この記事の概要を簡単まとめ!
- 配信において重要な要素となるコメント
- 単に表示するだけでもいいが、欲があると「もう少し装飾」したくなる
- 配信の「コメント」は装飾がしにくいものである
- コメント関係の設定をひとまとめにして扱いやすくしたのが「わんコメ」
- 導入は簡単、各種プラットフォームにも幅広く対応している
- 公式ドキュメントのマニュアルが揃っており、初心者でも安心
- 豊富に用意されたテンプレートでコメントを簡単に装飾できる
- オフライン下でもテスト機能があり、調整がいつでも可能
- 導入も設定も実に簡単、次回以降もわんコメ記事を書く
適材適所という言葉がある。これはビジネス用語の1つとなっており、国語辞典的には『その人の能力・性質によくあてはまる地位や任務を与えること。』と定義している。だが私個人的にはこの言葉があるにも関わらず、義務教育では未だにゼネラリストを育てるようなことを繰り返していて、全く時代にそぐわないことをやっている。それで様々な部分で海外に越され、日本の強みがなくなってきている。唯一の強みは「奴隷」を育て、使いつぶすことは最も得意ということだけだ。
適材適所の関係はソフトウェアやツールにも同じことが言える。Nao氏制作のツールを見ると分かるが、代表作となるゆかコネ以外にも多数のツールを制作していて、それぞれは継続して更新を行っている。ツールとしてほぼ完成したものがある一方で、常にユーザーの要望に応え、市場を見ながら改良を続けるものがある。そしてそれはNao氏以外もそうである。その手のツールを作る人は、この世界にはツールの数だけ存在する。
コメントについて注目し、制作したツールで有名になりつつあるツールはもう1つあった。これもまた個人開発のツールである。制作者はWeb犬アスティ氏で、インターネット上では「犬」の存在であるその人(?)が作り上げたのが「わんコメ」である。開発者自身が犬であることとコメント関係を1つにまとめることをかけて命名されたであろうそれは、多くの人から評価を受け、ゆかNEOとのコラボも行われるようにもなったツールだ。事前に内容を確認すると、その内容が濃い可能性を感じた今回は導入し、コメントをOBSに反映させるまでを行う。書く前からして、これは名作の予感である。
ひとっ飛びできる目次
ブンブンハローコメントおまとめ便利ツール、どうもKIBEKINです。
配信とコメント
前回記事:TwiChaDashの目的
この記事を書く前の、前回記事ではゆかりねっとコネクター及びゆかりねっとコネクターNEOでお馴染みのNao氏制作ツールの1つである、TwiChaDash(TCD)について実際に使用した。それのインストールから特定の配信について接続し、その配信もコメントを正しく翻訳し、(Twitch限定で)TCDからコメントを母国語で送信、及び翻訳した上で送信できるかどうかをテストした。結果は良好で、非常に使いやすいツールであった。その記事については下記リンクから読める。
TCDのテーマは「その環境に行く人が自ら環境を整える」で、それを重点として開発されたチャット翻訳ツールとなっている。メインの接続先はTwitchとYouTubeで、何故かMildomにも対応し、マルチプラットフォーム対応でもある。またDiscordにも接続でき、その場合はTCDで指定したチャンネルについて、その投稿を取得して翻訳を行う設定ができる。Discordでの使用頻度はおそらく少ないが、大きく公開しているサーバーであれば使う機会はあるかもしれない。
実際に導入してみた感想であるが、検証に使用したclea氏の配信はリスナーの言語が母国語に限定されないため、普通に日本語以外のコメントが投稿される。そのコメントを読むのにはブラウザで提供されている翻訳サービスをいちいちコピペして読んでいたが、その手順を省略してコメントを翻訳して読むことができるので、母国語以外のコメントに対して反応を返すことが容易になったのである。これは配信者側の視点ではリスナーの反応を言語によらずその場で返せる即時性に繋がり、リスナー側の視点では誰とでも話題を共有できることに繋がり、Twitchの場合はモデレーターが母国語以外で何か妨害行為(特にコメントで暴言を吐くなど)をされた際に即対応できることにも繋がっているのである。つまり、TCDは利用者を選ばないツールなのである。
配信のアップグレード、装飾の概念
人はあらゆることにおいて必ず「はじめて」を経験する。そしてあらゆることにおいて必ず「先駆者」達がいる。そしてその先駆者もまた「はじめて」だったはずだ。最初から達人だった人など存在しない。こと配信においては、それがわかりやすいものである。
