェンドでなくてもAPEXモバイル限定レジェンドに関わる追加要素で期待に応えていることが分かった。入手条件は少々特殊であるので、一般ユーザーの入手はかなり遅いものとなるが。
だがレジェンドを追加することは変わらない。そのレジェンドのヒントはAPEXモバイルで出すトレーラーにある。トレーラーの順は、フェードがローバの協力(情報提供)で星座を取り戻し、キングスキャニオンで試合中にコロシアムが現れる(現在の読み込み中に流れるムービー)ものである。どちらも主役はフェードであり、コロシアムに乗り込んでレジェンドを倒しまくり、どういうわけかそこでちゃんぽんチャンピオンになる。訳がわからないような状況だが、そんなチャンピオンを無理矢理祝うかのような流れの中に、唐突に現実を引き裂いて現れた。
そんなことができるのは、本家APEX実装済みのアッシュ以外にいない。つまり、アッシュが乱入してきたのである。そしてムービーはフェード(星座装備)vsアッシュ(刀)となるところで終了している。これによりアッシュの参戦は確定するわけだが、APEXモバイルに参戦するにあたって、本家APEXと異なる部分が必ず出てくるはずである。そして本家APEXにおいて、アッシュの解説は行っていない。そのため、本家APEXと比較をしつつ、APEXモバイルとしてのアッシュを解説する。
「慈悲無き扇動家」アッシュ
アッシュのキャラクター概要
今回は本家APEXに既に参戦しているレジェンドである。そのためEA公式サイトのAPEX Legendsページから見れるレジェンド紹介をもとに、アッシュの基本情報を記述する。
- レジェンド名:アッシュ
- 本名:アシュレイ・リード博士
- 年齢:121
- 帰るべき世界:不明
- 戦術アビリティ:アークスネア
- パッシブアビリティ:死の烙印
- アルティメットアビリティ:フェーズティア
- 参戦までの流れ(本家):Titanfall2ではエイペックスプレデターズのパイロットであり、主人公ジャック・クーパーとの戦闘で死亡後、ヴィンソン・ダイナミクスの協力のもと修復。その後は本家APEXのトレーラーで何度か登場。シーズン9からアリーナのアナウンサーとなり、シーズン11でレジェンドとして登場。
- 余談:人間の頃、ホライゾンことマリー・ソマーズ博士をブラックホールに突き落とした張本人であり、そのこともあってホライゾンと非常に関係が悪い。ヴァルキリーとはパイロット繋がりであり、ヴァルキリーの父親であるバイパーとの関連もある。
- 情報ソース:アッシュ – 慈悲無き扇動家 – エーペックスレジェンズ™ キャラクター – EA + アッシュ – Apex Legends Wiki

人造人間、用語的にはシミュラクラムに分類されるアッシュ。同じ人造人間のレジェンドは本家APEXにレヴナントがいる。あちらは人間として生きた時期も含めて313歳である。ゲーム中ではアッシュの性格が表に出ていることが多いが、アッシュの元となったレイ=リード博士の人格が時々出現する。これは今のところ本家APEXでのみ見られる設定である。その際はまるで混線したかのように声が聞こえるようになっている。
アッシュはシーズン11以前からも度々登場していた。シーズン4トレーラーで顔だけ映った。シーズン5では頭が登場し、ローバのクエストで頭部パーツを集めるものがあった。シーズン6ではパスファインダーの恋人(パスファインダーが一方的に思っているだけ)として登場。その後ランパートとミラージュに会い、記憶が戻って、さらに上司であるブリスクと再会。パスファインダーに謝礼のメッセージを残してブリスクと共に去った。シーズン9では前述のアリーナアナウンサーとして登場。そしてシーズン11、ストームポイントへ「休暇」に来たレジェンド達に紛れて登場する、という形である1)参照:アッシュ – Apex Legends Wiki これの「レジェンドとして登場するまで」の部分に詳しい経緯がある。。
アッシュのストーリー:人間の頃の失敗、オリンパスのマップ、他のレジェンドとの関わり
