【キメラ修復】iPhone 6S修復記録:ジャンクを流用する、ニコイチ復元実践書 | Kibekin BLOG.

【キメラ修復】iPhone 6S修復記録:ジャンクを流用する、ニコイチ復元実践書

この記事の概要を簡単まとめ!

  • Xperia 1にする前、メイン端末だったiPhone 6S
  • SIMの無効化後は自宅用だったが損傷が酷い状態だった
  • 画面もバッテリーもカメラも死んでおり、ついに使い物にならなくなった
  • 修復用パーツがなかったため分解しただけで終わっていた
  • アクティベーションロックされているがそれ以外が生きている同型ジャンクを入手
  • 交換用ジャンクからロジックボードとホームボタンを取り出し、元の6Sのものと載せ替える
  • ロジックボード本体とホームボタンは紐付けされており、移植時は同一でなければならない
  • 手順は多いが少しずつやっていけば問題なく、復元時はその逆をすれば良い
  • ジャンク同士の組み合わせは、完璧な1つの「もの」になる

最近、Xperia 1の調子が徐々に悪くなってきている。突然の再起動が1週間に1回ほど発生する。原因は明確には不明だが、その前兆として急に動作が重くなり、その数十秒後には何も利かなくなって、強制的に再起動する。スマートフォンですらソニータイマーが搭載されているのかと思いたくなるが、メーカーへのこだわりがないのであれば台湾製に切り替えてもいいのかもしれない。その際はSIMフリー化し、中古品を入手することで対応したい。

Xperia 1を入手する前、iPhoneを使用していた。そのモデルはiPhone 6Sであり、2015年9月25日の発売から長い間OSアップデートの対象となっていて、初期OSは9、最終アップデートOSは15.7となっている。iOS16の配信日は2022年9月13日となっており、その時点で6Sはアップデート対象から外れた。実に7年も現役でいられたロングライフiPhoneであるこれは、白ROMとなった今でも最新機能こそ使えないが、使い勝手が非常に良い。

Xperia 1に変えた段階で損傷が酷く、そしてしばらくすると全損によりまともに使うことはできなくなった。だが内部のロジックボードは生きており、Touch IDも損傷により無効になっているだけのようである。ということは、正常な本体にその2つを載せ替えすれば、まだ使えるはずである。長らく「内部が無効になっている」ジャンクの入手に手こずっていたが、今回ようやく入手できたため、分解と復元をここにまとめることにした。

―機械の「心臓移植」は、ギークの最上級―

端末OS戦争:iOS vs Android

メイン端末として使っていたiPhone 6S

AppleのiPhone。そしてGoogleが開発した汎用OSのAndroidと、それが搭載された端末が一般にスマートフォンと呼ばれ、明確に分類されている。わざわざ分類することが面倒な場合、iPhoneもAndroid端末もまとめてスマートフォンと称されることが多い。ここでは明確に分ける必要があるため、iPhoneとスマートフォンで別物であるとする。

アメリカと日本ではやたらiPhone信仰が強いが、世界規模で見ると使用されているのはAndroidが多い。私自身はそこまでのこだわりはなく、使えれば問題ないと考えていた。そんな私だが、「意向」により最初に持ったのはiPhoneだった。最初に持ったときのモデルはスティーブ・ジョブズの死後に出された、傑作機と言われる4Sである。これを約4年くらい使い、大学生になったとき、これもそろそろ限界であると感じたときに新しい端末に変更した。それがiPhone 6Sである。



2~3世代前となる5系は、4Sとあまり変わらなかったり、寧ろ劣化しているようにも見えた。そして前世代機となる6系の発表があったとき、必ず6Sが来るという予見をして待機し、予想通り6Sが発表された。2015年9月25日に発売され、その後しばらく経ってから6Sに変えた覚えがある。少なくとも大学2年の頃にはそれだったはずだ。4Sから6Sに変えたため、3世代を飛び越しての交代である。別に4Sが使えないというわけではないものの、ホームボタンが壊れてしまったため、どうせならと狙って’S’のつくモデルにした、というわけである。

基本的には通常の用途にしか使用する予定がないので、そこまで高性能である必要はなかったのだが、カメラ性能がその当時では非常に高いものとなっており、通常の静止画カメラにLivePhoteが追加され、6S単独でスロー撮影が可能であり、連写も可能である。必要な機能がこれ1機に殆ど揃っており、ゲームに関してもそこまでスペックを要求されるゲームをするわけではなかったので、これでも普通に使うには十分であった。そのため、しばらくメイン端末として使っていくこととなったのである。

