この記事の概要を簡単まとめ!
- ACVDを最後にシリーズは終焉した「アーマード・コア」
- 長く続編を熱望する傭兵、叶わぬ時を過ごし続ける
- 唐突に打ち破られた幻想、”ACVI”の発売情報がいきなり打ち出される
- 過去作品との関連はなく、完全に新規のストーリーとして作られる
- 主人公は最初から「強化人間」である
- 操作性は4系、ゲームシステムはV系、過去作のいいとこどりな作品
- お馴染みのフロムの洗礼、勝手が分かれば怖くない
- この先生きのこれるかを分けるのはアセンブルと実力である
- 新人”レイブン”へ:相手をよく観察しろ
- 全てが進化した戦場で、イレギュラーになれ
レイヴン、あるいは烏。この単語は、フロム・ソフトウェアのユーザーであれば特殊な意味を持つものになる。1997年7月10日、キングスフィールドのノウハウを生かし、3Dメカアクションゲーム『アーマード・コア』が発売され、そこで多くのレイヴンが誕生し、大会ではイレギュラーも誕生した。大分類すればロボットゲームであるこれは、同じようにアニメで人気となり多数のゲームが作られているガンダムと比較されることが多い。分けるのなら、ガンダムは元がアニメということもあってアニメ寄り、アーマード・コアはリアル寄りのゲームである。
プラットフォームはPlayStationまたはXboxでのみ展開されていたこと、そもそもフロム・ソフトウェア自体コアユーザーしかいなかったことから、あまり注目されなかった。だが光波にかけて硬派なロボットゲームだったそれは、シリーズ全体でイレギュラーが毎回発生し、幾度となく外部にその存在感を知らしめた。だがそれもACVDを最後に音沙汰は途絶えていった。
あれから9年。2022年12月、多くにとって突然に、それは起こった。唐突に発表された、アーマード・コアVI発売アナウンス。多くのレイヴン達が幻想だと疑っていたこれが2023年4月に現実となる。8月25日に発売すると公表し、トレイラーが公開されたことで、正式にアーマード・コアVIが決定し、止まっていた時は再び動き出した。かつてレイヴンとして活動していた私もまた例外ではない。レイヴンとしての歴史を振り返りつつ、ACVIで戦うことにした。
ひとっ飛びできる目次
火を点けろ、燃え残った全てに
アーマード・コアを知る
アーマード・コアの歴史
株式会社フロム・ソフトウェア。1986年11月1日、神直利によって設立された大型汎用コンピュータのソフトウェア制作会社である。バイクの交通事故で入院した際の保険金が元手となっていることは有名な話である。元々は一般的なBtoB企業の1つであり、豚の餌やり管理などの農業系のソフトウェア開発と販売を中心としていた。分類上IT系ではあるがBtoBであるためにスーツ着用が殆どであり、訪問客はそれに驚いていたとも言われている。
1994年にゲーム開発に本格的に着手する。ちょうどPlayStationが登場した年でもあり、第1号となる3D一人称ARPG『KING’S FIELD』をリリースした。この頃から既に難易度フロムであったといわれている。続編も制作しているが、現在のフロム・ソフトウェアを有名にした代表作こそ、1997年7月10日発売の3Dメカアクションゲーム『ARMORED CORE』だ。もはや説明するまでもない。初代ACの系譜は、12月4日に『ARMORED CORE PROJECT PHANTASMA』、1999年2月4日に『ARMORED CORE MASTER OF ARENA』となっており、ここでアーマード・コアのシリーズが確立する。
世代がPlayStation2に移ると舞台は火星に移った。2000年8月3日に『ARMORED CORE 2』と2001年4月12日に『ARMORED CORE 2 ANOTHER AGE』を発売。2002年4月4日は舞台を地下に移し、新たなストーリーとして構成された『ARMORED CORE 3』、2003年1月23日に『ARMORED CORE 3 SILENT LINE』を発売。その直系となるのが2004年3月18日の『ARMORED CORE NEXUS』、そしてPS2としても系列的にも最終作品となる2005年8月4日の『ARMORED CORE LAST RAVEN』がある。なお、この間にはストーリーがなく訓練特化の『ARMORED CORE NINE BREAKER』が2004年10月28日、u-AC(AI)を製作して戦わせる競技としてのアーマード・コアとなる『ARMORED CORE FORMULA FRONT』が2005年3月3日に発売されている。また、AC3, AC3SL, ACLR, ACFF1)実際にはACFFはPSP版が先であり、2005年11月17日に廉価版を兼ねたInternational版が発売された。は後にPSP版も発売された。
