【安くてちゃんと拡大できる】中国製のUSB式デジタル顕微鏡使ってみた! | Raven's Articles

【安くてちゃんと拡大できる】中国製のUSB式デジタル顕微鏡使ってみた!

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この記事の概要を簡単まとめ!

  • 電子工作は肉体的にも精神的にも消耗する作業である
  • 細かい部品は肉眼では見えないことが多い
  • 作業用の拡大鏡とカメラを使用したデジタル顕微鏡の存在
  • PCで使用可能なUSB式デジタル顕微鏡、安い中国製があるので使ってみた!
  • 特別なドライバを必要としないプラグアンドプレイの本体
  • ピントは本体で調整でき、LEDライトとキャプチャ機能付き
  • 専用のソフトウェアを使うと拡大や詳細な計測も可能に
  • WindowsではWebカメラとして認識され、外付けカメラとして使用可能
  • 見えにくい小さいものはこの顕微鏡1つで十分だ

小さなものを見るときは集中力を消費する。肉眼で見る場合には当然のことで、針に糸を通すことやビーズの玉をテグスに通すといった作業は見ながら手も動かす関係からさらに肉体的にも精神的にも疲労が重なるものである。若い内ならまだしも、年をとってくれば昔ほど体力もなくなり視力も低下するため苦戦しやすくなる。それらに対応するために様々な補助器具が存在し、きつい作業を楽にしてくれるのである。

電子工作をするときも、分解して非常に細かい電子回路の部品を交換するなどの作業が必要になることは多い。それは単位がnmレベルの非常に小さい世界であり、表面実装が当たり前となった現代では1つ1つのパーツは非常に小さく、同時にパーツのはんだ付けがされている場所は非常に近いものになっている。そのため肉眼では非常に辛いもので、大抵はライト付きの作業用ルーペを用いて作業を行うことが多い。ただ、大型で目が疲れるものである。

そこで使うのが顕微鏡だ。それも生物の実験で使用される光学顕微鏡でも、光学顕微鏡で視認不能なものを観るための電子顕微鏡でもない。カメラを使用してズームを調整することでピントを合わせ、撮影した映像をPCなどの機器に送信しそれを映し出す、デジタル顕微鏡である。光学レンズの代わりに画像素子を用いてモニタに表示するということで、新しいタイプの顕微鏡として扱われるこれ。一般には高額で、企業で使用するか学校の実験で使用するかくらいでないと触れることもないものだが、例によってAmazonには中国製の安い、USB式のデジタル顕微鏡があった。私も電子工作を行う身であるので、持っておくと便利であろうと同時、果たして使えるのかを検証し、その記録を1つの記事として残すことにした。

ブンブンハローミクロな世界を覗くもの、どうもKIBEKINです。

電子工作とその作業

電子工作と電気の基礎知識

電子工作。この言葉は趣味として捉えられることが多い。大量生産を前提としている場合は機械による製造であるので、この場合は電子工作とは言わない。電子工作は何もないところから新規に回路を製作することから既存製品の故障を修復するための作業まで、様々なパターンが存在する。いずれの場合も基礎知識として電気に関する原理と法則、回路素子の特性、回路設計のルールなどを知っておく必要がある。交流の場合はそれに加えて交流特有の計算式と周波数・振幅等も考える必要がある。

電気の知識を必要とする以上、基礎知識を持たない一般人が気軽にできるものではない。また、基礎知識があったとしても分解が大変で、そもそも専門家でない人が分解し修理することは想定されていないため、通常は専門家やメーカーに対して修理依頼をすることで解決する。だが時として、存在しないものを0から作り上げるときやサポート終了でどうにもならない場合には自分の手で分解修理をすることがある。上級者はあえて壊れているジャンク品を入手し、直して自分で使ったり売るなどするという。



