この記事の概要を簡単まとめ!
- 台湾のメジャーなPC関連パーツ製造メーカー、ASUS
- 一般用途からゲーミングまで幅広く取り扱う
- モニター製造にも定評があるASUS
- 低価格帯でありながらゲーミングモデル、VP228HE
- 1万5000円以内では珍しい1msレスポンスのモニター
- 2つのゲーミングサポート機能をモニターに搭載
- スピーカーは残念ながらしょぼい
- 普通に遊ぶなら、これで十分だ
PC関係の話で、ハードウェアについて取り上げる個人はなかなかいない。これはハードウェアの多くは金がかかるということが起因していると思われる。そのため、ハードウェアレビュー記事は多くがPC関係のサイトを運営している企業の誰かが、レビュー対象のアイテムを購入するか或いはレンタルして、その使用感を書くというものになっている。ちなみにApple製品を愛するHIKAKINはよくiPhoneを水没実験しているほか、Red♪の素材でもある(PRODUCT)REDのレビューも行っている。AirTag水没実験はまだなのだろうか。
さて、私はそれらとは違い、好きな時に適当にレビューするという、実のところはネタ不足の埋め合わせのような感覚でやっているのが私KIBEKIN。とはいえ、ただのレビュー記事ではつまらないものにしかならない。したがって、レビュー対象のメーカーの概説を入れて、一般的なものとは差異が発生するようにしている。ちょっとした歴史の勉強にもなるので、面白いことであろう。
そんな中での今回のレビュー対象はASUSが発売していたゲーミングモニター、VP228HEである。様々なゲーミングデバイスを製造・販売するASUS、モニターも多数製造していたが、このモデルはゲーミングであってもグレードの低い、分類するとすれば入門機にあたるモニターだ。しかし、このモニターは上位モデルにも劣らない性能を持っていた。安いものが決して悪いものと言い切れない時代、このモニターの中身を調べていくこととする。
ひとっ飛びできる目次
ブンブンハロー安いのにゲーミングモニター、どうもKIBEKINです。
台湾のPC関連パーツ製造メーカー”ASUS”
軽い歴史勉強:ASUSの概要
まずはいつも通り歴史の勉強からである。解説の前に、このブログ全体では初めて触れるASUSについて解説する。
ASUSTeK Computer Inc. または華碩電脳股份有限公司は、台湾台北市に本社を置くPCおよびPCパーツ、スマートフォン、周辺機器製造メーカーである。日本法人はASUS JAPAN株式会社となっている。企業名自体は中国語のため香港にあると思いがちだが、実のところは台湾メーカーである。ちなみに、長年問題となっているASUSの読み方であるが、2012年10月1日の公式発表では読み方を「エイスース」に統一している。なお、中国語表記の「華碩」は「ファーシュオ」と読み、ASUSと中国語表記では全く違う読み方になるようだ1)参照:ASUS – Wikipedia 2012年10月1日のプレスリリースページは古い情報のため、リンクが無効(トップページへリダイレクト)になっていた。。
ASUSという名前、一体どこから来たのかがこの文字だけ見ても不明である。これについて公式による説明では、芸術や学問におけるインスピレーションの象徴である、ギリシャ神話に登場するペガサス(Pegasus)の後ろ4文字が由来となっている。これは「すべての製品に高い品質と独創性を吹き込むことにより、機知に富むペガサスが象徴する強さ、創造性、純粋さを具体的に実現する」という意味を込めてこの名前にしたという2)参照: ASUSについて – ブランドヒストリー – ASUS-ブランドネームの由来。現在のASUSを見る限り、確かにその名前通りの活躍を見せているといえよう。
ASUSの沿革概要
1989年、TH Tung(童子賢、廖敏雄、徐世昌、謝偉崎)らによって設立された。当時日本ではPC/AT(所謂DOS/V)の市場が本格的に形成され始めたこともあって、設立当初からマザーボードを輸出していた。最初の製品は、Cache 386/33とISA 486/25である。これが成功を収めた結果、世界にASUSの名が知れ渡るようになった。1992年には、Intelとのパートナーシップを締結している。
その後の商品展開と企業展開の概要としては、1997年に最初のノートブックとしてASUS P6300を発売。2002年に最初のルーターとなるWL-300を発売。2003年に所謂ガラケーのJ100を発売。そして2006年にASUSのサブブランドでありゲーミングブランドとなるRepublic of Gamers(ROG)が設立される。同年にゲーミング用に設計されたLCDディスプレイのPG191が発売された。1280×1024, 応答2ms, SRS TruSurroundXTオーディオ, 設定変更を行うための5つのプリセットボタンが搭載された、画期的なものである。
