この記事の概要を簡単まとめ!
- 実写映像と忠実に再現された挙動の鉄道運転シミュレーションゲーム、Train Simulatorシリーズ
- 音楽館名義でのコンシューマ向けゲームはRailfanを最後に終了
- 以降は鉄道各社向けの教育で使用する業務用シミュレータやホームドア開発に専念
- 約15年の沈黙を破り、業務用の経験を生かしてコンシューマ向けを販売決定
国鉄JR東日本をパブリッシャーとした初めての試み、開発は音楽館- 9月20日よりSteamでアーリーアクセス版を配信開始
- 初期は京浜東北線南行: 大宮~南浦和、八高線上り: 高崎~群馬藤岡を収録
- その時点での最新データで構築され、展望も車両挙動も「本物」
- 今後の展開はフィードバックを元に最低3ヶ月後にフル版を予定
- 鉄道史に残る、新たなTrain Simulatorの始まり
歴史資料とは、一体どんなものを示すか。国立図書館にあるものか。NHKが保有する映像か。それ以外のものは、果たして歴史と認められないのか。そんなことはないはずだ。自治体や個人レベルのものでも歴史資料は多種多様に存在する。しかし1つ明確なルールがあるとするなら、捏造は許されないということ。それだけはいつの時代のいつの出来事でも、それをやってしまえば品格をただ落とすだけになる。
鉄道史において、映像記録作品は数多く存在する。その中でも異彩を放つ存在がある。向谷実氏を代表取締役社長とする株式会社音楽館が制作した、前面展望撮影による実写映像・実際の車両性能を反映・ゲーム性の融合によって誕生した鉄道運転シミュレーションゲーム、Train Simulatorシリーズだ。向谷氏の趣味から生まれたこれは現実と全く差異がないほどに再現されており、同時に撮影当時の風景を切り取っているので、ゲームであると同時に鉄道歴史資料としての価値があるものに仕上がっている。
2007年11月1日の「Railfan 台湾高鐵」を最後にシリーズは終了し、以降は業務用シミュレータや安全対策設備の開発を中心としていた。そんな中で決まったのが、JR東日本公式でTrain Simulatorを家庭用に復活させるということだった。約15年の沈黙を打ち破り復活したTSシリーズ、最新作はSteamのみでの配信となる。この15年で果たしてどのように変わったのか。アーリーアクセス版が配信されているので、実際に走らせてその詳細を確かめていく。