この記事の概要を簡単まとめ!
- ゆかコネを起点にVTuberとの積極的交流が始まった2022年2月
- 最初に取り上げて以来、ゆかNEOやわんコメの検証を継続している
- 検証配信もしているが正式なVTuberではなく、私自身も他にやることがある
- 交流する中で考えた「VTuberへの理解」を深める方法
- 私自身がVTuberなることが最適解と導き出した
- 水面下で進行させたVTuber「無音烏」の生成
- VR-SNSで使用する名前からVTuberとしての名前へシフトする
- 配信関連ソフトウェア・ツール検証の結果をそのまま流用していく
- ゲーミングラップトップの調達、専用調整して準備が整った
- 2022年9月20日、気張りすぎずに活動開始
クリエイターにおけるマルチプラットフォームは、様々な手段と場所で活動することであると考えている。現在は表現・情報展開方法は多岐に渡るため、プラットフォームに合った方法で情報を流すことで効率的に宣伝ができるというもの。無論、人によって得意・不得意はあるわけで、その場合は誰かの力を借りるのも1つの手となる。ただ殆どは自力でやってしまう人が多い。
ブログクリエイターとして、エックスサーバーでレンタルサーバーを契約し本格的な活動を始めたのが3年前となる。その頃に私は一般社会で生きる能力が欠如していると判明して以来、今日に至るまで様々な世界を渡り歩き、色々な考えや意見を吸収し、そして目に見えたことと感じたことをひたすらに書いていった。ネタ切れで途中で力尽きるだろうと自分ではそう考えていたが、案外長く続けられるものであるようだ。
長く続けていると自分の考えも変わるものである。その1つにVTuberに対する考え方がある。正式に関りを持つようになったのは2022年2月。総計して8ヶ月前後となるが、まだまだ知らないことは多いと感じる。それはリスナー側の視点から見ているからであるかもしれないと考えた。ではもっと深く理解するにはどうしたらいいか、そう考えたとき、1つの答えがあった。それは私自身がVTuberになることだった。
今更VTuberか、と思うことはある。だがこれまでゆかコネ/ゆかNEO、わんコメ、その他の配信関連の記事を書いているので、必要な物は手元にあり、準備はすぐに揃えられる。そして新たな人をブログとチャンネルに引き込む手段として、専属のVTuberを立てる。新たな戦略としての試み、その誕生秘話を書いていく。
-「烏」は新たな目標に向け飛び立つ-
ゆかコネ/ゆかNEOとVTuber
始まり:「ゆかりねっとコネクター」を知る
2021年12月。社畜失敗から2年以上経ち、ある意味でいつもと変わらない日々を送っていた。そんな中、伝説の男のしょーもない記事を書いた後、ある記事に着手した。それが後に私の生き方に大きな影響を与えることになる、ゆかりねっとコネクターについてである。
元々は自分の声を出さずして喋った内容を相手に伝えるにはどうしたらいいか、ということから始まった。その時に考え付いたのが字幕と音声認識である。字幕はテレビやYouTubeの自動字幕から発想を得て、音声認識はAIアシスタントに呼びかけるところから発想を得ている。この2つはそれぞれ別物であるが、これを1つにまとめ、音声認識の結果を字幕として表示できないかと考えた。最初はそんな都合のいいものはないだろう、そう考えていた。
しかし、それらは探せば存在する現代である。音声認識にはゆかりねっと(おかゆぅ氏)、字幕表示にはゆかりねっとコネクター(Nao氏)があり、これら2つを連携して使用することで、ゆかりねっと経由でゆかコネにその情報を送信し、そこで処理をすることで字幕表示が行える。翻訳システムは一般的なGoogle翻訳を使用し、支援により上位の商用翻訳システムも利用できる仕組みとなっている。なお、2021年12月時点でのメイン運用はゆかコネであったので、ゆかNEOはまだ主流ではない。
これを発見した私は、実際に設定を行って配信することにした。最初のパターンは純粋に字幕を表示するテストを行うために配信をしていた。この時に使用していたのはStreamlabs OBS(SLOBS)で、各種プラグインが使用不可のOBSであるので、ウィンドウ表示を取り込んで、クロマキーを行って文字部分のみを表示する手法で表示していた。この方法でも十分ではあるのだが、字幕ウィンドウが非アクティブ状態だと字幕が止まるということもあって、字幕の状態には常に気を配らなければならなかった。なかなか「やりっぱなし」というわけにはいかなかった。