配信を行うにあたって、最初は画面を表示する方法すら知らなかったはずである。それ1つを解決するのにすら、ひたすら調べまわってようやく解決に至った。そんな経験があるはずだ。それだけで手いっぱいだったという状況から、時間が経つにつれて使い方が分かっていき、自分の配信画面を作ることができるようになる。その場合、リスナーが見やすく楽しめるように色々と工夫を凝らしながら、しかし多数存在する競合と差をつけるために「一意な画面構成」を目指すことが必要になる。現在私の周りにいる配信者ないしYouTuber/VTuberは、いずれも一意なアバターを持ち、配信画面も一意である。なお、一部例外がある。
配信のアップグレードは、配信内容もアップグレードであるが、画面内に特殊効果を付与するのもまたアップグレードである。もっともわかりやすい例を挙げるなら、チャンネルフォロー時の画面内への通知である。配信者側で流れる音声や映像とは別系統(主にオンラインのサービス経由)で、フォローが行われたときの動作を配信ソフト(OBSなど)でソースの1つとして設定し、実際に行われた場合はフォローした人のIDまたは名前を乗せて「感謝の意」を示すように画面内のどこか、あるいは中央に表示するように配置する。これにはアニメーション付きであることが多く、目でも楽しませることができる要素の1つにも変えられるのである。
また、フリーソフトであるOBS Studioに独自の改良を加え、YouTubeやTwitchなどでの配信に特化したStreamlabs OBS(=SLOBS)も存在し、これは前述の通り特定配信プラットフォーム向けのものとなるので、対応する範囲は狭い。その分、OBSでは外部ツール(アカウント連携型オンライン配信補助サービス)を経由しなければならなかったものが、SLOBSではそれらが標準装備となるのでSLOBS単体で完結するようになっている。その意味では配信のアップグレードはかなり容易なものとなっていて、SLOBSの使用はアップグレードの1つの解になっている。
配信の「コメント」は装飾しにくいもの?
ところで、配信におけるコメントについて考える。コメントは基本的に配信者に対して送信するものであり、リスナー同士での雑談に使われることは、その配信者がそういう場として配信している(=雑談)か、1~2回のやり取りで完了する場合に限られる。また、そのコメント自体を配信画面のどこかに表示して、見せながら配信を行うこともある。とはいえ画面上に表示する意味は殆どなく、ログが追いにくいTwitchの場合は有効であるが、YouTubeは普通にログが追えるため、単純なオブジェクトとして配置することが多い。
SLOBSでもコメントを配置できるが、できても普通にコメントを表示するのみで、何か特別な装飾ができるような機能を内包していない。一応、HTMLとCSSによって独自のデザインができるが、これはその知識がないと使えず、使用できるタグや要素名も全て使えるとは限らないため、できることは知れているようなものである。また、オンラインの外部ツールでも、コメントを装飾するような設定を確認することができなかった。
このことから、コメントについては配信の要素としてはあまり重要視されていないということが伺える。そもそもコメントは読めれば問題ないという考えの人が多いと思われる。よってツール制作者側も、最低限の機能だけ入っていればいいとして、コメントを装飾する機能を殆どつけないで済ませる人が多いものと考えられる。かなり軽く見られているようである。
コメント関係の設定をひとまとめにして扱いやすくしたのが「わんコメ」
では自分でコメントを装飾しようと思っても、それは難しいことである。前提として配信ツールやオンラインの外部ツールを利用しても、装飾可能な要素が殆どない。加えて既存の機能をうまく応用したとしても、それぞれの要素の微調整や連携させる設定は、ツール初心者はもちろん慣れた人でさえも面倒に感じてしまうはずだ。設定に手こずって配信そのものに影響が出てしまうのは本末転倒である。
しかし世界は狭いようで、広かった。コメント関係の設定をひとまとめにして、さらにコメント自体に装飾を施すこともできるツールが開発された。しかもインストールから配信への反映と設定も簡単にできてしまうという優れものでもあった。それがWeb犬アスティ氏によって開発された、「わんコメ」である。コメント関係の設定はもちろん複数のプラットフォームで配信中に取得できるコメントを1つにまとめる機能もある、コメント専門のマルチツールである。
今のところわんコメはアスティ氏の単独開発のツールであるようで、Nao氏の制作ツールと同様、支援によって支えられているツールである。そしてNao氏制作ツールとの比較では、コメント欄及びコメントそのものに注目しているという点でTwiChaDash(TCD)と競合するような存在にもなるであろうこれ。見たところできることも多いようであるが、まずは導入し、任意の配信のコメントをOBSに反映し、配信を行う前の設定までを行うこととする。
「わんコメ」使ってみた!~導入編~
