【お手軽3D配信】”VRoom”使ってみた!~VTuberの強い味方~

この記事の概要を簡単まとめ!

  • 3DやVR空間を生かした配信ができるのはVTuberの特権
  • VTuberでもVRデバイスを使わない通常配信も行う
  • VR空間を手軽に再現できるなら見せ方も大きく変わるはず
  • それを叶える新アプリが御嬢沙真夜の個人開発・β版提供中の”VRoom
  • VSeeFaceと連携しており、初期設定に手を加えるだけで簡単に連携できる
  • Ver0.9.5では6種類の部屋が実装されている
  • サブメニュー、キーボードとマウスを駆使して自分好みに構築する
  • ファンクションキーにエフェクトが割り当てられ、演出ができる
  • ちょっと3Dで見せたい時、VRoomの出番だ

ゲーミングラップトップに対する各個人の考え方を、その手の人で集まって話し合いをしたいという気分である。そこには純粋なゲーマー、VTuber、玄人志向ならぬ中古志向といった、様々な考えのもとで使う人を集め、それらとゲーミングラップトップについてどう考えているか、どう使っているかということを話す。そこには新しい発見と、既存の考えの間違いを見つけることができるかもしれないからである。と言ったところで、私には企画力はない。

VTuberの3Dモデルという特性を生かした配信は、たまに行われる。その場合は一般にVRデバイスを用いて、VR「向け」にも展開されているSNSのようなアプリで、現実のYouTuberがやるような配信を行う。例を挙げるとVirtualCastがそれである。これを使って配信を行えば、まさに「VTuberらしい」ができるのである。ただこの場合、単純な雑談などの使用が多く、ゲームでは使用することは少ない。

よって普段のゲームや歌の配信では、3Dモデルを端に配置するか、それ向けの部屋っぽい画面構成を作ることであろう。ただその場合はどうしても平面的なものになってしまう。そんな見せ方の悩みを解決するアプリが、個人の開発で登場した。御嬢沙真夜、おそらく開発者自身もVTuberであろう人が”VRoom”を作り、β版として配布されている。これは卯塚ウウ氏が使用しているが、それでも周りではまだ使用している人は少なく、結果、検証量も資料も少ない状況。よって私が実際にこれを使用して、果たしてどんなことができ、どのような使い方をするといいのかを見ていく。

VRデバイスを使わない3D配信ツール、ここに現る

VTuberとVRと3D

3DやVRを生かせるVTuberの特権

私がVTuberに関わるようになり、6ヶ月が過ぎた。全ての始まりは現ゆかコネ公式ガイドであるclea氏であり、そこを起点にVTuberとVR関係の繋がりが増えていくこととなった。メインで観ているのはもちろんclea氏で、それ以外ではゆかNEO・わんコメ・その他多数の最新ツールを検証する卯塚ウウ(うーちゃん)であり、それ以外については現在はタイミングが合う場合のみ、サイレントで観ている。場合によってはコメント欄に姿を見せるようにしている。

VTuberと従来の実写型YouTuber(怪談師等の語り系は含めない)を比較したときの明確な違いは何か。それは3DVRに強いということである。現在進行形で発展しているVR・メタバースは大前提として物理的制約が可能な限り排除された3D空間である。ゆえに3DやVRに関する知識が必須であるが、VTuberをやると必然的にそれらと関わることになるので、最初は手を出さなくてもいずれは自ずとそれらについて勉強することになる。しかもその知識は非常に多岐にわたるものなので、勉強のために時間を割く割合は多くなる。大変な道のりであるが、最初は何もわからないでスタートすることであろうそれも、そのうちに誰かに説明できるくらいにはなっているということもよくある話である。



そうして勉強していくうちに、3DやVRの使い方が分かってくるようになる。そうなると出来ることも増えてくる。ここで従来のYouTuberとの差が出てくる。3Dモデルの利点である「データ」という部分に着目すれば、モデルの変化としてほぼワンタッチで着替えたりアクセサリを追加することができる。事前に複数用意しておけば、状況やリクエストに応じたモデルに変えることも、追加や削除の制御も簡単に行えるのである。他にも内容に合わせた背景、画面構成を構築しておけば、それを切り替えることによって映像に細かな差異を作りだすことができるようになる。VRについてはVirtualCastが動画制作ないし配信向けの機能を複数持ち、それ以外の主要VR-SNSも同様の機能をいくつか搭載している。また、そのVR-SNS自体がゲームもできるようなワールドが公開されていることも多く、企業や組織主体のイベントも時折開催される。これらを配信ないし撮影する場合は別途の許可が必要となるが、VRには多数の独特なコンテンツが存在するわけで、少なくともネタには困らないのである。

