【PCの簡単引越し】”Easeus Todo PCTrans”PC移行機能の使用方法とレビュー

この記事の概要を簡単まとめ!

  • EaseUS製のデータ移行ソフト”EaseUS Todo PCTrans”
  • ソフトウェアを移行したいPC同士に入れて使用する
  • 最低額3980円+税で3種類の転送方法が利用可能
  • アプリのユーザーデータも移行可能
  • システムクリーンアップも実行可能(解説は割愛)
  • PC間の移行はもっと楽になる

2020年1月14日をもって、Windows7のサポート終了によりWindows10への移行が進んでいる。その際、古いPCからWindows10がプリインストールされているPCに乗り換えるという人も多い。しかし新しいPCを導入すると、ユーザー設定を1からカスタマイズしなおすという面倒な事態が発生する。そのためなかなかPCの買い替えが進まない現状もある。

そこで、古いPCのアプリやデータ、アカウントをそのまま移行できれば、PCの乗り換えもスムーズに行えるはずである。そんな理想を叶えるソフトウェアをEaseUSが作り上げた。今回紹介するのは、PC引っ越しソフト、”EaseUS Todo PCTrans”である。

EaseUS Todo PCTrans概要

従来製品について

EaseUSはおそらく多くの人が”EaseUS Todo Backup“というバックアップソフトウェアを利用していて、そこから知っている人が多いと思われる。このソフトは、主にディスククローンを作成するときに利用される。

これは現在使用しているPCのディスクドライブの内容を、外部接続している別のディスクドライブにそっくりそのままコピーすることであり、これには本来表示されないMBR1)Master Boot Recode: ブートセクタの一種。簡単に言えばこれがないとWindowsは起動できない。参照:マスターブートレコード – Wikipediaもコピーする。ドライブ交換をするにはこの方法でクローンを行わなければ、ただ単にデータコピーを行ってもWindowsを起動することができないのである。

しかし、これは1台のPCに対してデータ移行する場合のソフトウェアであり、別のPCへデータ移行するソフトウェアではない。別のPCに移行する場合、USBメモリやクラウドを利用する。しかし移行可能なのは殆どの場合データのみであり、アプリケーション内の設定などを同時に移行することができなかった。新しいPCに移行したいのに、各種アプリケーションの設定はやり直しということが今まで何度もあり、煩雑な作業を強いられた。

PC引っ越しソフトという存在

EaseUS Todo PCTrans“は、既存のPCから移行先のPCへデータ移行を行う「PC引っ越しソフト」である。2台のPC間のデータ移行を行うには、同じバージョンのEaseUS Todo PCTransを両方にインストールし、これを起動しておく必要がある。

このソフトは体験版と製品版があるが、移行を利用するには製品版が必要になる。価格に関しては後述する。そして移行方法には次の3つがある。

  1. PCからPCへ:ネットワーク(Wi-Fi)を利用して転送する。ソフトウェアのみでの移行が可能であり、最も簡単な方法である。
  2. イメージ転送:既存のPCでイメージファイルを作成し、移行先のPCでイメージファイルから復元する。.PCTファイル(EaseUS独自の拡張子)を作成するため、結果的にUSBメモリやクラウドを利用する必要がある。
  3. アプリの移行:別のディスクへアプリデータを移行する。これはどちらかといえば同一PC内に複数のドライブを接続しているデスクトップ向けの機能である。

また、これ以外にもクリーンアップ機能が2つあり、それぞれシステム、大容量ファイルのクリーンアップが可能となっている。本記事では移行機能について、次節以降で解説していく。なお、クリーンアップ(システム、大容量ファイル)に関しては、解説を割愛させていただくためご了承いただきたい。



セットアップから実際に利用するまで

準備段階:データ移行ソフトのインストール

先にインストールを済ませる。インストーラを入手する必要があるので、まずはEaseUS公式サイトに行き、上部メニューまたはプルダウンからデータ移行 – EaseUS Todo PCTrans Pro(トゥドゥPCトランス プロ版)に移動する。そこでページ下部にある、[各エディションでの比較]からProの無料体験をクリックし、インストーラを入手する。

