この記事の概要を簡単まとめ!
- テレビは海外ドラマをよく観るKIBEKIN
- ネタ詰まりしてきたので海外ドラマの概要レビューをしてみることにする
- 第1回は2005年から開始したドラマ”MEDIUM“(ミディアム)
- 主人公、霊能者のアリソン・デュボアを演じるはパトリシア・アークエット
- アリソンの能力によって睡眠中に見る「夢」が事件の予知や解決の糸口となっている
- クライムサスペンスでは珍しく事件の瞬間よりも事件の前後が中心
- 事件の謎がアリソンの能力で徐々に明らかになっていくのが見どころ
- 「夢」の能力はアリソンの子供たちにも伝承されている
- 謎を少しずつ解明していくタイプのドラマが好きな人には面白い
評論家という仕事は嫌われる。それはコンテンツに対しケチをつけるだけで、作ることをしないからだと考えている。一時期話題となったラーメン評論家もそれであろう。自分で作れもしないのに口うるさく語るも、それが的外れで何のためにもならないから、ということであろう。そうとなれば、評論家全体、嫌悪の塊のように思える。
さて、色々と変わることもあってネタ切れになりつつある私であるが、思えば私は相当に海外ドラマを観ているのである。原作を漫画、アニメ、小説等に依存し、役者基準でコンテンツを作成する無能ジャップとは違い、実力のある脚本家による台本や役者自身が演出を構成することの多い海外ドラマが私には興味をそそられる。最近は昔に放送していたドラマの再放送もあり、それには現在は様々な作品で活躍する役者の昔の姿を見ることができるなど、新鮮なものが多い。
そして今回、数々の海外ドラマを見ている私が書くのは、アメリカでは2005年よりNBCで始まったドラマである。「夢」をテーマとし、「夢」で見た内容を元に、アリゾナ州フェニックスを中心に発生する事件を解決していく、主演パトリシア・アークエット、”MEDIUM”(ミディアム)である。主人公となるアリソン・デュボアは実在する同名の女性霊能者がモデルで、その能力を駆使して検事局に協力をしていくサスペンスドラマである。現行の最新ドラマも見逃さず観ている人は多いものの、完結した過去のドラマは意外と見逃している人が多いというものだ。放送された時代やその当時の年齢を考慮すると仕方ない一面もあるが、だからこそ取り上げる意味があるというもの。一体どういうドラマなのかを見ていく。
ブンブンハロー夢で事件を解決する霊能者、どうもKIBEKINです。
テレビと海外ドラマ
海外ドラマをよく観るKIBEKIN
普段はテレビを観ることがない私である。というのも、作業時は大抵BGMをループでかけながら作業するか、動画サイトを開いてそれを見ながらするためである。テレビの位置がPCを置いている位置からは決して遠くはないものの、テレビを観るときはPCとは違う場所を凝視することになるため、一種の作業妨害である。そのため集中しているときはテレビを「観れない」というのが正しいところである。自己締切は毎週水曜日と決めているが、それに間に合わないのであれば遊びの予定も返上で書くことになる。だったら途中で遊ぶなということになるのだが、つい遊んでしまう。
先の書き方では私は時々テレビを観ていることになる。しかし地上波は全く観ていない。観ているのはDVDやBlu-rayであり、地上波を受信できる機能がありながら観ていないので、実質モニタとしての使用となっている。画面が小さいが、15年以上も使っているのに壊れる気配がないので使い続けている。高画質を求めないので、内容さえ十分に理解できるなら問題ないというものである。ではDVDやBlu-rayで何を観ているかというと、地上波ではない放送、つまりCSやBS放送の録画である。