2007年にROG初のゲーミングGPUのEN9800GT Matrixを発売。2008年にROG初のゲーミングラップトップであるG70を発売。スマートフォンシリーズのZenFone 4, 5, 6は2014年からの発売となっている。その後も一般向け、ゲーミング向けそれぞれにおいて多数のデバイスを開発・販売し、それは単純なPCパーツや周辺機器に留まらず、ラップトップやスマートフォン・タブレット、果てはネットワーク関連機器にまで広がっていき、今や世界のPC事情には欠かせない存在となっている3)参照1:About ASUS History | ASUS Global4)参照2:30 Years of ASUS。
ちなみに、ASUSの技術者の独立起業で設立されたASRockは2008年以降はASUS本体との関連がなくなっており、完全に別の企業となる。現在は台湾のエレクトロニクス企業Pegatronが所有している。
モニター製造にも定評があるASUS
現在のASUSといえば、スマートフォン、ゲーミングPC、マザーボード、GPUといったところが注目されやすい。特にスマートフォンはゲーム用途にしてもオーバースペックと言えるほどの設計がされているものがあって、ある意味注目の的である。そしてゲーミング系はやはり光らせる。光ってもただ光るだけなのであまり意味はない。
しかし最も重要なことは、PCの画面や処理内容を表示する「装置」がなければ、何がどうなっているか分からないということだ。つまり、何においても「モニター」は絶対に必要である。ASUSはそのモニターも製造しており、一般用のモニター、ビジネス向け、タッチパネル採用、環境や人体へ配慮したモデル、そしてゲーミングと多種多様である。したがって、ASUSはモニター製造にも定評がある。
ASUS公式ストアから調査すると、在庫切れも含めた価格帯は下限を¥17,000、一番高いもので¥660,000となっている。以下はその中から価格を昇順で確認したものである。

ここではモニターを据え置き・モバイルを区別せずに検索した結果である。やはりモニターは技術的にも高度なものとなるため、基本価格はどうしても高くなってしまうものであるようだ。モニターだけでミドルクラスのCPUを1つ買えるほどである。恐ろしい。
またジャンル分けされており、ゲーミング・ビジネス・クリエイター・環境配慮・ブルーライトカットなど、それぞれの目的に合わせたモニターを絞り込むことができる。価格が気にならない上級國民予算に余裕がある人や企業は、これで選択するのがいいであろう。
低価格帯でありながらゲーミングモデル、VP228HE
2018年4月20日、ASUSは低価格帯でありながらゲーミング用途に十分なモニターを発売した。それがVP228HEである。ASUS公式サイトで掲載されている見本が以下である。

発売は実は割と最近のものである。そして見本にもあるように、「ゲーミングモニター」となっている。ただ、これまでもASUS自体はゲーミングモニターをいくつか販売しているので、特に驚くことはないであろう。だが驚くべきなのは価格だった。Amazonの価格追跡アドオンであるKeepaを利用して確認したところ、発売当初の価格は¥14,980であった。登場時点で¥15,000を切っているというのは、なかなかないものである。殆どのゲーミングモニターは、初期価格がおおよそ3万から5)ヨドバシカメラのジャンル:ゲーミングモニターのランキングの結果から推測している。のことが多く、それらの半額で買えるゲーミングモニターという点では、価格破壊というべきか。いずれにしても、ゲーミングモニターを謳いながらも安いというのは驚きである。
そして私KIBEKIN、金がないと言いつつも、ヨドバシカメラの有り余っていたポイントを使用して、それまで本来の用途としてはサブモニターとして利用すべきモニター(IODATA LCD-MF161XP、スピーカーなし)からVP228HEに乗り換えている。というのも、使っているうちに画面サイズやレスポンスが気になったため、ちゃんとしたモニターが欲しくなったのである。購入したのは既に10ヶ月ほど前の話であるが、このモニターを使ってからは快適にゲームが出来ている。このVP228HEとは一体どんなものなのか、今更ながらにその中身に迫っていく。
VP228HE使ってみた!