2022年2月:VTuberと初めて本格的に交流する
その当時、自分が必要とする情報以外はあまり取得していなかった。Twitterは「まだ」メイン運用ではなかったので、あまり積極的に活動しているわけではなかった。完成した記事をタグをつけて放流し、それによって不特定多数が観測することを目的に投稿していた程度で、反応があったとしても殆ど気付くことはなかった。たまに見てはいるが、特に自分から話題を振るわけではない状態だった。そもそも殆ど誰もフォローしていない。
普段なら殆ど反応がない、で終わるので特にTwitterでの対応に追われることはなく、後は放置で終わっていた。ただ、ゆかコネをUDトークで連携するパターンまで書いて公開して放置していると、まずはゆかコネ制作者であるNao氏が反応し、次に反応したのはゆかコネを実際に使用して活動しているVTuber、clea氏であった。これについては当時は驚いたものである。というのも、私自身は当時、配信は全く行っていなかったうえ、VTuberに関する情報などは全くツイートしていなかったのに反応があり、フォローされたためだ。フォロワーとしては5番目であった。

clea氏が反応したのは、覚えている限りでは2022年1月の終わりの頃である。そして私がclea氏の配信を初めて観たのは、Twitchで評価が散々なBattlefield 2042で遊んでいた時である。おそらく2月頃のことで、ここからclea氏との交流、そしてclea氏以外のVTuberとの交流がスタートする。それ以降、clea氏の配信は予定が合うときに観ており、そこから様々なことを吸収するようになった。
またclea氏以外のVTuberについては、ゆかコネアンバサダー・わんコメアンバサダーである卯塚ウウ氏=うーちゃんとの交流もあり、最近は配信やVRで使用するツールの情報をここから仕入れることが多い。それ以外のVTuber(広義も含む)1)配信専門はVStreamerと分けて呼称されることが多いが、私はそれもVTuberの一種であると考え、それも含めた上で広義のVTuberとして扱っている。は、最初はステルスで観に行っていて、時が来たら反応を返すようにしている。
ゆかコネからゆかNEOへ、わんコメも検証し、両方継続して検証している
ゆかコネは当初からプラグイン満載で運用されている。ユーザーによって変更可能な設定も多く存在するが、何でもできる分、ゆかコネ自体の負荷も決して高くはないが無視はできないものになっており、これがウィンドウ表示の場合の字幕表示の微妙なラグとして、当時観測したものである。この時既にNao氏は軽量化・設定簡易化を目指した「ゆかりねっとコネクターNEO」を並行して開発している。ゆかコネから字幕の表示・翻訳設定を中心に必要な構成され、設定項目についても簡易化して、おおよそインストールから5分以内には字幕が出せるような設計になっている。後にゆかコネの機能はプラグインという形で移植されている。
同時に2022年3月から開始された、コメント特化型のツール「わんコメ」との連携が開始されると、これについての検証も行うようになった。わんコメ単体での検証を行うとともに、ゆかNEOとの連携についても検証を行っている。3月時点ではβ版としての機能であったが、5月中旬ほどのバージョンでは安定して連携できるようになっていた。これにより、取得したコメントの翻訳もゆかNEO経由で行われ、コメントの可読性が向上し、あらゆるリスナーからのコメントに反応することが可能となったのである。その後も両者とも改良が行われ、主にDiscordでサポートや改善要望を受け付けている。
と書いたものの、私自身はDiscordへは参加していない。というのも、先述の通り私はVTuberではなく、一般配信者でもないからである。(名目上の本業である)ブログクリエイターをはじめとして、私には他に現実でやることもあるので、配信はもちろん、配信の下準備(画面構成やモデルの改造など)にかける時間もあまりない。したがって検証こそしているが実際に配信するわけではない人が参加したところで、あまり貢献できないので意味がないのではないかと考えている。