特例として、VTuberではあるが現実とミックスするパターンがある。喋るのを担当するのはモデルで、首から下あたりだけを映したり正面を一切映さない手法で現実の映像を出すというのがあり、これはうーちゃんがバルーンアートを制作する時が該当する。本体(「大道芸人」としてのうー氏)で依頼等のバルーンアートを制作しながら、モデル(うーちゃん)として雑談形式で話しながら配信するものである。元々うー氏は動画投稿形式で自身のパフォーマンスを披露していたということもあって、違和感がない。元々が普通にYouTuberで後発的にVTuberになったなどの場合はこのパターンは案外使えるのであろう。

VRデバイスを使わない通常配信も行う

だが、いくらメタバースが時代の先端であるからと言って、VTuberが毎回配信でVRデバイスを使った配信をするかといえばそういうわけではない。PCやコンシューマ機を使ったゲームであったり、何かをする作業配信であったり、歌を歌ってみたり、或いは単に雑談をする。VRデバイスを使用しないでも様々なことができる。この部分は従来型のYouTuberとあまり変わらない。変わる点は配信画面構成と、映るのがモデルか実体かである。

ただ、この場合においてはVRや3Dが生かされる機会は少ない。使用しているモデルがVRMで、それを表示できるソフトウェアを使っていれば3D要素は多少存在すると言えるが、少なくともVRや3Dがメインではないことはわかるはずだ。これだとVTuberの特権をうまく生かすことができないのが悩ましいところである。ただ、観ている大半の人はそれを気にしないため、本来は別に考えることもない話である。が、折角VTuberであるのだから、細かい部分でこだわりたいと思う人はいるであろう。その方がやっている側も見ている側もより楽しめる、ということもあるからだ。

VR空間を手軽に再現できるなら見せ方も大きく変わるはず

VR空間をフルに楽しむのならVRデバイス、というのは当然のことだが、最近は非VRデバイスであるスマートフォンでも手軽に楽しめるように、VR空間に入れるアプリが制作されている。ここではVR-SNSに限定するが、clusterはスマホ版がiOS, Androidのそれぞれで提供されている。NTTは自社でXR部門、NTT XRを立ち上げ、PCにもVRデバイスにもスマートフォンにも対応のDOORを公開しているほか、NTTドコモとしてXR Worldも公開中である。ZEPETOはNaver Z(親元がNaver、つまり韓国)のアプリで、これは元々はアバター制作や配信が主で、後にメタバースに移行したものである。ちなみにこれらは地味に国内の大手三大通信キャリアが関わっており、DOORとXR Worldは当然NTT、clusterはKDDI、Naverはソフトバンクがそれぞれ出資している。ちなみにXR Worldについては国内VRコンテンツ制作企業「HIKKY」のVket Cloudエンジンを使用しており、殆ど表には出てこない制作企業も地道に活躍している。

それと同じように、PCでは各パーツの更新による処理能力向上とそれに伴う3DCGの表現能力の向上が発生している。これにより3Dの描写が簡単に行えて、さらには3D、VR空間の構築も簡単に行えるようになってきている。もちろんそのためには専用のソフトウェアないしアプリを利用して制作する必要があるわけだが、幸いなことに作りやすさが上がっている。このことから個人製作のアプリが多く出回るようになっており、同時に多くの人がそれのお世話になっている。また個人の制作物同士の連携もたまに見られるようになってきている。この傾向は今後も増えていくものになるはずだ。



そんな中で人知れず登場し、時間を追うごとに話題になりつつあるものがあった。開発者は御嬢沙真夜氏、自身もボイスチェンジャーを使用したVCn型のVTuberである。その人が作ったのが、3DのまるでVR空間のような部屋を生成し、そこにVRM形式のモデルを配置し、VRデバイスやアプリを使わずともVRからやっている感じに見せることができるアプリを開発した。名称はVRoomだ。現在β版してBoothで配布されており、執筆時点でver0.9.5である。初版(ver0.9.0)公開は6月25日と、実にここ最近のことである。

要求されるのものはWebカメラとVRM形式のモデルデータのみで、以前に紹介したVSeeFaceとの連動が可能になっている。というより連携を前提としたものである。そのため使用にはVSeeFaceとVRoomを同一PC上で起動している状態にしなければならず、低スペックPCではおそらく使えないであろう。つまりゲームがまともにできるくらいの性能を持ったPCで検証する必要があるということだ。それ前提のもとで、果たしてVRoomは何が出来て、どんな感じに見えるのか。これを詳しく見ていくこととする。

VRoom使ってみた!

