【負荷分散で安定させる】分離配信論~ゲームと配信は別々のPCで~

この記事の概要を簡単まとめ!

  • 配信そのものは低スペックPCでも低品質設定で可能である
  • 1つのPCで配信とゲームその他の作業をするには高スペックが必須
  • ミドルクラスでゲーム・作業低スペックで配信を分離する手法がある
  • HDMIの映像をPCに映す場合キャプチャーボードが必須
  • 音声も出力したい場合、少しだけ手間がかかる
  • 一度設定が完璧なら、次回以降の接続は楽にできる
  • PCを2台使用する関係から読み上げ機能などは使用可能でも実質使えない
  • ゲーミングラップトップはその性質上相性が良い
  • 分離すれば必ずしも高性能で固めなくてもいいと証明できる

配信関連技術を調査するようになってから、おおよそ7ヶ月が経つ。元々は声を出さずして喋った内容を表示する方法を探していたわけだが、それが結果的にVTuberをはじめとする配信の世界に足を踏み入れるきっかけにもなったのである。そうして今、ゆかりねっとコネクター(NEO)やわんコメを使用する人を中心に、その繋がりを見せている。その人からの悩みは、ブログで取り上げる人が少なすぎるということである。なので積極的に取り上げていくのがいいようだ。

さて、配信を行うのが一般化した現代において、1つのPCでゲームをしながら、VTuberなら自身の皮を表示させてWebカメラを利用してトラッキングを行い、そしてOBS等を利用して配信を行う。1つのPCでこれらを行う場合、CPU・GPU・RAMが全て強くなければならない。それに加えて水冷ユニットも必須になる。それくらいがなければまともに動かすことができないであろう。しかしそれをクリアするほどのスペックを持つ、ハイエンドモデルのパーツは総じて高額であり、それこそ石油王でなければ無理と言い切れるものになる。

だが、ミドルレンジのものなら手に入りやすく、中古市場にも流れやすい。なので2台目を作ることは容易である。また、キャプチャーボードを利用することで別のPCの映像を映すことができる。これを利用して、ゲームないし作業用と配信用(+VTuberの皮を動かすソフトウェア)で分離すれば、負荷分散によって安定して配信が行えるはずである。今回は実際に分離配信している私がその分離配信のメリットとその方法について解説していく。

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配信とPCと負荷

配信そのものはどのPCでも出来る

私のブログでは既に何度も書いているように、配信は2020年頃の死のコロナウイルス情勢を機に流行った、コンテンツ提供者には良好な回線と機材があれば場所を限定せずに行えて、コンテンツ閲覧者にはこれも良好な回線と再生可能なデバイスとプラットフォームのアカウントやアプリを持っているならこれもまた場所を選ばずに見ることができるという、新しい時代のコンテンツの提供スタイルとして確立した。

私の場合は見ているのは殆どがVTuberであり、その場合に配信を行う機材はPCそのものだ。構成情報は大半が自己申告によって提示されているものであり、その情報を見ると決して最高スペックというわけではないが、ミドルクラスのパーツを使用していることが多い。私はPCの性能の全ての基準にCPU: i5-9400, GPU: GTX 1060-6GBを置いていて、それよりも2倍以上の性能差がある場合は、基準より上をハイエンド、基準より下をエントリーとしている。最もわかりやすいGPUだけで考えると、2019年であればGTX 1080-Ti, その次がRTX 2080-Ti, 現行最新がRTX 3090となる。いずれも価格が10万超えのレベルである。



それらは往々にして、現在の状況下では石油王のみが扱えるGPUとして今回の話からはほぼ除外させてもらうとして、PC内部の映像を何らかの方法によって配信ソフトウェアに映し出し、それをストリーミングに乗せる、というのが一般的手法だ。この時映像のエンコードが必要になるわけで、それを担当するのは基本的にCPU、設定によってGPUである。映像を高画質・60FPSなどで配信する場合には低スペックPCでは耐えられないが、普通に見れるレベルである720p(1280×720)で30FPSなら低スペックでも設定を最適化すれば問題なく行える。Ivy Bridge世代のモバイルCPU(i5以上を前提とする)であれば、そうそう問題は起きないはずである。