別の理由にVTuberや配信者でない人が果たしてDiscordに参加していいものかと考えているのもある。結局参加しないままで、独自に検証を進めている状態である。更新や追加機能がある場合にそれを検証しているが、このスタイルでは必要な人に情報が行き渡らないため、そろそろやり方を変えるべきではないかとも考えている。
交流する中で考えた「VTuberへの理解」を深める方法
VTuberを観て、交流する中で考えたことがある。私は一体どこまでVTuberを理解できているか、ということを。私のVTuberの全体的なリスナーとしての歴は8ヶ月前後であり、その意味では「アマチュア」である。もっとも「プロ」のVTuberリスナーがいいかと問われれば、それは深き闇に足を踏み入れるようなものなのでそれは少し考えたい。
ところで最近のVTuberは「ガソリン」である大手を除き、一般の仕事と並行して活動していることが多い。その仕事は従来型の週5・完全週休2日の仕事、またはVTuberの活動に関連した不定期の仕事、企業や個人の依頼による納期型の仕事など、様々なパターンがある。通常はVTuber単体で生きていけるほど甘くはないため、無計画にそれになる場合を除き、必ずこうなるはずである。clea氏はゆかNEOを使用していることでその活動に関連した仕事が、うーちゃんは本体である大道芸人うー氏としての仕事があるので、この事実からも前述の主張は成立する。
これらも含めて考えるとやはり、私はまだまだ理解が足りないように思える。ならもっと積極的に関わるべき、そんな意見も聞こえてくるであろうが、残念ながら私にはその度胸はない。自分から相手に話しかけるというのはどうしても苦手で、これが現実でもネットでも起きる。そのために話しかけるタイミングを失うことが多く、結局何も出来ずに終了、そんな経験を何度も繰り返してきた。この性格は、直せそうにない。
そんなこんなで悩んでいた時、あることを思い出した。「何かを理解したいなら、その何かを実際にやってみる」という、誰が言ったかはわからない、或いは自分で作った格言のような何か。それが簡単にはなれないものならともかく、なることが簡単で手を引くのも簡単なら、一応はやってみてもいいのではないか、というものになる。つまり、私自身がVTuberになるということだ。こうすることで、VTuberとは何たるものなのか、より理解することができるはずだ。こうして、水面下でVTuberプロジェクトを進めることにした。本格的とはいかないものの、これまでの検証で培った技術を利用すれば十分なものができるはずだ。
Project Ra’V’en: VTuber「無音烏」
「無音烏」という名前
VTuberを始めるにあたって重要なのは、名前とモデルである。既にモデルについては完成しており、後は名前のみである。私は名前を「造る」ことについてはある意味の得意分野であり、同時にその名前に合わせた振る舞いをすることも得意だった。要するに全くの別人として振る舞うということ。Twitter以外のSNSの一部のアカウントはまさにそれで、情報を出す量を制限すると「私」であることには殆ど気付かないようである。
ただ、今回に限りそれはあまり考えなくていい。新規に生成したその名前はある程度「私」ということが分かるように振る舞ってもいい。そうでなければ宣伝効果がない。とはいえ、名前に関しては同名であるのは流石に微妙である。VTuber専用の名前として新しく作り、その裏が私であるようにすれば、形としては理想的だ。
その際、私がよく使用するものに「烏」がある。この由来は「アーマード・コア」シリーズで、初代AC~LRまでのACに乗って独立傭兵として活動する者の総称である「レイヴン」の和訳である烏(正確にはワタリガラス)から来ている。烏を名前の一部として使用しているのは一部のゲームとSNSであるが、いずれも「私」であることは周囲に公表しておらず、そもそも名前の一部にそれを使う人は他にいくらでもいるので、そうとも気付かないであろう。
そんな「気付かない」というところに着目した。静かに息を潜め、獲物を狙うかのように動く。音も無く、気付いたらそこにいて、気付いたら既に飛び去っている。生態的にはワタリガラスは単独またはつがいでの行動が多く、時に狩りをするときに他のワタリガラスとコミュニケーションを図り、群れを形成することも言われている。後者は人間社会においてあまり行わないことであるが、前者は私の性格的に合致するような習性である。それらを組み合わせ、「無音烏」という名前が誕生したのである。
元々はVR-SNSで使う名前だった