Xperia 1への交代

そうであっても、長く使っていれば損傷していき、同時に性能不足と動作が不安定であることは否めなくなってくる。本体にはガラスの割れや凹み傷などが増えてきており、特定のアプリを動かすスペックが足りないことや瞬間的にフリーズしたりするなど、安定性に欠けてきていた。また、個人的にはiPhoneはroot化を要さないソフトウェア的改造がほぼ不可能であり、PCに接続しても画像・動画データしか取り出せないため、改造の自由度があまりにも低いことに不満を持っていた。その当時は白ROM・アプリ制作用としてXperia Z3を持っていたが、それも突然電源が死んでしまい、結局使い物にならなくなった。そして画面割れが発生するといよいよ不安定になってきたため、自由度の向上を求めてAndroidに手を出すことになった。それが、本ブログの最初期に書いたもので、Xperia 1である。これは2020年9月21日に交換していた。

当時最新であったそれにしたのは、ヨドバシカメラにはXperia/SONYはそれしかなかったという何とも品揃えの悪いこと。とはいえ、元々開発用にXperia Z3を持っていたわけで、その流れからのXperiaというわけである。SONYといえばゲーム以外は優秀なことでお馴染みであり、カメラ性能は群を抜いて強く、標準でハイレゾ対応、Snapdragon855と6GBのRAM、21:9を生かしたマルチウィンドウ、ゲームエンハンサーで通知や明るさを制御できる機能が存在するなど、当時の最新技術を詰め込めるだけ詰め込んだものになっていた。後に廉価版の5と1の後継である1 II, III, IVが続々と出て、ナンバーも8, 10と展開していき、後にXepria AceやProも登場した。そのシリーズの先駆けとなったXperiaである。

Xperiaシリーズの一覧
SONYのXperiaサイトにある、モデル一覧。過去の駄作モデルから、現在はハイエンドスマートフォンとしての地位を見事に確立した。

最初はこれらの機能があったとしても使わないであろうと考えていたが、その中のカメラ性能が高いことが有利に働いたのは、料理を始めてからである。高精度の撮影ができる(全てのカメラは1220万画素、静止画4032×3024)ことで、パスタやそれ以外の料理の完成品を画像データとして記録する時、使用した野菜や肉の情報を詳細に見ることができ、調味料も何を使ったかをはっきりさせることができるのである。そのため、今ではカメラロールの大半は料理で占める状態になっている。一眼レフに匹敵する性能を持ちながらそれ以外のこともできるのだから、その意味では便利なスマートフォンである。

SIMの無効化後:自宅用だが損傷は酷い

Xperia 1をメインとしたことによって、iPhone 6SはSIMが無効化され、白ROM状態となった。その状態でもWi-Fiは生きているので、電話機能と4G通信が無効化された以外はいつも通り使うことができる。小型のiPadのような状態になったというわけだ。実際にはそれよりもできることが少ないが。それぞれのOSでしか提供していないアプリは多数存在するわけで、そのことも考えると手放すことは愚策である。

よって、しまうことなくそのまま使い続けることになったものの、運用にはさぞかし支障のある状態だった。というのも、液晶・ガラス側の破損が非常に酷く、まともに使えるような状態ではなかったからである。側面や背面についても損傷だらけで、人間の怪我で言えば皮下脂肪筋肉骨まで見えてしまっている状態であり、しかも上側が何もしないでも外れてしまっているほどの、もはや救いようがない状態だった。

iPhone6S(破損状態)
キメラ修理前、修理対象となる6Sの状態。ここまで破損してしまうとタッチするのもガラスを指に刺してしまう可能性が高く、使うことができなかった。

そもそも、デジタイザは生きてはいるが肝心の液晶は1/3が死んでおり、タッチしても反応しているかどうかを確認することは無理である。これでは生きていても使い物にならない。そしてタッチする場所も、ガラスが割れていることによって怪我をする危険がある。後で判明するが、フロントカメラはフレキシブルケーブルが完全に切れており、バッテリーも非常に膨れていた。しばらくするとTouch IDも機能しなくなった。そのことと、Xperia 1もPCもあるのだから、わざわざ危険なそれを殆ど使うことはなくなっていった。




