【救え、その手で。】「オノゴロ物語」やってみた!~ようこそ「オノゴロ島」へ~

この記事の概要を簡単まとめ!

  • 2020年から始まった国産VRゲーム開発と市場への投入
  • 海外のVRゲームに負けないその出来栄えが世界に受け入れられる
  • あまた株式会社、自身の国産VRゲーム第2作目「オノゴロ物語」を発表
  • 各アンバサダーの宣伝や割引セールで色々見てきたが実際にやってみることにした
  • 舞台は気の力と蒸気機関が融合したオノゴロ島、「和風伝奇スチームパンク
  • 陰陽銃の使い手として、223代大神宮祭主コセ・ハルと共にアラキダ・マサタケを追う
  • 大正時代のような懐かしい街並みを眺めながら、2人で協力して敵を討ち謎を解く
  • オノゴロ島に現れた五柱のカミを、2人の力で鎮めていく
  • バーチャルキャストCVOみゅみゅ氏の協力でバーチャルキャストでオノゴロ銀座が再現された
  • 『私の直感は当たるんですよ!』

ゲームについて書く時、それをどのタイミングで書くのかというのがある。それが発売されたばかりの最新ゲームであった場合、発売の数日後にはいくつかの記事や情報がインターネット上に早速転がるわけだが、その場合「少しだけやった後の感想」系のものが多くなるであろう。そのゲームについて興味を持っている人に働きかけるという意味では、少しやって早い段階で情報を出した方がいいのだろう。逆にシリーズが完結していたり続編が存在しないものは、がっつりやり込んだ人の情報解説などがあると思われる。これはe-Sportsの世界になるであろう。

VRゲームも2020年あたりから国内メーカーが積極的に作るようになってきた。それまではVRのイメージがどうしても海外的なイメージが大きかったためか、ゲームも海外メーカーが開発したものが多い。それを打ち破るように続々と登場している国内メーカー製のVRゲームは、意外にも海外受けするものが多く、世界に認められるようになってきた。しかもそのメーカーは、大手ではなかったりするので尚更驚きだ。

あまた株式会社もその1つである。2019年11月12日には彼らの第1作目となる”Last Labyrinth”を発売。レート指定が18+となるも、作り込まれたVRゲームであるこれが反響を呼び人気となった。そうして第2作目が作られた。和のテイストに蒸気機関を融合したスチームパンク、あまたはこれを「和風伝奇スチームパンク」と呼ぶ。その作品名、「オノゴロ物語 ~The Tale of Onogoro~」。国産VRゲームとしても注目作品のこれの魅力に迫っていく。

恐み恐み…も白す!

国産VRゲーム、市場投入

これまでのVRゲーム市場

最初の本格的なVRデバイスをOculus Riftと定義するなら、それが出て6年が経つ。今になってようやくVRは一般化の流れの最初の段階に来ている。そうであっても普及にはまだまだ時間がかかり、性能の根本的解決になるパーツ単位での開発で時間を割いているような状況だ。世界単位でのVR関連の開発競争の激化が、結果的に価格の安定化や性能の向上に繋がることを期待している。特に中国が、その切り口になる可能性が高い。中国共産党は相変わらずゴミだが。

次に見るはコンテンツそのものだ。つまりゲームである。全体的な傾向として、VRゲームはやはり海外製が多く、そのほとんどはVRデバイスを開発した企業のある国が多い。つまりアメリカ産が市場を占めているような状況だ。それ以外の国は果たしてどうなのかは不明である。だが一目見ただけで、これは日本テイストな表紙ではなく海外テイストな表紙である、というのが感覚的にわかり、その殆どが合っているということが多いので、おそらく国産VRゲームはまだ始まったばかりであると考えられる。