電子工作をする際、対象となる基盤や回路はリード線を穴に入れて、それを裏側からはんだ付けするスルーホール(挿入)実装と、基板の表面に非常に微細な部品をはんだ付けする表面実装の主に2種類である。スルーホール実装ははんだ付けがしやすく扱いやすいため、簡単な回路の製作やはんだ付けと回路勉強の基礎として使われやすい。各回路素子は大きいものになり、その回路素子は高電圧や高電力に耐えられるものが多いので、主に大電力で大型の電子機器に採用される。例として、105℃電解コンデンサがちゃんとした(・ ・ ・ ・ ・ ・)ATX電源に使われている。

小型の電子機器を作ろうとするとき、回路素子の大きさを無視できなくなってくる。通常は外装に包まれているUSBフラッシュメモリは表面実装が当たり前で、リモコン付きイヤホン、ワイヤレスイヤホンはもちろんのこと、PCの基盤や関連パーツ、マイコンも表面実装が採用されている。回路素子は大幅に小さく、スルーホールよりも狭いスペースで回路を組める利点がある。だが非常に狭い範囲にピンポイントにその小さいパーツをはんだ付けする必要があり、先の細いはんだごてとピンセットは必須である。ちなみに大量生産の場合はチップマウンター(表面実装機)を利用している1)参照:表面実装 – Wikipedia

肉体的・精神的に消耗する作業

既製品を自力で修理した、仕事で1608等表面実装品を扱ったなどの経験がある人ならわかるが、表面実装は1つ1つの回路素子が非常に小さいもので出来ている。それを手ではんだ付けするとなれば、非常に繊細な操作を要求されるものである。はんだ付けするスペースは小さく、1608なら肉眼でギリギリ扱えるサイズだが肉眼でやろうとするものなら肉体的・精神的疲労は避けられないものである。なお、これより小さいものとして01005や02012)1608や01005, 0201はチップ部品のサイズの規格であり、数字の書き方は必ず長辺、短辺の順であり、単位はmm。なお、01005は0.1×0.05mmである。また、01005と0201はあまり使用されないためかJIS規格のみ存在している。感覚的には1005以降肉眼ではほぼ見えない。があるが、それを肉眼でやろうとするのならもはや拷問である。そもそも肉眼ではゴミに間違えるほどに見えないうえ、はんだ付けも非常に難しい。それらはそもそも一般人が電子工作するにしても使うことはない。

そのため、一般人ができるのは1608か1005までであろう。ただ、1つ1つのパーツをしっかりと取り付けることや他のパーツとの干渉、はんだごてを当てすぎることによるパーツの破損。これらも考えると、先の肉体的・精神的疲労も重なると、趣味にしたって「できればやらないで済ませたい」となることもあり得ない話ではない。そもそも専門家でさえ苦戦する作業なので、無理もないことだ。なお、大量生産ではない表面実装基板は人間がやる方がコストが抑えられる。当然の話であるが。

1608の部品
1608の例。これでも非常に小さく、取り扱い注意である。2秒以上もはんだごてを当てると壊れるくらい、熱に弱い。

作業用の拡大鏡とカメラを使用したデジタル顕微鏡の存在

光の法則とレンズの特性を利用して、拡大して「見る」ことができるアイテムがある。所謂「虫眼鏡」「ルーペ」と呼ばれるものだ。虫眼鏡は取っ手があってレンズが大型のもので、ルーペは黒い枠でレンズが小型であり主に学校の備品でよく見るもので、理科の実験用として使われることが多い。これらはいずれも手に持って使用するものであるため、単純に拡大して観察するためのものである。あるいは黒い紙に光を収束させて燃やす実験で使用することもある。

拡大する目的は小さなものを拡大して、作業をやりやすくするということも考えられる。その場合は手に持ちながら、ピントを合わせながら作業することは難しい。そのため、眼鏡型の拡大鏡や台座で固定される拡大鏡が存在する。眼鏡型はインチキな通販が目立つが総合スーパーなどで市販品も確認されるため、わざわざ通販を利用する意味はない。通販は大抵詐欺だと思え。