当時は交換用パーツがなく、分解して終了した

一般にスマートフォンはその製造メーカーに修理依頼するか、専門業者に持ち込んで修理してもらうのが一般的である。ただ、iPhone 6Sについては既に型落ちで、当時はiOSのサポート終了が近いとも噂されていた以上、Appleに持ち込んで修理する価値は薄い。同様に専門業者に持ち込んで直す価値も薄い。ならば答えは簡単で、自分で修理してしまえばいい。これまでいくつもの機械を分解し、修理可能なものは修理してきたので、不可能ではないはずだ。

なので分解を早速を行うことにしたが、実は問題があった。交換用のジャンクの手配が出来ていなかったのである。つまり分解しても修理ができない。だからと言って戻したところでどうにもならないので、とりあえず分解してみることにした。その分解手順についてであるが、iFixitでは当たり前のようにiPhone 6Sの修理・分解手順が詳しく掲載されている。それを参考にして、本体であるロジックボードとホームボタンを取り出し、残りのパーツも一応保持しておいた。

Touch IDを搭載しているiPhoneは、ロジックボードとの紐付けがなされている。そのためどちらかを交換してしまうと、それが無効化されてしまう。だが既に無効になっている以上、復元はおそらく不可能なので気にすることもない。

アクティベーションロックされているがそれ以外が生きている同型ジャンクを入手

中古市場には常に様々なものが溢れていて、禁制品以外なら「データ」でさえ金銭取引の対象となる現代。iPhoneに絞っても非常に大量の中古品が流れている。その中からiPhone 6Sの無印に絞り、除外ワードにplusを加えて検索すれば、同型を確実に探し当てることができる。その中には完全な状態のものがあれば、画像で見せたような損傷が酷すぎるものも出ている。多くは綺麗なものが購入対象になり、それ以外は1円からでなければ殆ど見向きもされないのがオチである。

また、外見は問題ないが中身が使えない場合がある。iPhoneにおいてはアクティベーションロックが存在し、多くはこの解除が不可能で、そのためにジャンクとして売り出されているということもある。この場合は外装を目的として購入することになる。よって分解されたのち、中身は廃棄されるか、はんだ付けするレベルのスペアパーツとして専門業者が回収するかのどちらかである。後者はあまりなさそうだが。

そして今回、アクティベーションロックされていて、外装はそれなりに問題ない「同型」を入手することに成功した。といっても、本体側が落下の衝撃であろう、凹んでいる部分が多かったが。しかし肝心のタッチパネル側は、カメラを除いて綺麗な状態だった。よって今回行うのは、ロジックボードの載せ替えである。Touch IDは元から機能せず、最終的にホームボタンの投下も効かなくなったため、おそらく交換しても使用不可能であろう。よってここではホームボタンは無視する。2つの壊れているiPhone 6Sからそれぞれの使える部分のみを抜き取って1つにする「キメラ修復」、その結果を書いていく。

キメラ修復記録:iPhone 6S 分解編

入手したジャンク品の確認

まずは修復のベースとなる、アクティベーションロックのかかった6Sの状態を確認する。外装はお世辞にも良いとは言えないが、目的となるタッチパネル側は落下させたりしていた割には殆ど傷がなく、おまけ程度であるがガラス製の保護シートも貼り付け済みであったので、まず第一目標は達成している。後は実際に分解して、中身に損傷がないかを確かめる必要がある。

入手したジャンクの外装
入手した同型ジャンクの外装を確認したところ。これは商品説明の通りである。お世辞にも状態がいいとは言えないが、液晶にダメージが全くないだけでも十分である。これで電源が入って1700円をクーポンで1445円なのでかなりマシなジャンクである。

外装はこのような状態であった。これは購入前の説明にもあり、また追加の説明としてアクティベーションロックがかかっており、ホームボタンが反応しなくなっているものであった。この問題は今回の移植では無理できる問題になるので、この中身のロジックボードを抜き出して、元々使っていた方のロジックボードをはめ込んで修復する方法を行うこととする。

分解前準備:必要な道具について

分解前に、必要な道具について説明する。任天堂製以外の全ての機械は、家電量販店や一般的な通販で販売している特殊ねじ対応のビットセットを購入すれば、どんなものでも理論上分解可能である。その中から今回使用するものを確認しておく。開始前に次のものを用意しておくこと。