実写系配信の場合はどうなるのか

ところでここ最近に多い、チャンネル所有者自身が出演者となる場合の配信はどうかということを考える。この場合に使用されるのは、一般家庭でも使用されるハンディカムを三脚に固定するなどして映像を撮り、それを専用のケーブルを利用してPCに送っているであろう。この場合はPCの映像を別のPCにキャプチャボードを利用して出力するのに似ている。ただこの方法はテレビ局とかでも使われているであろう手法なので、設定難易度は低いはずである。

実写系でよく見られるのが、怪談朗読である。この場合はPCは単に配信を行うためだけのものであるので、極端にスペックが高くある必要はない。このときに使用しているPCはApple系(Macbook)が多いようである。映像系に強いとよく言われており、設定もおそらく楽なのであろう。これに限れば、実写系でない人でも使っている人をよく見る。元々の性能が十分に強いもので、一般用途でもグラフィックでも音楽でも何でも使えるのはポイントである。ただし、宗教戦争にも発展しやすいため、ここでは詳細は語らない。

1つのPCで配信とゲームその他の作業をするには高スペックが必須

PCは1人1台の時代である。性能とオーナー数に拘らないのであれば、中古でいくらでも安く手に入るのである。頑張れば1万円台でそれなりの性能を持つPC(従来型ラップトップ)を入手することができる。タブレットPCまたは2in1は性能を妥協することでも1万円台の入手は可能である。もっとも、その場合の性能は一般用途以上には使えないであろうが。そして最近は1人で複数のPCを持つ人が増えており、用途別に持ち替える(使い分ける)人が増えている。或いはコレクターズアイテムのように、実際に使用する、使用できるかどうかにかかわらず特定のモデルだけを集めている人もいるようだ。

現在のPCはデスクトップはいくらでも改造及び各種パーツのアップグレードは可能であるのに対し、ラップトップはCPUが交換不可能であることが多く、その他のパーツも交換に手間がかかるものとなっている。また、ラップトップの場合はデスクトップと比較してどうしても性能が落ちやすいものになってしまう。よって高度な作業ないしゲームを行う場合、原則デスクトップで考えることが多い。

このとき同じPC上でOBSを起動して映像のエンコードと配信をアップロードし、VTuberに必要なソフトウェア(総じてリソース消費が激しい)を起動し、その他の配信において必須とされるツールを同時に起動してゲームや作業をしていると仮定すると、非常に多くのことを処理しなければならないことが分かるはずだ。よって要求されるPCのスペックは非常に高いものとなる。i7以上前提、GTX1080以上前提、RAMもDDR4-2666以上を要求するであろう。ストレージに関しては、正直なところ好みである。

それをミドルクラスのパーツでやってみると分かるが、「少し重い」場合によっては「重すぎてお話にならない」と感じるはずだ。一時期私も、i5-9400F/1060-6GBを使用し、設定を抑えめにしたうえで1つのPCでOBSを起動して配信を流したことがあるが、ゲーム内FPS値が時々下がることが頻発して「まともにゲームが出来たものではない」状況に何度も陥ったのである。当然、配信は中止しなければならず、性能の限界を感じたものである。しかしこればかりはどうしても仕方ないところがある。




ミドルクラスでゲーム・作業、低スペックで配信を分離する手法がある

だが人智とは時に困難を打ち破るものでもある。キャプチャーボードを利用することで映像をPCに映し出せることを利用して、ゲームや作業中のPCの映像を別のPCに映し出し、そのPCで配信を行うという手法を考え付く。最近のPCは殆どがHDMIまたはDisplayPortの出力に対応しており、DisplayPortについてはHDMIに変換可能であるので、出力ソースは困らない。そしてキャプチャーボードそのものについては、HDMI対応とUSB3.0以上の接続形式に対応するデバイスが各メーカーから販売されており、中国製・無名メーカーを含めればその数はかなりのものである。価格としては後者が当然安い。