台座固定型は大きめのレンズで、明かりが弱い場合や暗いところでの作業に適したライト付きの物が存在する。この場合はレンズの部分の高さを自由に変えられ、台の部分は作業スペースを阻害しないよう”C”の形になっているものがある。拡大鏡はただ大きなレンズがはまっているだけであるため構造は単純で頑丈であるがどうしても大きなものになってしまう。ライト付きのものは殆ど電源の接続が必要になるので、延長コードは必要になるであろう。



ところで拡大鏡を使う方法をアナログとするのであれば、デジタルの方法もある。その方法はカメラを利用したものだ。光学レンズの代わりに画像素子を用いてカメラのズームを変更してピントを合わせ、それをモニタやPCに送信して「映像」としてリアルタイムに映し出すようにしたものになる。これは正確には顕微鏡と言えるかどうか難しいが、デジタル顕微鏡と呼ばれている。ただヨドバシドットコムのカテゴリにデジタル顕微鏡が存在するので、おそらくその通りでいいのだろう。

顕微鏡という名称がつくものの、学校で使われる光学顕微鏡の形をしていないものも多く、単三電池2本で動くライトのような形をしたものや棒とストッパーを使い高さを自由に調整できるようにしたものがある。他に、配管内部や家具を敷き詰めた配置で出来る隙間を確認できるほどに細い内視鏡のようなものもある。当然ながら光学顕微鏡の形をしたものも存在する。通常の顕微鏡や拡大鏡と違ってカメラを使用することから小型化しやすいほか、カメラを使用しているので撮影が可能ということだ。静止画はもちろん動画も撮影可能であり、ここは通常の光学顕微鏡と比較すると、画像や映像として記録することができるのは非常に大きなメリットである。

しかし問題点は、名の知れた大手メーカー製は信頼性と性能に応えるべく、しっかりとしたパーツを採用している。そのためにどうしても高額になりがちである。ヨドバシドットコムの”デジタル顕微鏡”の項目を見ても、少なくとも¥5,000以上の物しか存在しない。業務用レベルになると20万以上もするようで、下限でも普通に使うには高く感じるものになるであろう。手軽に、とはいけないようだ。

Amazonに中国製のデジタル顕微鏡を発見する

いつも価格破壊を引き起こすのが中国製だ。中国共産党は大嫌いだが、真面目な中国人と中国企業には本当に助かっているものである。商品説明の日本語に関しては漢字と細かい文章が安定しないのだが、商品そのものは大手メーカーとほぼ同レベルであることは間違いない。このことは既に何度も解説しているのに加え、もうわかっている人が多いので今更説明するまでもない。

そのような商品はAmazonをはじめとする大手通販サイトならどこでも入手でき、極論は配送にクッソ時間のかかるAliExpressなら在庫の存在する限りいつでも入手可能である。その分個人で扱っていることは少なく、あるとすれば未使用の新古品か不要になった中古品をオークション・フリマサイトという無法地帯で流すくらいだ。どちらにせよ、それらに共通しているのは「安い」ということだ。

あるときに個人的なことでUSB顕微鏡を探していた時、Yahoo!もMRCRも殆どが「高額」となる中でAmazonにこっそりと、USBバスパワー駆動および通信可能なデジタル顕微鏡を発見することができた。残念ながらどこのメーカーであるかという情報はどこにも書いていなかったので読み取ることができなかったが、購入時の価格は¥1,780で圧倒的に安く、だが残り1点となっていた。とてもギリギリなタイミングで偶然購入でき、センターからの配送だったために注文した明日には届いたこれ。見るからに怪しいと構えてしまうこれは果たして使えるのか。実際に試すことにした。

中国製のUSB式デジタル顕微鏡使ってみた!