アシュレイ・リード博士。フロンティアに生まれた彼女はプロジェクト:アイリスのメンバーの1人として参加していた。アウトランズのエネルギー危機を解決するための代替エネルギー源の発見を目的とするものだが、リード博士はエイペックスプレデターズに雇われ、その資源を強奪するという極秘任務に就く。そしてソマーズ博士がブランジウムを発見し、ブラックホールの降着円盤にしか存在しないそれを回収するために2人でブラックホールまで赴く。その際、ブランジウムの回収に成功したタイミングでソマーズ博士のシャトルの接続を切り離し、彼女をブラックホールに突き落とす。表向きにはソマーズ博士は事故により死亡、ということになる。ソマーズ博士自身は通常の時間経過で87年後に脱出しており、シーズン7でホライゾンとしてApexゲームに参戦する。
その後1人でブランジウムを持ち帰る。そして研究が開始されるが、精製方法に問題が生じ、その過程でMRVNを使うことが提示された。その際に生まれたのがパスファインダーである。そして(フロンティア系の時系列で)2658年12月25日、ブランジウム強奪を実行する。ただこの時、ソマーズ博士の息子のニュートン(インターンとして参加)を巻き込まないように解散させたうえで部隊を呼んで襲撃している2)参照:Stories from the Outlands – Ashes to Ash 冒頭でリード博士に促されて退室する人物がニュートンである。。生体認証突破のためにアメリ・パケット博士の左腕を切り落とし、ブランジウンはフェーズランナーでグリッドアイアンに送ろうとしたところで、パスファインダーの妨害を受ける。これにリード博士はウイングマン2発で無効化し、とどめを刺そうとした瞬間に、リード博士が持っていた刀を拾ったパケット博士に後ろから刺され、致命傷となる。その後、ブランジウムはアウトランズ近隣惑星に飛ぶよう調整され、パスファインダーと共にフェーズランナーで転送される。その後、研究所は自爆した。よって強奪は失敗、さらに自爆に巻き込まれ、リード博士は死亡したものと見られていた3)参照:Apex Legends – The Truth | Trailer パスファインダーが誕生した理由と事件の真相が描かれている。。
だが、かろうじて生きている状態で回収されていた。そして人造人間となるが、その過程で数年分の記憶が欠落し、自身の「死」がトラウマになって人格が破壊された。これによりアッシュが誕生する。そしてフロンティア戦争でジャック・クーパーによって握り潰されてまた死亡しては修理されて、決め手はホライゾンがアッシュのプログラムを書き換えたことで「レイ」が出てきたことによって、アッシュはゲームに参戦することを決めた、という形である。
ホライゾンをわざと突き落としたのがアッシュである。87年後にまさかの再開を果たし、Apexゲームでも共闘することになる。が、前述のことがあるので非常に関係が悪く、それは掛け合いで見ることができる。またオリンパスの「リフト」のマップ構造はこの事件がきっかけである。色々と大変なことをしでかしてくれたアッシュである。
アビリティ解説
ここからアビリティ解説を行う。アビリティ毎の解説となる。
パッシブアビリティ:死の烙印
人の死は、Apexゲームにおいては有用なものである。それは死体漁りという意味で、次の戦闘を生き残るためには必須の行動である。アッシュはその死をさらに活用する。Apexゲームが行われているフィールドの全てのレジェンドの死を検知することができ、デスボックスに対してはデータナイフを刺すことによって敵の位置を検知することができる。敵より先に敵を知る「死の烙印」がパッシブである。
前述の通り効果は2つ。敵が死亡した場合、アッシュのミニマップと全体マップの死亡位置に、デスボックスを示すドクロのマークが表示される。自分のチーム以外が倒した敵のデスボックスに対してデータナイフを刺してスキャンし、その敵チームの位置に自動でピンを刺すものである。前者は自動で実行され、後者はデスボックス1個につき1回のみ有効である。イメージは以下である。

敵の動向についてはキルログを参照することである程度わかるが、アッシュの場合は戦闘があった位置まで具体的に把握することができる。表示はデスボックスが発生してから180秒間で、時間が経つごとにその表示は薄くなっていく。マップ上のデスボックスに合わせてピンを刺すこともでき、本家APEXでは何秒前に死亡したかも判明する。リング内でデスボックスが発生した場合、確実に戦闘があったことを意味し、その直後であれば消耗してアイテム回収を行うことが多く、総じて無防備な状態になる。迎撃態勢を取られる前に襲撃すれば簡単に墜とせるはずで、漁夫型チームではかなり役に立つ。