わんコメ公式サイトの確認
わんコメを導入するにあたって、まずは公式サイトを確認する。ここに最新版のダウンロードリンクが存在する。支援そのものは支援機能の構築が楽なFANBOX経由で、サポートはDiscordで行われ、不具合や要望についてはフォーラムで投稿ないし回答が行われている。最新版以前のダウンロードは原則不可能であるが、機能削減などは基本的に行われないため、常に最新版で問題ない。定期的にアップデートされているかを確認するといい。

また、このトップページから利用規約ないしインストール・設定マニュアルのページへ飛ぶことができる。インストール・設定マニュアルは外部サイトのサービスを利用したものとなっていて、これは目的別に項目が分かれており、見やすいものになっている。マニュアルは殆どのことについてカバーしており、これらを読めばわからないことは大体解決するようなレベルになっている。それでもわからなければ、質問すれば解決するはずだ。
インストール作業について
さて、インストーラをダウンロードするにはこのページのトップにある、”Download for Windows”または”Download for MacOS”のバナーをクリックするだけでOKである。確認できる範囲では、64bit版のみの提供であるようだ。とはいえ、特別な制約がなければ通常は64bitOSを使用しているはずなので、この点については考えなくても問題ない。ダウンロードするインストーラは圧縮されていない実行ファイルそのものであり、ダウンロードが完了したらそのまま実行できるようになっている。
ところで、インストーラを実行しようとすると、ガバガバセキュリティ判定のWindowsは何故かわんコメのインストーラを「危険」と誤認識する。Nao氏制作のツールといい、Windowsは本当にあてにならないほどのアホOSである。これが表示されたら無視して「詳細」を開き、実行をクリックすることで進行することができる。インストールは完全自動で行われるが、初回インストールのみファイアウォールによって勝手にブロックしようとしてくるので、例外として通信を許可する必要がある。これはダイアログが現れるのでわかりやすい。許可した後で少しすればインストールが完了し、自動でわんコメが起動し、初期画面が表示される。そのイメージが以下である。

ここまで完了すれば、インストーラは削除してしまって構わない。またアップデートを行う場合、公式サイトのトップページから最新版インストーラをダウンロードし、それを実行して放置していれば完了する。インストールやアップデートも「わん」だった。
接続手順:URLコピペだけの超簡単なひと手間
ここまで来ているのなら、インストールを終えてわんコメの初期画面が表示されているはずである。それでは早速、どこか任意の配信に対して接続してみて、正常に接続可能かどうかを調べる。接続のために必要なものはただ1つ、配信している人のURLだけである。それをコピーして視聴URLの欄に貼り付けたら、右にある「接続」のトグルボタンを右(ON)にする。こうすることで、簡単に接続が完了する。実際に接続した状態が以下である。

コメント取得のためにURLを対象とするのはTCDでも同じであるが、わんコメの場合は単純にコメントを取得するだけであるため、URLを入れるだけで完了である。TCDの場合は、それ自体からコメントを送信する機能があるため、自身のアカウントないし特定のAPIが必要になる。しかしこれはコメントを送信する場合に限られるので、コメント送信機能を使用しない場合は別になくても問題にならない。その点で考えると、わんコメとTCDは接続方法で非常に似ている部分があると分かる。どちらにせよ、この方法は接続しやすいので楽である。
なお、画像で例を示す際に使用した蟹パン先生の配信はTwitchである。Twitchの仕様上、コメント欄にはアイコンが表示されないものとなっているので、わんコメでも同様にアイコンは表示されない。この現象は正常であり、TCDでも全く同じようにアイコンは表示されない。これがYouTubeの場合は正常にアイコンが表示されるので、Twitchの場合でアイコンが表示されないことはバグではないので心配しなくていい。
OBSへの反映:任意のテンプレートをD&Dで配置
コメントを取得できれば第一段階は成功している。次はそのコメントをOBSに表示させることを行う。わんコメでは公式サイトトップページでも説明があるように、非常に豊富なテンプレートを用意しており、実際に確認できる標準のテンプレートは13個である。ここでは最も標準のテンプレートであるbasicをOBSに取り込み、実際に表示させることを行う。
わんコメ右上の3点マークがメニューであり、そこから「テンプレート」を選択すると、別窓でテンプレート一覧が表示される。表示形式は以下のようになっている。