世代はさらに上へ。PlayStation3になると、Xbox360でも同時展開するようになった。新要素として「コジマ」関連技術とそれを利用した、これまでのACとは全く異なる規格「ネクスト」を操り戦う『ARMORED CORE 4』がPS3で2006年12月21日、Xbox360で2007年3月22日に発売された。これまでよりも高速かつ立体的な戦闘が可能となり、このためにハイスピードメカレーシングアクションとジャンルが変更されている。続編となる『AROMORED CORE for Answer』は同時展開で2008年3月19日に発売となっている。これまでと全く違うスピード感に一時は困惑したレイヴン達も、時が経てばリンクスに適合しており、現在も人気のアーマード・コアのシリーズとなるであろう。
そして一転、ゲームシステムを再び大きく変えて打ち出したのが2012年1月26日発売の『ARMORED CORE V』。当初は5として発表されたものが一旦発売延期、その間に新要素を追加してVとして発表し直している。ここで出された「オーバード・ウェポン」は多くの人に衝撃と感動を与え、同時にフロム・ソフトウェアが「変態」と言われる理由を明確にしたものである。ゲームシステム自体は不評だったがストーリーはよくできていた。そして続編の『ARMORED CORE VERDICT DAY』が2013年9月26日に発売され、ここでACFFのAI要素をUNACとして復活させ、さらにオーバード・ウェポンを新規に1つ追加、過去作のセルフオマージュを盛り込むといった工夫で、Vからの不評を覆して人気となった。ここで多くの伝説と歴史が生まれたことは、私もよく経験したことである。
ネタにされるアーマード・コアの新作
ただその伝説も、そう長くは続かない。フロム・ソフトウェアには有名な難易度フロムのゲームであるダークソウルシリーズ、ブラッドボーンをはじめ、アクティビジョンと共同の作品であり、朝日ゆいは何度も死亡したSEKIRO、海外デベロッパーからの熱烈な推しで15年越し移植・リメイクとなった『METAL WOLF CHAOS XD』、執筆時点の最新作は『ELDEN RING』である。これらから分かるように、アーマード・コアの情報は一切なく、ACVDも2015年頃には全体的な傭兵数は減少し、ACVD-LINKは2016年1月1日に閉鎖、サーバーそのものも縮小している。そうして多くのレイヴンがアーマード・コアの次回作を求めても、フロム・ソフトウェアは応えることはなかった。
そうしていつしか、「身体は闘争を求める」というテンプレが生まれた。要するに過去作品のアーマード・コアを買わせるためのダイレクトマーケティングのようなものである。ただ実際これはあまり意味のないものだ。フロム・ソフトウェアはSteamが主流となる前からディスクROM販売が中心で、ダウンロード販売が存在するのはPS3/Xbox360以降の一部、PSAC三部作、PSP作品のみだ。PS2作品は残念ながらアーカイブスにもない。つまり中古しか現在は流通していないことになり、これで儲かるかと言われると、微妙なところである。
フロム・ソフトウェアが悪名高き角川に買収されて傘下に存在することは、多くの人が既に知っている。そのため、MADとして艦これと混ぜて「ARMORED KANCORE」といったネタを作る人も多かった。もっとも、方向性が真逆のそれぞれが公式にコラボすることはなかったが。また、ダークソウルやSEKIROが人気になった結果、アクションRPG系に対して注力するようになったため、採算がとれるかわからないアーマード・コアは新作をあえてやめているという方針のようにも思える。逆を返せば、十分な予算が取れ、前述の作品によってフロム・ソフトウェアの知名度が上がっているのであれば、アーマード・コアがこれまでのユーザー以外にも売れると判断したときに新作が作られる。そのような動きであったことも考えられる。