この時の構図としては、映像を出力したいPCはミドルクラスのスペックであり、これでゲームや作業を行う。その映像を映したいPCは最低限として1280×720, 30FPSでの配信が可能なスペックを持ったPCであり、所謂低スペックPCである。ポイントとなるのは、この場合は必ずしも両方のPCは高スペックパーツによる構成である必要がなくなるということである。非石油王である一般国民が配信をする場合にも、この方法は現実味があるものとなっている。

配信を分離するという方法は既に行っている人が多く、そのやり方についても検索すれば多くの情報が出ている。ただしその情報は単にやり方のみを掲載しており、なぜゲーム・作業のPCと配信のPCを分離しているかという「理由」については明確にされていないものが多い。つまり、原理は知らないが使っている、ということになってしまうのである。もちろん使えていれば問題ないと思う人もいるが、分離する理由を知れば、1つのPCで無理にでもやる必要はないということを理解した上で、分離配信の設定方法についても理解できるはずである。次項より、設定方法とそのメリット及びデメリットについて詳しく解説していく。

分離配信論 本編

これより、分離配信論の講義を始める。

前提条件:必須機材の解説

まず前提として、必要機材について解説する。といっても必要な物は先に何度も出していた、キャプチャーボードそのものである。現在私が使用しているのは、IODATA製のキャプチャーボード、GV-USB3/HDである。HDMI接続のみを対象とし、PCへの接続はUSB3.0(Bオス-Aオス)を使用するものである。上位モデルにType-CにしたGV-USB3/HDSもある。一応、ちゃんとしたメーカー製のもので、価格は新品なら2万円以上はくだらないものとなる。これらのキャプチャーボードによってPCを映像の中継地点のようにして、さらに本来の出力先(モニタ)に繋げていくものとなる。

GV-USB3/HD参考画像
実物のGV-USB3/HD。非常に簡単な構造を持つ。このキャプチャーボードは単に映像をPCに取り込むもので、エンコードはソフトウェア(PC)で行うものとなる。

画像に挙げた、これらを利用することによってPCに特定の映像出力端子のものを簡単に取り込めるようになるということである。ただし1つだけ注意しなければならないことがある。本来ダイレクトにモニタに映像出力端子を接続していたのをわざわざ少し遠回りさせるような形にするため、やり方によっては誤差の範囲内には収まらない出力遅延が発生する可能性があるということだ。これはあらゆるゲームにおいてプレイに影響する問題になる。それを回避する方法としては、キャプチャーボードにパススルー機能が搭載されているものを使用することが現状唯一の方法となる。大手メーカー製のものは基本的にパススルー機能が搭載されているので、メーカー製を買う場合には心配がない。Amazonで中国製の安いものを買う場合は、この機能がちゃんと存在するかどうかを確認する必要がある。

なお、ハードウェアエンコードが可能なキャプチャーボードも一部存在し、IODATAであればGV-US2C/HDがこれに該当する。この場合は接続するPCが低スペックでも安定して映像を出力し配信できるようになるが、これはむしろPCのリソース消費を抑えることができるという部分が大きい。なので複数のソフトウェアを起動するときついと感じるようなスペックでも、少し余裕ができるものとなる。




分離配信入門:実際に設定する

それではここから実際に設定する方法を解説する。解説するにあたって、OBSは通常のもの、キャプチャーボードはGV-USB3/HDを使用する。

設定1:配信する側のOBS設定

まず設定するのは配信する側のOBSである。次の手順でソースに追加したあと、プロパティを次のように調整する。

  1. ソースから「映像キャプチャデバイス」を選択し、任意の名前を入力して決定する。
  2. プロパティを開き、項目毎に設定を行う。
    • デバイスは”GV-USB3_HD, Analog Capture”を選択する。GV-USB3/HDを使用している場合、必ず左のデバイス名になる。
    • 解像度/FPSタイプを「デバイスの既定値」にする。これにより下3項目(解像度、FPS、映像フォーマット)は選択しなくてよくなる。
    • 色空間、色範囲、バッファリングは通常は変更する必要がないため「既定」及び「自動検出」で問題ない。
    • オプションはデフォルトで問題ない。デフォルトであれば「カメラから回転データを適用する(ある場合)」にのみチェックが入っている。
    • 音声出力モードを「デスクトップ音声出力(WaveOut)」とし、「カスタム音声デバイスを使用する」にチェックを入れる。その音声デバイスには”GV-USB3_HD, Analog Capture”を指定する。
  3. オーディオの詳細プロパティから、GV-USB3/HD(を示す任意の名前のデバイス)の音声モニタリングを「モニターと出力」にする。これにより、次の段階でゲームまたは作業をする側のPCから音声が来ているかを確かめることができる。
OBS配信側の設定(デバイス設定)
配信する側のOBSでの最初の設定。画像の通りに設定することで、配信する側の初期設定は完了である。