戦闘を避ける生存型チームでは、戦闘は既に終了しており、敵も別の遠くの場所に行っていることも多いはず。その際に残っているのはデスボックスと低レアのアタッチメント、回復アイテムだけである。デスボックスのあるエリアが激戦区だった場合は既に敵も死んでいることが多いが、それ以外の場所なら大抵生き残っている。その際にデスボックスをスキャンすることで、それを倒した敵の位置を味方にも同時に通知できる。既に死んでいる場合でも、デスボックスの位置を通知するのでアイテム回収でも役に立つものとなる。
この時スキャンされた側は「アッシュが示した場所」(本家APEX)あるいは「アッシュに追跡されています」(APEXモバイル)という表示がされ、敵のアッシュが任意のデスボックスをスキャンしたことが通知される。敵が以前に戦闘した場所を覚えている場合、逆に自分の位置を示すことにもなるので実際に動く際は注意が必要である。逆にスキャンされた側なら、追ってくることを考慮して罠を仕掛けておくと迎撃しやすくなる。
なお、デスボックスの概念がないアリーナではこの効果は「敵が仲間を倒したとき、その敵の位置が通知される」に変更されている。あまり役に立たない。
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戦術アビリティ:アークスネア
アメリカはどうしてか、「ニンジャ」が好きである。だが現代の日本には現実世界には「ニンジャ」は存在せず、主に漫画とゲームの世界にのみ存在する。「アークスネア」も少々手裏剣を意識したかのような武器である。なお、スネアなので罠である。攻撃型アビリティのため、基本データを掲載する。
- 名称:アークスネア
- リチャージ時間:25秒
- ダメージ:10(シールドダメージは2倍、最大20ダメージ、鉄壁による補正の影響を受ける)
- 効果半径:4.1m
- 拘束テザー範囲:4.8m
- 発射初速:17.8m/s(重力による影響は0、速度変化(減速)なし)、APEXモバイルは明確な速度は不明だが速い。
- 発射体生存時間:10秒
- 構え中移動速度:x0.67(スプリント可)
- 持ち替え/収納時間:1.5秒/0.15秒
戦術アビリティボタンで構え、放すと発射する方式である。発射速度は投擲系アビリティの中でも非常に遅く、発射されたのを視認してからでも避けられるほどである。その代わり、重力影響を一切受けず、途中で減速することもない。狙った直線方向にレジェンド・障害物に当たるか生存時間を超えて消滅するまで進み続ける。障害物に当たった場合は約5.5秒残り、半径約4mの電撃状の範囲を展開する。
敵が飛翔中のスネアの拘束半径に入るか、既に刺さっているスネアの拘束半径に入った場合、10ダメージ(シールドがある場合は最大20ダメージ)を与えて約4秒間テザーで拘束する。飛翔中だった場合、その敵の真下にスネアが移動して拘束する。空中の敵に対して当てると地面に引き寄せる効果がある。刺さっているスネアの場合はその位置から拘束する。自分の放ったスネアは、自分や味方が触れても影響はない。ただし飛翔中のスネアが味方に当たると変な方向へ反射してしまう。
拘束状態では、スネアから一定距離を離れようとすると強く引き寄せられる。これに逆らい拘束範囲の端まで移動してテザーを伸ばすことで0.5秒程度早く拘束を解除できる。この際の移動系アビリティの動作は、グラップリングフック、ジップライン、グラビティリフトは引き寄せられるが持続的に移動するため通常よりも早く抜けられる。また、虚空に移動した、ジャンプドライブやフェーズティアを使用した場合は強制解除できる。使用例は以下である。
攻撃能力はあるものの、速度が遅いため躱されやすい。そのため相手への嫌がらせに使うのが基本である。速度が遅いことの逆利用として、スネアが迫ってくることを相手に見せて、迎撃を牽制することやその場から強制退避させるために使うことができる。障害物に刺さると判定が残ることを利用するのなら、スネアを手前に落とし、接近を防ぐ、ドアから入ってこようとする敵への牽制にも使える。また、実用的なものとしてはグレネードや範囲攻撃系アビリティとの組み合わせもある。考え方次第では様々な使い方ができるものとなるので、これは別項で解説する。