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通常テレビがあるならリアルタイムでも観れるはずだと考えるが、私の方のテレビはCSやBS放送を観るためのケーブルを通していない。したがってその場では観れず、もしリアルタイムで観るなら場所を移動しなければならないので結果的に仕事の妨害になる。またDVDやBlu-rayに落としておけば任意のタイミングで観ることができ、キリのいいところで途中で止められる。なので少し観たら作業に戻るということができるのである。もっともインターネットで観れる、ストリーミング以外の動画は殆どがこれであるので、インターネットで動画を見る人が多いのも頷ける話だ。
ではどういうものを観ているかといえば、海外ドラマである。特に観ているのがクライムドラマであり、アメリカのドラマが中心である。主に観ている作品はジェリー・ブラッカイマーが監督・プロデューサーとして関わっているものや、警察関係者ではない人物が自身の技量や特殊能力によってアドバイザーの立ち位置として警察に協力するドラマだ。前者の場合はCSIシリーズをはじめとして、コールドケース(Cold Case)、イレブンス・アワー(Eleventh Hour)、LUCIFER/ルシファーで、後者はトリック 難事件はオレにお任せ(Deception)、セレブ探偵カーター(Carter)1)ANXオリジナルドラマとして制作された1話完結型クライムサスペンス。セレブ俳優だったハーリー・カーターはスキャンダルによって仕事がなくなり、故郷のカナダに戻る。そこで再開した幼馴染で親友の地元刑事のサムと再会したハーリー、偶然出くわした殺人事件の捜査に「刑事役」として捜査に参加する。ドラマで鍛えた知識とテクニックをもとに事件解決を目指していく。コメディ要素も入った笑えるドラマである。などだ。ルシファーに関しては主人公のルシファー自身が「悪魔」であるので、後者の要素も入っている。これら以外でもミスター・メルセデス(Mr. Mercedes)、LA’s FINEST(L.A.s’ Finest)、コードネーム: ウイスキー&キャバリエ -ふたりは最強スパイ-(Whiskey Cavalier)、MACGYVER/マクガイバー(MacGyver)といった最新ドラマも観ている。いずれもアメリカのドラマである。思えばかなり観てきたようである。反面どうにも日本のドラマは役者と原作盗用に依存しているので、観る気が起きない。
ネタ詰まりしてきたので海外ドラマの概要レビューをしてみることにする
自分でもなるべく制限を設けず、フリースタイルでネタを決めて書くことにしているのだが、そう意識していてもネタを自分で制限してしまっていることに気付いた。それは「なんかどうしても書きづらいネタである」ことを無意識に思ってしまっているからだと考えた。例えば一般に存在するレビュー記事系、私の場合はカップ麺と依頼で書いたEaseUS、後は様々な「実物」に対してのレビューが多かった。それに反して、書かれやすいジャンルとなるテレビや映画のレビュー記事は一切書いていなかった。例えばドラマのレビュー記事に関しては、その手の人によって1話単位で書いているのが居るが、そこまでは流石に不可能である。映画ならまだしも、1週間おきに放送されるそれを細かく見て書いているわけなので、それはもはや化け物である。しかも同時並行的に他のドラマも観ていることが想定されるので、マルチタスクができる人なのだろう。
それらを考えれば、海外ドラマとはいえどレビュー記事を書くことの敷居は高いように思える。だがそれは「1話ずつ詳細に書いた」場合であり、そのドラマ全体を通しての概要であれば書けるはずだ。つまり、それがどういうドラマであり、どういう風に話が進んでいくか、見どころはどこにあるか、といったことなどを書いていけば、詳細に書かれた「ネタバレ」よりも参考になるはずだ。その場合は全てを観る必要は必ずしもないわけで、簡単な話、現在進行中のドラマも対象に書けることになる。このように考えれば、決してレビュー記事を書くことは難しいものではないと認識を改めることができるようだ。ということで、この記事から海外ドラマの「概要」のレビュー記事を書くことにしたわけである。
第1回は2005年から開始したドラマ”MEDIUM”(ミディアム)
