この記事の概要を簡単まとめ!
- 2020年、死のコロナウイルスをきっかけに料理が上達する
- 家族の糖質制限を手伝うために1日1食「パスタ」を作るようにした
- 市販品では糖質・塩分制限を達成できず味も偏るためにソースの自作を開始
- グラウンド・ゼロ「マー油パスタ」からすべてが始まった
- パスタソースの基本は日常で使う三大調味料で構成できる
- 使っていると余ることがある「あれ」でもパスタソースになる
- 発想の転換でパスタは無限に作れる
料理とは生活の一部であり、同時に趣味・職業・スキルである。これは生活のためであれば日々料理することによって少しずつ上達し、誰かに有償で提供する場合は調理師免許や管理栄養士の資格等のために料理学校に行くこともある。何かを始めることに遅いことはないとはいえ、料理学校も決して安くない出費になるので決意が重要である。
実はそれを考えてもいい程に料理について上達してきている現在。何故ここまで上達したか、その発端は死のコロナウイルスが流行り始める時に遡る。そこから始まったのはあるパスタの存在。そしてこの3年超の間に得た技術は、パスタという1つの料理を極めるまでに至った。今回はパスタ解体新書シリーズとして、パスタソースの自作について書いていく。
ひとっ飛びできる目次
創意工夫で100点だ
きっかけと秘めた才能
死のコロナウイルスと料理
世界は常に最悪な事象で溢れている。2020年は言わずもがな、死のコロナウイルスが蔓延した年だ。その頃には既にドロップアウトして、ただ死ぬのを待つだけの抜け殻のような存在になっていた。その状態で世界が混沌と疑心暗鬼にまみれても、特に何も心配はしなかった。寧ろ、このまま世界が崩壊すればマシだろうとさえ思ったほどである。
「民衆の同調圧力」という名の事実上の行動制限によって外食は軒並み封印された状態になると、人はスーパーの総菜コーナーとコンビニに駆け込んだ。その駆け込んだ多くが料理ができない、する暇がない人であり、それらがこぞって出来合いの弁当や総菜を奪い合い、さらには何もおかずも味もない白米だけの弁当やおにぎりでさえ、売り場から無くなっていた。その次にパンやらカップ麺やら、その次に乾燥していて保存の効く食料が順次消え、売り場は空の状態になることが連日続いた。この時の行動は、人間の卑しい本質、自分本位な部分をあからさまにしたということで、より人間そのものが嫌いになる要因になった。
その時の私はやることがなく、一人社畜時代には殆どやらなかった料理をしていた。再開したてということもあって殆ど大したものはできなかったのだが、その中で少しずつ作れるものを増やしていった。そのこともあって実のところ、その時期での慢性的な出来合いの食糧不足については殆ど影響がなかったのである。唯一の問題としては、米、肉、魚、野菜といった原料の方ですら売り場から消えていたことで、中国人観光客ばりの爆買いを多くの馬鹿なジャップ共がほぼ全員が行った弊害が現れたのである。
家族の糖質制限を手伝うために1日1食「パスタ」を作るようにした
料理の転機はもう1つある。家族(母)が医師から糖質制限や塩分制限を行うよう指導されて、それに対応するために始めたことだ。外食でも出来合いの弁当や総菜でも、殆どは「健康体」を前提として作られたメニューであり、糖質制限等の健康維持のために作られることは全くない。同時に市販のカレーやふりかけといったものも、「健康体」を前提としているがゆえに塩分制限下ではどうあがいても塩分過多になるのを避けられないのである。
そこで注目したのが「パスタ」だ。一般的なパスタはデュラム・セモリナ1)正確にはデュラム小麦の粗挽き粉を意味する。地中海沿岸、中近東、アメリカ、カナダなどの各地で生産される小麦で、良質のたんぱく質を多く含み、弾力性に富んでいる。これにより成形がしやすく、茹でてもコシが強く形が崩れにくいことで使われている。参照:パスタに関する基礎知識|パスタを知る|日本パスタ協会であり、これで成形されたパスタは他の糖質食品である精製米、うどん、食パンと比較して低GI2)グリセミック・インデックス(Glycemic Index)。食後の血糖値の上昇の度合いを表す数値で、ブドウ糖を100としたときの相対的指標である。であることが言われている。したがって低GIであれば同量食べても太りにくいことが言える。無論、食べすぎれば意味はない。