中国にも多数のメーカーが存在するが、それらは中国国外では大手以外実質無名である。公式の専用ソフトウェアを配布しているサイトに対してpingを行い取得したIPにwhoisをかけると、確かに中国のIPであることは確認できたものの、それがどこの企業のものかまでは調べることはできなかった。なのでここでは企業についての情報はなしになる。中国企業だが商品展開する以上英語はちゃんとできるようで、その点では問題ないであろう。それらを踏まえ、レビューしていく。

前段階:Amazonの販売ページ確認

今回はAmazonから購入したものである。そのページはこのようになっていた。

Amazon商品ページ
購入時のAmazon商品ページ。説明を切り抜いて1枚にまとめたものである。付属の画像はどうしても胡散臭いが、説明としては十分だ。

このデジタル顕微鏡は様々なバリエーションが存在するようで、Micro-Bに変換するアダプタが付属しているもの、拡大倍率が異なるもの、内蔵されているライトの数が異なるものと様々だ。多数存在する「派生形」或いは「類似品」を比較した結果、最適解がこのモデルである。PCで使用し、Androidで使用することを考えなければ変換可能なモデルは必要ない。そもそも小さな画面でデジタル顕微鏡を使う必要があるのかどうかであり、もし必要があるのならそのモデルでもいい。使えるかどうかは別であるが。




購入:外見と内容物チェック

注文した際のお届け予定日が2日後であったが、対応が早いようで注文した明日にはもう届いた。置き配対応するAmazonのおかげで受け取れないために再配送手配をする必要もなく、最近のAmazonは死のコロナウイルス情勢の工夫が上手いことがよくわかる。その分Amazonの一般社員は世界一有名なサイコパスのジェフ・ベゾスや上位役職の上司の圧力に耐えているわけだが。

さて、到着した商品であるが、商品自体が小型のためかプチプチが内側にある袋で配送された。その袋を開けると小箱が入っていた。その小箱と内容物が次のようになっている。

内容物
デジタル顕微鏡の内容物。箱の正面(上面)と底面だけを撮影している。底面にスペックデータが書かれている。内容物は至って普通であった。

今回も箱に入っているタイプである。箱には裏面に仕様概要が書かれており、画像は必要ないと判断しあえて掲載しなかったが(正面から見た)右側面にはモデル(USB)と倍率をマークする欄がある。倍率については最小200倍、最大2000倍まで存在する。最大倍率とモデルによって分けているとすると、パッケージも使いまわせる効率的な生産方法である。流石中国だ。

肝心の内容物は、デジタル顕微鏡本体・固定用の台・インストールディスク(8cm)・説明書(英語)・キャリブレーションカードである。USBケーブルは直接繋がっているタイプであり、電気ノイズ除去の磁気リングは未装備だがケーブルの間にライトの明るさを調整するダイヤルがある。インストールディスクは、最近のラップトップにオプティカルドライブ(DVDドライブ)は付属しないことが多いため、これは無視する。よって作業は付属の小さな説明書に従うものとして以降を記述する。

接続:実はプラグアンドプレイなデジタル顕微鏡

これまでこのブログで取り上げてきた中国製電子機器は、いずれもプラグアンドプレイ対応のものであった。これも果たしてプラグアンドプレイ対応か、まずは挿して確認してみた。すると、普通に認識したのである。それもドライバインストールなどは一切なしである。Microsoft標準のドライバによってしていることを確認した。専用のドライバが必要ないところは優秀である。

デバイスマネージャー上の表示
デバイスとプリンター、デバイスマネージャーでのデジタル顕微鏡の情報。扱いはWebカメラである。ドライバはMicrosoft標準のもので2006年6月21日になっている。

上の画像は、左が「デバイスとプリンター」、右が「デバイスマネージャー」のドライバタブの内容である。ドライバタブの内容から、デジタル顕微鏡は最初から標準ドライバで動作できるようにしているものと考えられる。おそらくは専用のドライバが存在するものと考えられるが、独自のドライバインストールはPCの再起動を要求されることが多く、PC自体にもちょっとした弊害が発生することもあるので、その意味だとプラグアンドプレイで済むならそれでいいというものだ。