それで、果たしてどのドラマをレビューすればいいか、と考えるわけである。インターネットでひとたびドラマの名前を入力すれば、殆どはWikipediaが出てくる。日本語版が無くても英語版も存在することが多いが、その場合は日本語で書かれたレビューはおそらく少ない。とはいえ日本で一度でも放送されていれば誰かしらが書いていることはあるものであろう。しかしそれは往々にして検索結果の後方に埋もれて見つけ出すのは難しいのと、書かれていたとしても情報が古く、あまり詳細に情報が書かれているわけでもないということはあり得る話だ。なのであえて書く意味というのはある。
そんな中でいい題材が見つかった。それが2005年から開始し、2011年まで続いてシーズン7、全130話が放送されたアメリカのドラマである。タイトルは”MEDIUM“(ミディアム)だ。日本でのタイトルは「ミディアム 霊能捜査官アリソン・デュボア」となっている。15年以上も前に放送が開始されたドラマであるが、ANXがCSIシリーズを一挙放送するのと同じようにFOXでミディアムが一挙放送され、そして最近、最終話が放送されて終了した。昔のドラマといえど、そのクオリティは現在進行形で制作されているドラマには引けを取らないもので、それ故このドラマのファンは多く存在するということでもある。伝説的ヒットとなったCSI、全シリーズが終了しても頻繁に再放送される理由はそこだ。
これを見始めた理由については簡単で、主演がパトリシア・アークエットであるためだ。もっとも近いドラマのシリーズでは見せかけの日々(The Act)にディー ディー・ブランチャードとして出演、CSIではCSI: サイバーでエイブリー・ライアンとして出演し、ほか多数の映画にも出演する人気女優である。その人が過去に出ていたドラマであり、それも主演である。運よく一挙再放送がFOXで発生したため、これを観ることにしたが、それが非常にはまった私である。ということで、次項からミディアムのドラマの「概要」をレビューし、是非とも見たくなるように仕向けていくこととする。
MEDIUM(ミディアム):このドラマはどんなものか
まずはミディアムについて、知っておくべき情報から始める。
ミディアムとはどういう意味なのか
タイトルにもなっているミディアム。英語表記でMediumなので、殆どの人が知っている単語である。多くの人はその単語は形容詞の「中くらい」「並」という意味で知っているはずだ。あるいはステーキの焼き加減として知っている人も多い。しかしこの単語の名詞としての意味は、少し違うものであった。
- Medium(ˈmēdēəm) ミディアム
- 形容詞:中くらい、並、いい加減な
- 名詞:中、媒質、巫女、市子、媒介物、仲介物
- 出典:Google翻訳 “Medium“
形容詞として使われることが多いために多くの人は形容詞としての意味を先に覚え、その流れから名詞としての意味は形容詞のものをそのまま名詞化したもので覚えているだろう。しかし名詞の意味にはあまり使われないものとして、巫女や市子とある。つまり性別を考えなければ霊媒師と言うことができる。そしてこのドラマ「ミディアム」のテーマも霊的要素が大きく関係したドラマである。霊的要素を題材とする作品は多数存在するため、別に不思議な事ではない。
ミディアムは「夢」を見る霊能者アリソン・デュボアが主役
ドラマのミディアムでは、主役はパトリシア・アークエットが演じるアリソン・デュボアである。夫のジョー、3人娘のアリエル、ブリジット、マリーを持つ、アリゾナ州フェニックスに住む、検事局で働くごく普通の主婦だ。それがあるときを境に、不思議な「夢」を見るようになる。その夢が偶然にも進行中のある事件のヒントとなっていて、その能力を生かして検事局に「極秘の霊能者」として協力していくようになる。基本的に1話完結のドラマであり、たまに2話連続になることがある。