  • プラスネジ 000: 殆どの内部のプラスねじに対応
  • ペンタローブネジ P2: Lightningコネクタ側の2つのねじに使用。最初に開けるために必要
  • 六角ナット 2.5mm: ロジックボードを固定するねじが何故か1つだけこれで固定されているので、それで必要
  • ピンセットとヘラ: 何かを移動したり外す時は基本これで対応
  • 吸盤: 本体から液晶パネルを浮かすために必要
  • ピック: プラスチック製を何個か用意。液晶パネルを浮かせた後、本体側面に滑り込ませて外すために必要
  • マグネットシート: ねじと金属板が飛ばないように置いておく場所になる
  • ジップロック(小袋): 分解したものをまとめる場合に使用(オプション)
分解ツールの例
分解に必要なツールの例。これらがないと、まず分解できない。最後のひっかけ問題のような六角ナットだけが非常に厄介である。

これらがなければ、作業を開始することはできない。しかしこれらはそこまで高いものではなく、入手もしやすいのですぐに揃えることができるはずだ。面倒な人は前述のビットセットを購入すれば、必要な物が揃っていて、ピンセットとヘラも標準装備であることが殆どである。場合によってはスマホ修理向けに、吸盤とピックも入っていることがある。なのでビットセットを購入する場合は、それがあるかどうかも確認するといい。もちろん個別に購入しても問題ない。




分解開始:正常状態からロジックボード取り出しまで

ここから分解を開始する。分解手順が多いため、複数に分けて解説していく。なお、分解にあたってはiFixitのiPhone 6sのロジックボードの交換を参考に進めていく。

※注意事項:次の分解手順は専門知識を(ある程度)持った人による分解です。分解時は作業スペースを十分に綺麗にしたうえで、怪我に注意して分解を行ってください。また、この手順によって閲覧者自身が分解を実施した際、何らかのトラブルが発生しても一切の責任を負いかねますのでご了承ください。そもそもしないであろうが。

分解01:液晶パネルを浮かせて中身を開く

まずは液晶パネルを浮かせて、中身を開くまでを行う。初歩的かつ難しいことではないので、ここは初心者でも大丈夫なはずだ。以下の手順で進めていく。

  1. Lightningコネクタの両脇に存在するペンタローブネジ(P2)を外す。
  2. ホームボタンの少し上に吸盤をつけ、Lightningコネクタ側に少し隙間ができるくらいの弱い力で上方向に引っ張る。
  3. 出来た隙間にピックを差し込み、左右に進めて少しずつ浮かし、ツメから外すようにしていく。接着剤に注意。
  4. ツメを外せたら吸盤を外し、手でパネル下側の両面を持ち、ホームボタン側から上に持ち上げるようにして、90°まで持ち上げる。このとき、適当な台などを使って90°以上傾かないように立てかけた状態にする。
液晶パネルの持ち上げまで
液晶パネルの持ち上げまでの手順。ここまでは特に問題なく行えるはずであろう。

ここでは液晶パネルはまだ外すことはできない。ロジックボードに3つのケーブルが接続されており、それが金属板によって保護されているためである。そのため少々面倒だが、この段階では90°を超えないように台などを使って、うまく立てかけるようにするといい。iFixitでは未開封の350ml缶を使い輪ゴムで固定する方法もあるようだ。

分解02:金属板を外し、ケーブルを外していく

次に液晶パネル、バッテリーとロジックボードを接続するケーブルにアクセスし、これを外していく。そのためには金属板を外し、アクセスできるようにしなければならない。この金属板はプラスねじで留められているので外すのは簡単だが、ケーブルの接続を外す時に注意が必要である。次の手順で外していく。

  1. 安全を考慮し、まずはバッテリーから外す。バッテリーの金属板のねじをプラスドライバーで外し、その下にあるバッテリーコネクタを、ヘラなどで外す。形状が平らなため、変形しないように注意すること。なお、ねじはバッテリー側が2.9mm、ロジックボード側が2.2mmで長さが違うので、戻す時は長さにも注意すること。
  2. 液晶パネルの金属板を同様に外し、その下の3つのコネクタを外す。ねじの長さは最も外側のねじが2.8mm、それ以外が1.2mmである。コネクタの説明は画像を参照のこと。これで液晶パネルは上方向に持ち上げると完全に外すことができる。
コネクタ外し
金属板を外し、その裏のコネクタを外していく。バッテリーから外して、うっかり電源を入れないようにしておく。液晶パネルには3本繋がっているため、それぞれも丁寧に外していく。その後、液晶パネルを完全に分離する。