VRゲームのジャンルについてはどうかを考える。一般的なVRデバイスはHMDと独立して動作できる左右のコントローラーで構成され、VR内ではそれぞれの手は独立して動かし、動作を反映させることができる。殆どはこれを生かしたものが多いようで、つまりゲームジャンルはアクション系が多くなる。これらは総じて身体自体が無意識に移動する可能性のある動きを伴うゲームであるので、それなりのスペースの確保を絶対とする。とはいえほとんどは座ってプレイすることに対応しているので、プレイヤーが余程混乱しなければプレイ領域外にまでずれるということはないはずだ。

ちなみに、ゲームではないVRコンテンツも存在し、これについては国産のものはいくつか見られる。ただし、VRコンテンツ自体の開発力を持っている企業は少なく、どちらかといえばインディーのスタジオによって開発されているものが多い印象を受ける。メジャーなメーカーがVRに参入するには、開発力や企画力などが問題になっているものと考えられる。

海外のVRゲームに負けないその出来栄えが世界に受け入れられる

執筆時点で確認できる、ステータスが「販売中」の国産ゲームをいくつか抜粋して取り上げる。

  • ALTDEUS: Beyond Chronos (Quest/Quest2ほか多数VRプラットフォーム対応) 配信開始日:2020年12月4日 パブリッシャー/開発:MyDearest Inc. ¥3,990(標準価格)
    • 『東京クロノス』制作元のMyDearest株式会社の新作。超未来(260年後、発売時点)が舞台。探索+戦闘で構成されており、戦闘はメカアクションであるようだ。ファミ通・電撃ゲームアワード2020 アドベンチャー部門:最優秀賞及びOculusストア内ユーザー評価:世界1位を獲得しており、日本のみならず海外でも人気である。
  • RUINSMAGUS ~ルインズメイガス~ (Quest2 Only) 配信開始日:2022年7月8日 パブリッシャー Mastiff/開発  CharacterBank inc. ¥3,490(標準価格)
    • 2021年から制作のためのクラウドファンディングを、目標額300万円として設定したところ約952万円まで集まった、「成功を約束された」VRゲーム。コンセプトは「あの世界に行きたい、だから作るぞ!」で、1つのストーリーがいくつかのテーマに分かれており、総計26のステージが用意されている。街のマップの作り込みが非常に細密で引き込まれるような感じになっており、戦闘では魔法を使って戦う。魔法補充SEがパスファインダー君。clea氏がアンバサダーとしてデモ版をプレイしており、(普段から忙しくプレイする暇がないが)製品版はHardでプレイ中である。

色々と面倒なので代表的な作品を挙げたが、そのレビュー欄を見てみると、どの地域のプレイヤーがいるかが分かる。国産ということもあって殆どのレビューは日本語だが、その中に日本語以外の言語でレビューされているものがいくつか存在する。多くは英語で、英語が主言語ではない地域でもたまに英語で書いていることもあるが、それを見る限り、国産VRゲームは世界中でプレイされていることは確実である。

国産VRゲームが注目を受ける方法を考えると、何らかの賞を受賞する、メディアに取り上げられるなどがかなり有効であるはずだ。このとき取り上げられる場所が海外で運営されているもので、世界的に有名なメディアであれば世界に知れ渡るチャンスもある。とはいえ最近のユーザーの目は非常に鋭くなっているのと、種類とジャンルを問わず様々なコンテンツが存在するため、気に入られるかどうかは運次第であったりする。内容が良くてもたまたま見る人がいなかったなどで、注目されなかったというのはざらではないからだ。しかし、着実に市場に国産VRゲームがランクインしていることは間違いない。

あまた株式会社の第2作目「オノゴロ物語」

あまた株式会社がある。代表取締役社長は髙橋宏典氏。ソニー・コンピューターエンタテインメント(現ソニー・インタラクティブエンタテインメント)、テクモ株式会社(現コーエーテクモゲームス)を含む国内4社・韓国2社でディレクター/プロデューサーとして活躍したクリエイターの1人である。代表作は1999年にSCEから発売された『どこでもいっしょ』があり、今もなお愛される名作の生みの親として知られる。