ここからは実際にVP228HEを使用して、使う上で重要な部分を中心に解説していく。なお、発売から既に3年以上経過しており、ASUS公式ストアでの取り扱いは既に終了している。そして上位モデルも存在し、これとほぼ同価格帯で追加機能も存在するモデルが登場しているのを確認している。したがって、敢えて買う必要はないかもしれないが、中古で出回っている状態のいいVP228HEを購入する場合の参考となるであろう。液晶割れの地雷に注意。
VP228HEの外見
まずはVP228HEの外見をチェックする。といってもモニターの場合、正面と背面以外は見る場所がない。

VP228HEは黒を基調とした、非常にシンプルなモニターである。自身のブランド名の部分にはメッキパーツを使用しているようである。台座は円形で安定性が高い。背面は、接続部が下向きになっていて、カバーではなく下から見ると接続部が分かるようになっているタイプである。一般的なモニターの形式に則っている。
見た目的にも特別特徴があるわけでもなく、或いは無駄に装飾があるというわけでもない。逆を返せば、見た目が一般家庭の正常な大きさのテレビの大きさである。テレビとの違いは、アンテナ線や出力別のコネクタが用意されているといった点で異なる。もっとも「モニター」であり「テレビ」ではないので、当然のことながらそのようなものはVP228HEには存在しないのである。
VP228のスペックデータ
次はASUS公式から、VP228HEのスペックデータについて記載する。ここでは主要項目のみ記載する。
- モデルネーム:VP228HE 2018年4月20日発売
- パネルサイズ:21.5(inch), アスペクト比:16:9, 最大解像度:1920×1080(FHD)
- スピーカー:1.5W(x2)
- イヤホンジャック:3.5mmステレオ
- 出力:VGA(D-Sub 15pin) x1, HDMI x1
- 応答速度:1ms(GTG)
- リフレッシュレート:60Hz(最大)
- フリッカーフリー:対応
- ブルーライト軽減機能(ブルーリダクション):対応
上記がASUS公式ほか、Amazonやヨドバシカメラでも掲載されているスペックデータである。安いモニターの場合、応答速度が5msであることやフリッカーフリーに未対応であること、そして現在の映像出力の傾向から最低限備わっているべきのHDMIが存在しないということがある。一般用として考えた場合HDMIがないと殆どの場合で使い物にならないことであろう。自作PCで使うのを考えたとしても、HDMIでないのは考えものである。あるいは、FHD以下の解像度であることも多く、安くなる分解像度が犠牲になってしまうことも多いのである。
それらに対して、VP228HEは¥15,000以下のモニターにして、HDMIを装備・解像度が1920×1080・応答速度1ms・リフレッシュレート60Hz・フリッカーフリー6)モニターにおけるフリッカーは、人間の目では視認不可能な画面の高速明滅のことである。これは目に負担がかかるものであり、疲労の原因ともなっている。フリッカーフリーは、LEDの制御方式にDC(Direct-Current)方式を採用してフリッカーの発生を抑制している。・ブルーリダクション対応、とゲーミングモニターとして使用する場合の最低限の要件を満たしているのである。特に応答速度1msは大きな違いであり、ほぼ無遅延で画面表示(更新)が行われることになる。これはゲームではもちろんのこと、ゲーム以外のことでも確実に即時反映となるので、様々な面でストレスフリーになる。
流石に上位ゲーミングモニターと比較してしまうと、リフレッシュレートが最大60Hzであること、応答速度が1ms以上はいかないこと(上位モデルは0.5msが多い)、G-SYNCおよびAMD FreeSync/Adaptive-Syncがない、GameFastがないということで、劣る部分はどうしてもある。しかし、あの価格でここまでのスペックがあるのであれば、これはよく頑張っている方であると言ってもいい。それに、「大会関係者」でない限りは60Hz, 1msで十分である。私は大会関係者になれる可能性は今のところなく、それ以上を求めても差異の分からない人であるのでこれでいい。
5つのボタンでモニターの調整が可能
ところで、一般的にPC向けのモニターにはリモコン類は一切存在しない。その代わりに、モニターのちょうど下側のどちらかにボタンが多数存在することが多い。うち1つはモニターの画面をON/OFFするボタンであり、それ以外はモニターの調整に使用するボタンとなる。その場合、決定・上下移動・戻るまたは終了ボタンの4つで構成されている。このため1つボタンが余るが気にしなくていい。VP228HEではこのボタンを使用して諸設定を行っていくのである。このボタンで設定できる内容の一部について解説する。
VP228が搭載する多数の「モード」
VP228はゲーミングモニターとしているが、当然のことながらゲーム以外の用途にも使用するのがPCである。したがって、ゲーム以外の用途でも使用できるように、シチュエーションに応じて画質をプリセットから変更できるようになっている。これはASUSの技術のようで、SplendidPlusと呼ばれている。画質は以下8通りのシチュエーション別に変更できるようになっている。