ここでようやく、液晶パネルとロジックボードの接続を外すことができるようになる。これを外したら、液晶パネルは90°で垂直に持ち上げることで完全に本体から外すことができる。外した液晶パネルは、下に柔らかい不織布などを敷いたところに、液晶面を下にして置くことが推奨される。基盤側はコネクタや繊細な部品が多いため、その損傷を避けるためである。なお、元々の6Sはフロントカメラのケーブルは完全に破断しており、交換用ジャンクも同様に破断していた。役立たずめ。

分解EX:ホームボタンの交換

入手したジャンクは元からホームボタンが効かないので交換するのは無意味だが、本格的に修理する場合のことも考えて書いておく。ホームボタンだけを交換するのであれば非常に簡単で、その裏側を少し弄ってやればいいだけである。次の手順を踏むことで交換できる。

  1. ホームボタンを留めている金属板(ホームボタンブラケット)からねじ3本を抜いて取り外す。
  2. 左側にあるホームボタンコネクタ(QRっぽいのがついている)の接続を外す。
  3. 液晶モニタ側から押し出すようにしてホームボタンを取り外す。通常はガスケット(ゴム)部分に接着剤がついているので注意。
ホームボタンの取り外し
ホームボタンブラケットを外し、ホームボタンを取り外す。コネクタ部分についてもヘラで外していく。交換する場合はこの手順で行えば問題ない。

まず液晶パネルを本体から分離してアクセスするのが大変だが、これでホームボタンの交換が可能である。ロジックボードを交換する、或いは液晶パネルが破損していて交換する場合はこの方法でホームボタン(Touch ID)の機能を維持して復元することができる。ただその場合で重要なのは、交換先のパネルが内部的に損傷していると、ホームボタンが効かない場合がある。よってどうしてもそれを使いたい場合は素直に再生品パネルを買った方が早い。私の場合はそもそもメイン端末ではなく、Touch IDも必要なく、操作もAssistiveTouchでどうにでもなるので、これを無視したのである。その代償として、フロントカメラのケーブルが切れていたが。内部の損傷までは見破ることができなかった。

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分解03:リアカメラ、SIMトレイの取り出し

リアカメラは6Sの重要な部分の1つである。2015年当時としてはカメラ性能が極端に高いわけではないものの、撮影できるパターンが多かったので、カメラを目的に6Sを買った人も多いと思われる。そのカメラは内部では当然のように金属板で頑丈に守られている。これを外して、同時にロジックボードからも接続を一旦解除しなくてはならない。そのついでにSIMトレイも抜いておく。その手順は以下の通りである。

  1. ロジックボードからリアカメラの接続を外す。液晶パネルの3つの接続部のすぐ上のコネクタである。
  2. 金属板を外す。ねじは内側が1.6mm、外側が2.0mmである。
  3. その後、ヘラで隙間から持ち上げ、浮いたカメラ本体部分をピンセットなどで掴んで取り出す。
  4. SIMトレイは穴に細い針金などでピンを押して抜き出す。
リアカメラとSIMトレイの取り外し
コネクタを外し、リアカメラのブラケットを外してからカメラ本体を取り出すのと、先にSIMトレイを取り出しておく。カメラは重要で繊細につき、傷つけないように注意。

カメラ自体はコネクタで繋いで、それをブラケットで固定していることが分かる。よってこれがなければ動いてしまう。戻す時はブラケットも忘れないようにすることが重要である。SIMトレイについては、これは分解していない状態でもできることである。ロジックボードを取り外す際に邪魔になるので、先に取り外しておく。

分解04:Wi-Fiアンテナとオーディオコントロールケーブルの取り外し

6Sが登場した頃は3G/4G回線及びWi-Fi(802.11 ac), Bluetooth(4.2)に対応している。なお、元々の6Sも交換用ジャンクもモデルはA1688である。ただ、白ROMではモデル情報は役に立たない。それはともかく、外部にはアンテナらしきものはどこにもないように見えるそれは、内部にアンテナを搭載しているため、Wi-Fiを問題なく使用できるのである。分解時はこれも取り外す必要があり、その下にあるオーディオコントロールケーブル(音量の±ボタンとミュートスイッチ)のコネクタもこのタイミングで外す。これらは次の手順で外していく。