だがこの名前は、最初からそのために使うから造ったのかと言われると、実は少し違う。この名前はVTuber化する前から使用しており、主にVR-SNSでの「偽名」として先行使用していたものである。最初のVR-SNSはclusterで、そこで決めた名前として使用していた。その記事の公開日は4月27日である。したがって、4月時点では殆どこの名前は決まっていたようなものである。
その後はVirtualCast, VRChatもやることになるのだが、その両方とも「無音烏」にしている。VirtualCastは当初から使用していて、このうちclea氏やあまた株式会社代表取締役の高橋宏典氏とは既に会ったことがあるので、無音烏=私であることは知っていることになる。VRChatについては日本語名のセット方法はよくわからないため、無音烏の英名を使用している。その際は直接和訳に、後にVTuber化したときに備えて、自身がVTuberであることを示す1文字’v’を加えた“silent_raven_v“をID、表示名として使用している。VRCではうーちゃんが確実に認識している。
なお、VR-SNS以外のゲームも一部で無音烏またはsilent_raven_vを使用している。このため、ゲームでは既に認識している人は多いと思われる。ただ使用開始時点では普通の名前でしかなく、同時に私であることを明示していなかったので、その時点では何も起きていない。
VTuberとしての名前へシフトする準備
ある程度の下準備は出来たので、これをVTuberとしての名前にシフトする準備を行う。シフトするにあたって、いきなりVTuber化するのではなく、徐々にそれを示唆するような見せ方を行い、何か準備をしているという意識を見ている人に向けさせる必要がある。それにあたっては、次のような動きを行った。
シフト準備1:無音烏のモデルを徐々に見せる
VRoid Studioが使えるようになったことで、簡易ではあるが3Dモデリングが可能になった。それを使い、当初は素体を男性ベースとして構築していたが、後から素体が変更できないことに気付いたので、新たに女性素体でも作り直した。そのため、基本モデルを2つ持っている状態になっている。そしてメインで使用するアイコンについては6月20日時点で正式に男性素体のモデルで撮影したものに変更した。その傍らで、女性素体のモデルについても本垢で、何についてなのかを明示しない状態で、その画像を一部公開していった。
完成こそしているが未完成である、という意味を込めて現在のモデルには”model0″をファイルネームないし名前として採用している。この命名法則はACVDのパーツ名に沿っている。つまり、まだ改造する予定があるということである。とはいえ現時点ではまだアイディアは出ていてもそれを実現するだけの能力と時間に余裕がないが。ちなみに、無音烏としてのモデル(女性素体)の四面図は以下である。

シフト準備2:配信および動画投稿サイトのアカウント名を変更
これまでは自分の名義でYouTubeやTwitch(事情により7月15日時点で旧垢は破棄、同時に専用名義の垢を生成)を使用していたが、これから配信ないし動画投稿を行うにあたって、これを「無音烏」に変更する必要がある。その際に注意したいのが、垢名を変更することによって、これまで見ているVTuber(特にclea氏やうーちゃんなど)の配信ないし動画へのコメントに際し、「私」であることが分からなくなる可能性があるということだ。
ただ、これについては構える必要はなかった。殆どのサービスにおいて、表示名を変えてもIDは原則同一のものが使用される。また、期間としては短いながらもclea氏やうーちゃんは誰がどれの垢であるかを確実に覚えているわけで、表示名を変更しても私であることは認識できていた。このことから、表示名を変更しても何の問題もないと分かったのである。安心して名前を変更できる。
YouTubeについては、無音烏用に別チャンネルとして作るのが面倒で管理しやすくしたいと考えたため、現在のチャンネル名を変更することで対応させた。その際、うーちゃんのチャンネル名『卯塚ウウ&大道芸人うーちゃんねる』で、うーちゃんと大道芸人うー氏が同時に存在することをヒントに変更を行ったのである。
シフト準備3:Twitterアカウントの分離
