この記事の概要を簡単まとめ!
- 本家とは住み分けがされるAPEX Legends Mobile
- APEXモバイル限定要素はプレイする理由の1つとなる
- レジェンドもAPEXモバイル限定が存在する
- 公式キャッチコピー「フェージング・パニッシャー」の「フェード」
- スライディングして立ち上がればスーツがブーストする「スリップストリーム」
- 虚空に入り自身の位置を少し戻す「フラッシュバック」
- 「フェーズチャンバー」で範囲内のレジェンドを虚空へ送る
- アビリティを利用すれば多少の無茶や不利な状況からの脱出が可能になる
- フラッシュバック中は実リロード時間を無視してフルリロード、これは合法チートか
- 虚空を使いこなし、敵に恐怖の現実を突き付けろ
「同じ名前の全く別物」は、現代では珍しくない。最もわかりやすい例は曲にある。昔に流行った曲をリスペクトしたアーティストが同名で独自のアレンジを加えたバージョンでそれを歌っていることが多い。そして「同じ名前の全く別物」は曲以外のあらゆるものに適用されていき、今では些細なものでさえ「同じ名前の全く別物」がある。これは少ない場合はまだ区別可能だが、増えすぎればメジャーかマイナーかに関わらず、どれのことを言っているのかわからないことが頻発することとなる。とはいえ創作を続けていけばいずれ限界が生じ、「同じ名前の全く別物」を避けることは不可能である。
APEXモバイルもそれである。完全に同じ名前というわけではないが、本家APEXとは様々な点で異なるゲームとなった。本家APEXとは異なるバランス調整、存在しないゲームモード、APEXモバイルにしかないレジェンド。それらの点で別のゲームとしてなら受け入れられるものになっている。
今回取り上げるのはそのAPEXモバイル限定レジェンドについてである。現時点ではまだ1人しかいないが、本家APEXとAPEXモバイルはそれぞれ明確に方向性が異なるため、本家にいないレジェンドはこれから増えていくものと考えられる。そこでまず、シーズン1の時点で実装されているAPEXモバイル限定レジェンド、フェードについて解説する。このレジェンドがもたらすものは復讐か、或いは自身の死か。実際に使用して、深掘りしていく。
ひとっ飛びできる目次
ブンブンハローフェージング・パニッシャー、どうもKIBEKINです。
APEXモバイル詳細解説記事 第1回
前提:APEXモバイルの認知
解説するにあたって事前知識として必要なのがAPEX Legends Mobile(以下APEXモバイル)の知識である。残念ながら、APEX Legends(以下本家APEX)のことではない。一般的にモバイルと名がつくものはコンシューマ版及びPC版の劣化版とされ、馬鹿にされがちである。またコンシューマ版をプレイしている人がわざわざモバイル版をプレイするということもあまりないため、果たしてAPEXモバイルがどんなものであるのかという情報が流れてこないのである。そういうわけで前回記事として私はAPEXモバイルについて調べたのである。
この記事で解説しているのは、APEXモバイルがリリースするまでの経緯、操作方法、限定要素についてである。簡単に詳細をまとめると、2021年4月から非常に狭い地域でのβテストが開始され、しかし進行状況についてはあまり詳細が語られないままであった。モバイル版の反応についてはまちまちで、特に注目されるとかでもなかったようである。したがって殆どの人はAPEXモバイルについては頭の片隅のさらに奥にしまっているか、或いは殆ど忘れていたような人が多いはずだ。
その静寂を打ち破ったのが2022年3月で、APEXモバイルの宣伝・情報通知を行う日本語アカウントであるAPEX Legends Mobile Japan(Twitter)が登場し、2022年5月18日に正式リリースが開始されること、同時に事前登録特典の広報、カウントダウン、プレゼント企画も行われていた。現在は落ち着いているが、時折APEXモバイル特有の内容をツイートすることがあるようだ。その後の正式リリース後は、実際にプレイしてみて、特に取り上げたのが本家APEXとの比較とAPEXモバイル限定の要素についてである。私は最初は侮っていたが、これが本家APEXをリスペクトしつつAPEXモバイル独自の要素を加えたものであると判明したとき、敢えてやらない理由はなくなったのである。私個人の感想であるが、わざわざPCを動かさなくとも、ミドルクラスのスマホさえあれば手元でAPEX Legendsができるわけなので、本家APEXよりも楽しんでいる。逆に私は、本家APEXをよりやらなくなってしまった。現状はclea氏のために復帰したところがあって、clea氏がやらなくなった時は本家APEXの引退もあり得るものになってきている。