これらのテンプレートは基本はHTMLで構成されており、他にJavaScriptとCSSで構成されている。これらは一般に使用されている言語であり、カスタマイズは自由に行える。簡単に作成できるジェネレータもわんコメから提供されており、それを利用することでも自分のテンプレートが作れるようになっているのである。
さて、OBSへの反映は実に簡単で、先にOBSを起動し、「ここをドラッグしてOBSに入れる」をドラッグしてOBSのウィンドウ内の任意の場所にドロップすれば完了である。その後、OBSのソースには”index.html”として自動で追加される。その状態が以下である。

ソースの扱いはHTMLであるので、ブラウザソースになる。そのままでは見辛く配置場所にも困るため、大きさの変更やトリミングを行い、配信で使えるような形にまで修正するのが一般的な使い方になる。その際、大きさそのものは画面内の枠端を伸縮させて調整し、コメントのテキストやアイコンの大きさはソースのプロパティから幅と高さの数値を調整することで、それぞれ対応することができる。また、使用するにあたってソース名はわかりやすいよう変更しておくといい。
コメントのテストはオフライン下でも可能
ここまでの調整時にはいずれも誰かの配信が行われている最中に作業して調整したものとなる。逆に誰かが配信していなければ、調整が難しいということになってしまう。もっとも、現環境では配信者は腐るほどいるわけで、適当な配信者のURLを取得してそれを貼りつけさえすればいいのだが、それができないような状況下、例えばオフライン下で調整が必要となった場合、その方法は使えない。そこでわんコメに内包されているコメントテスターの出番である。
コメントテスターは3点マークのメニューの中にあり、これはサービス別での再現と投げ銭機能、読み上げについてもテストすることができる。コメントテスターでは以下の項目が存在する。
- サービス:YouTube/ツイキャス/Twitch/ニコニコ生放送/SHOWROOM/BiliBili(中)の6つから任意のサービスを1つ選択する。
- ギフト/スパチャ:デフォルトはなし。ありにすることで投げ銭されたときを再現できる。
- 読み上げ:オンにすると読み上げを行う。
- 投稿者/コメント:任意に入力できる。入力したものが送信時に反映される。何も入力していなくても送信可能で、コメントが入力されていない場合はランダムコメントが送信時に生成される。

画像ではYouTubeの場合のコメントを再現しているが、これが他5つのサービスでも再現できるのである。なお、コメントテスターでもTwitchの場合は画像アイコンは表示されない。Twitchの配信でコメント左のアイコン画像が表示されないのは正常な仕様のため、やはりこの点は心配しなくていい。3.1.0からアイコンを取得できるようになり、誰がコメントしたかがより分かりやすくなった。
決して配信の完全再現には至らないものの、実際に配信したときにどのような感じになるかという部分をしっかりテストすることができる。画面構成においてはゲーム画面を実際に映しながらでないと、他の構成パーツとの兼ね合いや見やすさもあるため、このようなテスト機能は非常にありがたいものである。
わんコメのちょっとした機能:メモ機能
わんコメでは取得したコメントのユーザー名をクリックすることで、ウィンドウが開かれる。そのウィンドウには次の内容を決めることができるようになっている。
- ニックネーム:勝手にニックネームを設定できる。わんコメ内でのみ有効で、名前を設定していない(IDだけ)の人の識別をしやすくする。
- メモ:そのユーザーに関するちょっとしたメモを書ける。
- 翻訳:翻訳する。わんコメ単体では機能しないようで、翻訳にはゆかNEOまたはトランスルーが必要。両方ともNao氏制作ツール。

この機能は、人によってはあまり使わないものとなるであろう。しかしこの機能は名前を設定していないユーザーの識別に便利であり、メモで「どういう人か」を簡単に書いておけば、誰がコメントを送ってきたのかを明確化できる。単にコメントを取得するだけでなく、コメントを送る人についてフォーカスしているところもわんコメの特徴となる。ちなみに一度登録したメモは、わんコメを一旦終了して再度起動してもそのメモが残るので、いちいちメモを取り直す必要もないのである。
また、取得したコメントを翻訳することができる。ただしこれはNao氏制作ツールとの連携が必須であり、ゆかNEOまたはトランスルーがない場合この機能は使用できない。つまりわんコメには翻訳機能はないということだ。もっとも、わんコメを使用している人の殆どはゆかNEOを使用している人も多いはずで、ゆかNEO最新のバージョンであれば問題なく連携できるはずだ。なお、ゆかNEOの連携と翻訳については次回以降で解説する。
