この記事の概要を簡単まとめ!
- 三大キャリア(+楽天モバイル) vs MVNO各社の構図は続く
- 三大キャリアは基本料金が高く、MVNOは用途に合わせて変えられる
- 「抱き合わせ販売」が多すぎることが謎に思える今日この頃
- プランとインターネット環境を基準にまず決める
- 配信者か否か、これでもまた決めることができる
- 抱き合わせ販売は大抵罠、しっかり情報を集めて節約していけ
携帯電話ないしスマートフォンは今までは三大キャリアの寡占市場であった。それ故選択肢は少なく、料金が高くてもどれかを使わなければならないというのがあった。これを破壊したのがahamoであり、皮肉にもMVNOではなく三大キャリアの1社が自ら破壊するというのは面白いものであった。もっとも、このおかげでMVNOも改善に向かったというのがあるので、その点は評価したい。
だが三大キャリア特有の問題については未だに疑問符を提示せざるを得ない。それが「抱き合わせ販売」だ。三大キャリアの料金プランは人にとっては要らないものが多すぎて、しかし付加価値分だけ無駄に金を盗られる構造になっており、純粋なサービスで勝てないからとインチキしているようにしか思えない。この問題について真っ向から切っていくこととする。
ひとっ飛びできる目次
使わない余計なものが多すぎるんだよ
スマートフォン料金プラン高すぎ問題
三大キャリアの料金プランの代表格を確認
かつては携帯電話、現在はスマートフォンをWi-Fiではない、モバイル回線を扱うために必要なものとして、それを提供する回線事業者と契約し、その事業者から提供されるSIMカードを挿すことによってモバイル回線を利用できるようになる。かつては三大キャリアの悪質な策略として端末側に意味不明な制限をかけて、特定のキャリアで購入したモデルはそのキャリアのSIMカードしか使えないということを行っていた。これが業界全体の「自由度」を阻害していたとして、販売時からSIMフリーを義務化するよう見直されたのは最近の話である。
そして楽天モバイルの登場とMVNOの安定化によって、もはや三大キャリアはその威厳を失った。寡占市場だったそれはついに競争市場へと変化し、各社特有のサービスとMVNO特有の「間借り」と「実店舗の省略」によって低コスト化、それを料金に反映することで三大キャリアの最低ランクの料金プラン以上に低価格化を実現した。楽天モバイルは一時的にau回線を借りつつ独自のアンテナを建設する作業を進めており、使用容量に応じた料金変動制と三大キャリアより安い無制限プランの提供により、三大キャリアを斬るエクスカリバー的存在として活躍している。会社としては赤字だがこれは設備投資の影響であろう、数年もすれば黒字転換すると予想される。
ここで、楽天を除いた三大キャリアの主要プランの料金について、表に並べて比較する。
比較項目 | docomo | au | |
無制限系ネーム・容量 | eximo(1GB~無制限) | 使い放題MAX 5G/4G 及び auマネ活プラン(無制限、テザリングなどは30GBまで) | メリハリ無制限(無制限、テザリングは30GBまで) |
無制限系料金(税込)[¥] | 4,150~6,650(4,565~7,315) | 6,580(7,238) ※3GB以下の場合¥1,650割引 auマネ活プランは専用カードの支払いでポイント還元される。 | 6,580(7,238) ※3GB以下の場合¥1,650割引 |
中間系ネーム・容量 | ahamo(20GB), ahamo大盛り(100GB) 両者5分以内の通話が無料 | -(該当するようなプランが存在しない) | -(該当するようなプランが存在しない) |
中間系料金(税込)[¥] | 2,700(2,970), 4,500(4,950) | -(同上) | -(同上) |
エントリー系ネーム・容量 | irumo(0.5/3/6/9[GB]) | スマホミニプラン(1~4GB) | ミニフィットプラン+(1~3GB) |