VRoomを解説するにあたり、検証機のPCのスペックを示しておく。今回は前回記事で入手・解説したゲーミングラップトップ、神舟(HASEE) KINGBOOK T65を使用する。CPU: i7-7700HQ(4C/8T ~2.80GHz MAX ~3.80GHz), GPU: GTX 1050-Ti(Mobile) (GP107, 1,493MHz, up to 1,620MHz, GDDR5 4GB, 128bit memory bus), RAM: DDR4-2400(8GB*1=8GB) である。RAMが減ってしまったが、その代わりにCPUもGPUも十分強いものになった。なお検証にあたって、今回は同時使用時の負荷検証は行わない。

導入:インストールはZIP解凍形式

まずはVRoomをインストールする。これもVSeeFaceと同様のZIP解凍形式である。該当のZIPファイルはBoothで提供されているのでそこでダウンロードを行う。この部分は特に迷うことはないはずだ。容量もそこまで大きくはない。ダウンロードが完了したらデスクトップにディレクトリにまとめた状態で展開するといい。展開したファイルにUnityの文字があるため、このアプリはUnityで作られていることが判明した。

VRoomダウンロードと解凍
VRoomをZIPでダウンロードして解凍した結果。Unityの文字があることからUnityで制作されたことが分かる。

起動後のセットアップ

Windowsは相変わらずのガバガバであり、起動しようとすると危険と誤認する。例によってこれは無視して起動する。また、ファイアウォールによるブロックも発生するが、1つのPCで完結する場合は許可しなくても問題ない。別々のPCでVSeeFaceとVRoomを使う場合には許可する。初回起動時はウィンドウでほぼ画面いっぱいに表示されるはずだ。このままでは見辛いので、下のメニューの2番目にある”ScreenSize”から解像度を(設定上の)最小値である1280×720にセットする。その上で、次の手順でセットアップを行う。

  1. 下部メニュー左1番目の”Load VRM”で任意のVRMを読み込む。
  2. 下部メニュー左4番目の”Setting”から「OSC/VMCプロトコル受信番号」を確認する。基本的に39539で固定されていることが多い。変更は可能だがここでは変更しないで使用する。
  3. VSeeFaceを起動し、VRoomで読み込んだのと同じVRMを読み込んで、設定/一般設定 を開く。”OSC/VMCプロトコルで送信する”にチェックを入れ、IPv4アドレスとポート番号(39539)を指定する。このとき、同一PC上で2つを起動している場合はlocalhost(127.0.0.1), 別のPCで起動している場合はVRoomを起動しているPCが使用しているIPアドレスにセットする。
VRoomとVSFの連携
VRoomの初期設定。VRMを読み込み、OSC/VMCプロトコルのポート番号を確認して、VSeeFaceでOSC/VMCプロトコル送信を有効にして、そのポート番号を指定する。基本的に同一PC上で行うはずなので、localhostを使うことが多いであろう。

連携手順は実に簡単である。最初に起動したときは一般的な画面を占有するほどの大きさになってしまうのがネックだが、これについてはウィンドウサイズを1280×720まで落とすことができるのでそれで対応できる。それを変更したら、VRMを読み込み、環境によって異なる可能性のあるポート番号を確認後、VSeeFaceの設定からOSC/VMCプロトコル送信を有効にして、その番号に合わせてやればすぐに連携が開始される。IPv4を採用しているため、別のPCでそれぞれを起動している場合も対応するが、殆どの場合は同一PC上で起動していることだろう。本記事では同一PC上で両方を起動しているという前提のもとで進めていく。