2008年6月の設立当時の名称は「たゆたう」であり、2017年8月に現在の社名に変更している。設立からの主な担当業務は、当時流行の最先端であったスマホゲームを中心としたゲーム開発であった。2015年には内容は非公開ながらVRコンテンツ開発(Ouclus Rift)の実績があり、早い段階でVRコンテンツを開発できる環境があったことが分かった。ほかには映像作品、サウンドトラック、汎用アプリ開発、ハード移植など、様々な分野に進出して、活躍の幅を広げている。その中には「あの」有名作品の一部を手掛けているのがある1)参照:実績 | あまた株式会社 AMATA K.K. 全ての実績が存在する。一部詳細が非公開のものもある。



その後、あまたが自社企画で本格的なVRゲームを作り、第1作目が販売されたのが2019年11月12日。初見殺しと名高い「Last Labyrinth」である。「モロに頭が取れる」描写があるなどでどうしてもR18になってしまったが、VRの特徴を生かしたそれは多くの反響を呼び、日本のみならず全世界で注目された。また、パートナーとなるカティア(CV: ステファニー・ヨーステン)はゲーム中では言葉が通じないことから、HMDの動き=頷き首振りによってコミュニケーションを取るシステムが実装されており、VRデバイスについても着目した珍しい例と言える。

その後、第2作目が2022年3月18日に販売された。それが今回取り上げる「オノゴロ物語」である。パートナーがおり、システムもLast Labyrinthを一部流用しているであろうこれは、前作が謎解きに特化していたのなら、今作は謎解き+戦闘となり、アクション面でボリュームアップしている作品となる。また世界の雰囲気として、Last Labyrinthは「閉鎖された洋館」が舞台であり西洋風であったのが、オノゴロ物語は日本の大正時代の街並みのような、懐かしい感じの並行世界が舞台となる。蒸気機関が主流の世界となっているので、スチームパンクにも分類される。

これも制作途中のデモ版が存在し、clea氏が実際にそれを配信していた。デモ版ではChapter2-5(カミ「フツヌシ」)までで、製品版はChapter3以降の全てのストーリーがプレイできる。また製品版もclea氏が全編通して配信しており、それを見ているので結末は実は知っている。そうでありながらあえて書く理由は、Twitterでオノゴロ物語の話をしていたら、これのディレクターでもある高橋氏から反応があったため、このままやらないわけにはいかないと感じたためである。また、いくら配信を見ていたとしても実際にプレイしなければ感じ取れないものが存在するはずだからである。本格的なVRゲーム初挑戦となる私が、新たな国産VRゲームとして既に多くの反響を呼んでいるこれを詳しく見ていくこととする。

あまた制作、VRゲーム第2作目「オノゴロ物語」

※以降の内容には、解説のために必要な画像/動画ないし用語を使用し、これが一部でネタバレを含みます。したがって、この点に十分留意した上で読み進めることを推奨します。