アルティメットアビリティ:フェーズティア
移動系アビリティのうち、無敵時間を有するもので多くのレジェンドがお世話になるのがレイスのポータル(ディメンションリフト)である。APEXモバイルに限定すればフェードのフェーズチャンバーも移動に使うことができる。ただ、レイスの場合は人力で移動できる範囲の2点間を繋ぐもので、低所から高所に繋げるということは殆どで不可能である。低所から高所に移動したい場合はパスファインダーかオクタンかホライゾンを呼ぶ必要がある。ヴァルキリーでは時間がかかる。ただしそれらの移動方法は無敵ではないので、撃たれれば普通に危険だ。
アッシュは一方通行のポータルを自身の剣で切り裂いて、任意の場所に配置して移動することができる。これが「フェーズティア」である。Ultボタンで剣を構え、射撃ボタンで発動。押した時点で向いていた正面の地上まで届くポータルを展開する。ポータルは誰でも使用でき、アッシュは展開後即座に移動する。リチャージ時間は120秒、ポータルの有効時間は15秒である。最短距離6m、最長距離は水平で63.5m(APEXモバイルの説明では62.5m)、高さを考慮すると最大88mまで展開できる4)参照:アッシュ#アルティメット – Apex Legends Wiki 注釈1によると、63.5mはあくまでも水平距離であるので、高さが関わる場合はその距離が63.5m以上でも展開できる。また、水平距離限界の63.5mを前提にした場合、60mの高さまで届く。。展開したポータルはマップ上に表示される。使用例は以下である。
これは単純な移動アビリティ、というわけでもない。最初は狙った場所に出口を置くのは難しいが、慣れると咄嗟に置くことができるようになる。高所への移動の他はダメージの足場を避けた移動、普通に移動すると時間のかかる2地点間の移動、戦闘時の有利位置確保・射線増加、逃げる敵を追撃、安全地帯への移動など、様々な使い方ができる。また、格子状の窓であれば内側から外側への壁抜けも行える。ただしポータルの入口は振った剣先に作られる関係で、剣を振る範囲に障害物があると展開できないので注意。この点さえ注意すれば、いくらでも使えるものである。
アッシュが最強であることを証明するための戦い方
アッシュの基本解説を終了したところで、今度はどのように戦っていくのが理想かを考える。ここから書いている内容は、APEXモバイルを基準としているものであるので注意。
デスボックスを検知できることを生かした立ち回り
「死の烙印」のデスボックス検知は便利なもので、どこに敵がいるかが丸わかりである。戦場では些細な情報さえ重要であるので、これをどう生かすかがアッシュを運用する上でのポイントになる。アビリティの項でも解説したように、パターンとしては漁夫襲撃型と生存重視型の2つに大分類される。どちらのパターンになるかは、レジェンドの組み合わせに依存することになる。
漁夫襲撃を行うのなら、重要なのはスピードである。その意味では最もオーソドックスであるのがオクタンとレイスだ。この2人の組み合わせはどのAPEXでも見ない日はなく、殆どのレジェンドとの組み合わせに適合するほど万能でありこの2人だけ異様に動物園から逃げだしたチーターが好む、困ったらとりあえずこれにしておけば何とかなるというものだ。戦闘に自信があり、もっとスピードが欲しいならパスファインダーも選択肢となる。この構成はいずれも全員のUltが移動系になるが、それぞれは使い分けが可能なので案外生存率も高いはずだ。