また、同じパスタでも生パスタか乾燥パスタであるかどうかでも変わる。うどんと比較して断面が隙間なく成形され空洞が存在しなくなるため消化吸収速度が遅くなり、インスリン分泌が抑制される。同様の理由から生パスタよりも断面に隙間がない乾燥パスタの方が、ダイエットに適していることが言われている。ちなみに乾燥パスタとは、袋に1回分(100g)ずつ束になっていたり、束にせずバラの状態で1kg単位で売っているようなものである。
市販品では糖質・塩分制限を達成できず味も偏るためにソースの自作を開始
糖質の根本的な部分はパスタで解決できることが分かったが、パスタを作る上で次に必要なのがソースである。パスタを茹でてそのまま塩だけで食べるわけがないので、当然何かしらのソースを同時に使用するはずだ。だがここで問題が生じる。このソースを市販品にすると、糖質制限と塩分制限を解決できないのである。大抵の市販品はトマトベースかペペロンチーノといったものが多く、それらは総じて糖分と塩分が高いものになっている。市販品も前提が「健康体」向けであることが影響している。
この問題に直面したとき、あっさりと解決策が出たのである。ソースも自作してしまえばいい。これに至るには料理の知識と腕前が必要になるわけだが、この心配はなかった。既にある程度できる料理の腕があったのと、どういうわけか潜在的能力として存在する料理の腕と知識がそのタイミングで覚醒しつつあったことが要因である。また市販品は決して安い買い物ではなく、毎日パスタソースを市販品で使うとなれば出費も馬鹿にならないことは計算できない馬鹿でも分かる。そのため少しでも出費を抑える意味もある。
そうして現在はほぼ毎日パスタをするようになり、毎日していても飽きないほどの脳内レシピデータと、その場にある食材、一般に手に入りやすくいつでも売っている肉・野菜と調味料、そして時期により大量に収穫でき、安くなりやすい季節野菜をフル活用して、数々のパスタを作ってきた。私の生きた証の1つとして、そのレシピを作る極意のようなもの、パスタ解体新書を記していく。今回はパスタソースに重点をあて、それを解説していく。
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パスタ解体新書:パスタソース自作編
グラウンド・ゼロ:マー油パスタ
私がパスタを語るとき、必ず外さないものがある。それが私のパスタ生活の「グラウンド・ゼロ」となった存在、マー油パスタである。元々マー油自体は豚骨ラーメン用の調味料として作っていたもので、パスタ用ではないものだ。それをパスタに転用するアイデアが出たのは、カルディ名義で「マー油の和風パスタソース」が存在するという情報を聞いたことからである。しかし近くのカルディを確認してもそれを見つけることができなかったため、もう想像だけで作ってしまおうという流れになったのである。そうして仕上がったのが以下である。
覚えている限りでは、和風ということでベースは鰹出汁を使用し、そこに揚げ玉と長葱を乗せたものになる。パスタにおいて和風というアイデアはコンビニで売っているサラダパスタ的なものなら存在しているが、大抵は冷やしで提供されているものになっている。それを通常のパスタで行うのはなかなか存在しないものになるはずだ。また、この手のものは調べてもあまり情報が出てこないことが多く、当時はその通りでもあった。そんな中で完成したマー油パスタは、確かに美味しいものであった。
この頃は手順として、元となるパスタの情報を入手し、それを分析してから自作するパターンで作っていた。それに対し、このマー油パスタは元となるパスタであるカルディのそれが売っておらずオンライン販売も存在しなかったため、それなら先に作ってしまった方が早いとなった。なので、マー油パスタが殆ど前情報なしに作った最初のパスタになる。その結果が成功だったため、ここから市販品に頼らない、そして独自メニューのパスタが始まっていくこととなった。