概要:世界観のおさらい

はじめに、オノゴロ物語の世界観をおさらいしておく。

  • 大正12年の日本風の異世界、天空に浮かぶオノゴロ島が舞台。オープニングムービーの落下地点から推測するに、実在した場合は淡路島の上にあると思われる。
  • 明治維新の蒸気機関の発達と古来からの「」の融合により独自の発展を遂げた。同時にこの世界では「カミ」という巨大生物が定期的に顕現し、暴れることが日常であった。
  • 登場するのは大神宮二百二十三代祭主「コセ・ハル」(以下ハル、CV:南條愛乃)、ハルの幼馴染にして神職であり剣士、そして騒動を引き起こした張本人であるアラキダ・マサタケ(以下マサタケ、CV:佐藤祐吾)、そしてこの世界に呼ばれたプレイヤー自身である。敵として出現するのは、五柱のカミと眷属である。
  • プレイヤーはVRゲームを遊ぼうとした瞬間にハルによって現実世界からオノゴロ島のある並行世界に召喚され、ハルの近くに呼び出される。その世界では霊体で原則として物理干渉ができない(ハルからは幽世の存在として認識される)うえに喋れないが、神具「陰陽銃」は扱うことができ、ハルとのコミュニケーションは前作と同様、頷きと首振りを使用する。また、ハルに対してのみ「手を繋ぐ」ことができる。
  • 攻撃手段は道中に置かれている道祖神から気を陰陽銃に吸収し、それを眷属やカミに当てることである。また道中は神籬・船石・ヒヒイロ石により様々な仕掛けが用意されており、これも陰陽銃で動かしたり気を当てたりハルの力を借りることで動作させることができる。道祖神は眷属を倒すと出現するものがある。
  • カミが本作におけるボス。カミ鎮め(各Chapterの最後)で戦うことになる。謎解き要素も含まれており、普通に攻撃するだけではダメージを与えられない。時にカミの攻撃も謎解きに利用する必要があり、単なる戦闘ではないところがポイント。
  • ハルちゃん可愛い(ーーコセ・ハルについて、clea氏)
  • 情報ソース:Main – オノゴロ物語 ~The Tale of Onogoro~
オノゴロ島全体図
舞台となるオノゴロ島の全体図。空に浮かんでおり、かつては陸の孤島であった。蒸気機関の発達でロープウェイが導入され、自由に行き来可能になっている。

おおよその世界観はこのようになっている。前作とは大きく違い、蒸気機関の発達した大正時代の日本に似た並行世界(ただしオープニングを見る限り、場所は現実の日本と同じ)が舞台となっている。そのため街並みもどこか懐かしさを感じるものに仕上がっている。そこに蒸気機関が至る所で採用されていて、比較的大型で無骨な機械が各所に置かれていることで、「日本に似ている並行世界(=異世界)」を見事に表現している。

また、ハルと初めて会うとき、身体の一部と神具「天鹿児弓」はマサタケに奪われており、身体についてはこれを補うために蒸気機関で生成した義体を付けている。しかも心臓についても蒸気機関で生成した人工心臓となっており、現代からしてもオーバーテクノロジーなこの部分で並行世界/異世界らしさが出ている。蒸気機関が他の駆動機関よりも圧倒的に発展した”IFの世界”ともいうべきそれは、和と洋の綺麗な融合とも言えるかもしれない。




ゲームシステムの概要

本作では、パートナーのハルは要石に固定されており、自力で移動することはできない。しかしこれはヒヒイロ石の性質を持つため、陰陽銃で持ち上げて移動することができる。ただし他のヒヒイロ石とは同時に動かすことはできない。そのため、まずはハルを安全なところに置き、探索や戦闘をこなし、それらをクリアしたらハルを移動する、という動きが基本となる。ハルを持ち上げている間は持ち上げている方のコントローラーのボタンを押すことで、奥行きを操作することができる。ボタンは奥に伸ばす場合は奥のボタン、手前に引き寄せる場合は手前のボタンで対応している。当時clea氏はこの機能を知らずに終盤までプレイしていた。

 

最初のうちは眷属の攻撃の勢いは弱いため落ち着いて戦闘と探索ができるが、進めていくと安全地帯がなくなっていき、ハルまたはプレイヤーが常に攻撃にさらされる状態になる。幸い陰陽銃は二丁拳銃古堀なので、片方でハルを動かしつつもう片方で攻撃することが多くなるだろう。もちろん、回避しきれないことはあるはずで、ダメージを受けることになる。ここで注意したいのは、「体力は共有」ということ。つまり、どっちに攻撃が当たってもダメージになり、当然攻撃を受け続ければ、両方死ぬ。ガメオベラだ。そうならないためには、常に体力に気を配ることが重要になる。左の陰陽銃には体力ゲージがあり、これで現在の体力を確認できる。体力は常に少量ずつ回復する仕様である。また、体力が一定値以下である場合、ハルと手を繋ぐことができ、これで急速回復が可能である。回復中は無防備のため、安全を確認してから実行すること。また、カミ鎮め以外の各ステージの最後は手を繋ぐことでゴールとなる。