VRoomの基本部分

VRoomの基本部分について見ていく。といっても部屋の内容と設定項目についてなので、見る項目は少ない。

Room: 使用できる部屋

VRoomを使う上で、Roomがメインの機能となる。使用する部屋(背景)を変更するもので、現在使用できる部屋は次の6つである。

  • Living Room – 居間:デフォルトの部屋。カジュアルな雰囲気であり、どんなものでも使える。初期実装。
  • My Room – 自室/寝室:マイクとデスクトップPCが置かれた机の前にいる。ベッドがあることから感じ的には寝室でもある。Ver0.9.4より追加。
  • Live Stage – ライブステージ:マイクの前に立つ。大型スピーカーやアンプが置かれているので歌向きの部屋。初期実装。
  • Garage Studio – ガレージスタジオ:マイクの前に立つ。アメリカによくある広いガレージに音楽関連の設備が置かれている。Ver0.9.3より追加。
  • Particle Stage – パーティクルステージ: マイクの前に立つ。歌向きでありダンス向きでもあるようなステージ。Ver0.9.5より追加。
  • Bar – バー:カウンターにバーテンダーとして立つ。そこには飲み物が置かれた状態である。夜の雑談等に向いている。初期実装。
全てのルームの紹介
Ver0.9.5で使用できる部屋一覧。現在6種類の部屋がある。公開当初は3種類だったため、単純に2倍に増えている。同じ用途のものもあるが見せ方も異なってくるはずだ。

上記の6種類の部屋が実装され、好きなタイミングで切り替えることができる。実装当初はリビング、ライブステージ、バーの3つしかなかったが、Ver0.9.3から更新の度に1つずつ追加されている。Ver0.9.6以降に新しい部屋が追加されるかどうかについてはわからないが、現状でも揃っているので十分と言える。なお部屋の改装機能などは現時点では実装されていない。

VRoomではモデルは立った状態をデフォルトの姿勢としている。このうち居間と自室には椅子があるので座らせた状態を作ることもできる。自室においてはベッドもあるので、そこに寝ころばせるのもいいだろう。なお、これらの調整の仕方やその結果については後述する。

Resize: モデルサイズの調整

VRMを読み込んだ後、その部分に左に枝分かれする形で小さく”Resize”と現れる。これはモデルのリサイズを行うものである。大きさは5%~200%で、デフォルトは100%である。標準な人型であれば部屋の中に収まらないということはない。これはモデルが極端に小さい場合と大きい場合の調整項目となる。もっとも、人型以外のモデルをVRoomを使うことは稀であるかもしれないが。

Sub Menu: 色々調整するためのメニュー

メインメニューはesc, サブメニューはspaceを押すことで表示/非表示を切り替えることができる。サブメニューでは次の項目が選択できるようになっている。

サブメニュー一覧
Spaceで開くサブメニューの全項目一覧。これらを細かく操作すると、見え方もまた変わってくる。詳細は後述する。

サブメニューだけでも多くのメニューが存在することが分かる。これらについては次項以降でしっかり解説して、何ができるかについてを見ていくこととする。ちなみに、最上部にある矢印はサブメニューの位置を右または左にスイッチするもので、現在の位置とは逆の矢印をクリックすることで、その方向に位置を変えるようになっている。

Help: 操作方法の呼び出し

VRoomはキーボードとマウスによる入力を受け付けている。操作方法については、VRoom上で確認する場合はF1で表示できる。これは再度F1を押すことで消すことができる。この手のメニューは殆どの場合、表示中は操作できないことが多い。VRoomの場合はこれを表示中でも操作が可能である。これで表示される内容は解凍した際のサブディレクトリ「マニュアル(manual)_ver[ver_number]」内に同封されている”ショートカット.jpg”(英語版: “shortcut.jpg”)と同じものである。

内容や画像については、同封されているものと同じであるのでここでは省略する。

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VRoomを詳しく知って使いこなす

VRoomの基本部分については、おおむね理解したはずだ。今度はその基本部分を活用し、どう使っていくかについて解説していく。

基本操作:キーボードとマウスを使用

VRoomでは前述の通り、キーボードとマウスで操作する。もっともPCで操作するのだからそれは当たり前のことである。一般にゲームではキャラクター操作(基本移動)は左手でキーボードのWASDを使用する。ジャンプは通常スペースキーに割り当てられるが、ここはサブメニューを呼び出すものになっており、VRoomではそもそもジャンプをすることがまずない。また、VRoomは見せるためのものであってゲームではないので、同時に押せなくても問題ではない。よってモデル回転にQとE、高さ調整にZとCを使用する。位置のリセットはRが割り当てられ、これにより1発で元に戻すことができる。

マウスはVRoomではカメラを操作するために使う。マウスホイールにも操作が割り当てられているため、デスクトップで使用するマウス(接続方法は問わない)を使用する必要がある。また、VRoomの起動デフォルトではカメラが自動で動く設定となっているので、キーボードの’M’で操作をマニュアルに変更してから操作する。左クリックはメニューで決定のために使用するためカメラ操作に割り当てはなく、ホイールでズーム、ホイールドラッグで位置を変更し、右ドラッグでカメラを回転する割り当てとなっている。これらを使用して、位置変更をした例が次の画像である。