2022年12月、多くにとって突然に、それは起こった
その後もしばらく音沙汰はなかった。寧ろフロム・ソフトウェアはダークソウルとSEKIROとエルデンリングの3択でしかなく、令和のフロム・ソフトウェアと言えばその3つが代表作として挙げられるのではないだろうか。なお、リメイク版となる大統領XDは、あまり話題になっていないような様子に見える。現代でも隠れた名作扱いになってしまっているようだ。
そんな中である。2022年12月、多くにとって突然に、それは起こった。アーマード・コアの公式サイトがいつの間にか作られ、12月9日、アナウンストレイラーが発表された。この日に「アーマード・コアVI」の存在が示唆されたわけだが、だが情報が少ないこともあって信じ切れていなかったようだ。それを確定させるためにであろう、2023年4月27日に最新ゲームトレイラーを公開した。これで完全に新作が登場することを信じることができたようである。作中のアーマード・コアと言えば「騙して悪いが」が定番だからである。
その後の流れでは、実際のゲームプレイ動画が流れて、その動きから操作系がPS2のN系またはPS3の4系、武器と装甲のシステムはV系であると推定される。これは動画内でStaggerに言及したためで、V系のダメージシステムに存在したものである。また、右腕で殴るような動きからブーストチャージも実装されている。つまりは、過去作のいいところを詰め込み、問題となった部分を可能な限り排除した「歴代最高傑作」になっていると思われる。これは今作からルビコンレイヴンが増えることを考慮したものであろう。地球人、火星人、地底人、リンクス、ミグラント。試遊プレイの時点で既にイレギュラーが発生している中で、果たしてこの先生きのこれることはできるのか。
『621、お前に意味を与えてやる。仕事の時間だ。』
ACVI Report
世界線と概要
本作は過去のACと時系列を共有していない。完全な新規ストーリーとして作られたものである。惑星ルビコン3、アイビスの火と呼ばれる大災害の後の、その惑星で採れる物質「コーラル」を巡る戦いが始まっていた。ハンドラー・ウォルターの子飼いである在庫処分の主人公、C4-621はルビコン3へ密航し、そこで残骸から有効な傭兵ライセンスであるRb23「レイヴン」を取得してなりすまし、傭兵として戦っていく。
世界線こそ完全に分離されているが、アイビスの火がルビコン3を焼き尽くしてコーラルにより汚染されているという光景は4系のコジマ汚染、荒廃している状態はV系の世界にも似ている。ただここでは複数の企業が存在していることから、どちらかといえば4系である。またC4-621は第4世代の強化人間であり、ACでは珍しく「全身」が描かれた存在である。と言っても冷凍ミイラのような全身包帯ぐるぐる巻きであり、ACを操縦する機能以外は死んでいるという生体部品のような扱いである。トレイラーにおいてはその先輩にあたるであろう617, 619, 620も登場し、これらは大型兵器2)後にその機体構成から惑星封鎖機構の特務機体カタフラクトであることが判明した。相手に相討ちになる形で撃破している。
操作系に関しては、QBがあり、アサルトブーストが従来作品のOBとGBに似ていることで4系に近い。武器はV系の伝承があり、3属性は実弾(=KE)・EN(=TE)・爆発(=CE)とわかりやすくなった。また、V系のシステムの1つである衝撃力と安定性の関係が今作にも導入され、Staggerが発生すると行動不能になり、その瞬間は全ての攻撃が直撃となるように変更された。Staggerの発生は衝撃値が一定以上蓄積することで、この衝撃値は視覚化されてわかりやすくなっている。近接武器はレイヴン作品に準じて現在は左腕専用装備で、初代と4系を除いたACで出た「盾」も今作で実装され、これは左肩専用装備になっている。先に進めば右腕のブレード、右肩の盾も登場するものと思われる。いずれもバランスのいい仕上がりであることから、従来作品のいいとこどりと言える名作に仕上がっているものと評価できるであろう。
キーアサインデータ
まずはキーアサインデータを確認する。今作よりSteamも展開するようになったため、キーアサインは3種類となる。なお、以下はデフォルトの設定である。