HPゲージと回復
HPゲージ(陰陽銃 左)と回復。回復するには手を繋ぐ必要があり、足を止めることになる。カミ鎮め中に回復する余裕は殆どないと思った方がいい。

謎解きも、本作では様々なパターンが存在し、時に複数の仕掛けが組まれたものもある。序盤の仕掛けはプレイヤーが陰陽銃だけで解決できるものや、ハルに船石を起動してもらうことで先に進めるものが多い。しかしそのうち、ハルが船石を起動するのと同時にプレイヤーが仕掛けを動作させることや、ピタゴラスイッチの要領で連続する仕掛けを素早く動作させていく必要があるなど、解除するにはじっくり考える必要があるが、いざ実行するときは早さを求められる構成になっている。謎解きでも退屈させない工夫がここに凝らされているようだ。

 

最終的なゴールは?

このゲームのゴールは、オノゴロ島に現れた五柱のカミを鎮めて、マサタケを止めることである。通常なら何人のも神職が命を賭けてカミ鎮めを行うのだが、現在のハルは前述の通り身体の一部と天鹿児弓は奪われてしまっており、巫女としての力も要石に封印されている。そのためまともに対峙すれば、まず勝ち目がない。そのため攻撃を避けつつカミの動きと弱点を調べ、反撃の機会を伺い、チャンスが発生したら攻め込むのが基本戦法となる。

全てのカミは非常に巨大で、空を飛ぶか地上で暴れるかのどちらかである。当然、どの一撃も強力で、連続で食らえば即死である。一見すると無敵に見えるが、殆どの攻撃は攻撃予測線(命名)が表示されるうえ、巨大な故に攻撃の動きや構えが大きいことも多い。そしてカミが攻撃した後には隙ができ、カミの弱点である瑞鶴髄核が見えたり、或いはステージギミック等の何らかの攻撃を加えることでそれを無理矢理引きずり出すことができる。髄核を何回か攻撃してこれを破壊することでカミ鎮めが完了し、ハルの身体と天鹿児弓を1つずつ取り戻せるのである。

カミ一覧
公式サイトより借用した、五柱のカミの姿。名前は日本書紀や古事記に登場する神の名が由来である。一部は現実の神の名前に似ているものがあるが同一のものが存在しないため、架空の名前になっているものと思われる。

なお、オノゴロ島では大結節(9月1日)2)現実における9月1日は防災の日であり、大正12年、1923年の同日は関東大震災があった日である。この並行世界でも大正12年であるため、高橋氏の思惑通りならこれは決して無関係ではないはずだ。の、その2~3日前と思われる日からストーリーが始まる。このとき大結節の影響によって小結節点と呼ばれる、気の力が漏れたことによる異常現象が発生している。普段は発生しない現象であるようだ。これはやり込み要素の1つであるが、全て鎮めるといいことがあるようだ。

オノゴロ物語の概要解説は以上となる。




「オノゴロ物語」実際にやってみた!

いよいよオノゴロ物語を自分でもプレイしてみる。VRコンテンツは何事も「自分で触ってみる」のが大事である。

1ステージのボリューム

VRゲームはその性質上、未だに長時間プレイするのには向いていない。それは通常よりも身体に負荷がかかりやすいのと、Questの場合はバッテリーという時間的制約も存在するためである。スタンドアロンを可能にしたQuestは同時に重量も増えているため、重さという点でも実はPC接続前提のVRやPSVRと比較しても負荷が増えている。Questが新品であると仮定すれば、フル充電のバッテリーで持って2時間であろう。

それを踏まえて1ステージのボリュームはどうなのかといえば、これがちょうどいいものに仕上がっている。プレイスタイルにも依存するが、最初のうちはゲームに慣れるのとオノゴロ島観光をするはずなので、おそらく15分前後はかかるであろう。既に予習済みであったり再走する場合は1ステージを5分以内で回れるくらいのレベルとなっている。再走は主に小結節点集めが目的となる。

