この記事の概要を簡単まとめ!
- スマートフォンは消耗品であり、こわれもの
- キャリアが保守サービスを用意している
- SoftBankは「あんしん保証パック(プラス)」を提供している
- 利用中の同型機のリファービッシュ品と交換できる「配送交換」サービス
- かなり壊したXperia 1でサービスを利用して記録を残す
- 手続き方法とすべきことは意外に簡単
- データ移行に抵抗がなければ修理よりいい
スマートフォンとは進化の連続である。そのため、最新機の発表があったと思えばすぐに次世代機の開発計画があったりと、誰もが利用するものだからこそPCよりもサイクルが早い。現在は5G対応スマートフォンが加速しているが、肝心の5G自体は整備が進んでいないように思える。気が早すぎるのではないか。
そのスマートフォンも、サイクルが早い故か、それとも手元に収まる精密機器の塊のためか。高額でありながらもよく壊したり買い替えたりすることが多くなっている。買い替えの場合は売って金にするであろう。壊した場合は保証を利用して修理をするのが一般的である。もっとも全損であれば新しいのを買った方が早いが。
ただ、毎回新しいのを買うのは資金的余裕がないことであろう。その時、ケチッていなければ何らかの保証サービスに加入していることであろう。私は孫切りしないせいでユーザーが損をすることでおなじみのSoftBankで、Android向け保証サービスである「あんしん保証パックプラス」に加入していた。それが幸いしたのか、破損したスマートフォンの交換サービスを受けることができたのである。
あんしん保証パックプラスに内包されている、「配送交換」サービス。 これを実際に利用して、その最後までを詳細に記録した。修理してもどうにもならないので利用しようと考えている人に、これを読んで検討するといいだろう。
ひとっ飛びできる目次
スマートフォンと保守サービス
セトモノ、スマートフォン
今では持っていないことがあり得ないスマートフォン。ただ、これを単純な「携帯電話の延長」のように考える人が多い。そのためか、精密機器の塊とも言えるこれを適当に扱う人が多く見受けられる。その証拠に、画面が割れているのがそのままだったり、なんか変に擦り傷が多かったりすることがある。無論、気を付けていてもうっかりすることはある。その場合は仕方ない。
精密機器の塊を手で持ち、しかも落としたりするリスクが大きいがために、スマートフォンを販売している大手キャリア及びMVNOは、スマートフォン本体に対する保証サービスを付けている。これらのサービスについては一般に機種変更や新規契約時にのみ加入するかどうかを選択できることが多く、そのタイミングを逃すと加入できないことが多い。なお、これらのサービスの価格は往々にして牛丼並盛を2杯相当であるが、それをケチった結果割引価格で修理が受けられず、放置している人が多いのである。
破損状態での使用継続は見た目的にも悪く、同時にさらなる劣化の可能性がある。よくあるのが落下ダメージによる外装の破損と、それに伴って内部部品が浮いてきて裏蓋を押し上げるだとか、或いは画面破損でひび割れが発生し、そこから細かく画面が割れていったり、黒い線が入って使い物にならなくなることであろう。よって、OSアップデートの対象外となるまで使用するということは、ほぼあり得ない話になってきているのである。
キャリアが保守サービスを用意している
先にも少しだけ触れたが、何かしら壊れる・ユーザーが壊すことを見こして、保守サービスを用意している。三大キャリア及び主要なMVNOの本体に関する保守サービスについて、下記の表にまとめた。なお、ここではスマートフォンのみを対象とし、iPhoneやタブレット、その他の携帯は考えないものとする。
キャリア名 | サービス名 | 料金(¥/月) |
---|---|---|
docomo | ケータイ補償サービス | 500, 750, 1,000 |
au | 故障紛失サポート | 660(5G), 630(4G), 380(3G) |
SoftBank | あんしん保証パックプラス | 650 |
UQ mobile | 端末補償サービス | 380 |
Rakuten Mobile | スマホ交換保証プラス | 650 |
Y!mobile | 故障安心パックプラス | 690 |
これらは主に端末も販売しているキャリア及びMVNOにおける、端末の保証(補償)サービスとその料金体系である。なお、docomoだけ面倒な料金体系となっているが、保証サービスについてはほぼ一律のようである。詳細はリンク先の説明を読むといい。
この保証サービスは殆どの場合、新規契約または新規の端末購入・機種変更時にのみ同時に加入するかどうかを選択できる。それ以外の、途中のタイミングで契約内容変更で「追加」することはできず、「破棄」のみできるようになっている。そのため存在は知っていても、最初に加入することを選択しなかったために、触れる機会がない人は多いであろう。
ソフトバンクの場合
ソフトバンクの場合は、あんしん保証パックプラスの名称で、月額¥650で加入できる。これには電話サポートが無料で受けられる(通常¥500/月)、自然故障に対する修理が¥0、外装修理が90%OFFの¥1,500、水濡れ・全損が¥5,000、バッテリー交換が¥1,500~¥4,500、メモリ復旧が無料、盗難・紛失・修理受付終了機種が特別価格で同一機ないし指定機種へ機種変更可能であり、修理等はPCからオンラインで申し込むとさらに20%OFFとなるという、手厚いサポートが用意されている。