Pro版無料体験をクリック
製品ページ。個人利用はPro版の無料体験をクリックしてインストーラを入手する。

ダウンロードはすぐに終わるので、それを開き下記画面の指示に従ってインストールを開始する。と言っても条項に同意してスタートを押すだけであり、後は待っているとすぐに終わる。終わったら[今すぐ始める]をクリックすると、起動画面になる。

指示に従ってインストールする。
インストール手順。それほど時間がかからずに終わる。完了して始めるをクリックすれば起動する。

ライセンスの購入(アップグレード)

ここで、先ほどのページ(今すぐ購入のバナーをクリックして飛んだ先)でライセンスを購入するか、右上の鍵マークからアップグレードを行う。価格及び有効期間については、以下の通りである。

  1. 3980円+税(10%)  有効期間:1年間
  2. 5980円+税(10%)  有効期間:2年間
  3. 8390円+税(10%)  有効期間:無期限  最新バージョンへのアップグレードが追加料金なしになる
  4. ※価格及び税率は2020年1月現在のデータ

支払い方法はクレジットカード・PayPal・コンビニ決済のいずれかで行う。安全性と即応性の観点からPayPal推奨である。購入後はライセンスを移行元のPC、移行先のPCの両方に入力してアップグレードが正常に行われるか確認すること。左上のタイトルが金色になり、(☆)Proとなっていれば完了である。

方法1:PCからPCへ

“EaseUS Todo PCTrans”の最大の特徴であるのが、[転送]項目の[PCからPCへ]である。この方法はWi-Fiを経由してデータ転送を行うという、これまでありそうでなかった方法である。従来方式ではクロスLANケーブルを接続して共有ファイル設定を行いIPアドレスを手動設定して……といった非常に面倒な手順が必要であったが、それを行わなくてもいいのである。必要なのは、Wi-Fi環境と両方のPCにEaseUS Todo PCTransをインストールすることだけである。

手順1:PC同士を接続する

まずはPC同士をデータ移行ソフトで接続する。このタイミングで移行先もソフトを起動しておき、移行元から認識できるようにしておく。なお、移行先は初期画面のままでOK。操作は移行元のPCのみである。操作手順は下記の通りである。また、手順を画像化したものをその直下に掲載している。

  1. 左のタブの[PCからPCへ]を選択し、その画面下にある[PCからPCへ]をクリックする。
  2. 画面下にある[続ける]をクリックする。
  3. 移行先のPCが表示されていることを確認して、対象のPCの名前の下にある[接続する]をクリックする。
  4. もし移行先のPCでパスワードを設定している場合、パスワードを入力する。ユーザ名は移行先のPCで現在ログインしているものに固定される。
  5. 転送方向を選択する。対象のPCは「移行先」となるので、『このPCから他のPCへ転送する』にラジオボタンが選択されていることを確認して、[OK]をクリックする。
  6. 移行元のPCのスキャンが開始される。終了するまで待機する。
手順の画像化をしたもの
接続する手順のスクリーンショット。移行元の操作のみで完了し、移行先は操作しなくて良い。ちなみに最初の画面のトラックをクリックすると新しいPCへ動くアニメーションが実装されている。

手順2:転送したい項目を選択する

スキャンが完了すると、転送したい項目の選択画面となる。選択できるのはアプリ・ファイル・アカウントの3項目である。いずれの項目も、その項目自体を転送するか否かを選択可能であり、[編集]から転送項目を個別に選択できるようになっている。

スキャン完了後の画面
スキャン完了後の画面。デフォルトではアプリ・ファイルが選択されている。
アプリの項目

アプリの項目は、対応済み・ほぼ対応済み・非対応・既存の4つのタブが存在する。デフォルトでは対応済みに全てチェックが入っている。原則として移行先にないアプリが前3つのタブに入り、既に存在する場合は既存タブに入る。ほぼ対応済みはデータ移行アプリとの互換性があるか検証する必要があり、ない場合は修正あるいは手動で再インストールしなくてはならない。非対応は諦めろ、という意味である。

転送はアプリ内のデータも含めて転送される。したがって、対応しているのであればなるべく転送するようにしたほうが後々の設定が楽になるので、ほぼ対応済みも選択しておくといい。転送できなかった場合は諦めて手動で再インストールする。