謎解きのレベル

謎解きについても、私としては然程難しくは感じなかった。これは事前にclea氏の配信を見ていたこともあるが、自分の頭の中で考えた動作手順通りにやれば解けるものに仕上がっているためだ。悩んでいるとハルがヒントをくれるようにもなっているので、そのヒントを参考にしていくことで糸口も見えてくるはずだ。

ちなみに、当時clea氏はパワープレイによってある地点の謎解きを強引に突破したことがある。それを私も真似したら、意外とできてしまった。その様子が以下である。

 

ここは2倍気と単体で同時に風車を回す必要がある。というのも、それぞれの風車の出力時間は、気を当てたときを1Fとして、20/30F(実測値)である。普通の人には20/30Fで2倍気を撃った後に吸収して下の単体を回す、という動きは到底できるものではない。通常は同時撃ちで解除するのがセオリーだ。そしてそのために必要な道祖神の数はちゃんと3個存在する。手順としては前の場所にあった道祖神を先に片方に吸収しておき、この場所で2倍気を作って同時に撃つ。それが正解である。

正解を知っていながらわざわざこれを行ったのは、「こういう実例もあった」という紹介をしたいためである。これを見ている人は、正攻法で攻略しようね!

眷属やカミの攻撃、耐久性など

私は現在ノーマルモードで、2-5(フツヌシ)までをロケハンとして事前にプレイした。その際、フツヌシで1回死んだ。それ以外は多少のダメージを受ける以外は、特にやられることもなかった。眷属については、動きが遅いものが多いので「数が少なければ」脅威ではない。ただ、Chapter3以降は飛行型も登場し、気弾(遠距離攻撃)も増える。同時に出現する数も多くなり、それに加えて船石の近くに眷属が置かれていることも増えるので、ハルを守りつつ眷属の撃破と自分自身の攻撃の回避に追われることになる。同時にやることが増えるので、慌てないように心掛けるといい。慌てるほどどうにもならなくなってガメオベラになりやすい。

出現する眷属は火/風/土のいずれかの属性を持つので、理論上倒せない眷属はいない。ただし、対応する道祖神が存在しない場所もあるので、その場合は回避と防御で乗り切る。また眷属は全て倒さなくても、その場所のギミックを解除することで消滅する。とはいえハルが船石への詠唱中に眷属の攻撃を受けると中断されてしまうので、倒しておくに越したことはない。なお、眷属の中には倒すと道祖神に変化するものがあるので、その場合は倒す必要がある。

ちなみに眷属についての公式での説明には「ちょいキモカワ」とある。見ると顔がちゃんとあり、小さいのでまるでペットのようでもある。公式サイトにある眷属の3Dモデルは全体の一部であり、他にも多数のタイプの異なる眷属が存在する。それぞれデザインが異なるため、余裕があればじっくり鑑賞するのも面白い。特に敵対時は正面しか見れないことが多いので、少し可哀想だがハルを囮に背中に回ってみるのも1つの楽しみ方になるはずだ。間違っても見殺しにはしないように。

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VRゲームが苦手な貴方に…「シールドモード」実装

オノゴロ物語の配信開始から、難易度の選択は特になかった。ただ私としては特に難しいと感じるところはなかったので、難易度調整はちょうどいい、という評価である。とはいえ、このゲームが初のVRゲームである、という人も少なくないはずである。これが意味するのは、VRデバイスないしVRゲームの独特の操作方法に慣れていない人が多いということでもある。そのため、ゲームを楽しみたいけどうまく操作ができなくて、結果的に攻撃を食らいまくって何度も死んでしまうということも、人によってはあったと思われる。

これに対するあまたの答えは、「シールドモード」の実装である。このゲームにもスコアの概念が存在し、この点数は各ステージのクリア後に表示される結果で見ることができる。このスコアを最後に半減させるのと引き換えに、眷属とカミの攻撃によるダメージを大幅に軽減することができる。要するに、余程のことがない限りは死ななくなる。これで誰でも気軽にオノゴロ物語を楽しむことができるようになる。シールドモードはゲーム内のオプション設定からいつでも変更可能で、シールドモードを有効にしたステージでは、リザルト画面のスコアの右にシールドマークが表示されるようになっている。