「夢」は基本的に寝ている時に見るものであり、その夢を朝か、話が進むと電話で検事局の「理解のある人」に連絡する。その人物が検事のマニュエル・デヴァロスと、刑事のリー・スキャンロンである。その2人に夢のことを話し、それをベースに捜査を行い、事件を解決していくというのが基本的な流れである。それとは別にアリソンは家庭を持っているわけで、家庭を持つ親特有の問題や悩みについても同時に対応しなければならない部分もこのドラマで描かれている。そのこともあって、ジョーや3人娘にも焦点を当てたストーリーもいくつか存在する。
また、能力を持った人はアリソン以外にも登場する。その場合はアリソンと敵対する関係にあることが多い。要するにライバルである。そのライバルは大抵の場合で敵対することが多い。また、死者はアリソンに見える存在であり、特にその死者が犯罪の当人であったりその家族や恋人などが犯罪に関与している場合、アリソンを「妨害」するために間違った夢を見させ、捜査妨害を行ってくることもある。捜査の起点が夢である以上、間違った夢を見ることは見当違いの人物や場所、犯罪の理由を間違えさせることになるので、アリソンはそれらとも戦わなくてはならない。これらがミディアムの基本の流れである。
ちなみに、主要な7人の役名と担当俳優は以下の通りである。
- アリソン・デュボア―パトリシア・アークエット
- ジョー・デュボア―ジェイク・ウェバー
- マニュエル・デヴァロス―ミゲル・サンドバル
- リー・スキャンロン―デヴィッド・キュービット
- アリエル・デュボア―ソフィア・ヴァジリーヴァ
- ブリジット・デュボア―マリア・ラーク
- マリー・デュボア―ミランダ・カラベッロ、マディソン・カラベッロ 2)双子の姉妹であり、交代で出演していた。
アリソン・デュボアは実在する「ミディアム」
多くのドラマは架空の人物と設定によって構成される。実話をもとにしたドラマというものはなかなか少ないものである。そんな中でのミディアムは、主人公のアリソン・デュボアは実在する同名の人物が由来である。その人もまた本当の霊能者=ミディアムである。家族構成は夫と娘3人であり、ドラマのミディアムでも同じ構成である。これは実際にアリソンの家族を参考にしたものであることが分かる。
また、アリソンはその能力で実際に警察に協力をしていた。ただしその真偽と実際に解決に繋がったかについては現在も議論がされており、一部では「やらせ」であるとの話が絶えないためここではその詳細をあえて伏せることにする。これについて知りたい人は実際に検索してもらうとして、現実のアリソンは実際に「見える」うえ、現実の3人娘にも能力が継承されていて、その力が最も強いのは現実のアリエルであるという。では能力を持たない現実のジョーは果たしてどう思っているかというと、すぐにばれるので浮気はできないと言いつつ、子供たちは1人にしておくと急に笑ったり喋ったりで、普通なら驚愕するところを「霊がベビーシッターしてくれている」と前向きに考えるなど、ユーモアのある人物であった。この性格だからこそ、ドラマのジョーも愛妻家としてのキャラ設定がなされていることが分かったのである3)参照:アリソンデュボアが奇跡のチカラに!現在の本人は?夫や娘も調査! | 気ままなトピックス! 元のページの邪念が多すぎる。。
特別な能力を持った人というのは現実世界には存在することは滅多にない。それがミディアムの場合は家族も特別な能力を持っているということで、それをモデルとするというのは滅多にないことである。そのため、このドラマ自体が既に珍しいものであることがこの事実から言えるであろう。もちろんドラマにするにあたり、話が綺麗にまとまるように脚色はされているが。
深く観ていくMEDIUM(ミディアム)
1話の基本的な流れ
ミディアムの1話の構成は、ほぼすべてのエピソードでこのようになっている。
- スタート:アリソンは寝ている状態であり、夢を見ている。夢の内容はそのエピソード中の事件に関わるものが殆どで、大抵は第三者視点から見ていることが殆どである。まれに被疑者や被害者の目線で夢を見ることがあり、身体の一部を発見したり誰かが死ぬ瞬間などを目撃すると、そこでアリソンは目覚める。その後オープニングムービーとなる。