エントリー系料金(税込)[¥] | 500(550)/1,970(2,167)/2,570(2,827)/3,070(3,377) | 1,980(2,178), 1GBまで/2,980(3,278), 1~2GB/3,980(4,378), 2~3GB/4,480(4,928), 3~4GB | 1,980(2,178), 1GBまで/2,980(3,278), 1~2GB/3,980(4,378), 2~3GB |
私的評価 | プランや対象が幅広く良心的である | 少し物足りない | ユーザーが損正義 |
三大キャリアの過去の寡占市場だった時代を引きずっているのだろうか、いずれも基本料金が高いことが分かる。しかしdocomoに関しては自らが価格破壊を起こした関係か、中間系も自前でそろえており、むしろそっちの方がエントリー系よりも安いということがある。対してauとクソフトバンクはそのプランをMVNOに丸投げしていることから、両極端というべき仕上がりになっている。
実際にクソフトバンクでミニフィットプラン+を使っていた私からすれば、関連サービスにおける度重なる改悪と全く使わないゴミ特典のためにクソにも満たない容量で我慢し、進まない真の5G設備と蔓延するエセ5Gのために無駄金を払っていたかと思うと、ユーザーが損正義とぶつけたくなるほどである。auもauでやばいが、だがクソフトバンクよりマシに見えるのだから不思議である。
MVNOの改善と料金プラン
そして必ず比較対象になる存在がMVNOである。三大キャリアから回線を間借りし、実店舗を極力排除した「合理的な運営」によって経費が浮く。その分を基本料金に反映しているため、三大キャリアと比較して圧倒的な安さが魅力である。加えてライフスタイルと用途に応じた多彩なプランの存在によって、長期的および客観的判断によって必要なものと不要なものがはっきりしている人がよく選んでいる印象である。
MVNOに関しては三大キャリア以上に存在するので個別の料金解説は省略するが、三大キャリアにも直系MVNOが存在し、低価格帯に関してはそこで補うようにしているのが現在の傾向である。auならUQモバイル、クソフトバンクならY!mobileである。ただしdocomoについてはdocomo自身がMVNOで扱うようなプランを扱っているので直系は存在しないものと思われる。代わりにエコノミーMVNOというものを提供しているようだ。
かつては安さと品質の悪さはイコールであり、使い物にならないということで結局三大キャリアの寡占市場は変わらないと思っていたのは昔の話。現在は高品質系のプランであれば三大キャリアと全く変わらない品質で、しかも間借りする回線を選択することができるMVNOが多い。これにより自分がどの三大キャリアの「真の5G」エリアにいるかを確認してから申し込めるのが利点と言える。選択肢が多いというのは、ユーザーにとっては非常に大助かりなことである。
「抱き合わせ販売」が多すぎることが謎に思える今日この頃
ところで私には1つ、どうにも腑に落ちないことがある。三大キャリアの基本料金がどう考えても高すぎることだ。最上位プランはもはや平均的な1人暮らしの光熱費代並の料金である。ただしこれはプラン単体で考えた場合の料金であって、各種割引を一切考慮しないものである。そのキャリアが提供する他のサービスや専用のカードやポイントサービスを使った各種割引を適用することで、ようやくまともな金額になることが一般的である。
だが冷静に考えると、安くなるはずがない。その割引対象の多くは同じキャリアで提供するWi-Fiないし光サービスを同時契約する必要があるためで、それらも決して安いサブスクではない。例えばdocomoでドコモ光(1GBプラン)を例に考えれば以下のようになっている。
項目名 | 2年縛りの場合(税込)[月] | 縛りなしの場合(税込)[月] |
マンション・1ギガ タイプA | 4,400円 | 5,500円 |
マンション・1ギガ タイプB | 4,620円 | 5,720円 |
マンション・1ギガ 単独タイプ | 4,180円 | 5,280円 |
戸建て・1ギガ タイプA | 5,720円 | 7,370円 |
戸建て・1ギガ タイプB | 5,940円 | 7,590円 |
戸建て・1ギガ 単独タイプ | 5,500円 | 7,150円 |
ドコモ光 ミニ | 2,970~6,270円 | 4,620~7,920円 |