APEXモバイル限定要素はプレイする理由の1つとなる
さて、そんなAPEXモバイルであるが、単純にバトルロイヤルモード(カジュアル)でプレイするにも独自要素が絡んでくる。それがパークの概念であり、そのために普通にプレイしていても面白いのである。ただ、パークなしでやりたいという人は一定数はいるはずで、その場合はカジュアルではパークなしでプレイするのが難しくなる。その分、パークなしでやる場合はランクマで代用できる。ランクマの場合は強制的にパークが無効化されるためである。もっとも、強者ばかりが集まるランクマではそのうち嫌気がさしてしまうことであろうが。
同時に本家APEXでは実装されたことのないゲームモードが多数実装されているのも、APEXモバイルの特徴である。6vs6のTDMは、本家APEXには存在せず、今まで存在しなかったゲームモードでもある。過去のパッチノートを参照しても、コンクエスト型であるコントロール以外にマルチプレイのゲームモードはなかったため、APEX Legends全体でもTDMが存在するのはAPEXモバイルが唯一であることが言える。ほか、報酬付きの特殊なトレーニング、APEXモバイルでも独自の間隔及び期間で行われる期間限定モード。これらは完全に本家APEXとは独立かつ分離して運営されている。
これは推測であるが、本家APEXとAPEXモバイルはそれぞれ別に動いているが、”APEX Legends”全体で考えたとき、設定・マップ・レジェンドのリソース等はRespawnとLightspeed Studiosで共有しているものと考えられる。もちろん、APEXモバイル向けに様々な調整ないし新規製作を行ったうえでの実装となるであろうが、そうでなければ「古い頃」のワールズエッジやキングスキャニオンを綺麗に再現するのは難しいためだ。このあたりは特許や著作権が関わってくるように思うが、専門家ではないのでこの点については考えない。
これらを考慮すると、本家APEXのオリジナリティを極力壊すことなく、APEXモバイルだけの要素を上手くなじませるようにしていると分かる。今のところ、本家APEXに登場しているレジェンドは最新シーズン時点での調整後の状態(ライフラインのみシーズン8の頃のもの)に合わせられているので「このレジェンドが壊れている」ということは起きておらず、APEXモバイル限定レジェンドのフェードも極端に強いわけではない。見事にうまく調整された状態で、それに加えてAPEXモバイルでしかできないことがある。それだけでもAPEXモバイルをやる理由はあるというもので、私が本家APEXよりやっているのはこれが大きいのである。もっとも、PCを起動してプレイするよりも手軽にできるというのもあるが。
1人目のAPEXモバイル限定レジェンド
APEXモバイル限定レジェンドについては、ここに至るまでに既に何度もその名を出しているため、もうわかっている人の方が多いであろう。そのレジェンドの名はフェードだ。このレジェンドは最初からAPEXモバイルのみでの運用が考えられているようで、現段階では本家APEXへの移植予定はないと公式より明言されている。もっとも、今後のユーザーの動向次第では本家APEXへの逆輸入もあり得るので、この点については情報をチェックしておく必要がある。
フェードは本家APEX及びAPEXモバイルに存在する既存レジェンドの中では、虚空を利用するという点でレイスと似たレジェンドになるが、決して能力が丸被りというわけではなく、使い方もかなり異なるレジェンドに仕上がっている。特に戦術アビリティは癖が強く、使い方が難しいアビリティとなるが、これを使いこなすと攻撃面で非常に大きな貢献が可能となるレジェンドでもあることが、実際に使用していて判明したのである。本家APEXでは使えないレジェンド、果たして中身は一体どうなっているかを詳しく見ていくこととする。
「フェージング・パニッシャー」フェード
フェードのキャラクター概要
APEXモバイルは本家APEXと異なり、設定こそあるもののEA公式に書かれている情報がやや乏しい。今回はwikiの情報も利用して、フェードの基本情報を記述する。
- レジェンド名:フェード
- 本名:イグナシオ・フアマニ
- 年齢:26
- 帰るべき世界:ソラス(慰めは誤訳)