アプリ選択画面
アプリの選択画面。Program Files(x86も含む)内にある全てのアプリが対象となる。
ファイルの項目

ファイルの項目は、デフォルトでデスクトップ・ドキュメント(C:\Users\[user]\Documents\)にチェックが入っている。後はエクスプローラと同じ要領で、転送したい項目を個別に選択する。1ファイル単位での選択が可能であり、何故か隠しファイルも選択できる。ただし、権限のないフォルダやファイルについてはそもそも表示されない。

また、転送の際はフォルダ構造を維持して転送する。したがって、USBメモリなどでコピーするとよく発生する、相対参照・絶対参照の崩壊は起きなくなる。これらは動画製作者などのクリエイターにとって嬉しい機能であることは間違いない。そうでなくとも、移行先のPCもフォルダ構造が同じになるので、前のPCを使う感覚でファイルを扱えるため、いちいち新規のフォルダを作成して整理する必要もなくなるのである。

ファイルの選択画面
ファイルの選択画面。選択はエクスプローラと同じ要領で選択できる。1ファイル単位での選択も可能。ただし権限のないフォルダやファイルはそもそも表示されない。
アカウントの項目

アカウントの項目は、デフォルトでは選択されていない。この項目では一般設定とローカルアカウントを選択可能である。今回実証するにあたり、アカウントは1つしかないため詳細が不明だが、複数アカウントがあれば、アカウント毎に転送項目を選択できると思われる。

アカウントで選択できる項目に、ユーザデータがある。これは”C:\Users\[user]\”のことであり、現在ログインしているアカウント以外のユーザのファイルはここから転送するか否かを選択できると思われる。また、アカウント設定(権限と写真)・個人用設定・電源オプションも選択可能である。Wi-Fi設定は、そもそもWi-Fi接続している時点で設定済みのためチェックしなくてもいい。必要に応じて転送すればいいだろう。

アカウントの選択画面
アカウントの選択画面。アカウントの設定やユーザデータなどを転送できる。ただし、あまり使われない。

手順3:転送開始

転送したい項目を選択し終えたら、スキャン終了後の画面に戻り、転送を開始する。ここで、[他のPCのオペレーティングシステムの復元ポイントを作成する]という項目がある。これをチェックすると移行先のPCに転送前の復元ポイントを作成する。よって転送に失敗してもこの復元ポイントによりリカバリーが効くようになっている。

転送開始後の流れについては下記の通りである。また、その流れを画像化したものをその直下に掲載している。

  1. 転送したい項目の選択が完了したらスキャン終了後の画面に戻り、[転送]をクリックして開始する。
  2. 転送が開始される。時間がかかるため、完了まで待機する。移行先は画面が少し変わるが、この段階では何も操作しなくて良い。
  3. 転送が完了したら、移行元はOKをクリックして終了する。移行先では完了するために再起動を要求されるので再起動をする。再起動前に他のアプリは終了しておくことを推奨する。
転送の手順のスクリーンショット
転送の手順のスクリーンショット。移行するものが多いほど時間がかかる。完了後は移行先で再起動をして完了となる。

以上が、「PCからPCへ」で移行する手順である。なお、再起動後は無事に転送されているか確認をしておくこと。先述の通り、失敗している可能性があるためである。

方法2:イメージ転送

2つ目の方法が[イメージ転送]である。任意の移行したいアプリ・ファイル・アカウントをまとめたイメージファイル(.PCT)を作成し、これをUSBメモリやクラウドを経由して移行先のPCの任意の場所にコピーする。その.PCTファイルを移行先のPCで読み込み、復元を行う方法である。

この方法はイメージファイルを何らかの方法で移行先のPCにコピーする必要があるため、その点では従来方式と似た部分がある。しかし、移行したいデータをイメージファイルに圧縮しているため、コピーする容量そのものを削減することができる。これは、USBメモリへのコピーやクラウドへのアップロードにかかる時間を短縮出来ることを意味している。また、この方法もアプリ内データ、フォルダ構造を維持してコピーすることができる。