ちなみに余談であるが、後日実際にカルディのそれを買って試してみたが、予想通り大蒜エキスとカラメル色素を使った偽マー油だったことが分かった。買わない方が良かったと思えるほどに残念で、自作して良かったと思えるほどに要らなかった。
パスタソースの基本:日常で使う三大調味料で構成できる
この経験から得たものが、パスタソースはトマトやペペロンチーノといったソースでなくても十分であるということだ。つまり、普段料理で使う調味料で十分ソースが作れるということである。普段料理で使う調味料と言えば、醤油・味噌・塩の3つであることは誰でも想像がつくはずだ。大抵の料理はこれらがあれば作れる。ここではその3つについて見ていくこととする。
醤油の例
醤油は多くの料理の調味料として使われるもので、刺身でも使われる、最も馴染みのある調味料だ。これを使わずに生きられるのならそれは別の意味でプロである。醤油と麺類の組み合わせは、主にラーメンと油そばで一般的で、蕎麦やうどんは麺つゆを自作する場合に使うことになる。おそらくここまでが思い浮かぶ範囲で、パスタで醤油をソースとするという話はあまり聞かないものになるはずだ。
だが醤油は違和感がない。何故なら、ラーメンや油そばの麺をそのままパスタに置き換えれば簡単に転用可能だと気付いたからである。ラーメンの場合は汁を無くせばパスタになり、油そばは麺を置き換えるだけだ。そうすることで、和風パスタという位置づけにすることができる。また醤油の場合は、大蒜や一味唐辛子および七味唐辛子との相性も良く、鰹出汁等の和風出汁とも使えるため、使い方と組み合わせ次第でどんな味でも作れるものになる。その例の1つとして以下を掲載する。
味噌の例
味噌も料理の基礎にある。そもそも醤油と味噌は原料が大豆で同じであり、加工方法によって最終的に出来上がるものが異なるという部分が面白いものである。味噌と麺類の組み合わせはほぼ醤油と同様である。もっとも、蕎麦で使うことは少ない。うどんは味噌煮込みといったものであれば存在する。また、麺類ではなく単純な汁物としての味噌汁に使われる方が多いので、そのイメージの方が強いと思われる。
味噌パスタの情報は、当然のように調べても全くと言っていい程存在しなかった。しかし唯一、北海道ローカルのある番組において味噌パスタを他に作っている人がいたことを確認した。それは味噌パスタをレシピデータに取り込んでしばらくしてのことで、おそらくは再放送のものなので数年前の情報ということになる。それでも作っている人がいたので、同じ考えを持っているのは私だけではないようだ。とはいえ味噌に関してはほぼ独学であり、それ故かなり独特であるが確かに美味しいものが出来上がる。その例が以下である。
塩の例
塩も料理の基礎で、世界的に見れば塩が最も調味料として使われているはずだ。そしてあらゆる加工食品の味調整にも使われる。塩はシンプルで使いやすく、色々な肉・野菜と合わせやすい反面、失敗すると酷いものになり、味を濃くして誤魔化すという小細工も効きにくいものである。麺類ではラーメンや焼きそばでよく見るもので、パスタも塩をベースにしたものが多い。また一部ではパスタを茹でる際に塩を入れる下処理をしているところもあるようだ。
塩パスタの場合、殆どは塩そのものではなく塩味をベースとして固有名詞となる料理に発展することが基本である。代表的なものにペペロンチーノ、ボンゴレ(ビアンコ)、カルボナーラがある。それ以外にも様々な野菜と組み合わせることができ、肉や魚も貝も海藻も、殆ど何でもいい感じに合わせることができる。そのため最もレシピの幅が大きくなるはずだ。その例が以下である。
パスタソースの応用:身近で余った「あれ」も使える
ここまではどの家庭でも必ず置いてある、身近にある三大調味料でソースを作ることを考えた。それを発展させると、身近で余った「あれ」もパスタソースとして使うことができる。例えば蕎麦やうどんで使用する麺つゆは、使い方によっては余ることも考えられる。これは殆どが醤油と鰹出汁から構成されるもので、つまり和風醤油味として使える。何も、その名前であるからといって蕎麦やうどん限定ということはなく、元を辿っていけばその2つから構成されると分かれば、余ったそれをパスタソースのベースとして使っても違和感がない。