デジタル顕微鏡はPC上ではWebカメラとして扱われ、その名称は”USB2.0 UVC PC Camera”となっている。Webカメラという認識であれば、配信ソフトや通話アプリで認識することができるということを意味する。もっとも、顔を見合わせて通話する用途には向いていないので通話アプリではまず使われない。電子工作の配信でなら手元を拡大して見せることができるため使い道が十分にある。いちやちゃん向き。

外見と機能の確認

ここで、外見と機能を確認する。台座はあくまで固定するだけなので本体を中心に見ていく。

デジタル顕微鏡の外見
デジタル顕微鏡の外見。台座は反射が激しいため本体だけで撮影している。50X⇔1600Xのダイヤルを回すことでピントを調整し、本体から離れたところにあるダイヤルでLEDの明るさを調整できる。クリアキャップが装着されているのが標準である。

見た目は片手で持てる単三電池のライトのようなものである。電池式のライトにはコードがついていないので当然ながら機能は違うが。このデジタル顕微鏡は手に持って使うこともできるが基本は付属の台座に本体の溝を合わせる形で固定し、拡大したい物体を固定して本体(台座)の位置を移動しつつピントを合わせるのが基本となる。なお、本体のボタンについて、ZOOMは何の機能も持たないダミーボタンであり、SNAPはHiViewでのみ使えるボタンである。したがって、ピント調整とライト調整だけ出来れば問題ないのである。

デジタル顕微鏡のカメラは、精度は低いが一般的な用途には十分の解像度となっている。またカメラ部分の保護のためにクリアカバーが付属しており、これはクリアカバーごと脱着が可能になっている。その上、正面だけカバーを外せる構造になっているので、破損の可能性も低いものになっている。なお、普段は正面カバーを付けていてもピント調整でちゃんと見えるようになるため、実はいちいち外さなくても大丈夫である。安全性の考慮ができる中国製品は優秀だ。




実際に試す:専用ソフトウェアとOBS Studioで

プラグアンドプレイで接続できることは判明した。次は実際に画面をPC上に映し出すことができるかを確認する。説明書には専用のソフトウェアが存在すると明記されているため、それと一般的な配信ソフトであるOBS Studioを利用する。

専用ソフトウェア:HiViewインストールから実行まで

付属の説明書によれば、https://soft.hvSCam.com(リンクはあえてしない)に専用ソフトウェアのインストーラがある。私が確認した限りでは、httpsは無効であるがサイト自体は正常なようだ。その様子が以下である。

ダウンロードサイトの内容
該当のサイトにアクセスしたときの画像。Windows以外にMacにも対応していることが分かる。Amcapはダウンロードする必要はない。

これを見る限りでは、Windows/Macの両方に対応していることが分かる。Appleも対応しているのは流石だが、このデジタル顕微鏡を使う人でAppleは全くいないであろう。下のAmcapについては今回やりたいことと全く関係ないので無視する。ここではWindowsであることを前提に話を進めることとする。まずは”HiViewSetup 1.4 for Windows”をダウンロードし、それを実行してインストールを完了させる。インストール手順については迷うことはないので省略する。

インストールが完了したら実行する。普通に進めていればデスクトップ上に”HiView”という名で丸の中に白い字で”H”のアイコンができるので、それをダブルクリックする。あるいはスタートからH行を調べればソフトウェアが存在するのでそれをクリックすることで起動する。実行すると以下の画面が出てくるはずだ。

HiView初期画面
HiViewを起動した初期画面。面倒な事に必ずフルスクリーンで起動する。画面の大きさは1280×720程度で問題ない。

HiViewは幸いなことに日本語に対応している。そのため何がどうなっているかについてはわからないことはなくなる。また各種アクションはアイコンで示されているため、そのアイコンでも何ができるかを読み取ることができる。