現在、あらゆる活動においてTwitterを使用することが前提条件となっており、使わない=宣伝効果が非常に低くなる、ということを意味する。Twitterについては現在名で活動中だが、これをいきなり無音烏に変えるのはおかしな話である。よって新しいアカウントを作成し、それに無音烏を割り当てることによって、本体である私とVTuberである無音烏を分離し、活動しやすくするようにした。
おそらく多くのVTuberがこの手法を取っているはずである。このとき、本体とVTuberを完全に分離している人と、関連付けている人の2パターンに分かれている。clea氏とうーちゃんは関連付けている2)うーちゃんは大道芸人うー氏の家に住み着く妖精ということで、本体へのリンクがある。clea氏については本体にVTuberの垢のリンクがあることを確認している。ようで、私はこれにならい、それぞれで関連付けることにした。
ここで、設定が存在するとよりそれっぽくなるので、設定を創った。まず無音烏は(いきなり登場した)「妹」である。これにより、無音烏にとって私は「兄」になる。私は無音烏に、VR全般とVTuberへの理解を深めることを目的としてVTuberになることを依頼し、それによってVTuberとして活動している、という形だ。また、ゆかコネ(ゆかNEO)とわんコメを使用していることを明記している。これは私のやっていること(ツール検証)と関連付ける意味合いもある。設定に関しては今後の進行次第で変更・追加・削除もあり得る。
メタ的な話をしてしまうと、このような設定を創ったのは「設定を創っておくことで役に入り込める」ためである。私と無音烏は別人であるので、それを明確にするためにも必要な物である。決して蛇足ではない。
以上の動きを行い、準備を整えていった。
ゲーミングラップトップの調達、専用調整して準備が整った
現在メインで使用しているPCは、HP EliteBook 8570w。2012年9月3日より販売開始した、Ivy Bridge世代のモバイルワークステーションである。私が使用しているのはdGPUとしてQuadro K2000Mを採用した上位モデルである。したがって3DCG用途向けの法人向けPCであり、ゲームこそ無理だがVRoid StudioなりGIMPなりを動かすには十分な性能がある。とはいえ、既に10年以上前のPCになり、そもそも用途が業務用である。VSeeFaceを起動し、Leap Motionでトラッキングを行い、ボイスチェンジャーを通し、そしてOBSを起動して映像を取り込み、それを配信する。これらのことを1つのPCで行おうとしたとき、明らかにスペック不足である。特にGPUが足りない。
それを解決する手段として私自身が提案したのが、ゲーミングラップトップの調達である。通常はPCゲームのために調達されるそれも、別途ゲーム用デスクトップを保有しているので、最低ラインとも言えるGTX 1050-Ti(GP107, 4GB)で十分だ。いずれも高額になりがちなそれも、中国製かつマイナーメーカーに絞ればHasee Kingbook T65という、使えるようにするにはOSのクリーンインストールも必要だったそれを安く買い叩き、配信用に調整したことで、安定して配信できるようにもなった。ゲーム用途のGPUでもある1050-Ti(M)はハードウェアエンコードも可能で、3Dモデルを動かす際のリソースも一部をGPUで代行できることで、少しばかり無茶をしても何とかなる。
唯一問題があるとすれば、構成の関係でT65に接続するものが多すぎるため、配線がUSBだらけになり、非常にごちゃごちゃになってしまうということ。コンデンサマイク、GV-USB3/HD、録画保存用HDD、φ3.5mmイヤホン(音声はGV-USB3/HDの仕様上、配信用PCで聞くことになるため)は必要になり、場合によってはLeap Motion、外部Webカメラも使用する可能性があるので、最低でも5個のポートが必要になる。これはポートの無理矢理の増設で対応できるが、扱う際はケーブルを引っ掛けないよう注意が必要である。
とはいえ、ここまで準備すればあとはSNSや配信・動画投稿プラットフォームにおいて活動することを宣言し、そして1人のVTuberとして振る舞えば完璧である。後に必要となってくるものはあるが、現時点では足りているはずだ。
最終仕上げ:9月20日、実行