料金プランはこのようになっている。ここでタイプA・タイプBはそれぞれdocomoの提携するプロバイダの違いであるようだ。詳細は不明だが、2年縛りの場合は縛りなしの場合と比較して¥1,000以上の差があることが分かる。各プランの料金概要ページでは割引ルールが書かれているが、最大想定割引での最大料金にドコモ光の契約料金を加えれば、明らかに高いことが分かるはずだ。eximoの場合の最大割引後料金は¥4,480(¥4,928)で、マンション・1ギガ タイプA(¥4,400)を合わせれば¥9,328であり、明らかにスマホのプラン単体よりも高くなっている。無論、インターネット環境を安く導入するというのであれば選択肢とはなるが。
正直なところ、私としてはこのやり方、抱き合わせ販売と命名するが、最近あまりにも露骨になっているように思える。それはMVNOに基本料金で食われているせいか、あるいは三大キャリアという古臭いプライドを保つためか。最近はホームルーターないし光サービスですら単体で提供するところが多くなっており、それとMVNOを組み合わせれば実質高額な抱き合わせ販売よりも安く済ませることは可能である。それらを踏まえて、この抱き合わせ販売に対して斬っていくこととする。
抱き合わせ販売を斬る―最適解模索―
模索1:プランとインターネット環境
まずは料金プランとインターネット環境(特に自宅)の組み合わせについて考える。多くの人生観でもある一般社畜想定(オフィスワーク基準)では、完全にWi-Fiがない状態は移動タイミングや出先であり、それ以外の会社にいる場合は自社ネットワークを利用していることが殆どであるはずだ。その場合は無制限である必要は殆どないであろう、最低でも20GB程度あれば問題ない。逆に無制限プランは使うことが前提である故、どんどん無駄に使わないのであればそのプランである意味すらない。したがってこの時点で無制限プランである必要はなくなる。
次にどこで契約するかであるが、最新技術(ミリ波5Gなど)を捨ててもいいのであれば、MVNO一択である。最新技術はどうやっても三大キャリア優先であるが、それ以外の技術は成熟した上でMVNOに流れてくるものと考えればその品質は然程変わらないものと判断できる。安定性に関しても現在は心配するほどのことは起きていないのと、発生するのは年に1回、三大キャリアがローテーションで障害を起こすのがあるくらいだ。この場合は三大キャリアだろうがMVNOだろうがどちらも影響を受けるのであまり変わらない。そして平均的なMVNOの中間プランはおおよそ¥2,000~3,000である。
次にインターネット環境は、これも三大キャリア以外の様々なプロバイダが提供しているものがあり、それらは特定のサイトのみを経由した申し込み(無料、価格.comなど)により、三大キャリアやMVNOの同時契約に依存しないキャッシュバックによって長期的視点では三大キャリアで同時契約した場合より安くなることが殆どだ。したがって、何でも1つにまとめようとせずに自分に必要なものが揃っていて余計なものがないサービスを広い範囲から探すのが最も理想的であると言える。MVNOでも三大キャリアと同様の同時契約サービスが存在していることは確認しているが、それでもうまくやれば三大キャリアよりも安いことの方が多く、それも考慮範囲である。
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模索2:配信者か否か
個人的に1つの判断基準としているのが、自分が配信者か否かということだ。これによってもプランや個別のインターネット環境をどうするかが決まる。しかしこの手のものは検索すれば決まって光回線を使えの一点張りで非常にうんざりするもので、それゆえに調べることすら辞めた。「宗教的に」光回線を使えない人のことを全く考慮していない。これには鉄拳制裁を入れるとして、実はモバイル回線でも、「真の5G」を持っているのなら回線分離を行えば問題なく配信できることを私自身証明している。