専用ソフトウェア:実際にこれで何か観察してみる

導入ができたらこれで何か観察して、使い方も試すことにする。初期状態ではデバイスが選択されていないため、まずは表示させたいデバイスを選択する。その方法は簡単で、次の手順で行えばいい。

  1. ツールバーからデバイス/開く を選択するか、モニタとルーペのアイコンをクリックする
  2. ダイアログが出てくるので、該当のデバイスを選択し色圧縮と解像度を選択する。このデジタル顕微鏡は640×360であるが、初期値は何故か1920×1080にセットされているので必要に応じて選択し直す
  3. 開く をクリックすることで映像が表示される

この手順を行えばOKである。また、640×360でのデジタル顕微鏡の実物の状態とHiView上で見れる映像の例が以下である。

デジタル顕微鏡とHiView上の表示
デジタル顕微鏡で実際に「もの」を観察している様子と、それをHiViewで映したもの。こんなにもよく見える。

手元を拡大することで、肉眼で見えにくいものがはっきり見えるようになることが分かる。また、HiViewでは単純に拡大表示するだけでなく、各種計測も行えるようになっている。計測を行う場合、事前に付属のキャリブレーションカードを用いて画面上のスケールを校正しておくことが必要になるが、手動では計測がしにくいものでも画面上で簡易的に計測できるということを意味する。使用できるツールは以下のようになっている。

  • 十字線(十字マーク):十字線を中心に表示する
  • 直線(斜線1本):直線を引く。距離測定のために使う
  • 平行線(斜線2本):平行線を引く。平行な2辺間の距離測定のために使う
  • 円(円):クリック地点を中心に円を描く。半径・円周・面積が求められる
  • 同心円(二重丸):クリック地点を中心に同心円を描く。半径の比較のみ行える
  • 四角形(四角形):四角形を描く。長辺と短辺、面積が求められる
  • 角度(角マーク):角度を測る。2つの直線を引いて角度を求めるタイプ
  • 楕円(楕円);楕円を描く。長辺と短辺・円周・面積が求められる
  • 弧(曲線):弧を描く。任意の直線を引いてから角度を決める。角度・半径・円周が求められる
  • 多角形(星マーク):多角形を描く。クリックした後ホールドしながら任意の地点へ動かす。その後は1クリック毎に角を決定する。終了は右クリック。なお、開始点と終了点は手動で繋げなくてはならない
  • フリーハンド:フリーハンド。ただ線を引くだけ
  • テキスト:クリックした地点にテキストを記述する

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豊富な計測ツールがHiViewに存在し、これらに加えて静止画の撮影および動画の撮影も可能だ。静止画はjpg, 動画はwmvで保存され、標準の保存先は"C:\Users\[your_username]\Documents\HiView Files"になる。これは任意に変更することができる。また、何らかの計測ツールを使用した状態で静止画を撮影した場合、その計測結果も一緒に撮影される。ただ普通に使っている場合には手ブレや観測対象が微妙に移動することで、正しく測定できないことは多い。そのため、静止画を撮影した後でも計測ツールで計測ができ、もちろん計測完了後は計測した結果を残して画像を保存することができる。動画は音声は当然録音されないが30fpsで撮影されるため、はんだ付けした後の回路動作(LEDなどの発光体)の確認と記録のためにも使えるであろう。

HiView画像(計測結果付)
HiViewで撮影した静止画に計測した結果を保存したもの。測定した結果も同時に保存できるので、資料として画像を用意するのにも便利である。

一般配信用ソフトウェア:OBS Studioはどう映るか

HiViewはデジタル顕微鏡の計測に特化した専用のソフトウェアであると言える。それと同時、前述のようにこのデジタル顕微鏡はPCにはWebカメラとして認識されている。Webカメラというのなら一応通話アプリでのカメラとして使えることになるが、流石にデジタル顕微鏡をカメラ代わりには使えない。だが手元を映すためのカメラとして使えるはずだ。