  1. Wi-Fiアンテナ(左上の黒いパーツ)下にあるコネクタブラケット(2.3mmx2)を取り外す。
  2. Wi-Fiアンテナは5本のねじで留められている。基盤に3本、側面に2本となっている。これらを全て外す。それぞれ長さが異なるので注意。基盤は上側2本が1.5mm、下側が2.3mm。側面は内側が2.0mm、外側が1.9mmで0.1mm差があることに注意すること。
  3. これを外したのち、その真下にあるオーディオコントロールケーブルコネクタを外す。
Wi-Fiアンテナとオーディオコントロールケーブルの取り外し
Wi-Fiアンテナはねじで留めているのでこれを外し、オーディオコントロールブラケットを外してその下のケーブルコネクタを外していく。ねじの長さが細かいため、管理する時はねじが留まっていた順に並べておくと迷わなくなる。

Wi-Fiアンテナも重要パーツであるが、それを留めるねじの長さが細かいのは、分解後に整理し、戻す時に面倒な事になりがちである。そのためこのパーツのみ、ねじは1つずつ外し、外した位置と一致するようにねじを置いておくと戻す時に迷わなくなる。その際はマグネットシートを有効活用する。アンテナを外したらオーディオコントロールケーブルコネクタを忘れずに外す。

分解05:Wi-Fiアンテナケーブル、Lightningコネクタ、NFCブラケットの取り外し

Wi-Fiは通常、そのパーツとは非常に細い線で繋がっている。PCで見たことがある人も多いはずだ。これはスマホでも同じ構造になっている。当然ロジックボードと接続されているので、これも一旦コネクタを外す必要がある。それと同時、充電や通信を担当するLightningコネクタとApple Payの機能を果たすNFCブラケット1)ただし、FeliCa機能はない。当時の6Sにはこの機能はなく、国内で流通していたおサイフケータイには対応していなかった。もロジックボードと接続されているため、これも外していく。難しいように見えるが、次の手順に従えば問題ない。

  1. ロジックボードの上部右端にあるWi-Fiアンテナケーブルの接続を外す。非常に小さく、コネクタが変形しやすいので力をかけすぎないように注意する。またケーブル自体が細く、切れやすいので注意。
  2. 次にロジックボード下部左にあるWi-Fiアンテナケーブルの接続を外す。同様に力加減に注意すること。
  3. その隣にあるLightningコネクタはリボンケーブルの下からヘラなどを潜り込ませ、軽く浮かせる形で外していく。ここも力加減に注意。
  4. リアカメラの右にあるNFCブラケットを固定するねじを抜き、これを取り外す。小型で折れやすいため、取り扱いには注意。
Wi-Fiアンテナケーブル、Lightningケーブル、NFCブラケットの取り外し
Wi-Fiアンテナケーブルはいずれもロジックボードに繋がれているため、これを外す。コネクタは非常に弱く、ケーブルも細いので取り扱いは慎重に。Lightningケーブルはヘラで外せる。NFCブラケットはねじで留めているだけで、しかし変な形をしているので面倒である。

Wi-Fiアンテナケーブルのロジックボード上部のものは、そのケーブルが本体側面のクリップに格納される形で線が通っている。iFixitではこれを外側に出すことを行っているが、ここは別にやらなくても問題ない。ロジックボードを取り出す際に干渉はしないためだ。逆に取り出してしまうと戻す際に面倒なので、修復を前提とするならそのままの方が都合がいい。Lightningケーブルコネクタは側面に隙間がなさすぎるのでケーブル側から浮かせる形で外すが、ケーブルやコネクタを傷つけないよう注意すること。NFCは6Sにおいてはそこまで重要ではないが、材質と形状的に折れやすく、部品も小さいので注意が必要である。

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分解06:最終仕上げ、ロジックボードを抜く

ここまで行えれば、ようやくロジックボードにアクセスできる。ロジックボードもねじによって固定されているが、それが1つだけ通常のプラスねじではなく、六角ナットになっている。不用意に交換させないための処置であると思われるが、そもそもペンタローブネジの時点で普通は持っていないので開けられないが。この部分に対応するドライバーないしビットは用意して、次の手順でねじを外し、ロジックボードを取り外す。