また、中濃ソースやウスターソースは、使うタイミングが限られやすいものになるはずだ。殆どはコロッケやカツ、ウスターソースは焼きそばやお好み焼き、自由軒のカレーくらいでしか使わない。そのためよく余ったまま放置しているということも少なくないはずだ。そのソースも、焼きそばやお好み焼きをイメージし、そのレシピから麺や粉をパスタに置き換えれば、違和感なく焼きパスタとして作り上げることもできる。しかも実は焼きそばより食べやすい。
分量や味の調整は、濃くなりすぎないように焼きそばより少なめにすること。それを意識すれば塩分は確実に抑えられる。また一般に、中濃ソースやウスターソースは原材料に果実を使用している関係で、三大調味料より糖分が含まれているものになるので、使用量を抑えることは糖質を抑えることにもなる。これらを意識すれば、市販品を使わずにソースを作ることができるようになる。もちろん今回挙げた以外にも使えるものは多く、興味があるのならパスタに使ってみると面白いであろう。
発想の転換でパスタは無限に作れる
元々、料理は一応できる程度のレベルであり、しかし「普通の人間に擬態していた最後の頃」である2019年はそこまで作れるというわけではなかった。それがまず死のコロナウイルスで料理を本格的に始めるようになり、次に糖質制限および塩分制限の手伝いのためにパスタをほぼ毎日、3食のうちの1回で置き換えるようになると、市販品のパスタソースではそれをうまくコントロールできないということ、そしてカルディの和風マー油パスタのソースがあるという情報から最初の自作パスタソースとして誕生した「マー油パスタ」。この成功体験と、身近にあるものを使えばどんなものでも作れると分かったところから、ここから市販品に頼らないパスタクリエイター生活が始まった。
料理とは殆どはレシピ通りに作れば失敗しない。また、市販品を頼れば失敗することもなく、何か材料が足りなくても作れるようになっている。だがそれは独創性や各種栄養バランスとの引き換えであることが言える。逆にレシピが存在しない、あるいは頭の中や誰かから聞いたようなものであれば、その通りに作るというのは実はけっこう難しい。それは各個人の感覚に依るものが強く、分量も感覚で提示されていた場合、それを再現するのは至難の業でもある。その分自由に作れるので、料理の腕に自信があるのならその方が幅広く作れるであろう。
最初はある程度のレシピ通りのパスタを作っていたが、何度も作っていると作り方が分かってくるため、独自でレシピを開発するようになった。そうして執筆時点で4年間でほぼ毎日、自作パスタを作ってきたこの私が言えることは、発想の転換でパスタは無限に作れるということである。今回はパスタソースについて注目して書いてきたが、発想の転換は入れている具材もそうである。次回はそれについても別の記事として書いていく予定である。
以上、パスタ解体新書:パスタソース自作編、であった。まずはレシピ通りに作り、自信がついたら独自にチャレンジしていけ。そうすると美味しいものが出来上がる。
KIBEKIN at 00:00 Jan. 15th, 2024
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脚注
本文へ1 | 正確にはデュラム小麦の粗挽き粉を意味する。地中海沿岸、中近東、アメリカ、カナダなどの各地で生産される小麦で、良質のたんぱく質を多く含み、弾力性に富んでいる。これにより成形がしやすく、茹でてもコシが強く形が崩れにくいことで使われている。参照:パスタに関する基礎知識|パスタを知る|日本パスタ協会 |
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本文へ2 | グリセミック・インデックス(Glycemic Index)。食後の血糖値の上昇の度合いを表す数値で、ブドウ糖を100としたときの相対的指標である。 |