生存重視の場合はアイテム回収と敵より先に防御を固める動きとなるだろう。アイテム回収を優先するなら当然ローバが候補に挙がる。ケアパッケージを使えるという意味ではライフラインも有効である。本家APEXではUlt時間が調整されて210秒となっているので、先に高レア装備を整え、後半で持久戦となるときに障害物と回復を用意できるという点で組み合わせとしては理想的だ。防御を固める場合はガスおじ、ワットソン、ランパート、新城ニューキャッスルが候補である。しかし防衛系レジェンドは2人も要らないであろう。この中から1人がいれば十分だ。つまり組み合わせはサポート系1人+防衛系1人である。戦闘寄りの防衛系であればジブラルタルも選択肢に入るので、「死の烙印」のもう1つの効果であるデスボックスサーチを使い、アイテム回収もするが戦闘もするという場合はこれでも合う。何度かそれぞれの組み合わせを試し、自分に合うものを探すといいだろう。
フェーズティアはどんなことにも使える
フェーズティアの基本は移動である。使用目的やタイミングについてはアビリティ解説で書いた通りである。リチャージ時間は120秒で、殆どのレジェンドのUltと同じである。移動系アビリティの中では万能であり、戦闘でなくても使う機会はかなりあるはずだ。ただ乱発していると肝心な時に使えないので、見極めは必須である。
移動についてはアビリティの項で解説した通りである。パスファインダー、オクタン、ホライゾンはアビリティで味方も移動可能であるが、これらの場合は無敵効果がないのはそこで解説した通りである。レイスのポータルは無敵時間はあっても物理法則を捻じ曲げられないので、高いところや安全な場所に行くには自分で移動して道を作らなければならない。その際の移動時のタイムラグや操作ミスなどはないとは言い切れず、場合によっては銃撃される危険性もあるわけで、それは運と味方の熟練度も大きく関わってくる。これに対しては、フェーズティアは直線移動ではあるが、発動は即時であり味方も近くにいればすぐ使えるものになる。しかも移動中は実質無敵で、ポータルから出た直後に発生する硬直も殆どない。移動中の短時間の間に判断し、移動完了後はすぐに動けるので、思っているような動きがしやすい。チームを組んでいる場合はVC連携を使うとかなり効率が良くなる。
戦闘時は様々な使い方が考案される。移動に要する時間はローバのジャンプドライブよりも早い。出口の設置場所は障害物の後ろには置けないので、障害物間で隠れながら移動するのは難しいものの、敵の視線が外れているタイミングで移動して側面や後ろを取れれば不意を突いて有利に戦えることも多いはずだ。或いは距離がある味方が戦闘中、その場所に急行して加勢するにも使える。流石に1vs3な状況では自殺行為だが、1vs1に突然現れて2vs1にするということになれば、かなり有利に事を進めることができるはずである。敵にはかなりのプレッシャーになるはずだ。特に足が速いオクタンに合わせやすくなる。
オクタンだと知らない間にどこかに行ってしまっていることが多い。自称プレデター様(悪質なマスター○ーション)はともかく、自己管理のうまいオクタンでもたまに負ける。他のレジェンドでは同じように動けない分、このような方法で追撃できるわけである。また15秒ポータルが有効なため、味方のレジェンドも同じように移動することができる。味方の操作によらず移動できる点では、安定性が高いと言える。
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実は空中発動もできる
普通、レジェンドはアビリティによって空を飛ぶ以外は地上にいる。アビリティの影響範囲が自分のみか、他のレジェンドにも影響を与えるかの違いがあるが、いずれも数秒しか持たないので恒常的に空中に滞在することは不可能である。また、設置型アビリティの場合はそもそも空中で使用することができないか、使用すると地上に落ちてから効果を発揮するものが多いので結果的に意味がない。地上に縛られているとはホライゾンが言ったが、そのホライゾンでさえグラビティリフトは数秒が限界だ。
アッシュの場合はどうか。実はフェーズティアは空中でも発動できる。同時にジャンプ中でもスライディング中でも、剣を振る範囲に障害物がなく、設置できる距離内であれば発動できるということでもある。もっともスライディング中は狙いが定めにくいのであまりやらないと思うが。空中で周囲に障害物がない場合と、あっても進入禁止区画である場合は使いどころがほぼないが、ジャンプパッドやグラビティリフトを併用して普通なら届かない高所に一気に登り詰めたり、ジップラインの途中で降りてフェーズティアで別の地点へ移動、ということもできてしまう。大幅ショートカットであり、戦闘中ならかなり敵の不意を突きやすくなり、回避としても使うことができる。