使用するキャプチャーボードによって選択するデバイス名が異なること以外は、画像の通りに設定しておけば問題ない。ここで注意しておきたいのは、後の確認作業において必要となる音声出力において事前設定が正しく行われているかにある。オーディオの詳細プロパティから該当のキャプチャーボードの音声モニタリングを「モニターと出力」に設定しておくことだけは忘れてはいけない。この設定を忘れると、後のことで慌てふためいてしまうことがあるためだ。

設定2:ゲームまたは作業する側のPCのOBS設定

実は仕様上の問題で、単にHDMIをキャプチャーボードを使って映像をPCに出力しても、映像は届くが音声は届かないという仕様になっているので音声だけはどうしても別の方法で入力してやる必要がある。ここで音声を出力する場合においてもOBSを使用する。今度はゲームまたは作業する側のPCのOBSで、配信する側のPCに音声が届くようにするのである。ここでは以下のように設定を行う。

  1. ソースから「ゲームキャプチャ」を選択し、任意の名前で登録する。追加時点でキャプチャしたいゲームを起動していない場合、後で対象を選択する。開かれるプロパティで、次のように設定する。
    • モードは「特定のウィンドウをキャプチャ」にする。ウィンドウは対象のゲームを起動後にそのウィンドウを選択する。先に選択することはできない。優先順位は「タイトルに一致、そうでなければ~」を選択する。
    • 各オプションは基本的にデフォルトでOK。デフォルトの場合、「カーソルをキャプチャ」「アンチチート互換性フックを使用する」にチェックが入っているが、場合によってはカーソルをキャプチャしないようにする(チェックを外す)こと。
    • フック速度は通常のままで問題ない。
  2. オーディオの詳細プロパティからデスクトップ音声について、音声モニタリングを「モニターと出力」、GV-USB3/HDを指定したものに「モニターのみ(出力はミュート)」にする。これはゲームまたは作業する側のPCで録画する場合の音声の二重化を防ぐための設定である。
  3. OBSの設定から”音声/詳細情報”のモニタリングデバイスを”GV-USB3/HD”に設定する。これは音声を配信するPCに音声を送る際に重要となる。
OBSゲーム側の設定(音声設定)
ゲームないし作業する側のOBSでの設定。こちらでは配信設定は行わない。OBSでも音声をキャプチャできることを利用して、この方法で音声を配信側のPCに送る。

OBSは配信しない場合でも、オーディオの詳細プロパティから音声モニタリングを「モニターと出力」にしてやることで音声を「聞く」ことができる。この場合は確実なのはデスクトップの音声をモニタすることで、ゲームキャプチャ側の音声を同じ設定にしても問題はないが、上手くいく方法としてはデスクトップの方である。また、この時設定するものとして、OBS自体の設定で音声を開き、そこの「詳細設定」のモニタリングデバイスを使用しているキャプチャーボード(ここではGV-USB3/HD)に指定する。この設定を忘れると、音声が配信側PCに届かないので、ここをちゃんと確認しておく必要がある。

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実際に映像と音声を出力する

この設定で実際に映像と音声を出力するテストを行う。私の環境ではこのような形で映像と音声が出力された。

 

先にOBSをセットしていない状態で動画を流しているが、それでは音声が流れてきていないことが分かるはずだ。その後で先の設定をしたOBSをゲーム側で起動することで音声もキャプチャするようになる。もし音声が流れてこない場合、ゲーム側のOBSの調整、特に音声モニタリングについて見直すといい。ここが音声出力失敗の主な原因であることが多いためである。