OBS Studioはフリーの配信ソフトで人気の高いソフトウェアだ。多くの人が使用しているこれは、接続されているデバイスが正しく認識されているならOBSでソースとして追加し、映像や音声を出力することができるようになっている。OBSではソースを映像キャプチャデバイスを指定し、そこから”USB2.0 UVC PC Camera”を選択することでプロパティが開かれる。また、プロパティを開いた時点で映像は表示される。さて、そのプロパティ画面が次のようになっている。

デジタル顕微鏡のプロパティ(OBS)
OBSでデジタル顕微鏡を選択したときのプロパティ画面。デジタル顕微鏡の仕様を超える設定はできないようになっている。

OBSでの設定はあくまでもデジタル顕微鏡の仕様に従うため、最大解像度は640×480までである。FPS値も仕様では30であるが、自動調整では25に固定されている。最大の設定もできるが、それに関するFPS値は明示されていないので30かどうかは不明だ。しかし(ここではあえて映像を出していないが)OBSで正しく認識され、映像も出ているとすれば、他の配信ソフトでも同じように使用できるはずだ。つまり、電子工作などで拡大して映すカメラとして使える、ということになる。これでいちいち、全体を映すためのWebカメラの前に「作ったもの」を持ってこなくてもよくなる。やはりいちやちゃん向けだ。

ここまで見てきたが、デメリットは正直見当たらない。無理矢理にでも挙げるとすれば台座の土台の反射率が異様に高いので、ここに映ってはいけないものが映らないようにするくらいだ。つや消しの加工か布でも被せて反射しないようにする必要があるだろう。

見えにくい小さいものはこの顕微鏡1つで十分だ

どんなものでも、名の売れたメーカー製は信頼と実績とパーツ単位で選別しているので、どうしても高くなりがちだ。そこに例外は殆ど存在しない。それに昔からカメラの類のものは、たとえ簡易なモデルでさえも高額であることは多い。いくら技術力が上がっても、カメラに関しては精密機器の代表というべき存在でもあるため、どうしても高くなることは避けられないようだ。

最近どんなものでも中国製品を実際に使用してその使用感を確かめ、そこから得た事実をネタに記事にしている。安いことはいいことだが、使えなければ意味がない。そして多くの人はその安さに疑いをかけ、使おうとしない。そうなればネタを書くチャンスである。殆どの人が敬遠する中で豪快に突っ込んでいけば、該当の記事を見ることは間違いないからだ。ただしこれの場合、中国製とデジタル顕微鏡というキーワードしかなく、明確な型番などが分からなかったため、安くデジタル顕微鏡を入手したい人向けの記事になってしまっているが。

今のところ電子工作は表面実装回路を自分で作ったり、表面実装の電子機器を修理する機会がないので、今回買ったデジタル顕微鏡の出番はまだない。しかしこれは検証して非常に便利なものであることが判明したので、配信には使わないが何かしらの細かい作業を行うときには個人的に使用することになるであろう。せっかく買ったのなら使うのがいいというもの、製造した見知らぬ中国人もきっとそう思っているはずだ。

 

以上、中国製のUSB式デジタル顕微鏡使ってみた!であった。それでは、次回の記事で会おう。ン、バァーイ!

 

KIBEKIN at 00:00 Oct. 14th, 2021


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脚注

脚注
本文へ1 参照:表面実装 – Wikipedia
本文へ2 1608や01005, 0201はチップ部品のサイズの規格であり、数字の書き方は必ず長辺、短辺の順であり、単位はmm。なお、01005は0.1×0.05mmである。また、01005と0201はあまり使用されないためかJIS規格のみ存在している。感覚的には1005以降肉眼ではほぼ見えない。
RA管理人
RA管理人。名前は時にない。かつてこのサイトを管理していた前任者はどこかへ消えてしまった。


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