手順1:イメージファイルを作成する

まずはイメージファイルを作成する。作成(転送)したい項目は[PCからPCへ]のときと同じように個別に選択できる。作成手順は下記の通りである。また、手順を画像化したものをその直下に掲載している。

  1. 左のタブから[イメージ転送]を選択し、その画面下にある[スタート]をクリックする。
  2. イメージを作成するので、左のイメージを作成の下の[作成]をクリックする。
  3. イメージファイルの名前と作成場所を決定する。任意の名前・場所に設定する。コピーしやすいように分かりやすい場所に作るといい。完了したら[確認する]をクリックして先に進む。
  4. スキャンが完了すると、作成したい項目を選択する画面になる。ここでも個別に選択可能である。
    • アプリでは、対応済か非対応のみになる。ほぼ全てのアプリが対応済となっているため、[PCからPCへ]の場合よりも選択できるものは多い。
    • ファイルは全く同じである。
    • アカウントも全く同じである。
  5. 選択が完了したら、[作成]をクリックして開始する。作成には時間がかかるので待機する。
  6. 作成が完了したらOKを押して終了する。
  7. 指定した場所に.PCTファイルが作成されていることを確認する。これをUSBメモリにコピーしたり、クラウドにアップロードして移行先のPCに取り込めるようにする。
イメージ作成の手順のスクリーンショット
イメージ作成の手順のスクリーンショット。作成時に選択する項目は[PCからPCへ]の時と変わらない。ただし、こちらは対応しているアプリが多い。

手順2:イメージファイルから復元する

イメージファイルを作成し、移行先のPCに取り込むことができたら、今度は移行先のPCで”EaseUS Todo PCTrans”を起動して進める。復元手順は下記の通りである。また、手順を画像化したものをその直下に掲載している。

  1. [イメージ転送]から、今度は右のイメージファイルから復元の[復元]をクリックする。
  2. イメージファイルがあるフォルダを参照から選択し、対象のイメージファイルの下にある[復元]をクリックする。
  3. 読み込みが完了すると、転送したい項目を選択する画面となる。ここでも個別に選択可能である。
    • アプリの場合は、このタイミングで対応済・ほぼ対応済・非対応・既存に分類される。そのため作成時に対応済であったとしても、ここでほぼ対応済・非対応になる可能性もある。既にインストールされているアプリの場合は既存に分類される。
    • ファイル、アカウントはこれまでと同じである。
  4. 選択が完了したら[復元]をクリックして開始する。ある程度時間がかかるので待機する。
  5. 完了したらOKをクリックする。ここでも再起動を要求されるので再起動をする。再起動前に他のアプリは終了させておくこと。
イメージから復元する手順のスクリーンショット
イメージから復元する手順のスクリーンショット。アプリは復元するタイミングでほぼ対応済・非対応が分かる。ファイルやアカウントは[PCからPCへ]のときと変わらない。この方法でも再起動が必要である。
以上が、「イメージ転送」で移行する手順である。この方法はイメージファイルを使用するため、移行先のPCにそのファイルをコピーする手段が必要であるが、圧縮してコピーできる点で優れているため、インターネット回線が弱い場合には有効な手段である。

方法3:アプリの移行

3つ目の方法が[アプリの移行]である。ただしこれは今まで紹介した2台のPC間のデータ移行を行うものとは少し違い、1台のPCを対象とする機能である。それも複数のディスクを接続することが可能なデスクトップ向けの機能である。そのためディスクが1つしかない場合、利用できないと思われる。したがって、現行のラップトップでは大抵1つのディスクしか接続できないため、この機能を使用することは難しいと思われる。

手順:移行したいアプリを選択して転送する

先に説明した2つの方法と比較すると実に簡単である。移行したいアプリを選択し、参照から移行先を指定して、移行を開始するだけである。なお、移行対象となるのはProgram Files(x86含む)内にあるアプリである。これはインストーラによってインストールされたアプリが対象ということでもある。