一見、どこのゲームにも存在するイージーモードだが、これはある程度オノゴロ物語を極めた人にも使い道がある。というのも、先述の眷属の鑑賞は、攻撃されるので普通は落ち着いて行えるものではない。或いはカミを鑑賞したい物好きも中にはいるはずだ。その際にはシールドモードを起動すれば、オノゴロ島名物・眷属とカミの鑑賞会に早変わり、というわけである。このゲームは街並みもさることながら、ハル、マサタケ、眷属、カミのデザインが秀逸である。それを楽しむのなら、シールドモードは必須のお供になるはずだ。

おまけ:バーチャルキャストでオノゴロ銀座が再現された

「オノゴロ物語」の関連商品の展開は積極的に進められている。現在確認できる商品展開は、ゲーム中で使用したサウンドトラック(配信/ダウンロード)、Boothのあまた公式ストアでアクリルキーホルダー/アクリルフィギュア/Tシャツステッカー/缶バッジ/ふかふかクッションが販売中、Oculus/Meta Storeでは不定期に割引対象になり、そしてSteamでも今秋配信予定である。Steamで展開することでQuestを持たないユーザーでもプレイできるようになるので、プレイユーザーはかなり増えると見込まれる。

そんな中、VR-SNSの1つに数えられる、バーチャルキャストに2つのルームが作られた。1つは『Last Labyrinth』から「愚者の部屋」、もう1つは『オノゴロ物語』からChapter2-1「オノゴロ銀座」、それぞれを再現したルームである。それぞれはあまた公式で作成したルームとなる。これが実現したのは、バーチャルキャストショッピング第19回であまた株式会社(ゲスト:高橋氏)として出演した際、この2つをルームとして置いてほしいというバーチャルキャストCVO・みゅみゅ氏の何気ない発言からである。このことからみゅみゅ氏が制作協力し、いくつかの手直しが行われた上で公開に至ったのである。元々は配信に合わせるために簡単に作ったもので、公開用に調整していなかったものであった。

愚者の部屋は実際のゲームでは視界に入らない部分がいくつもある。その部分についてもテクスチャがしっかり作り込まれており、カティアから見た部屋の中を自分でも体感できるようになっている。ちなみに、プレイヤーが縛られていた車椅子もあるが、当たり判定や座れる判定はないので「捕まっている状態」の再現は難しい。フルトラッキングなら、高さ調整することで再現することができる。

オノゴロ銀座はChapter2-1そのものである。バーチャルキャスト(正確には連携先であるTSO)はユーザーコンテンツのアップロードの容量上限が100MBとなっている。この条件を達成するべく、ある程度削れるところを削り上限内に収まるようにしたと、同部屋で会った高橋氏から直接聞くことができた。また、開発時点でこの街並みを作るために、大正時代の色々な資料を参考にしたという話も聞くことができた。ギミックこそ動かないが、ゲームで見たあの風景を「現世」で楽しめるのである。

バーチャルキャストの愚者の部屋とオノゴロ銀座
バーチャルキャストにある、愚者の部屋とオノゴロ銀座を撮影したものの中から、2枚ずつ参考資料として掲載。中にはパネルとポスターが置かれており、ポスターは持ち帰りもできる。運がいいと高橋氏に会えるかもしれない。

この部屋は8月24日に公開されると、この2つはあっという間にルームの人気上位に登り詰めた。また、9月3日はバーチャルキャストでミクランド(マジカルミライ10th)も開催されており、そのついでに寄るようにも高橋氏が宣伝していた。果たしてどれくらいの人がここを訪れたのかはわからないが、私が高橋氏と会ったときにも既に多くの人が2つのルームにいた。このことからわかるのが、Last Labyrinthとオノゴロ物語をプレイしたことがあり、同ゲームが好きな人は多い、ということ。何気ない一言から始まったルーム化計画は、あまたのゲームプレイヤーの新たな憩いの場にもなっているようだ。