PS | Xbox | PC | 動作 | 追加説明 | 補足 |
Rスティック | (初期値未割当) | カメラ操作 | |||
Lスティック | WASD | 移動 | |||
R1 | RB | E | 右肩武器 | 本作は全ての武器の同時使用が可能 | |
R2 | RT | マウス右 | 右手武器 | ||
R3 | Rスティックボタン | マウスホイール | ターゲットアシスト | 4系のようにその敵を中心に捉えながら動けるようになる | |
L1 | LB | Q | 左肩武器 | 本作は全ての武器の同時使用が可能 | |
L2 | LT | マウス左 | 左手武器 | ||
L3 | Lスティックボタン | Ctrl | アサルトブースト | OB、グライドブーストに似た高速移動、停止は進行方向逆に移動入力や、通常ブーストを行う | |
▲ | Y | F | アクセス(イベントアクション)・シフト操作 | レイヴン作品におけるブレード以外のL1に相当 | KBM操作のシフト操作はRに移動 |
■ | X | Shift | クイックブースト | QBはブースター固有のQBリロード時間で再度QBできるタイミングが異なる | |
● | B | Tab | ブースト走行 | ブーストを使う移動をすると自動ON、完全静止すると自動OFF | |
× | A | Space | ジャンプ | 素ジャンプはENを消費しない | |
↑ | ↑ | C | リペアキット | 3回まで、OS拡張により効果が高まる | |
← | ← | ← | 選択肢左として使用 | ||
→ | → | V | スキャン | 効果は頭部性能に依存 | |
↓ | ↓ | ||||
スタートボタン | メニューボタン | esc | 中断メニュー/再開 | ||
タッチパッド | ビューボタン | ヘルプ表示 | |||
←+▲+L2orR2・L1orR1 | ←+Y+LTorRT・LBorRB | (R+対応武器と思われる) | 手動パージ(対応武器ごと) | 最初は手動パージができず、実行したい場合はこれが必要 | OS拡張 |
▲+L2orR2 | Y+L2orR2 | R+マウス右orマウス左 | 武器手動マガジンリロード | ||
アサルトブースト中にL3 | アサルトブースト中にLスティックボタン | アサルトブースト中にCtrl | ブーストキック | V系のブーストチャージに相当。脚部ごとに動作が異なる | OS拡張 |
●+L3 | B+Lスティックボタン | (Tab+WASDと思われる) | クイックターン | QBターンとは異なる | OS拡張 |
▲+L3 | Y+Lスティックボタン | (R+Ctrlと思われる) | EXPANTION発動 | 特殊アクションを1つ選択して装備する | OS拡張 |
L1orR1 | LBorRB | QorE | ハンガー持ち替え | ハンガーに腕武器を装備している場合、指定位置の腕武器を交換する | OS拡張 |
この通りになっている。備考のOS拡張は、Chapter1の途中で解放される新要素に含まれるものである。特にミグラントならお馴染みのハンガーとブーストキック(=ブーストチャージ)もここで解放する必要がある。ブーストキックについては攻撃の手数が増えるものであり、ブレードが無く、両手に通常武器を持っていても近接攻撃可能になるので必須である。もっとも、弾切れになっても最終手段のパンチはできるが。
なお、キーアサインは自由に変更できるようになっている。ゲームプレイの感触から操作系は4系に近いものを感じ、リンクス上がりということもあってコントローラータイプはBを使用している。これはL2・LTに上昇ブースト、R2・RTにQBを割り当てるもので、操作系が完全に4系に一致する。この方が元リンクスにはやりやすい。あとはお好みで、▲・Yと●・Bの割り当てを変えると4系のボタン配置になるので、コア特殊機能を使いやすくなると思われる。
チュートリアルの洗礼
前情報として知っていたのが、「最初のヘリが倒せない」ということ。だがそれは往々にしてルビコン”レイブン”から挙がる声で、過去作の”レイヴン”達はむしろ初戦で撃破することが多かった。そしてそれは私もまた例外ではない「例外」である。