なお、一度設定した項目については、設定を変更しない限りそのままになっていて、次回以降の起動でも同じ設定が適用される。或いは勝手に設定が修正されていることもあるが、その前に設定完了した状態の各設定項目を何かに記録しておくかスクリーンショットによって画像として保存しておくと、再設定の時に手間がかからなくて済む。これで前段階は完了となる。

余談:GV-USB3/HDは「安物」の性能

実は検証中に、GV-USB3/HDの悪性に1つ気付いてしまったことがある。これはパススルー機能を持つため、PCを経由したとしてもモニタでは実質無遅延で表示される。これは音声も同じであり、音声をPCのイヤホンジャックやUSBから取得する場合の音声遅延も0となる。よって普通にHDMIをモニタに接続したのと同様の状態で、ゲームないし作業することができるのである。これ自体は優秀な機能であり、他のキャプチャーボードにも殆どで標準搭載されているので、パススルーは既に当たり前の存在となっている。

だがGV-USB3/HDは、PCに取り込んだ時に音がずれる現象を発見したのである。これは上の動画を見てもらうと分かるが、映像に対し0.2~0.5秒程度の音声遅延があることが分かるはずだ。まるで一呼吸おいて音が鳴っているような感覚である。これは録画時でも配信時でも発生し、配信の場合は視聴者に違和感を与えるものとなり、録画の場合は音ずれ調整が非常に面倒になるという問題を発生させる。そしてこの現象については他の利用者からも報告が上がっており、音声遅延は機器の問題であることが判明した。

この問題への考えられる対処方法は、映像側を同じ時間だけ遅延させるという方法がある。ただこの方法についてはまだ調査中であり、さらにはこの方法で意図的に遅延させたとしても、そこまでする価値があるとは言い切れないというものである。その場合はむしろ遅延の発生しないタイプのキャプチャーボードを新調する方が早いというものである。メーカーによっては別製品でも音声遅延を考慮しておらず、同じだけの遅延が発生することもあり得る。よってメーカー単位で探すか、または賭けで中国製品に頼ってみるのがいいだろう。

深く見る分離配信の意味

分離配信時のそれぞれのPCの負荷

私が分離配信を勧める理由の1つは、負荷分散である。1つのPCでゲームまたは作業と配信を同時に行おうとするとき、CPUまたはGPUのどちらか一方のスペックが不十分であると、配信が不安定になる、ゲームや作業で急に重くなってラグやフレームロストなどが発生しやすくなる、最悪の場合は高温になりすぎて強制停止ということもあり得る。これについてはかなり昔に、現在持っているPCよりも圧倒的にスペックの低いPCで何度も試したことがあるので、痛いほどにその危険性を分かっている。

その際はもはやまともに使えるものではなかったが、現在はまともなスペックを持ったPCを複数持っている。それでも使用中のゲーム用のPCは、現行のものと比較するとどうしても「ゲーミング」とは言えないスペックである。最高品質プレイは無理があり、そのこともあって配信も同時には付けられないスペックである。同時に行ったときの負荷は計り知れず、行う勇気もない。その代わり、分離した状態で、ゆかNEO、わんコメ、及びVTuberが実際に使用しているであろうツールを同時に起動した上で実際に配信し、タスクマネージャーを同時に表示してその負荷を確かめることとした。15分にも満たないものであるが、ある時間毎にその情報を切り取った画像を掲載することにした。

負荷分散実証結果(TR付)
実際の配信環境を再現し、実際に配信して検証した結果。上が配信側、下がゲーム側のものとなっており、タイムレコードは中央にある。画像が大きすぎるにつき、縮小版のため見辛いことに注意。

このことからわかるのは、単に配信だけを行うというのであれば、低スペックのPCであっても十分機能するということである。配信側のエンコーダーの設定がCPUに過剰に負荷がかからないようにしているのであれば問題なく動作し、ピーク時のCPUまたはGPU使用率が高くないのであれば、配信は可能であると言える。ただし私の環境においては、「皮」を動かすソフトウェアを起動していなかったので、それも使用していたとなると答えはまた違ってくる。