その中でも、新品と同程度のリファービッシュ品と配送で交換を行ってもらえるサービスがあり、これが「配送交換」サービスである。¥7,500+税で「現在使用中の」端末を、未使用または初期不良などで返品されたものに手を加えて新品同然にした、所謂リファービッシュ品と交換できる。これは直近で、ソフトバンクまたはソフトバンクのデスクがある家電量販店などで新規購入した端末のみに限られる。SIMフリーの端末を独自に購入して、それを配送交換の対象とすることはできないようだ。
配送交換なので、家にいながら新しい端末にすることができる。死のコロナウイルスが蔓延している状況下もあるだろうが、そうでなくても店舗に行かずにしてMyソフトバンクで手続きすれば簡単に交換できる。修理ではどうにもならない程壊れている場合、実質新品との交換もあってこっちの方が安くつくことがあり得る。
しかし、なかなかそこまでスマートフォンが破損することはない人が多いために、利用した人が少ないのも事実である。そこで今回、私自身かなり破損し内部劣化も進行していたXperia 1を配送交換の対象としこのサービスを実際に利用する。配送交換の申し込みから故障機の返送まで、一連の処理について次項からまとめたものを書き上げ、利用したい人の参考になるようにしておく。これを読んで、配送交換を考えている人は検討するといい。
ソフトバンクの「配送交換」を利用してみた
ここからは私自身が実際にソフトバンクの「配送交換」を利用して、申し込みから返送までを実際に行う。画像付きで順に解説する。無論、前提条件としてソフトバンクかその系列店で端末を購入しているものであることが必要である。
準備:手順を確認する
まずは手順を確認する。配送交換の利用方法のページから、手順を簡易にまとめたものを下記に示す。
- 「配送交換」サービスを申し込む。My SoftBankから申し込むか、電話で申し込む。電話の場合でも通話料は無料である。
- 交換機の配送と代金の支払い。基本的に登録住所へ送られる。支払いは代引きで、交換機の到着時に現金またはカードで支払う。また、申し込みの時点でTポイントを代金の支払いに利用できる。全額Tポイントも可能。
- 申し込みのタイミングが当日の16:30迄に完了させた場合、1~2日を目安に届けられる。
- 故障機をバックアップする。バックアップの方法は多岐にわたるので、バックアップしたいデータによってその方法を変える。
- バックアップ後は故障機を初期化する。失敗すると酷なので、初期化のタイミングはバックアップが交換機で完了したタイミングで行うことを推奨する。
- 交換機が届いたら、交換機をセットアップする。初期設定を完了し、バックアップを実行する。
- 故障機を2週間以内にソフトバンクへ返送する。故障機は前述の通り、初期化したうえで返送する。返送するのは故障機本体のみで、SIMやSDは必ず抜くこと。なお、2週間以内に返送されなかった場合、違約金¥40,000を支払うことになる。

ソフトバンクが説明している配送交換サービスの概要である。文字だけで見ると面倒そうなイメージを与えるのはいつものことである。よって、これを実際に行い、簡単であることを証明する。
申請:My SoftBank経由の申請から完了まで
では、My SoftBank経由で申請し、それを完了するまでを解説する。手順は下記の通りである。
- My SoftBankの安心・便利サービス>修理・交換の、配送交換・オンライン修理の申し込みから入り、配送交換を選択して[次へ]をクリックする。
- 利用規約(注意事項)の確認をし、現在利用中の機種の確認をする。
- この時、機種が同一でもIMEIが一致するものでなければならない。IMEIはAndroid 10以降は設定>デバイス情報 にある。
- 故障内容を入力する。故障内容はカテゴリから選択し、発生する状況と頻度、その他のフリーコメントを最大3個まで記載できる。
- お届け先と支払いを決定する。支払い方法は現金またはクレジットカードの代引きに限定される。このとき支払いにTポイントが利用できる。全額Tポイントにすることもできるであろう。お届け先は契約者住所または請求書送付先住所を選択する。大抵は同一であるので、要するに自宅にお届けである。
- お届け日時を指定できる。指定しない場合、1~2日で最短お届けとなる。連絡先は電話番号はともかく、メールはPCでアクセス可能なメールを使用する。
- FeliCaフォーマットに同意する。同意書を読まないと同意するにチェックできないのでリンクを開く必要がある。フォーマット時に手動でおサイフケータイの設定をあらかじめ削除しておく。
- 確認画面。ここで問題がないかチェックする。問題がなければ[申し込み]をクリックして申し込む。
- 申し込み完了画面。この後入力したメールアドレスに申し込みの完了メールが届くのでこれを確認し、保存しておく。

実際の申し込みは上記の通りに行えば、難しいことはなく簡単に申し込みできる。唯一の記述である故障内容の入力は事実を書けば問題ない。もっとも、何らかの故障は明らかであり、その事実のもとで申し込んでいるので、後は金さえきっちり払えば何の問題もないであろう。