  1. ロジックボード上部と本体上面を繋ぐプラスチッククリップがある。これはロジックボード側が2.5mm、本体側が1.4mmのねじでそれぞれ留められている。この2つを外して、同時にプラスチッククリップも外す。また、プラスねじでWi-Fiアンテナがあった下のねじ(1.9mm)とLightningコネクタの上のねじ(1.8mm)も外す。
  2. プラスチッククリップの真下は六角ナットになっており、径が2.5mmのものが必要である。任天堂かよ。これを対応するもので外す。
  3. 全てのねじ・ナットを外したら、ヘラなどで持ち上げて浮かせることができる。これで完全に分離できる。折れないよう注意しつつ、安全なところに置いておく。
ロジックボートの取り外し
ロジックボードを固定するねじを外し、ロジックボードを取り外す手順。最後の砦である六角ナットを取り外し、ヘラなどで浮かせればようやく本体から完全に分離することができる。

ここまでしてようやくロジックボードの分離と取り出しが完了する。長い闘いであったが、これで準備が整った。取り出したロジックボードについては、ホームボタンとセットメニューにでもして売ってしまうといいだろう。もっとも、アクティベーションロック状態では誰も買うことはないが。

キメラ修復記録:iPhone 6S 復元編

分解の逆は復元。そんなことは誰でもわかることである。ここからは元々使っていた方のロジックボードと(一応)ホームボタンをその本体にセットしてから液晶パネルを戻し、電源を入れて問題なく動作するかを見ていく。なお、復元過程において、倉庫で冬眠状態の同型の6Sを発見することができたので、そこからフロントカメラとバッテリーを抜き出して再利用した。偶然である。

復元時のルール:分解した各パーツの取り扱い

最初から「すぐに戻す」ことを前提として入手したジャンク品であるので、取り外した各部品は、ねじを戻す位置が視覚的にわかるようにマグネットシートの上に配置した。具体的には次のような形である。

外した部品の取り扱い
外した部品の取り扱い。すぐ戻すことを前提としていたので、マグネットシートに各パーツを、ねじの位置が一致するように置いていた。この方法であれば、ねじの位置を間違えることはない。

少々乱雑と言われかねないが、どのパーツであるのか、どの範囲にねじをまとめたかさえ憶えていれば、復元する際にねじを間違えることは殆どなくなる。そのため、バラのパーツとして長期にわたって保管するのでないなら、このように並べた方が事故が少なくなって安全である。或いは、ねじは適当な紙とセロテープで固定し、長さを横に書き加えておくなどもしておくと迷わなくなるはずだ。

復元開始:分解の逆手順を行えばOK

復元する際はこれまでの逆手順を行えばいい。つまり、次のようにすればいい。

  1. 復元したい6Sのロジックボードを所定の場所に置き、そこを先に外したねじと六角ナットで留めていく。プラスチッククリップの固定も忘れないように注意すること。
  2. NFCブラケット、Lightningコネクタ、Wi-Fiアンテナケーブル2本をロジックボードに接続する。接続しにくく、ケーブルやコネクタが折れる可能性が高いので注意する。
  3. オーディオコントロールケーブルのコネクタを接続、Wi-Fiアンテナをねじ留めし、コネクタブラケットをねじ留めする。
  4. リアカメラを再度接続し、ブラケットを被せてねじで留める。ここは確実に留めるようにすること。SIMトレイは後でもいい。
  5. 液晶パネル側の3つのコネクタをロジックボード上部の3つに、接続先を間違えないように接続していく。破損防止のため、コネクタの中央ではなく両端を押して接続すること。その後、バッテリーも接続し、それぞれのブラケットをねじ留めする。このとき、閉める前の確認として電源を入れて確認してもいいが、感電などに注意。
  6. 液晶パネルを90°に持ち上げ、上部を本体にかませて徐々に下げていき、隙間がなくなるように両端から閉めていく。Lightningコネクタ側まで完璧に閉めたら、ペンタローブネジ2本を締め直すことで完了となる。

上記の通りに行えば、見た目には何もなかったかのように復元できる。そして修復した6Sがこれである。

復元後の6S
復元が完了し、ついに修復されたiPhone 6S。ホームボタンと液晶パネルの色こそガバガバであるが、これで問題なく使用することができるようになった。フロントカメラも交換によって正常に動作するようになっている。