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この場合のメリットとデメリット

この場合のメリットは先にも書いた通り、低スペックのPCでも問題なく配信できることである。この部分についてもう一度解説する必要はない。他にメリットがあるとすれば、ゲームまたは作業する側のPCに対して、各パーツのリソース不足による動作遅延やフリーズの危険性を下げることができることも言える。これについては先の画像の下側を見てもらうと分かるが、負荷レベルが高くなっているタイミングが何回か存在する。これは一瞬だけの場合と、継続して負荷が高い状態が続く場合と2つのパターンが考えられる。前者の場合は一瞬だけ重くなるがその後はいつも通りになり、後者の場合は常に重い状態である。この際に配信や「皮」を動かすソフトウェアを起動していると、PCの動作はままならない。しかし分離配信していればこの問題に悩まされることはまずなくなるので、この部分で大きなメリットとなると言える。

だがこの方法にはデメリットもある。それを挙げるとすれば、分離配信を実際に行うに至るまでの準備が面倒であり、「ちゃんとした」機材を揃える必要がある。また、ある程度PC関連の知識を持っていないと失敗しやすく、それ故上級者向けの方法でもある。また、通常は音声をヘッドホンやヘッドセットを利用してゲームまたは作業する側のPCの音声を聴いているはずだ。このとき配信側でゆかNEOやわんコメ、その他のツールを付けていて読み上げ機能を使用している場合、それらのツールの恩恵を受けにくいということだ。特に読み上げについては、例えスピーカー出力であっても耳栓をしているような状況のため、聞こえにくいことは往々にしてある。ただし読み上げ自体は(設定が正しければ)配信に反映される。

またそれに関連して、自分で手動でコメントを確認する場合は一旦画面から目を離す必要も出てくる。ゲーム中は目が離せないことが多いはずだが、これで問題になるのがコメントモデレーションである。執筆段階でも未だにYouTubeでは迷惑スパムが蔓延しており、それによる被害防止のためには配信者自らによるモデレートが必須であるのだが、ゲームや作業に熱中してしまうとこれに気付きにくい。読み上げ機能などが使えれば早期に対応できるわけだが、前述の通り分離配信ではそれが難しい。これについては信頼できる第三者にモデレーター権限を与えるなどして対応することになるだろう。分離配信を行うのであれば、考えてもいいことと言える。

ゲーミングラップトップは相性が良い

ここで1つ考えたいのは、ゲーム用PCの中でも特殊な存在となるゲーミングラップトップについてだ。ゲーミングPCと一言で表されやすいが、それはデスクトップとラップトップが混じった言い方になるので、ここでは明示化するためゲーミングラップトップと呼称を統一する。ゲーミングラップトップは通常、ゲーム方面にガチのPCユーザーからは地雷PCの1つとして扱われがちである。殆どの場合CPUもGPUも変更不可能であり、せいぜいRAMかストレージだけ交換可能なものが多く、発熱も高くバッテリーも大食らいということで、賢い人ならメインのゲーム用PCには絶対に選ばない。本来デスクトップに使われるものを無理矢理ラップトップに最適化しているようなものなので、PC自体の寿命もそれほど長くないであろう。

だが見方を変えると、ゲーミングラップトップは分離配信と相性が良いと考えることができる。現行のゲーミングラップトップ事情がいかなるものかについてはわからないが、2016年以降のゲーミングラップトップにはGTX 1050-Ti(Mobile)やGTX 1060-6GB(Mobile)を採用したものが、主に海外のPCメーカーから販売されていた。これらは現在は生産終了品であり現存するだけとなるが、中古市場を見ると割と流通している。総じてまともに動くものは3万以上が相場となるこれだが、最新ゲームがやりたいならその金でデスクトップ用GPUを買うべきである。そうではなく、性能こそデスクトップ版に劣るが同名のGPUを搭載していることを生かして、動画エンコード、「皮」を動かすソフトウェア、その他の配信で使用するツールの処理を一部ないし全部をそれに代行させれば、負荷的にかなり余裕を持った配信が可能になるはずである。無論、状況によって設定を切り替えることは重要だ。