交換機:バックアップデータ復元と故障機のフォーマット
私の場合、申し込みから2日後に交換機が到着した。交換機はソフトバンクの専用の箱で送られてくる。内容物は、緩衝材と交換機の入ったクリアケース、サービスレポート(領収書)、配送交換ご利用の手引き、故障機返送用封筒(レターパック型)、気泡入り緩衝材の5点となっている。

何はともあれ、まずは手引きと交換機を取り出し、交換機の電源を入れることから始める。手引きにはバックアップに関してのことも書いてあるが、配送交換を選択する時点である程度のバックアップは行っているものだろう。ただし、ソフトバンクの案内するバックアップ方法は、アプリ内データをサポートしていない。詳細は割愛するが、adb1)adb: Android Debug Bridge. Android SDKツールの1つである。これを使用することでAndroid端末に対し、端末ではできないことを行える。アプリデータのバックアップもadbで行える。Android SDKツールはGoogle, Android Studioのユーザーガイドから入手できる。を使用する必要がある。
これに関しては検索してもらうとして、交換機に故障機のデータを復元したら、故障機はフォーマットを行う。このとき、NFC/おサイフケータイのロックをあらかじめ解除しておく必要がある。そのうえでフォーマットを実施する。フォーマットはSD内のデータは対象とならないので抜かなくとも問題ないが、心配なら抜いておくべきである。なお、SDはmicroSDHC/XCを通常のSDHCにするアダプターやUSBメモリ化するアダプターを使用すれば、PCでも普通に認識するので、その方法でバックアップしてもいいだろう。実はその方が安全だったりする。
返送:ケースに入れて耐衝撃包装してポストへ
バックアップが完了し、故障機のフォーマットが完了したら、交換機が入っていたクリアケースに故障機を入れて付属の気泡入り緩衝材に入れ、自分の住所を書いた故障機返送用封筒に入れて封をし、それをポストに投函すれば完了である。
ただし、機種によっては故障機返送用封筒よりもクリアケースが大きい場合があり、入らないことがある。その場合はクリアケースを使わずに故障機を直接気泡入り緩衝材に入れて封筒に入れて封をすればいい。そして、最終確認として住所が間違っていないことを確認してポストに投函すれば、これでこちらがすることはすべて完了である。よほど故障機の返送を先延ばしにしていなければ、基本的に14日以内に必ず届くので問題ない。
ちなみに、封筒にはレターパックのように追跡番号があり、配送状況がわかるようになっている。その番号部分は切り離しが可能であり、発送者の控えとして保管しておく。心配であれば、追跡するといいだろう
以上が、「配送交換」サービスの実際に行った手順である。バックアップのところだけ問題になるが、それ以外は決して難しいことをするわけではないので、意外に簡単であると分かってもらえたことと思う。
データ移行に抵抗がなければ修理よりいい
ここまでソフトバンクのあんしん保証パックプラスに付随する、「配送交換」サービスについて、概要と実際の詳細を書いてきた。これらの保証サービスは、大抵が最初に加入しない人が多いことで使用しない人が多いのと、加入していても使用機会がないまま機種変更するなどによって結果的に使わずに終わってしまうこと。そして、記録して情報をまとめ、それを公開する人が少ないために、実際にどうだったか、という情報が手に入らないことが多い。
私自身のうっかりで破損し、長らくその状態で使用してきたXperia 1は12か月目を目の前にして使用限界が来ていた。それは外装だけでない、内装にもダメージが伝わっており、バッテリーにも異常が発生していて、0%でないのに電源が切れることが多くなってしまったのである。再起動もたまに発生してしまうのでは、到底使えたものではない。その際修理という手段があるが、外にも中にもダメージが大きいと修理でどうにかなるものではない。下手すると修理費が高くつくであろう。
その場合、配送交換は便利である。この場合、アプリ内データのバックアップは保証できないが、画像データ等のバックアップは簡単である。そのため、アプリ内データが惜しくない、データ移行に関して抵抗がなければ、ほぼ全損状態なら配送交換を利用するのがいいだろう。結局、修理でもデータの保証はしてくれないことが多いのと、端末の実質的な「初期化」ができるので、もし端末自体を上位にする予定がなければ、これを利用するといいだろう。また、ソフトバンク以外でもそういうサービスに加入していれば、利用してみるといいだろう。方法は多少異なると思われるが、基本的な部分は変わらないはずなので、これと似たような方法でできることであろう。
以上、ソフトバンクの「配送交換」サービスを利用してみた記録であった。それでは、次回の記事で会おう。
リンクス岐部(LINKS-KIBE) at 23:05 Sept. 10th, 2020
スポンサーリンク
脚注
本文へ1 | adb: Android Debug Bridge. Android SDKツールの1つである。これを使用することでAndroid端末に対し、端末ではできないことを行える。アプリデータのバックアップもadbで行える。Android SDKツールはGoogle, Android Studioのユーザーガイドから入手できる。 |
---|