- 戦術アビリティ:フラッシュバック
- パッシブアビリティ:スリップストリーム
- アルティメットアビリティ:フェーズチャンバー
- 余談:元々は家族でハイテク専門のトレジャーハンターを行っていたが、フェードの着ているスーツの一件で家族を失っている
- 情報ソース:「エーペックスレジェンズ モバイル」のキャラクター – Electronic Arts + Fade – Apex Legends Wiki

この身なりで26歳であるが、そう言われても全くそう見えない。だが老けているようにも見えない。それは顔だけを覆うマスクをしているためであろう。フェードはこのスーツを使いこなしているが、これにはフェード自身がAPEXゲーム参戦前に遭った悲惨な出来事、それもこのスーツが原因であり、ゲームを制覇した後このスーツを壊すためにマスターしたという。このことについては次の項で解説する。
ちなみに、英語では”Phase Punisher”のところ、日本語版では「フェージング・パニッシャー」となっている。これはゲーム内での表示に基づいている。直訳では語呂が悪かったのであろうか、英語と日本語が少々一致しない珍しいパターンである。なおEA公式ではフェーズパニッシャーと、翻訳は不安定である。
フェードのストーリー:家族を殺された原因となるスーツ
フェードが参戦する前、イグナシオは軍事技術ハンターの家系に生まれた。元傭兵である父と兄と共に、最新兵器の遺物を探し出してはそれを高値で売るということを生業としていた。ただ、イグナシオはその末っ子であり、いつも見張り役をさせられていたのである。それに満足していない彼は自分の価値の証明をしたいと思い、父と兄には黙ってあるクライアントと連絡を取って、「失われたある試作品のスーツを見つければ高額な報酬を約束する」という契約をした。その後、実際にそのスーツを探すことになった。
このスーツが入ったコンテナは、IMCの貨物船だった。つまりIMCの実験絡みのスーツであり、明らかにいわくつきである。そうとは知らず家族はスーツを見つけるが、そこでクライアントは裏切った。クライアントは家族の後をつけており、最初から強奪するつもりでいたわけだ。だがイグナシオは惹かれるようにそのスーツを既に装着していた。彼がスーツを起動すると、フェーズ技術によって「彼だけ」別次元に移転してしまい、残された家族はクライアントが率いる傭兵部隊に殺されてしまう。なんとかスーツを使いこなして元の次元に戻ってきたときには、血痕以外には何も残っていなかった。
この出来事を前にして、イグナシオは「フェード」としてAPEXゲームに参加することを決意する。その目的は復讐のため、自身に注目を集めて、隠れているクライアントを誘き出し、それに血の代償を払わせることである。そして復讐を果たしたとき、フェードはスーツを破壊し、全てを終わらせる。そのために生きてデスゲームに挑むという、参戦理由が後ろ向きかつ復讐に生きるタイプのレジェンドである1)参照1:「エーペックスレジェンズ モバイル」のキャラクター – Electronic Arts2)参照2:Fade – Apex Legends Wiki。その意味では、本家APEX(APEXモバイルでも参戦確定)のローバに近い。そして6月24日、動画でフェードのストーリーが公開された。
フェーズ技術に関してはレイスの件があるように、IMCが積極的に研究を行っていた。発見したときにIMCの貨物船にあったことから、このスーツはレイスの失敗の後に新たに作られたものであるとも考えることができる。ところで、設定上APEXゲームが開催されている次元ではIMCはフロンティア星系から撤退済みであり、フェードもこの次元の出身であると考えると、なぜIMCが未だに存在するのかの理由が上手く説明できなくなるが、このあたりはSTORIES FROM THE OUTLANDSで語られるのを待つだけだ。
アビリティ解説
ここからアビリティ解説を行う。アビリティ毎の解説となる。
パッシブアビリティ:スリップストリーム
APEX Legends共通の移動方法として、スライディングジャンプによる加速移動が頻繁に行われる。これをタイミング良く連続で行えると、直線の高速移動速度は非常に高いものになるが、修得は難しい。ちなみにAPEXモバイルでは連続スライディングジャンプはかなりやりやすくなっており、高速移動は実に容易く行うことができる。たのだが、運営側としては想定していない「運動量保存則」だったため、修正された。