- 事件:オープニングの後は検事局へ行くか、事件現場へ直行する。被害者は基本死んでいるが生きている場合もあり、それは殆どがアリソンの夢に出てきた人である。デヴァロスやリーから事件の説明を受けるとき、アリソンも事件の一部を知っていて、2人が言う前にその情報を言うことも多い。
- 家での会話:事件の概要の後、リーをはじめとした検察側で捜査が始まる段階で、アリソンは家に戻っている。家ではジョーと3人の娘たちとの会話が行われる。ジョーは航空宇宙技術者として会社勤務、娘たちはそれぞれ学校があるわけで、いわば「家庭の問題」にもアリソンは対応することになる。ジョーとは口論することがあれば事件解決のアドバイスもくれたりする。娘たちについては、一般家庭でよくするような日常会話が多い。殆どは事件と関係がないが、時に事件解決のヒントとなることもある。
- 新たな夢:夜になると寝るので夢を見ることになる。その夢の内容は事件の直前のものがもう少し前から始まることや、事件以前の話の部分を見るなど様々であるが、いずれも以前見た夢とは内容が異なるものになっているのが殆どだ。事件の前後まで見れるようになったことで事態が進展するようになれば、逆に犯人や被害者が別人であったり、実は偽装工作だったなどで混乱することになったりと、その時々で夢の効果が異なる。この場合もデヴァロスやリーに内容を伝えることが多い。
- 進展:検察側でアリソンの情報とは別に捜査を進めながら、アリソンの夢から得られた情報も使って捜査する。その過程で新たな証拠の発見や関係者の登場があれば、その証拠の調査や関係者の証言を得る。
- 解決または終了:3~5を何度か繰り返して、夢による予知で次の犯行が行われるところに待ち伏せして現行犯逮捕したり、夢をもとに捜査した結果犯行に結び付く証拠を発見して逮捕に至ることで、事件が解決する。多くは解決で終わるストーリーだが、稀に夢が改変されて捜査妨害されるなどで逃亡されたり、確実な証拠がどうしても発見できないために逮捕に至らないこともある。その場合はあえなく捜査終了とならざるを得ないわけであるが、終了後に夢で結末を知って、しかし何も出来ないままで終わる。そしてエンディングという形で1話が終わる。
基本的には上記の通りに話が進んでいく。2話連続の場合はエンディング前では解決にはならないで終了し、次の話に持ち越される。殆どの話は解決するので、消化不良になることは滅多にないので心配しなくていい。
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クライムサスペンスでは珍しく事件の瞬間よりも事件の前後が中心
多くのクライムサスペンスは、犯人がいればその犯人を逮捕してパトカーなどに連れていき、留置場に連れていくようなところまでが描かれていることが多い。例に挙げやすいCSIシリーズでは、逮捕の瞬間に権利を読み上げたり、銃撃戦で犯人を射殺するなどのシーンはしっかりと描かれている。これらは役者を立てるシーンだからこそ、しっかり作り込まれるのであろう。
それに対してミディアムは、犯人逮捕や銃撃戦などのシーンはあまり多くない。つまり、事件の瞬間そのものよりもそれの前後に重点が置かれ、そのシーンに力が入れられている。これは主人公アリソンは検事局の関係者であるが刑事や検事そのものではなく、夢を中心に情報提供する「霊能者」であるため、実際に動く人(=デヴァロスとリー、及び検事局と警察関係者)とは別の存在であることを強調するためであると考えられる。実際いくつかのストーリーで、リーと警察関係者で犯人逮捕に動く際、逮捕の瞬間はなく、その直前の容疑の内容を通告するシーンや逮捕後にアリソンに連絡しているシーンが描かれているのが存在する。別のパターンでは、アリソンが家にいて、電話で連絡を受けて逮捕や証拠の情報を教えてもらうシーンだけで、犯人も検事局関係者も出てこないということもある。