いつも通り、手順は下記の通りである。また、手順を画像化したものをその直下に掲載している。

  1. 左のタブから[アプリの移行]を選択し、その画面下にある[スタート]をクリックする。
  2. 移行したいアプリを選択する。移行先は参照から選択する。なお、USBメモリも認識するが、移行先には選べない。
  3. 選択したら[転送]をクリックして開始する。移行には時間がかかるので待機する。
  4. 移行が完了したら、OKをクリックして終了する。
  5. 移行できているか確認する。移行先は参照で指定したフォルダに”Program Files\[moved_app]\…”の形で移行されている。つまりフォルダ構造が維持されている。移行元はフォルダが残っているがジャンクション(リンク)になっており、Cドライブにあるように見える。実際は移行先のドライブを参照している。
アプリの移行の手順のスクリーンショット
アプリの移行の手順のスクリーンショット。これに限り、1台のPCで解決する。PCの引っ越しと言うよりはアプリの引っ越しである。頻繁にアクセスされるアプリを移行するのがいいだろう。

以上が、「アプリの移行」でアプリを別のディスクに移行する手順である。自作デスクトップ使用者はSteamでゲームをすることが多い。そのためSSD+HDDの構成としている場合、HDDの余剰領域にChromeなどのブラウザ、音楽系ソフトウェアといった頻繁にアクセスされるアプリを移行しておくと、容量確保のほか、SSDの寿命(使用可能時間、総書き換え回数)を延ばすことにも繋がるのでお勧めである。

以上が3種類の転送方法である。最後の方法のみ、同一PC内でアプリを別のディスクに移行するものであるが、それ以外の2つの方法で別のPCにデータを移行することが出来るのである。

実際に使用した感想(レビュー)

EaseUS Todo PCTrans“では3種類の方法で転送を行った。ここではそれぞれの方法について、実際に使用した感想を書いていく。公平性を保つため、良い点・悪い点を両方挙げる。

方法1:PCからPCへ

良い点

  • USBメモリやクラウドを経由することなく、直接アプリやデータを移行できる

“EaseUS Todo PCTrans”最大の特徴であり、このソフト使う最大の利点である。必要なものはWi-Fi環境と移行元・移行先にこの引っ越しソフトをインストールすることであり、それだけで簡単に移行できる。Wi-Fiを利用した移行ソフト自体が珍しく、独創的である。それだけでもこの移行ソフトを選ぶ価値が十分にある。

  • アプリ内データやフォルダ構造を維持したまま移行できる

USBメモリやクラウド経由で移行する場合、多くはアプリそのものだけや特定のファイルの特定の部分のみをコピーし、アプリ内の個人データやフォルダ構造までコピーすることはなかった。アプリの場合Program Filesからコピーして移行先の同フォルダ内にコピーしても、上手く起動するとは限らない。その場合は再インストールして設定も最初からやり直しである。

しかし、この方法(後述のイメージ転送も対応)では、アプリ内データはもちろんのこと、ファイルはフォルダ構造も完璧に維持してコピー(移行)してくれる。フォルダ構造が維持されることは参照位置も変わらないということなので、相対参照および絶対参照でファイルを指定するアプリを移行先で使用する際、いちいちその参照を修正しなくてもそのまま使えることを意味する。動画、音楽、画像を使用するクリエイター達やAviUtlで編集作業をする場合にはとても便利な機能である。

悪い点

  • 完全に対応しているアプリが少ない

移行したい項目の選択画面で、アプリの項目を個別に選択するときに、対応済・ほぼ対応済・非対応・既存の4つのタブに分類される。ここで気付くのが、対応済が少ないことである。私がテストした環境では、対応済は18個しかなく、ほぼ対応済・非対応を合わせて100個であった。

ほぼ対応済に関しては移行できるかもしれないし、対応していないかもしれないという、どっちつかずの状態である。そのため、不確定要素が強く、もし対応していなければ手動で再インストールと設定をしなければならない。今後この移行ソフトが広まるには、対応済を増やしていくことが課題となるだろう。

方法2:イメージ転送

良い点

  • イメージファイルに圧縮するため、容量を圧迫しない

イメージ転送では、選択したアプリ・ファイル・アカウントをイメージファイルに圧縮する。そのため、複数のデータを移行することができ、圧縮により全体の容量が削減される。これにより、USBメモリへのコピー、クラウドへのアップロードに際しても、その所要時間が短縮されるのである。すなわち、USBメモリやクラウドの容量が少なくても問題ないことを意味している。