設定は画像左側の実際の画面のように、設定したいモードにカーソルを合わせるだけで自動でそのモードになってくれる。決定ボタンを押す必要はなく、カーソルを合わせたら戻るボタンを押せばOKだ。それぞれのモードは、画面設定で個別に設定できる輝度・コントラスト・彩度・色温度・肌色といった内容の設定にプリセットの値が適用され、手間をかけることなく各用途に適したモニター設定にすることができるのである。また、8通りのモードについての概要は以下の通りである。
- Reading(読み取り) 文字を読むのに特化。目を凝視する関係からブルーライトを削減
- Darkroom(暗室) 暗い部屋での使用に特化。主に輝度が下げられる。ブルーライトを削減
- Scenery(風景、ASUS公式ではシーン) 風景特化。彩度を最適化する
- Theater(シアター) 映画特化。コントラストを強調
- sRGB グラフィック系の作業特化。絵を描く、3DCGを扱うなどの場合に最適
- Game(ゲーム) ゲーム特化。見えにくい部分(暗闇など)を明るく補正する。本来の用途である
- Night View(夜景) 夜景特化。明るさが足りない部分の輝度を上げ、くっきり表示
- Standard(標準) 標準モード。普通に使う場合はこれでOK
これら8つのモードを、それぞれの用途で使い分けるのである。また、一部のモードにおいて、画面設定の一部パラメータを変更することができないように固定される。これはモード毎に固定されており、実は標準だと一部パラメータが変更できない。細かな調整をしたい場合はゲームモードに設定した上で、色々と調整するといい。
SplendidPlus以外の機能の概説
SplendidPlus以外の機能は当然存在する。ここでは、それ以外の機能について概説する。
Blue Light Filter
読んで字のごとく、ブルーライトフィルターである。ブルーライトをカットする機能であるが、Level0~Level4までの5段階で設定できる。Level0はブルーライトをカットしない設定だ。Level1からモニターの彩度に変化が見られ、Level4はLevel0と比較すればすぐわかるほどに変化している。長時間使用する予定であれば機能をONにしておくといい。参考画像は以下である。

Brightness
所謂「輝度」。モニターの明るさを変更するものである。0~100で変更する。なお、0にしても完全に真っ暗にはならない。基本的に周囲が暗いほど輝度を落とすようにするが、そこまで気にしなくてもいいことではある。
Image
この項目には、Sharpness, Trace Free, Aspect Control, VividPixel, ASCR, Position, Focus, Auto Adjustがある。ただし、Positon, Focus, Auto Adjustは殆どのモードで使用不能である。このあたりは基本的に弄らなくても問題はない。ちなみにVividPixelはオブジェクトのアウトラインを強調し、彩度やシャープネスの最適化を行う、観賞用の効果設定である。ASCRは液晶パネルの仕様を大きく超えた明暗のはっきりした映像を出力できる。これらは必要となるときにONにするといい。
System Setup
モニターの基本設定を行うメニューが並んでいる。これは2ページにわたって存在する。

ここから設定できる項目は、殆どが基本設定である。また、このモニターを商用や公共の場で導入することはほぼあり得ない話であると思うが、ボタンのロックもここで可能になっている。また、設定を弄りすぎたので初期化したい場合もここから行う。後述の”GamePlus”の有効化もここからである。
2つのゲーミングサポート機能搭載
ASUSにとってのVP228HEの売りは、対して役に立たないゲーミングサポート機能が搭載されていることである。この機能はGamePlusと呼ばれている。これは設定/GamePlusを選択し、これをONにすることで有効になる。これには2つの機能が搭載されている。
クロスヘア(練習モード)
VP228HEはその仕様から、FPSをするにも困らないモニターである。でなければ、ゲーミングモニターを名乗ることはできないであろう。そしてFPSといえば撃ち合いであるが、ゲームによってはレティクルが存在しないことや見辛いということがある。それを補完する機能として、クロスヘアを画面中央に表示することができる。クロスヘアのパターンは4種類存在し、イメージとしては以下のようになる。

このように、クロスヘアを中央に表示して、実質的なAIMアシストとなるような設定ができる。ただ問題は、これを使う機会は正直なところなさすぎるということである。というのも、この表示は設定をONにした段階で常に表示され、銃撃が絡まないタイミングでも表示されるし、ゲームが起動していてもしていなくても中央に表示される。しかも表示を消すにはGamePlusをOFFにすることでしか(今のところ)消す方法がない。つまり、邪魔であり面倒である。もっとも、そこまでする必要があると言われれば、私はないと答える。そんなことしなくても、ゲームをしていれば自然と慣れてくるからである。