逮捕シーンが少ないことはクライムサスペンスでは珍しい。多くのクライムサスペンスでは、そのような見せ場があると盛り上がるのだが、ミディアムではそうではない。だが、ミディアムならそれでいいのである。主役はあくまでもアリソンであり、アリソンの能力が発動している時がこのドラマの中心であるので、必ずしもそのようなシーンは必要ないのである。銃撃戦などはCSI: マイアミとかに任せればいいのである。
事件の謎がアリソンの能力で徐々に明らかになっていくのが見どころ
ではミディアムの見どころは何かと言われれば、全く謎に包まれ手がかりも全くない何事件とも言えるような状況から、アリソンの能力でその謎が徐々に解明し、最後には全て明らかになる。その謎が徐々に解明されていく部分である。感覚としては、謎解きゲームで少しずつヒントをかき集め、最後にその答えが分かる、というものに似ている。
ミディアムで発生する事件は、殆ど証拠がなく捜査が行き詰っている状態や、証拠があっても犯人に繋がる確証がないためにやはり捜査が進まないことが多い。そんな中で夢を見るわけだが、最初に見る夢は何も分からない状態で見るので、夢に登場する人物のことは顔や身体の特徴でしかわからず、名前もあまり出てこないため、この段階ではほぼ謎に包まれている。そうしてフェニックスで起きた事件(一部はフェニックスの外でも起きる)に関わると、大抵「見た顔」が出てくるので、そこから謎の解明が始まる。すると次は別の夢を見るわけで、最初は謎しかなかった夢も現実の話と合わせて少しずつ判明していき、夢の内容も詳細なものに更新される。そうして解明に近付くとともに、全部が判明するときっと「そういうことだったのか!」と思うはずだ。
夢から始まった謎が1つずつ解明されて全てが繋がった瞬間というのは、人によってはアドレナリンが出て興奮することもあるではないだろうか。それに1つずつヒントが分かっていくところもまた、徐々に繋がっていくという部分でその先が気になること間違いなしだ。そのため、謎解きが好きな人ほどミディアムにハマるはずだ。
アリソンの夢以外の能力
話が進むと、アリソンは夢以外の能力が使えるようになる。現実のアリソンの娘たちが「1人で霊と話していた」ように、ドラマのアリソンは起きている状態でも死者と交信することができるようになる。その相手は主にジョーの父4)作中は故人であり、霊として度々アリソンの前に登場する。で、場所を選ばずに出てくるが事件のヒントをくれたり、ジョーや娘たちとうまくやっていくためのアドバイスをくれる。しかし基本的にアリソンの前にしか現れず、能力のないジョーには見えない。それと無関係に現れてはアリソンと会話するため、ジョーからすれば虚空に独り言を放っているように見えるわけで、内容次第で口論の発端となることも少なくない。が、次のシーンになると解決していたりする。このことはジョーも次第にアリソンの能力として理解するようになる。
この能力は死者であれば見ることができるため、事件の当事者が死んでいる場合はその人が霊となってアリソンの前に現れることがある。現れるのは大抵がその事件の被害者であるが、犯人も死んでいる場合がある。死人に口なしクチナシの実は色付けとよく言われるが、死者の声を聴けるアリソンはそれらにとって重要な存在であるため、何か訴えたいことがあればアリソンに接触して意思を警察関係者(特に検事局)に伝えてほしいと要求してくる。殆どは被害者が事件を解決に導くための情報を提供するが、出てきたのが犯人だった場合はわざと間違った情報を伝え、それでうまくいかない場合はアリソンの夢に直接干渉して間違った夢を見させて妨害工作を行うこともある。間違った夢はアリソンが間違いであることに事件が終了した後で気付くことが多く、その時の事件はもやもやする終わり方をすることが多いのである。
アリソンのこれらの能力は後々の捜査で情報の「不確かさ」が現れるようになり、裁判の証拠としては使えないことや裁判では逆に弁護側がその点について指摘するなどで不利になるなどが発生するため、アリソンはその能力について使うべきか使わないべきか悩むようにもなってくる。それでも能力を使い、犯罪に立ち向かっていくところもまた、見どころである。