余談:読み上げシステムについて
わんコメには読み上げシステムが標準搭載されている。読み上げに使用しているのはMicrosoft Windowsの合成音声エンジンのAyumi, Haruka, Ichiro, Sayakaであり、デフォルトはAyumiにセットされている。わんコメのメイン画面の右上のトグルスイッチ「読み上げ」をONにすることで、コメントを取得する度にそのコメントを読むようになる。読み上げに関する設定は、3点マークのメニューの「設定」に現れるウィンドウの「読み上げ」で、読み上げに関する諸設定を行うことができる。設定一覧は以下のようになっている。

もちろん読み上げシステムは「不完全」であると考えた方がいい。つまり、人間の読み方と機械の読み方では、特定の漢字ないし並びで読みが異なる場合があるということだ。それについては、読み上げ変換で任意の文字列に対する読み仮名(すべてひらがな)を登録して調教してやることで、望みの読み方にすることが可能である。
また、読み上げしたくないユーザーは「読み上げ除外」で設定できるほか、読み上げフォーマットを設定することで読み上げる内容を決めることもできるのである。読み上げについてもコメントテスターと同じようにテストができるので、設定が正常に反映されているかを確認しながら調整できるのである。わんコメのテスト機能は充実していることが分かる。
なお、コメント数が多いと、取得したコメントに対して読み上げが追いつかないことが多くなる。その場合は読み上げ速度を速くするか、読み上げの文字数に制限を設けることで対応することができる。読み上げ速度は標準で1であるが、これでは大抵遅くて間に合わないので、2以上の速度で設定しておくといい。もっとも、コメントが少ないというのであれば遅くても問題はないが。
他にも設定できる項目はあるが、今回はここまでとする。わんコメは触れてみると、簡単なのに奥が深いものであることが分かる。何度かに分けて記事を書くべきである。
導入も設定も実に簡単、次回以降にもわんコメの内容を書く
配信におけるコメントの重要性は、配信者はもちろんリスナーでさえそれを理解している。その中で配信者は原則として1人で配信しながら自分の作業ないしゲームなどをするわけで、それに集中する傍らで、リスナーからのコメントを受け、それに反応を返していく。その際、配信プラットフォームによってはコメントを取得する機能がなかったり、誰がそのコメントを送信したのかが分からないといったことがまれに発生する。コメントを追うために配信自体に滞りが発生してしまうと、それは本末転倒とも言える。
その困りごとを解決したのがアスティ氏制作の「わんコメ」だ。単に1つのプラットフォームで配信するというだけでも、取得したコメントを見やすくまとめて、同時にHTML/CSS, JavaScriptで記述されたテンプレートで配信ソフトウェア上にコピペするだけでコメントを装飾することもできるという優れものである。コメントに対して注目しているという点でNao氏のTwiChaDashと重なる部分があるが、TCDがリスナー向けならわんコメは配信者に向いているツールと言える。そう考えると、両者は共存し住み分けができる関係にある。
今回は多くの機能の中からほんの一部についてと、導入編ということでインストールから実際にコメントを反映させるまでを行った。まだ表面だけ触った段階ではあるが、わんコメについての私の感想は、これを使いこなせればひと味違う配信を作ることができ、差異を生むことができるということで、今後に期待ができるツールである。ただ、これもまたNao氏と同様アスティ氏個人で開発しているツールであり、支援がなければ潰れてしまうことのあるツールだ。継続した支援には知名度が必要で、既にVTuberを中心とする配信者の間では認知され始めているが、それでもまだまだ知らない人が多いという現状である。ということで、次回以降もわんコメについて書いていき、使い方や実際に使った感想などで初心者向けの記事とすると同時、このツールがいかに「有益」か、それを詳しく解説していく予定である。そして知名度向上に、勝手ながら努めていく。それが私にできることだからだ。
ちなみに、公開した後でバージョンが3.1.0(制作時点で3.0.7)に上がっていたため、「もう古い情報」になってしまった。が、基本機能については変わりがないため、画像の更新は行わずこのまま公開を継続する。
以上、「わんコメ」使ってみた!~導入編~であった。それでは、次回の記事で会おう。ン、バァーイ!
KIBEKIN at 00:00 May 18th, 2022
追記事項
2022年5月18日 3.1.0更新によってTwitchアイコン取得が可能となったため、その文面を変更
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