ルビコン3へ不法侵入したC4-621(以下621)は、無茶な大気圏突入から始まり、地上到達後は着地した工場地帯を抜けて、残骸から有効な傭兵ライセンスを探してなりすますという匪賊行為から始まる。過去作よりはずっと丁寧なチュートリアルが展開されているが、それは有効な傭兵ライセンスであるRb23を発見した直後に終わる。おそらく最初にして最大の難関となる、惑星封鎖機構大型武装ヘリ(AH12 HC Helicopter)と初期武装でまともに戦わなくてはならないからだ。ヘリの猛攻に耐えられずに落ちていった”レイブン”は、主にこのことを言っている。
だが所詮ヘリである。足元の敵には攻撃できないのは殆どの作品で共通し、このヘリも同じである。真下に潜り込んで撃ち続け、ヘリが離れたら追いかけて真下へ潜り込む。これを繰り返すだけで、余程のヘマをしない限り勝てる。ダメージこそ受けすぎたが、勝手が分かったときには問題なかった。その意味では、今作のフロムソフトウェアは優しくなったとも感じるほどである。もっと上手いイレギュラーなら、おそらく生身で勝ってしまうことであろう。
アセンブルの掟
無事にRb23「レイヴン」としてルビコン3で生きることになった621。だが生き残るには、ACの最適化が必要である。アセンブルはACの全てが詰まっていると言っても過言ではない。アセンブルを怠る者に明日はない。
全てのAC作品に共通することが、「まず内装を変更しろ」である。特に変えることができるならジェネレータとブースターはセットで買い替えておくべきだ。それが難しい場合は片方だけでも変える。ただし本作はチュートリアル終了後、任意のミッションを1つクリアしたあとでないとショップが利用できないので、まずは戦え。話はその後である。
本作の中心はストーリーであるが、ストーリーを進めることによってオンラインによる対人戦も開放される。ストーリーの場合はなるべく弾薬費を抑えるようなアセンが有効だが、対人戦は軽量機によるスピード重視、武器はDPS重視の構成が選ばれやすい。これは実際に経験してもらうとして、話が進むたびに適宜アセンはチェックする癖をつけるといい。特に何度も勝てずに苦戦しているような場合はアセンに失敗があるはずで、それを改善すれば幾分かマシになる。あとは実力と何回も死ぬことだ。
ちなみに特典として、全予約購入者には特殊ペイントが施されたMELANDER C3 G13特別仕様「TENDERFOOT」のパーツ一式が初期から使用可能である。このパーツは本来はChapter4のミッション「地中探査 – 深度2」クリア時に入手できるものである。そのため予約勢は少しだけ序盤から有利に動けるようになっている。
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アリーナとOSチューニング
ストーリーをある程度進めることで、OSチューニングの開放とアリーナの利用が可能になる。今作のアリーナは実際の戦闘ではなく、仮想戦闘シミュレータという形である。OSチューニングに必要なパーツはアリーナを進めることで入手できるようになっており、戦闘できる相手はストーリーを進めるごとに更新される。もちろんアリーナで勝つと金も貰える。
OSチューニングは機能開放、コア追加機能、アタックコントロール、ダメージコントロールの4種類に分かれる。機能開放はV系にあったブーストチャージやハンガーシステムの付与など、旧作品にあった機能が使えるようになる。コア追加機能はAA(アサルトアーマー)をはじめとして、回数制限ありの特殊機能を装備することができるようになる。アタックコントロールは属性ごとの攻撃力向上とハッキング速度の向上が可能である。ダメージコントロールはACS制御(ダメージ軽減)とリペアキット効果を高めるものがある。
レイヴンの知見としては、機能開放からブーストチャージ、クイックターン、ハンガー機能は優先アンロック対象で、その後はAAも開けておくといい。その後は、ほぼ任意である。火力が正義ということもあるため、攻撃力を上げておくと少し楽になるはずだ。フロムのことなので、防御力をいくら上げたところで意味がないような気もしている。
NESTへ行け
今作では対人戦については「NEST」という特殊なネットワークサービスを介することで可能という設定になっている。ストーリーの進行で解放されるものでタイミングは「海越え」達成後。つまりチャプター2終了、チャプター3開始時に解放されるということになっている。