タイマー
もう1つは、タイマーを表示することができる。タイマーの時間はあらかじめ決められており、30・40・50・60・90(min)の5個から選択して使用する。また、タイマーの表示位置は左側に固定されるが、これを上段・中段・下段の3箇所から選択できる。タイマーは決定を押して表示された瞬間からスタートする仕様となっている。

タイマーの使いどころはどこにあるのか不明であるが、タイムアタック系のゲームモードであれば出番はあるかもしれない。とはいえ、だったらスマートフォンのストップウォッチやタイマー機能を使った方が楽である。やはり出番はないだろう。
なお、クロスヘアの際にも解説したが、タイマーも途中で表示を消すことはできない。消すにはやはりGamePlusをOFFにすることでしか不可能である。開始と終了のタイミング、表示と非表示の切り替えが任意で出来るようになればもっと使いやすいであろうが、おまけ程度の機能なのでこれでいいと思われる。
デメリット:スピーカーがしょぼい
ここまで色々と解説してきたが、だが使っていて1つだけ残念なことがあった。それは、内蔵のスピーカーがしょぼいということだ。その音の感じとしては私の個人の感想に過ぎないのだが、音がどうもこもっているような感じで、はっきりとは聞こえにくいという印象である。そのため、映画鑑賞会などをするには、別途スピーカーを用意しておいた方がいいだろう。
とはいえ、このデメリットに関しては多くのユーザーが気にならないことであるはずだ。というのも、本来の用途がゲーミングモニターであり、ゲームプレイ時は殆どがヘッドホン(ヘッドセット)を使用することが一般的であるからだ。FPSプレイヤーの99.9%は確実にそうである。それを前提と考えたとき、スピーカーは安くても問題ないのであろう。もっともな話、ゲーミングモニターならスピーカーはなくても問題ないうえ、音楽関係に事業を展開していなければスピーカーがしょぼくても誰も文句は言わない。したがって、ゲーム以外の用途で使用する際には気を付けておいた方がいいことである。
普通に遊ぶなら、これで十分だ
ゲーミングデバイスに定評があるASUSから、低価格帯でありながらゲーミングモニターという特殊な存在であるVP228HEを使ってみて、その中身について解説してきた。このモニターを使うまでは、余っていたサブモニター(スピーカーなし)を無理矢理メインモニターにする形で使っていたので、モニターがちゃんとしたゲーミングモニターに変わったことでかなり快適になった。ゲームをするにも、普通に作業するにも十分である。もっともこのモニターを接続しているPCはゲーム用に調整したもので、メインとしては使用していないのでゲーム以外のことに使うことは少ないが。
ただ、ゲーミングモニターとして使用する場合、VP228HEはFPSを前提とした場合の最低限のスペック(1080p, 60Hz, 1ms, フリッカーフリー)しか有していない。そのため、これより上を求める人にとっては物足りないモニターであることは間違いない。が、これより上のスペックになると殆どが3万以上するモニターになってしまう。(正常な価格帯のときの)GTX 1660クラスのGPUが買えるくらいには高くなる。金がなければモニターは「快適」にはならないようだ。
しかし逆に考えれば、このスペックはゲームを普通にする分には問題ないものである。そのゲームが一体何なのか、私は知らない。それはともかく、ゲーミングモニターが欲しいがあまり金はかけたくないというのであれば、このモニターを勧められる。現在は殆どのショップで予定販売数終了となっているため、中古か(最近信頼性の乏しい)Amazonで入手するしかないが、もし入手出来たら安くて強いこのゲーミングモニターを存分に堪能するといい。それが手に入れた人の特権である。
以上、PC用ゲーミングモニター”ASUS VP228HE”使ってみた!であった。それでは、次回の記事で会おう。ン、バァーイ!
KIBEKIN at 10:06 May 20th, 2021
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脚注
本文へ1 | 参照:ASUS – Wikipedia 2012年10月1日のプレスリリースページは古い情報のため、リンクが無効(トップページへリダイレクト)になっていた。 |
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本文へ2 | 参照: ASUSについて – ブランドヒストリー – ASUS-ブランドネームの由来 |
本文へ3 | 参照1:About ASUS History | ASUS Global |
本文へ4 | 参照2:30 Years of ASUS |
本文へ5 | ヨドバシカメラのジャンル:ゲーミングモニターのランキングの結果から推測している。 |
本文へ6 | モニターにおけるフリッカーは、人間の目では視認不可能な画面の高速明滅のことである。これは目に負担がかかるものであり、疲労の原因ともなっている。フリッカーフリーは、LEDの制御方式にDC(Direct-Current)方式を採用してフリッカーの発生を抑制している。 |