発動タイミングも即時で変わらず、入口も空中に漂う。一方通行故に敵をポータルに誘導して罠にはめる、極悪レイスの使い方はできないが、空中にある以上敵が利用することも難しい。当然味方も使うのが難しいものになってしまうが、この場合はそこまで気にならない。相当に強い味方かチームを組んでいる場合には、この使い方についていける人もいる。アドバンストレーニングとして練習してみるのもいいだろう。
各種パークとの組み合わせ
ここからはAPEXモバイル限定の要素であるパークシステムを見ていく。現在はランクマッチでも有効になったパークシステム、組み合わせの重要性が高くなった。まずは構成内容とマッピングを確認する。
- 全般1「戦利品」:表示されるデスボックスマークに色がつき、中に入っている最も高ティアのアイテムの色を示す。
- 全般2「レッドハンドリビール」:スキャンされたデスボックスを敵が初めて利用すると、その位置のシグナルが送信される。
- 全般3「強化ハンティング」:3回スキャンすると多くの情報を得られる。6回スキャンするとスキャンしたデスボックスの倒したチームの位置が定期的にマップに表示される。
- フィニッシャー1「バトルアダプテーション」:フィニッシャーを完遂すると進化シールドの経験値が+200される。
- フィニッシャー2「デッドリーモメンタル」:フィニッシャーを完遂するとアルティメットアビリティのクールダウンを30%短縮する。
- フィニッシャー3「マガジンサブスクリプション」:フィニッシャーを完遂すると使用中の武器のアモを回復し、8秒間リロードが早くなる。
- アビリティ1「絶えないトラップ」:アークスネアは投げた後も効果が持続するが、破壊できるようになる。
- アビリティ2「正確な扇動家」:アークスネアの投擲軌道を調整することができるが、速度が低下する。
- アビリティ3「シャドウステップ」:フェーズティアは最初の発動後7秒以内は再度発動できるが、射程距離は半分になる。

全般はパッシブに関係し、アビリティは2つがアークスネア、もう1つがフェーズティアである。フィニッシャーは前衛型レジェンドの構成である。APEXモバイルにおいては初動で激戦区になる場所がかなり決まっており、現段階では全般1が安定するだろう。というのも、デスボックス密集地帯で調査しても生存しているのは1~2部隊程度でしかなく、初動が同じく激戦区だった、或いは全く被らない場所に降りてから到着した場合は全般3の効果はあまり生かせない。初動が激戦区だった場合に限っては全般2も使えることには使えるが、スキャンの条件は「自分以外のチームが倒している」ことなので、自分達が倒しまくっていると使えない。どれも原則として敵部隊の動向に依存する効果であるが、全般1はデスボックスのレアリティを表示するので、それを頼りに動く方がおすすめではある。
アビリティパーク考察:安定するのは1番、トリッキーに行くなら3番
アビリティに関しては、最も汎用性が高いのがアビリティ1だ。これは刺さった後のスネアの持続時間が実質無限となり、ガストラップのように使うことができる。これを使うと破壊できるようになるものの、刺さったスネアは小さいため視認が難しい。このため悠長に破壊している暇はなく、一番早いのは(テルミット以外の)グレネードで巻き込むくらいである。だが殆どの人は破壊せずに放置する。刺さった後の範囲は変動しないため、激しいインチキな動きをする敵チートプレデター様を黙らせるのにはもってこいである。設置型トラップとしての利用ができるとアッシュの活躍の幅は広がる。
アビリティ2は発射直後のスネアの軌道を左右に曲げることができるものである。その代償として、投擲速度が本家APEXと同じくらいになる。曲げることができるのは投擲後約3秒までで、その間はアビリティボタンにスティックが表示され、それで操作することができる。操作感は次の動画が参考となる。
スティック操作は思いきり曲げると大きく曲がる、という感覚である。これで動く遠距離の敵にも当てやすいかと言われると、実はそうでもない。3秒しか操作できないので遠距離の敵に当てるのは実際には難しい。ならば近場の敵となるが、果たして悠長にそんなことしていられるかと言われると、実際そんな余裕はないというのが答えである。大抵は投擲したらそのまま攻撃や移動を行って、相手にプレッシャーを与える方がいい。