この移動を補助する機能がスーツに搭載されている。パッシブアビリティ「スリップストリーム」は、スライディングを行うとブースターを起動し、約3秒間加速する。加速率は+15%となっており、これは武器を持たない状態で走っている時の速度と同じである。武器を持っていない場合は、武器を持って走っている状態の速さを1.0として1.15倍なので、それに1.15倍上乗せした1.3225倍が最高速になると思われる。実際に走っているのが以下の動画である。
特に意識しなくても簡単に発動し、ついでに3秒間だけ走る速度が早くなる。普段の移動でも使うことができ、敵との戦闘では逃げる敵に追い打ちをかける、戦線から離脱する際に使用するのに向いているものとなる。流石にオクタンやブラッドハウンド(Ult中)には敵わないものの、移動が速くなるだけでもアドバンテージを稼ぐことができるので、これを上手く使いこなせれば立ち回りがしやすくなるはずだ。ただ、自分の意志に無関係に発動する関係で、敢えて発動しないということができないのが難点である。とはいえ、この点についてはあまり気にならないであろう。
なお、クールダウン時間については明記されていないが、実測値で効果終了から約8秒後にリチャージされ、全体で考えると約12秒である。リチャージ完了時にはブースターの音が鳴り、TPPの場合は背中のユニットからブースター炎が再点火するエフェクトでも分かる。これを目印として使っていくのが基本となる。
戦術アビリティ:フラッシュバック
フェードの着ているスーツは別次元に移転させるほどのエネルギーと力を持つ。その力を制御したフェードは、別次元に移転しつつ、自身を「巻き戻す」ことができるようになったのである。戦術アビリティ「フラッシュバック」はフェードがAPEXゲームを生き残る上で非常に役に立つアビリティだ。
フラッシュバックを使用すると、約0.85秒の予備動作の後に虚空に入り、約2秒間虚空に滞在する。そのうちにフェード自身は約10秒前に居た場所に戻る。フラッシュバック中はレイスの虚空と同様に完全に無敵であり、またフラッシュバックは任意のタイミングで解除することもできる。とはいえ、あまり途中で解除することはないようである。なお、虚空特有の現象として軌跡が見えるため、戻る場所が近すぎる場合は先回りして撃たれる可能性があるので注意。この点はレイスと同様である。実際に使用したイメージが以下である。
ここでは高所から一気に降りた直後にフラッシュバックを起動し、ジップラインで最高高度に到達する前の場所に戻っている。この時の動画のタイムレコードからもわかるように、10~12秒前の状態であることが分かるはずだ。またこのときR-99を撃ちながら降りて、その後で起動しているが、そのR-99の弾数が元に戻っている。それも完全に撃ち切った状態からである。なので上手く使えばリロードの隙を見せずに連続攻撃が可能で、或いは回復を挟んでもすぐに攻撃に移れるのである。このあたりの詳細については後述する。
フラッシュバックのリチャージ時間は20秒で、比較的短い。そのためいざというときに使えないということは、余程乱発しない限りは発生しないはずである。
アルティメットアビリティ:フェーズチャンバー
フェードのスーツは、胸部中央に起動コアを持つ。それは正十二面体か正二十面体かのサイコロの形をしており、かなり小型である。そしてスーツの右肩には円盤がついている。投げやすい形をしているそれは、武器として使うにはうってつけだ。フェードはこの2つを組み合わせて攻撃に転用した。アルティメットアビリティ「フェーズチャンバー」は、攻撃と防御の両面で活躍するアビリティだ。
Ultボタンを押すと、円盤を右手に持ち投擲準備をする。角度は右画面のスライドで変更し、射撃ボタンで投擲する。かなり遠距離まで投げれるようで、不意打ちもしやすいようである。投擲後は地面に完全に落下すると半径30mの範囲で爆発が起き、その範囲内の敵に10ダメージを与える。その2.5秒後に30m以内にいた全てのレジェンドは4秒間虚空に飛ばされる。2.5秒以内に抜け出すと虚空には送られない。虚空に送られているレジェンドは移動以外の行動は行えず、自分と味方以外のフェーズチャンバーで虚空に送られている場合は移動速度が低下する。虚空から抜けた後は通常通り行動することができる。使用イメージは以下である。