悪い点

  • イメージファイルから復元するため、そのファイルの移行手段が必要

イメージファイルを生成し、そこから復元を行う関係上、そのファイルの移行手段が必要であることである。多くは前述の通りUSBメモリやクラウドを経由して、移行先のPCにコピーする。そのため、この方法で移行する場合、USBメモリやクラウドをまだ手放すことができないということであろう。もっとも、生成したイメージファイルを[PCからPCへ]で転送すれば、済む話である。

方法3:アプリの移行

良い点

  • 容量の確保。SSD→HDDの移行の場合、SSDの寿命を長く出来る

多くのアプリはOSがインストールされている”C:\Program Files\”以下に動作に必要なデータが置かれる。そして現在、CドライブにはSSDが使われることが一般的である。デスクトップの場合、ストレージ用にHDDも併設している人は多いだろう。一部の高級ラップトップもSSD+HDDの構成が可能であるようだ。

特にブラウザは頻繁にドライブにアクセスする。これをHDDに移行しておけば、SSDへのアクセスが少なくなり、結果的に寿命を延ばせる。また、容量も少し確保できるため、別のアプリをインストールする余裕も出てくるのである。その他にもそれほど使用しないアプリ、更新が多いアプリの移行などにも使える。

悪い点

  • ディスククローン時などの移行作業時は元に戻す必要がある

移行すると、アプリ本体とそれに使用するデータやファイルは移行先に置かれ、移行元は移行先のジャンクション(リンク)となっている。Windowsに対してはCドライブにあるように見せかけているが、実体は移行先のディスクにある。

これは”EaseUS Todo Backup”でディスククローンを行う際、アプリとそのデータやファイルではなく、ジャンクションをコピーしてしまうことになる。つまり、リンクをコピーすることになる。これはシステムドライブのみを交換する際は支障がないが、別のPCへ取り付ける場合は元に戻しておく必要があり、そのために再度移行を行って元に戻さなくてはならない。

また、移行先のディスクそのものを交換する場合も同様である。折角移行したのに元に戻すのが少しばかり面倒であるが、データ移行ソフトの仕様なので仕方ないところではある。

PC間の移行はもっと楽になる

以上が、”EaseUS Todo PCTrans”のPC間の移行機能の使用方法とレビューである。PCは1人1台から1人複数台の時代となっており、用途別で使い分けることや、前のPCが壊れそうで乗り換えのために使う、常に最新のPCを使いたい等、様々な理由がある。

しかし複数台持っていると、それぞれの間でアプリやデータを移行したいということもあるが、データはともかくアプリの移行は手間がかかり、面倒である。そんな中のこの移行ソフトは、画期的であり便利である。

このソフトは永久ライセンス版もあり(8390円+税)、ライセンスに関しては2台までだが、EaseUSのメールサポートセンターに連絡するとライセンスのリセットを行ってもらえるため、新しいPCや別のPCでも使うことができるようになる。ずっと使い続けることができるので、気になった人は使ってみるといい。私が自信を持ってお勧めできる、PC引っ越し・データ移行ソフトであるからだ。

 

以上、”EaseUS Todo PCTrans“移行機能の使用方法とレビューであった。それでは、次回の記事で会おう。

 

リンクス岐部(LINKS-KIBE) at 12:00 Jan. 20th, 2020


謝辞

本記事を書くにあたり、製品版の提供をしてくださいました、有限会社イーザスソフトウェア(EaseUS Software Co., Ltd.)様にはこの場を借りてお礼申し上げます。


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脚注   [ + ]

1. Master Boot Recode: ブートセクタの一種。簡単に言えばこれがないとWindowsは起動できない。参照:マスターブートレコード – Wikipedia
Links_Kibe
会社員という働き方が合わないのに会社員になってしまった、自称社会不適合者。自力で稼いでいくために奮闘中。PCとラーメンとXperia 1をこよなく愛する、自由になりたい人である。ゲームやガジェット、仕事中心に書いていく。

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