ただしこれは無制限プランであるか、特殊オプションがついているMVNOでないと実現できないものである。例の1つとして、私が実際に使用しているNUROモバイルであればNEOプランまたはNEOプランWに自動付属する「あげ放題」のオプションを利用することで、アップロード分は全て容量に加算されないので真の5Gと合わせれば安定して配信できる。この場合は必ずしも光回線は必要なく、ゴミな4Gレベルのホームルーターでもアップロードに使用しなければ安定して利用できるようになっている。逆に配信者でもなく、アップロードするものも少ないのなら無制限プランないしNUROモバイルNEOプラン/NEOプランWでなくてもよく、任意の軽量で安い容量と適当な光回線を導入すれば間に合うであろう。
結局何がいいのか
ここまで考案してきたものの、そんな御託より早く結論が欲しいという人も多いはず。なので結論は、極限まで安くしたければ三大キャリアの抱き合わせ販売は避け、スマートフォンとインターネット環境(種類は問わない)は自身のライフスタイル(仕事種別がオフィスワークまたは在宅or現場系)及び行動パターン(外出が多いor屋内が多い)を明確にしたうえで、それぞれ最適かつ最安値となるものを別々に契約するという方法が一番である。この時利用できるキャンペーンは最大限利用する。無駄な出費、使わないオプションを削り、必要なものだけを揃える。スマホもインターネット環境もライフラインの1つに数えられるが、だからこそミニマリスト的発想が必要になってくるであろう。
ところで三大キャリアは、任意のプランでの契約者に対して無駄に特典が多いことで有名である。その中には人によっては全く使うことのないものも多く、その分の付加価値が基本料金に反映されていることが殆どだ。不要で全く使わない、要らないから返品する代わりに基本料金を下げろと願った人もきっと多いはずだが、おそらく三大キャリアは無駄な己のプライドゆえにそれを無視するであろう。ともすれば三大キャリアに固執する必要などない。とっととMVNOに乗り換えてしまえばいいだけのことである。
抱き合わせ販売は大抵罠、しっかり情報を集めて節約していけ
私は一体どれくらい、私自身のブログで「クソフトバンク」という単語を使ったであろうか。死のコロナウイルス発生後のたった4年の間に地道な改悪を続けていながら肝心の設備投資を怠るユーザーが損正義な態度には、怒りしか出なかった。基本料金がクソ高い癖にまともなサービスは提供していないわけで、逆にくだらないおまけばかり付与してその分で無駄に価格を釣り上げているのではないかと思うほどである。クソジャップ政府による一億総貧困強制時代において、余計なものを極力削減することは努力目標ではなく義務教育と化しているのでその時点でクソだが、それを差し引いても余計なものが多すぎた。削れることなら削って、だが必要なものは揃っている方に移りたいと思うのは当然のことである。
その際に気を付けることが、割引ルールである。これはよく読まなければならない。それは同一キャリア企業のサービスを併用することが前提条件になっている場合が多いためだ。そしてそれは大抵、スマホプラン単体で契約するよりも高くなる。熟考すれば分かることも、その場の勢いと調査不足と楽な方に進めようとする怠惰によって気付かずに進めてしまう。その結果損をするということを理解していない人の方が多いようである。
私が調査した限りでは、原則として抱き合わせ販売は罠である。ごく一部の例外は存在するにしても、それはそれで、基本的に悪だと捉えた方がいい。もしこれを読んでいるのが思考停止で楽をしたい馬鹿だというのなら私は止める価値もないので放置するが、そうではなく少しでも安くていいものを探している人であれば、1つに絞らず広範囲で客観的に見ていくべきである。人間はそれぞれにそれぞれの得意分野があるように、回線事業者はそれぞれにそれぞれの得意分野と料金プランと特典がある。それを上手く組み合わせれば、少なくともいい方向に事を運べるはずだ。
以上、スマートフォン料金考察:抱き合わせ販売の罠に気を付けろ、であった。少しでも安くするためには、手を抜いてはいけないのである。
KIBEKIN at 00:00 Sept. 16th, 2023
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