動画では外側から虚空送りになっている状態と、自身が虚空送りになっている状態の2つを例として掲載した。虚空に送られているレジェンドに対しては現実側からの攻撃は一切通じず、虚空に送られているレジェンドは現実側からの攻撃を受けないので、一時的に互いに不干渉になる。ただし位置を確認することができ、自分または味方のフェーズチャンバーによって敵のレジェンドを虚空に送っている場合はそのレジェンドがスキャンされる。そのため、待ち伏せして出てきたところに攻撃を仕掛けて反撃する隙を与えずに倒すこともできる。また、3人部隊を相手にする場合は、1~2人を虚空に飛ばしている間に残った敵を集中砲火で先に潰しておくという戦略もとれるであろう。
ただ虚空に送るには地面に完全に落ちてから2.5秒必要であり、投擲の瞬間を目撃されるとそれを避けるように行動することは確実である。そのため狙って虚空に送るなら、射角を調整して敵の近くに落ちるよう調整する必要がある。或いは避けられることは前提として、牽制打として投げて敵の動きを制限する使い方もある。幸い、リチャージ時間は90秒で、オクタンのジャンプパッドと同じである。使える状態なら積極的に使っていっても問題ないはずだ。
復讐のために戦うフェードのAPEXゲーム
フェードの基本解説を終了したところで、今度はどのように戦っていくのが理想かを考える。ここから書いている内容は、私KIBEKINの経験からの考察も含まれているため、1つの参考戦術として見るといい。
フラッシュバックの使い方
フェードはフラッシュバックによって、自分の位置を少し前に戻すことができる。このフラッシュバックをいかにうまく使えるかによって、自分ないし味方が有利になるかどうかが変わってくる。ただ闇雲に使っては位置を戻すだけなので何のメリットも生まないが、うまく使えば敵の不意を突くことができ、不利な状況から抜け出すこともできる。
「少し前の位置に戻れる」ということを利用すると、距離を一気に移動する行動とアビリティとの相性が良い。現時点ではジャンプパッドとの併用、レイスのポータルによる移動、高所から一気に地上に降りる行動が該当する。「約10秒前」の意識をすると、それで敵の近くに移動したら使用中の武器の1マガジンを撃ち切り、セカンダリに持ち替えて数発撃った段階で適度にダメージも受けており、時間的にもちょうどいいので使用タイミングとなるであろう。そのタイミングでフラッシュバックを使用することで、自分は無敵状態で安全な位置に戻りつつ敵からも距離を離すことができるので、一度態勢を立て直してからもう1回やりに行くこともできるであろう。
ここでポイントになるのが、フラッシュバック中のリロードである。フラッシュバック中は持っている武器を両方、自動でリロードする。これは拡張マガジンLv4と同じ原理・エフェクトで自動リロードが行われる。約10秒間の行動を約2秒で巻き戻すという関係からか、リロードタイムは異常に早い。このときゲージが完全に埋まらない状態でフラッシュバックを終了するとリロードされないのである。この部分は拡張マガジンLv4の仕様と全く同じである。そのため、あまりにも危ない場所に戻る場合を除いて3)中途半端な時間にフラッシュバックすると、地面の上でない場所でフラッシュバックが終了することもある。足元がダメージの床であったり奈落であったりするとどうにもならないため、使うタイミングには注意。、フラッシュバックを途中で終了するのは避けた方がいいことになる。もっとも、普通の運用であれば、フラッシュバックを途中で終了することはないはずだ。
また、あまり遭遇したくない事態として、敵部隊に後ろから撃たれるということがある。そんな時はフラッシュバックをしてやると、その敵部隊の後ろに回れる可能性もある。ただしその場合はフラッシュバックに気付いた敵によって集中砲火を浴びる危険もある。それを考えたとき、フラッシュバックをせずにスリップストリームとフェーズチャンバーを駆使して逃げるという手もあることをお忘れなく。
リロード時間検証:フラッシュバックは合法チートか
フラッシュバックが自動リロードをするというところから気になっていることがある。それはリロード時間についてだ。もしフラッシュバックが「拡張マガジン非対応武器でも自動リロードを行える」というのなら、それはある意味チートだと感じたためだ。これに該当する武器として、ショットガン系全般、L-スター、チャージライフル、クレーバーが該当する。L-スターについてはマガジンはつけられるが、オーバーヒート時の交換はマガジンを付けていても効果がないため、これも検証対象である。