ホームボタンがそもそも機能しない時点で、ホームボタンを交換した意味が殆どないが、それ以外は何の支障もなく使えるものに直ったのである。ただしミュートスイッチは設計上の問題か反応が悪かった。これは微々たるものなのであまり気にならないが。しかし、中身と接続様式を詳しく見れただけでも、いい経験になった。現行機は流石に開ける気にはならないが、白ROMやサポート終了済みの機種ならこうして修理すると、色々面白いかもしれない。




疑問の解決:何故今修理したか

よほどのことがなければ、普通は1人が同時に持つスマートフォンの数は1つのみである。それは機種変更によって前に持っていた方はたんすの奥にしまうか、売るか、店で下取りするなどで手放したり手元に置かない状況にすることが多いからである。私はそうではないので基本は手元に置いておき、何かに使うことが多い。

妹ちゃんこと無音烏の配信の際、音声認識の方法としてUDトークを使用するが、接続時は私のXperia 1を借りて行っていた。UDトークは元々はiOS向けに設計され、後にAndroidに移植されたものとなる。サブスク機能もiOS限定のものだった。そこをclea氏が開発に直接お願いしたことによってAndroid版でもサブスクが実装されたが、それでも使いやすさという点ではiOS版には劣っている。またXperia 1を音声認識のためのデバイスに使用するにあたって、一時的にそれ以外の用途に使用できなくなることに不満があった。

それを解決する最も早い方法が、iPhone 6Sを修復して使用することだった。しかし修復するためのパーツは不足していたため、いいところなジャンクをうまく探し当てて、今回のキメラ修復で無事に蘇らせたというわけである。これを見ると、多くの人は正常に動く中古品を買うべきと考えるだろう。しかしそれらは総じて高値がつくのと、元の6Sのデータを取り出したいという思いもあってこのような手段を採ったのである。安く仕上げ、データを復元する。これができる唯一の手段がこれだったのである。おかげで活動の幅が増えた。

ジャンク同士の組み合わせは、完璧な1つの「もの」になる

あらゆる「もの」の消費サイクルは、高速化していった。スマートフォンは膨大なそれの1つに過ぎないが、PC並みに高価でPC並みに精密機器であるそれは、小さいが故によく落下させたり投げつけたりすることであろう。その結果、破損がPCよりも激しくなることがよくある。これにより熟成されたワインを一滴も飲まずに割るようなレベルで一気にゴミと化す。それがジャンクとして中古市場に流れていくのである。

ただ、ジャンクと言ってもそのパターンは様々である。全損していて本当の意味でジャンクである場合や、外装か内装のどちらかだけ破損している、部品が足りない、付属品がない、箱がない、などの理由によってジャンクとして扱われることも多い。ジャンクとなれば基本的に分類されることなく一括でまとめられてしまうため、その中から目的の状態を見つけ出すのは非常に難しい。しかし、検索方法を上手く工夫することで、目的の状態に近づくことはできる。

そうして見つけ出した1つのジャンクのiPhone 6Sは、元々保有していた壊れていた同型モデルの6Sと組み合わせることによって、完璧な1つの6Sとなったのである。見た目にはそれが全損していたものとは見えないものに仕上がっている。妥協によって一部の機能は復元できなかったが、それでも使うには十分な状態になった。そして分かったのは、任天堂以外なら基本的にどんなものも自分で直せるということ。壊れているがサポート終了していて直してくれるあてもないなら、チャレンジしてみるといいだろう。もちろん、自己責任であることは忘れずに。

 

以上、iPhone 6S修復記録:ジャンクを流用する、ニコイチ復元実践書、であった。次は何の記事で会おうかな?

 

KIBEKIN at 00:00 Oct. 19th, 2022


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脚注

脚注
本文へ1 ただし、FeliCa機能はない。当時の6Sにはこの機能はなく、国内で流通していたおサイフケータイには対応していなかった。
KIBEKIN
会社員という働き方が合わないのに会社員になってしまってから、半ば自分からリタイア後ブログクリエイターとなり活動してきた社会不適合者。VRやVTuberに触れる機会が増え、今後はリスペクトだけではなく自分を作る意味を込め、VTuberならぬVBlogCreator"KIBEKIN"として新しいスタートを切る。

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