なお、バーチャルキャストで使用できるモデル形式はVRMである。VRoid Studioを使えばVRM形式のモデルを誰でも簡単に作れる。それを使い、ハルを再現した人も現れた。VRoid Studioは大雑把に作れるが細かい部分は難しいタイプのモデリングソフトであるが、それだけで99%完成していたのである。これには高橋氏も大絶賛していた。モデリングの腕があるなら、ハルやマサタケを再現してみたり、或いはプレイヤーそのものになったり、もしくは眷属を作ってみるもの面白いかもしれない。VCIで陰陽銃や要石だったりを作れれば、オノゴロ物語の世界に完全に入り込めるであろう。




『私の直感は当たるんですよ!』

「ああ^~かわいい^~」(clea氏)

「どこでもいっしょ」生みの親である高橋宏典氏。あまた株式会社(現在名)を設立し、スマホゲームの開発を中心としながら、様々な分野・方面でのコンテンツ制作を行っていった。2015年時点でVRコンテンツの開発実績があることからVRへの進出は早い段階で行われていたこともわかる。初代Quest(2019年)も販売開始と共に真っ先に入手したものと考えられる。

第1作目『Last Labyrinth』が配信開始すると、レーティングで18+になってしまったが、VRデバイスの特徴を生かしたそれは反響を呼んだ。プレイヤー自身の動きが非常に少ないタイプのVRゲームであるが、言葉を使わずしてカティアとコミュニケーションをとるというのは、当時は画期的であったはずだ。そして3年後に第2作目『オノゴロ物語』が配信開始になると、その完成度に世界が震撼した。日本国内はもちろんのこと海外でも好評で、執筆時点での評価254、レビュー数99、全体的なレートは4.7という絶賛度合いである。さらに今秋にはSteamでも配信開始となるので、PCVRユーザーにもプレイの機会が生まれることになる。Questのハードウェア的制約を飛び越え、高画質・高FPS値でのプレイも可能となるので、一度や二度オノゴロ島を救った人でも、もう一度歩いてみる価値はあるはずだ。そこには新しい発見があるかもしれない。

AIXR(Academy of International Extended Reality)主催、全世界対象、The 6th International VR AwardsのVR Game of the Year部門にオノゴロ物語はエントリーした。幾多のVRゲームがエントリーし、上位は世界的人気作のゲームが連なっている。その中に、日本のVRゲームで唯一ファイナリストに選出されたのである。執筆時点で一般投票が開始されており、9月30日の投票終了まで受付中である。もちろん、その一票に私は投じた。後は結果を待つだけである。

オノゴロ物語が世界一のVRゲームになれるかどうかは、誰にも分からない。しかし確実なこともある。あまたは世界が認めるVRゲーム開発スタジオの1つであるということ。仮に一位になれなかったとしても、この事実は揺るぎない実績の1つである。そして私の中では、オノゴロ物語が一位になる気がしてならないのだ。そしてハルがこの結末を見守るなら、きっとこう言うだろう。

 

『私の直感は当たるんですよ!』

 

以上、「オノゴロ物語」やってみた!~ようこそ「オノゴロ島」へ~であった。次は何の記事で会おうかな?

 

KIBEKIN at 00:00 Sept. 21th, 2022


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脚注

脚注
本文へ1 参照:実績 | あまた株式会社 AMATA K.K. 全ての実績が存在する。一部詳細が非公開のものもある。
本文へ2 現実における9月1日は防災の日であり、大正12年、1923年の同日は関東大震災があった日である。この並行世界でも大正12年であるため、高橋氏の思惑通りならこれは決して無関係ではないはずだ。
KIBEKIN
会社員という働き方が合わないのに会社員になってしまってから、半ば自分からリタイア後ブログクリエイターとなり活動してきた社会不適合者。VRやVTuberに触れる機会が増え、今後はリスペクトだけではなく自分を作る意味を込め、VTuberならぬVBlogCreator"KIBEKIN"として新しいスタートを切る。

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