検証の内容は、途中で弾を残した状態及び時間がかかる撃ちきり時にリロードを行わず、その状態でフラッシュバックをしたときにどうなるかである。すると判明したのが、L-スター以外はきっちりリロードされたのである。逆にL-スターだけは故意にオーバーヒートさせた後、フラッシュバックを行ってもリロードエフェクトは発生せず、終了後に交換動作を行ったのである。つまり、L-スターだけはズルできないのだ。残念ながら全部は対応していなかったようだ。
次に検証するのが、実際のリロード時間との比較である。全部を行うのは面倒なので、時間がかかるチャージライフルとクレーバーで検証した。以下がその証拠である。
横長で見辛いかもしれないが我慢してもらうとして、左がクレーバー、右がチャージライフルである。前半が撃ち切りで通常リロード、後半がフラッシュバックによるリロードで分けている。この動画で分かるように、撃ち切りリロードが総じて4秒以上かかるのに対して、フラッシュバックでは予備動作、虚空にいる時間、再度構えられるまでの時間を考えても同じ4秒程度でフルリロードされていることが分かる。時間的にはほぼ同じだが、フラッシュバックの利点は「無敵時間中にリロードされる」ことにある。全く隙を晒さずにリロードできるというのは、チートにも近いものである。これはレイスでも成し得なかったことだ。
だが現時点では能力の一部として扱われており、今のところ合法だ。だがこれは、フラッシュバックは今後この点を含めて弱体化の対象にもなり得るということを意味する。もしかしたらこの自動リロード機能は失われるのではないかと見ており、それまではフェードの強さを象徴するものとして存分に楽しむといいだろう。
フェーズチャンバーの攻防両立
フェーズチャンバーは、現時点では能動的にレジェンドを虚空に送る唯一の手段である。レイスのポータルは移動のために使われるもので、効果を発揮するのはポータルの入口に触れたときであるため、受動的であり攻撃的な面は全くない。虚空及びフェーズチャンバーに関しては先に説明した通りの性質を持っているので、これをどう生かすかを考える。
最初に考えることは攻撃面での利用だ。攻撃面ではアビリティ解説でした通りの使い方が基本となる。敵をこれで虚空に送り込むと移動速度を下げることができ、その速度は「歩く」レベルにまで下げる。出てくる瞬間を狙い撃ちするのであればこちらは現実に留まってすぐに撃てるようにする。この時敵は「歩く」ことしかできないことを利用して、背後に回り込んでおくというのもかなり有効である。そして出てきたと同時に撃ち込めば反撃する隙を与えずに倒すことはたやすい。その際に周りに他の敵がいないか、或いは既にダウン状態にしていて反撃される危険がないかどうかを確認してから行うといい。
逆に防御面ではどうかと考えると、足元に投げつけて緊急回避に使用する、遠距離の味方が危険な状態にいるときにそこに投げて味方を虚空に送って回避させる、といった使い方ができる。どちらも自分または味方のフェーズチャンバーによって虚空に送られている場合は移動速度は減少しないことを利用し、攻撃を受けない間にその場所から離れるといった使い方をすると生存率も高くなるはずだ。さらに敵も同時に虚空に送ることができれば、敵は移動速度が低下するのでより引き離すこともできる。虚空中は回復ができないが、十分に距離を取り、障害物の間に挟んでいれば回復する余裕は生まれるはずだ。
虚空の性質からフェーズチャンバーをリング縮小から逃げる時にも使うことができる。戦闘になる可能性が低ければ、ダメージを抑えるためにも使用してもいいだろう。もっとも、リング縮小によるダメージを受けないように行動するのが基本であるのだが、それができない人がたまに存在するので、それのサポートくらいに使用してやってもいいかもしれない。
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各種パークとの組み合わせ
本家APEXであればアビリティ解説と戦闘に関する私見を語って終わりだったが、APEXモバイル特有のパークシステムも戦闘に関わってくるため、これについても考える必要がある。まずは、パークの名称とその効果についてまとめる。
- 全般1「新たな目的」:フェーズスペースから出る4)「フラッシュバックが終了する」「自分のフェーズチャンバーから出る」が該当する。とサージ(=スリップストリーム)が発動する。このときパッシブアビリティのサージは消費しない
- 全般2「消えない影」:サージを使うと残像が現れ、味方が残像に触れると移動速度が上昇する
- 全般3「パニッシャーの後悔」:ノックダウン中でもフラッシュバックできる