「夢」の能力はアリソンの子供たちにも伝承されている
現実の3人の娘たちはアリソンの能力を継承している。ミディアムでもこれが反映されており、最初は何も見えていない子供達も話が進むとアリソンと同様に夢を見るようになり、死者が見えるようにもなる。現実のアリエルのことを反映して、最初にアリエルがその能力が使えるようになり、遅れてブリジットとマリーも同様に能力を使えるようになる。
能力が発現したころはアリソンが担当する事件とは無関係な場面で発揮することが多く、それは私生活や学校の場面で見られる。したがって最初は娘たちが夢を見るシーンはあまり描かれなかったが、話が進むと、特にアリエルが事件の夢を見るようになり、本編に関わってくるようになる。そのためアリエルが事件の夢を見て解決に繋がる場合、アリソン経由で検事局にその情報が伝えられる。アリエルの場合はアリソンと違って夢に対する捉え方や見え方も異なるため、違いが必ず生まれる。それをドラマ内で比較するのも面白い。色々な見方ができるはずだ。
なお、年月が進むにつれて娘役の役者もリアルで成長するので、ドラマの方でも学年が上がり、それぞれの行動範囲が広くなる。その結果能力を使用するタイミングが増えるため、見どころが増える。話が進めば進むほど、話の展開の仕方が変わってくるので飽きずに観られるのである。
謎を少しずつ解明していくタイプのドラマが好きな人には面白い
以上が”MEDIUM”(ミディアム)の概要レビューである。ドラマの1話単位レビューではなく、全体を通したレビューであるのでネタバレ要素はあまりないものになっているので、この概要を見て実際にミディアムを観ようと思ってくれる人がいれば、私としては儲けものである。
ところで、世の中には様々なタイプの人がいるわけだが、謎解きが好きな人というのは、少しずつ解明されていく過程と、最後に全て繋がって謎が明らかになるところが好きであろう。そう考えたとき、ミディアムと相性が良い。そういう人がミディアムを観たら、きっとハマるに違いない。今まで海外ドラマに触れてこなかった人は、これを機に海外ドラマに触れてみるのも一興だ。クライムサスペンスであるため、時々見た目にグロテスクなシーンが存在するが、極端に激しいシーンは見せないような構成になっているので心臓が弱い人以外は大丈夫なはずだ。
ミディアムは、一度観たら次が気になるドラマだ。DVDボックスもAmazonに存在しているため、入門にはちょうどいい。おそらくはサブスクリプションの動画配信サービスでもやっているので、それで観るのもいい。死のコロナウイルス情勢下はまだ続きそうなので、完結済みドラマを観るいい機会であると思って、是非ともお勧めしたい。
以上、この海外ドラマを観る:”MEDIUM”(ミディアム)概要レビュー、であった。それでは、次回の記事で会おう。ン、バァーイ!
KIBEKIN at 00:21 Feb. 2nd, 2022
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脚注
本文へ1 | ANXオリジナルドラマとして制作された1話完結型クライムサスペンス。セレブ俳優だったハーリー・カーターはスキャンダルによって仕事がなくなり、故郷のカナダに戻る。そこで再開した幼馴染で親友の地元刑事のサムと再会したハーリー、偶然出くわした殺人事件の捜査に「刑事役」として捜査に参加する。ドラマで鍛えた知識とテクニックをもとに事件解決を目指していく。コメディ要素も入った笑えるドラマである。 |
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本文へ2 | 双子の姉妹であり、交代で出演していた。 |
本文へ3 | 参照:アリソンデュボアが奇跡のチカラに!現在の本人は?夫や娘も調査! | 気ままなトピックス! 元のページの邪念が多すぎる。 |
本文へ4 | 作中は故人であり、霊として度々アリソンの前に登場する。 |