このように考えるとゲーミングラップトップはゲームをするのにはあまり使わないが、ゲームに関連するものに使うことには適しているということが分かるはずだ。ただし、そのために無理してゲーミングラップトップを購入することはないので、どのように配信したいかを考えて、それを買う(導入する)かどうかを検討するといい。また、エンコード形式の1つであるNVIDIA NVENCはGPUによって非対応のものがあるため、非対応ではないGPU1)どれが非対応かについては、Github上にそのモデル名が掲載されている。参照:NVENC support in OBS · obsproject/obs-studio Wiki · GitHubを搭載したゲーミングラップトップを探して購入するというのも1つの手だ。ただし技術的には第6世代NVENC(Turing)を搭載したGPUが最も安定するので、そこは覚えておくといい。




分離すれば必ずしも高性能で固めなくてもいいと証明できる

以上で分離配信論の講義を完了する。分離配信については私が前から行っていた方法であるが、私の周りで配信している人の殆どはゲーム・作業PC=配信PCである人が多かった。現状、それが楽な方法であることには間違いないためである。私が見た中では、clea氏については画面構成ないしフォローやスパチャ等の各種アクションの通知が表示されているところを見るにStreamlabs OBS(SLOBS)を使用しており、それが時々不安定になって配信が停止する、OBS自体がダウンするということが多々あった。clea氏の使用PCのスペックデータは公開されており、そのスペックは決して強すぎず弱すぎずのミドルクラスである2)参照:プロフィール・活動履歴 | ※スマホからですと、デザインが崩れる場合があります。 ご了承ください。 前提としてZ390チップセット。i7-9700K/RTX 2070S/(おそらくDDR4-2666以上)RAM 32GB/1TB SSD+3TB HDD/700W(80+ Gold)。スペックとしては普通である。。それらのことから分離配信について書くことを決めたのである。

これはあくまで推測に過ぎないが、ゲームや作業を含めず、最も負荷が高くなるのは「皮」を動かすソフトウェアであると考えている。これには様々な種類があるため一概には言えないが、伝説の男(トロオドンの場合でもPCでゲームをする場合には自身の「皮」を停止した状態でプレイしている回がある。このことから推測するにもPCのスペックは決して強いわけではないということが伺える。もっとも、clea氏も伝説の男(トロオドンもPS4とSwitchを保有しているわけで、殆どはそれでゲームをしている。よって普段は負荷を考える必要がないわけだ。そういう意味ではコンシューマは便利である。だがどうしてもコンシューマではなくPCでやりたい人も一定数存在するわけで、その場合で配信したい場合には、スペック不足が響いてくるものとなる。

ただ、この記事で解説した通り、分離配信を行えばPCは必ずしも高性能で固めなくてもいいということが分かるはずだ。私が普段愛用している、一般作業を行うPCはHP Elitebook 8570w(Quadro K2000M仕様)であり、世代としては既に10年も前のモデルである。性能は現行の一般向けラップトップには到底敵わないが、CPUはこの方法で配信担当させるには十分な性能を持っている。とはいえ「皮」を動かすソフトウェアについては、負荷の関係で流石に動かすことが難しかった。その意味では完全再現というわけではないが、実際の配信にはかなり近づけた検証になっている。今回のこれを参考に構築すれば、分離配信も難しくないはずだ。

 

以上、分離配信論~ゲームと配信は別々のPCで~、であった。次は何の記事で会おうかな?

 

KIBEKIN at 00:00 July 6th, 2022


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脚注

脚注
本文へ1 どれが非対応かについては、Github上にそのモデル名が掲載されている。参照:NVENC support in OBS · obsproject/obs-studio Wiki · GitHub
本文へ2 参照:プロフィール・活動履歴 | ※スマホからですと、デザインが崩れる場合があります。 ご了承ください。 前提としてZ390チップセット。i7-9700K/RTX 2070S/(おそらくDDR4-2666以上)RAM 32GB/1TB SSD+3TB HDD/700W(80+ Gold)。スペックとしては普通である。
KIBEKIN
会社員という働き方が合わないのに会社員になってしまってから、半ば自分からリタイア後ブログクリエイターとなり活動してきた社会不適合者。VRやVTuberに触れる機会が増え、今後はリスペクトだけではなく自分を作る意味を込め、VTuberならぬVBlogCreator"KIBEKIN"として新しいスタートを切る。

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