- フィニッシャー1「バトルアダプテーション」:フィニッシャーを使うと進化シールドの経験値を+100する
- フィニッシャー2「戦術的有利」:フィニッシャーを使うと戦術アビリティがチャージされる
- フィニッシャー3「マガジンサブスクリプション」:フィニッシャーを使うと使用中の武器のアモを回復し、8秒間リロードが早くなる
- アビリティ1「スーツの協定」:シールドが完全に0の状態でフラッシュバックをすると、シールドを25ポイント回復する
- アビリティ2「フェーズエコー」:フラッシュバックを使うと残像が現れ、味方が残像に触れると移動速度が上昇する
- アビリティ3「虚空の中での喪失」:味方はフェーズチャンバーで長く虚空に居られるが、敵をスキャンできなくなる

各アビリティの解除に必要なトークン数は画像下に記載している。最初のアビリティは全て1つで解除できるようになっている。最初の構成はそれぞれの1番目のパークを装備することになるであろう。その後フェードを使い続けてトークンが貯まれば、次のパークを解除することになる。解除先は任意だ。
フラッシュバックによって少し突っ込んでも安全な場所に戻りやすいのがメリットだが、それを過信してダメージを受けすぎるのがよくある話だ。その時にはシールドが割れていることも珍しくない。ここに「スーツの協定」をつけておくと、フラッシュバック時にシールドを25ポイント回復する。進化シールドLv1にも満たないが、シールドセル1個分を無敵中に適用するものであるため少しだけ余裕ができる。或いは間に合わずにダウンすることも想定される。この場合は「パニッシャーの後悔」でダウン中でもフラッシュバックが使えるようにして逃げるのもありだ。これはうまくいくと味方の近くに戻れたり、追撃不可能な場所に移動できることもある。とはいえ気休めでしかないため過信は禁物である。
「虚空の中での喪失」はUltで虚空に長く居れる代わりにスキャンされなくなる効果だが、そもそも敵を視認できているのであればスキャン効果は不要と考える人もいる。これは攻防一体でUltを運用する人向けである。「フェーズエコー」は、フェードの性質上あまり役に立たないと思われるので別のを付けた方がいい。なお、フィニッシャーは完全にお好みである。癖がなくシールドを育てやすくなる「バトルアダプテーション」が最も使いやすいと思われる。このあたりは実際に使って何度も試すのが一番である。
フェードが持つ武器
最後に考えるべきはフェードが持つ武器についてだ。APEXモバイルでは一部武器の性質が現行の本家APEXとは異なるものとなっているため、APEXモバイル独自の癖として修得する必要がある。それはそうとして、みんな大好き強武器R-99は弾数が本家APEXよりも多くなる(マガジンLv3/Lv4装備時は本家APEXでケアパケ時代と同じ32発)ので、フル装備の時は手がつけられないほどの強さを誇るが弾切れも早い。垂れ流し最強格のディヴォーションやハボックもあるが、ハボックを除いてタクティカルリロードを意識して行うことが難しいものである。これらの武器は総じて1人を倒すには強い力を発揮するが、継続戦闘能力は意識しないと高く保てないもので、その点では上級者向け武器でもある。
だが、フラッシュバックの解説で行った通り、リロード時間については考えなくても大丈夫なのがフェード。撤退も兼ねてフラッシュバックを使えばあらゆることを無視してリロードを行え、弾丸の雨の第二波をすぐにでも降らすことができるようになる。アビリティの関係から近接戦闘が多くなることを考えると、近接適性の高い武器を持つことがかなり有効であると考えられる。この場合の味方は同じように近接武器を持つか、戻ってこれることを利用して後方支援で狙撃をするなどの連携が考えられる。もっとも、敵を倒せればどちらでも問題ないが。
あるいはフェーズチャンバーを軸として戦うのであれば、中距離対応の武器で戦うのも1つの候補になる。この場合はフェーズチャンバーは当てに行くのではなく、移動を強制させるための牽制としての使い方となる。フェードのことを知っているプレイヤーはかなりの確率で爆発範囲から逃れて、4秒の虚無の時間と移動速度の低下を回避するはずである。攻め側はそれが狙いであり、出てきたところを撃ってシールドを削り、シールドアドバンテージを優位にしてから攻め込んで倒しに行くか、終盤であればシールドを無駄に使わせて物資不足にするなどの戦い方ができる。このとき前者ならオクタンやパスファインダー、後者ならガスおじやライフラインの組み合わせが最適である。それぞれのアビリティを生かして戦っていけるはずだ。