こうして地道に水面下で進めていた作業は、Twitterのアカウント作成で大詰めを迎えた。作成日は9月15日で、その時点ではまだ存在を公表せず、下準備としての作成である。というのも万が一、新人VTuber宣言時にロックでもされてしまうと、その時点で計画が狂うためである。最近のTwitterは不用意なロックは行わないようだが、それでも心配であったので先に手を打っておいた、ということだ。
しばらくのクールダウンを経て、普通に活動してもロックされることがないことを確信した上で、必要な基本設定を行い、ファーストコンタクトのためのツイートを生成する。だが、いざ実行しようとすると、今まで観る側だった自分がVTuberになることの、不思議な恐怖心はどうにもぬぐえず、そのストレスによってツイートするボタンを押す手が震えて押せなかった。よってファーストコンタクトは、予約投稿を利用して放流したのである。
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どんなことでも同じことだが、強く感じた恐怖はその一瞬だけで、それを過ぎてしまえば後は覚悟を決めてやるだけである。果たして「VTuberとして」どれくらい長く続くかはわからないが息切れしないよう、本業や現実に干渉しない範囲で配信を行うことを予定している。ただしクソフトバンクダメダーSoftbank Airという足枷の関係上、複数のプラットフォームへの展開は不可能、60FPS配信も事実上不可能であるので、配信をTwitchメインとして、録画もバックグラウンドでNVEncで行う。録画については、Twitchは配信のアーカイブ期限があり、それを排して永久保存する意味も含めてYouTubeへ投稿という形で動くことにした。使い方さえ間違えなければ、いくらでもやりようはあるはずだ。
こうして2022年9月20日、無音烏(@silent_raven_v)は、広大な電子の海の世界へと飛び立ったのである。

2022年9月20日、気張りすぎずに活動開始
自分の周りで、自分の予想していなかったことが次々と起こる。それは良いことも悪いこともあるが、身の回りに限定すれば殆どで良いことである。その多くは今まで触れることのなかったもので、それをきっかけとして自分の知見を広げることができるようになると共に、同時に記事のネタとしても使えるので、案外助かっている。
その中でも大きな影響を受けたのがVTuberである。ゆかりねっとコネクターを調べたことでclea氏が反応したことが全ての始まりであり、まさか私が未開拓の領域であったVTuberと、それもゆかコネを介して直接的な関わりを持つことになるとは全く考えていなかった。それだけでも驚くべきなのだが、その8ヶ月後には、私自身がVTuberになった。何を言っているのか分からないと思うが、事実である。
まずVTuberになって分かったことは、参入そのものの敷居は全く高くないということ。インターネットの利用を制限されるようなクラッカーでない限りは、極端な話、真っ当に動くPCの1つさえあればすぐにでも始められる状態であるほど、あらゆるものが整っている。私の場合は本ブログで配信に使用するソフトウェア・ツールの検証を行っていた関係で、検証結果をそのまま流用し、ある程度の準備期間を経てVTuberになった。その意味では、既にVTuberとしての土台はしっかり固まっていたことになる。
実際に活動することで、VTuberとは何たるものか、それを知ることができる可能性はある。可能性としたのは、やっていても分からないことが必ずあると推測できるためだ。無論、個人勢としての活動であるので、企業系VTuberのことは全く分からないことはご了承いただきたい。そもそも私としては「ガソリン」には興味はないので、触れることのない領域だが。
最後に後付けだが、これを”Project Ra’V‘en“とした。レイヴン(Raven)がVTuberになる、ということから、Vを大文字にしている。そしていつしか、私のモデリング能力が高くなった時、「烏」の特徴を無音烏に付与していきたいと考えている。つまり、もっと可愛くしたい。ただ、やりすぎると疲れてしまうので、気張らず長く続けていきたい。VTuberに関しては、長く続けることこそ意味があるはずだからだ。
以上、Project Ra’V’en~VTuber「無音烏」誕生秘話~であった。次は何の記事で会おうかな?
KIBEKIN at 00:00 Sept. 28th, 2022
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