過去作、オンライン対戦の一般化が始まった4系ないしV系の頃よりは回線は良くなっていることであろう、現時点ではそこまで目立った問題は発生してない。しかしダメージ反映の遅延は少し目立つもので、おおよそ0.5~1秒ほどのラグがあるものと考えられる。したがってスタッガー状態をこちらが確認するのにラグが発生して、ラッシュがかけにくいのがよくあることになる。そのほか所謂「ラグアーマー」に関しても懸念されるもので、正直快適とは言い難い。この部分は発展途上というべきで、今後の改良に期待されるものとなるであろう。
新人”レイブン”への教え
発売順での前作となるACVDから10年も経過し、その間に多くのレイヴン、リンクス、ミグラントが新作が出ないことへのネタを作り上げては様々な場所にそれを流していた。そのことで、アーマード・コアの中身そのものは知らないが、その存在だけは知っているという人の方が多い。その間にフロムはダークソウルとSEKIROとエルデンリングで知名度を上げていたのもある。
この影響で、ACVIを初のACとする新人”レイブン”が多くなったことは簡単に予想できる。だが案の定、多くのレイブンが最初のヘリの前に倒れている。その姿はある意味可愛いのだが、しかし何度も負けていては流石にストレスなのは間違いない。かといってその程度で折れていては、レイブンと名乗ることすらままならないであろう。
だが基本的にアドバイスを与えることはしたくない。それはレイブンからレイヴンになることを邪魔する可能性があるためだ。その上で1つだけアドバイスを与えるとすれば、相手をよく見るということ。そうすることで少しずつ、自分がどう動くべきかが分かるようになる。敵は必ずどこかで隙を見せる、それに対して即応して動けるかどうかがレイヴンになれる第一歩である。
だが戦場で会ったならば、私は新人と言えど容赦はしない。それがその世界の常であるからだ。
全てが進化した戦場で、イレギュラーになれ
アーマード・コアは、フロム・ソフトウェアの伝統であり、名作である。途中迷作と呼ぶかどうか迷うものもあったが、最終的に時間が経ってみれば、それらは全て名作である。ただ実のところ、ダークソウル、SEKIRO、エルデンリングと比較すればあまりにも硬派だったせいか、そこまでプレイヤーはいなかったように思える。またACVDまでのAC全体の売上はダークソウル1タイトル分程度という噂である。2010年以降のフロムのイメージは、アーマード・コアはむしろ薄れがちであったとも言える。
アーマード・コアについてはずっと音沙汰がなく、もう新作はないと誰もが思い、かつてのレイヴン達は皆散っていった。それが2022年12月に起きた「早すぎるエイプリルフール」が真実であるとなったとき、散ったレイヴン達は戻ってきた。そして4月の正式な発売日決定・予約受付開始と6月のインプレッション記事によってすべてが真実であると判明した。7月から8月にかけて順次行われた試遊会においては、往年のレイヴン達がイレギュラーネームとしての621となり、そこからわかるのは、ACVIへの期待が非常に大きいということだった。
リンクス上がりでそのままACVDへ行き、その後初代系とN系とVを経験後、AC2のみは履修済みという変則系のレイヴンである私。それとイレギュラーネームとしての621とを比較すれば、私はまだ雑魚の部類である。到底それらのイレギュラーネームとは戦ったとしても勝てるような気はしない。だがそれでいい。アーマード・コアとは強敵に立ち向かって何度もやられ、そこから学びを得てアセンと動きを習得することに意味がある。そうして強くなることで、私はいつしかイレギュラーになることができるはずだ。
これから私は仕事の時間だ。KB-621として、戦場で待っている。
ARMORED CORE VI FIRES OF RUBICON:「仕事の時間」再開、本記事のレポートを終了する。KB out.
KIBEKIN at 00:00 Aug. 28th, 2023
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追記情報
2023年10月8日 対人戦についての情報を追記
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