また、今後も本家APEXのレジェンドが追加されることは確定なので、それらのレジェンドとの組み合わせ次第でも持つ武器が変わってくるはずである。しかし今だけしかできない戦い方もあるので、色々と模索していくといいだろう。
虚空を使いこなし、敵に恐怖の現実を突き付けろ
APEX Legends Mobile、通称APEXモバイルは、最初はどうかと疑っていた。本家APEXがあるのにモバイル版というのはいかがなものか。そんな疑問をいとも簡単に打ち砕いたこれの、積極的にプレイする理由の1つがAPEXモバイル限定レジェンドである。フェードは本家APEXに存在しない故、その詳細が判明するまでには相当の時間を要する。日本語版wikiもどうやら存在していないようで、それならばと実際に使用してその中身を詳しく見ていったのが今回のレジェンド分析である。
アビリティの内容からレイスに続く2人目の虚空使いとなるフェード。レイスとは違う方法と技術によって虚空を操り、Ultでは能動的にレジェンドを虚空に送り込むことができる、攻撃に防御もできるレジェンドである。フラッシュバックは少々癖が強いが、これを使いこなせると敵の裏をかくことができ、敵にとって手の届かない場所に退避できるという、意外性の高いアビリティである。最初はその仕様に困惑するであろう、しかし使い続けていくと、自ずとその使い方を学べる。APEXゲームは死んで学び、次に生かすのが常であるためだ。
フェードを使いこなせるようになったら、次は虚空をマスターすること。虚空はもはやレイスだけのものではないということを他のレジェンドにも教えてあげるのが務めだ。そして敵には恐怖の現実を突き付け、自分が一番であることをAPEXゲームで証明するといい。これが本家APEXにはない、APEXモバイルだけの楽しさである。
以上、APEXモバイル・レジェンド分析~シーズン1:フェードの復讐~であった。それでは、次回の記事で会おう。ン、バァーイ!
KIBEKIN at 00:00 June 15th, 2022
特別追記1:フェード、強化されたか
おそらくシーズン2になってからであろうか、フェードを使用している時に妙に使いやすくなっているような感じがした。具体的には次の変化を体感したのである。
- Ult「フェーズチャンバー」のリチャージ時間の短縮。実測値で60秒だったため、ミラージュのUltと同じクールダウンに。Ultの連発が可能になった。
- フェーズチャンバーの爆発範囲からの脱出が困難になった。虚空に送られる前から爆発範囲にいたレジェンドの移動速度が低下し、スライディングが不可能になる。これは自分・味方のフェーズチャンバーでも発生する。これにより虚空へ送りやすくなった模様。
私が確認できたのはこれくらいであるが、若干ながら強化されたようである。というのも、限定レジェンドでありながら使用率が本家APEXの人気レジェンドはおろか、癖があって選ばれにくいレジェンドよりも、もしかしたら少ないためであろう。初期の頃は散々にフェードを見たものの、途中でローバが出てきてからはそっちに注目が行ってしまっていた。今ではミラージュよりも見ない可能性がある。
このレジェンドは私が使っていても癖が強いと感じるレジェンドであったので、使用率が低いのもある種納得できるものである。ただ、この強化のおかげで少しは使用率も上がるのではないだろうか。そう思いつつも、私はガスおじで封殺しつつ戦い続けている。
追記情報
2022年6月24日 フェードのストーリーが公開されたので、そのリンクの追加
2022年7月31日 パークシステムでのパークの説明が分かりにくかったので分かりやすいものに変更。フェードの一部変更点についても追記
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脚注
本文へ1 | 参照1:「エーペックスレジェンズ モバイル」のキャラクター – Electronic Arts |
---|---|
本文へ2 | 参照2:Fade – Apex Legends Wiki |
本文へ3 | 中途半端な時間にフラッシュバックすると、地面の上でない場所でフラッシュバックが終了することもある。足元がダメージの床であったり奈落であったりするとどうにもならないため、使うタイミングには注意。 |
本文へ4 | 「フラッシュバックが終了する」「自分のフェーズチャンバーから出る」が該当する。 |