アビリティ3は、フェーズティアで移動後、7秒以内ならもう一度フェーズティアで移動できるというものである。その代償が、1回の距離が半分になるということ。通常が63.5mなので、1回の距離は31.75mとなる。参考動画が以下である。
7秒は長いようで短い。そのため微調整している時間はそれほどない。無駄にしないためにも素早く動くことが必要になる。また、単に2回移動するために使うのであれば意味はない。用途は1回のフェーズティアでは到達不可能な障害物の裏へ回り込むような移動をしたい場合や、距離を取らないと出口を置けない場所にその場から移動したい場合などに使えるはずである。また、2回使えることを利用して、行って帰ってくれば15秒限定のレイスのポータルのようになる。フェーズティアならレイスができない、高低差を無視した下から上に行って帰ってくるようなポータルを作ることもできる。実用性は定かではないが。
突然乱入してきたアッシュの目的は如何に
APEXモバイルは、本家APEXとは開発・運営もストーリーも分離されて進むことが確定し、主にシーズン1から投入された限定レジェンドであるフェードを中心にストーリーが展開されている。これに本家APEXから、フェードのストーリーに合致するレジェンドととしてローバがまず投入された。両者の共通点は家族を失っており、復讐に生きていることである。ただしローバの場合はレヴナントとの利害一致によって休戦し、協力体制となっている。まだAPEXモバイルには登場していないのでこのあたりの扱いは不明である。
シーズン2のラプソディは今のところ、シーズン3ではストーリーには直接的に関わっているところはない。また、レジェンド個別のストーリー(Stories from the Outlands)も未公開である。これから作られるものであることは間違いない。そして迎えたシーズン3は、限定レジェンドは出現せずとも限定レジェンドの限定格闘装備「星座」で答えた。そして肝心のレジェンドは、アッシュだった。まるで本家APEXからの差し金とも言える登場、Titanfall2からの実質的な続投組であり、本家APEXではホライゾンと最も関係のあるレジェンド。今ではおなじみのフェーズティアでフェードの目の前に現れる。
この流れからするに、アッシュはフェードに関する何かを知っている可能性が高い。それが何かということはこれから明らかになってくるであろう。それがフェードのスーツなのか、家族を殺害した襲撃者についてなのか。もしくは「星座」についてなのか。いずれにしても目が離せない状況になってきている。そしてアッシュの乱入の目的は一体何であろうか。その答えを知るためにも、APEXモバイルに参戦してみてはどうだろうか。
以上、APEXモバイル・レジェンド分析~シーズン3:アッシュ乱入~、であった。次は何の記事で会おうかな?
KIBEKIN at 00:00 Nov. 6th, 2022
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脚注
本文へ1 | 参照:アッシュ – Apex Legends Wiki これの「レジェンドとして登場するまで」の部分に詳しい経緯がある。 |
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本文へ2 | 参照:Stories from the Outlands – Ashes to Ash 冒頭でリード博士に促されて退室する人物がニュートンである。 |
本文へ3 | 参照:Apex Legends – The Truth | Trailer パスファインダーが誕生した理由と事件の真相が描かれている。 |
本文へ4 | 参照:アッシュ#アルティメット – Apex Legends Wiki 注釈1によると、63.5mはあくまでも水平距離であるので、高さが関わる場合はその距離が63.5m以上でも展開できる。また、水平距離限界の63.5mを前提にした場合、60mの高さまで届く。 |