Living Roomのポジションを変更
初期ルームであるLiving Roomでポジションを変更した際のイメージ。WASD+QEが基本となる。高さ調整は立ち以外の場合で使用することが多い。

各部屋には初期位置以外にも良さそうなポジションが多々存在する。そこにモデルを移動させたい場合は基本移動、そしてカメラ位置を調整すれば同じ部屋でも全く違う雰囲気を出すことができるというもの。一旦部屋全体を見渡して、自分なりの良さそうなところを探してみるというのも、VRoomの使い方としてはありだ。

お気に入りのポジションはセーブできる

VRoomは原則として、終了後にもう一度起動した場合のモデルの位置は初期位置に戻される。よっていいポジションに配置できても、もう一度そこまで自力で持っていかなければならないのである。それは流石に面倒すぎるうえに同じ状態に再現するのも難しいことが多いので、お気に入りのポジションを見つけたら、サブメニューの「お気に入りポジションのセーブ/ロード」を駆使して保存し、いつでも読み込みが可能なようにしておくといい。

使い方は簡単で、サブメニューの一番上にある「お気に入りポジションのセーブ/ロード」から、そのポジションをセーブしたい場合はセーブをクリックすればいい。それだけで現在のポジションを、モデルの回転・上下位置とカメラ情報も含めてセーブしてくれる。これは2つまでセーブできる。そしてロードをクリックすれば、そのデータを即時反映してくれる。またセーブ機能は部屋ごとに2つずつセーブできるようになっており、それぞれの部屋でいいと思ったポジションをあらかじめ用意しておくことができる。ライブ系の部屋は動かすことは殆どないであろうが、それ以外の部屋であれば色々と見栄えのいいポジションがそれぞれあるので、試してみるといいだろう。

カメラを自動にしている場合の動き

VRoomではデフォルトでカメラが自動で動くようになっている。手動または自動に切り替える場合はキーボード’M’で制御できる。自動の時、カメラパターンは6個用意されており、デフォルトは右から左へ行き、正面になったときに折り返すのを繰り返すパターンである。この逆パターンもあり、他には右、左、正面のそれぞれカメラの動きが少ないパターン、ライブ用のパターンとなっている。このうち右、左、ライブ用のカメラの動きの実際のものが以下である。音声はカットしている。

 

カメラを振る動きであるが、左右からのものは単純かつ緩めの動きで、ちょっと移動する版のものは殆ど移動しないので、静かな印象を与えられる。対してライブ用は、様々な角度から、素早い移動とズームイン/ズームアウトを伴うものが5秒前後の間隔でどんどん切り替わっていく。そのため、歌用のカメラワークと言える。ものによってはカメラを動かしていると違和感があるので、動かすかどうかは配信の内容によって決めるといいだろう。




カメラの移動ルートはちょっと変えられる

カメラを自動にしている場合、ズーム以外のマウス操作は無効である。また、モデルに対するカメラの位置も基本固定されている。ただしキーボードの矢印キー(↑↓←→)で、そのコースを微調整することができる。この調整をしても移動の中心点は変わらないが、ズームと併用することで捉えたい部分を変えることができるようになる。

なお、この機能で調整したときの結果は、カメラを手動に変更する・パターンを変えるなどしても維持され、VRoomを終了することでリセットされる。また、キーボード’R’のモデルの位置・回転リセットでもカメラ調整のリセットが可能である。調整したのを戻したいときにはこれで対応できるようになっているので、気軽に変更できる。

多彩な固定ポーズを搭載

VRoomはVSeeFaceなどのトラッキングデータを反映して動作させるのが基本の使い方である。VSeeFaceにTDPTを連携させれば事実上のフルトラッキングになるが、これは私の環境では未導入であり、立ってこれを運用する必要が出てくるのでここでは解説しない。そのためVRoom上で任意のポーズを取らせるのは難しい。その代わりに固定のポーズデータを収録しており、それを使用中のモデルに適用することでポーズを取らせることができるようになっている。

使用するには、サブメニュー「ポーズ変更」から任意のポーズタイプをクリックする。これは4タイプあり、「立ち」「座り」「寝ころぶ」「その他」となっていて、それぞれにデータが登録されている。ポーズを変えるにはその下にある右または左の矢印カーソルをクリックして変更していく。そのすべてのポーズを確認した動画が以下である。音声はカットしている。

 

動画で確認したところ、立ちが20、座りが21、寝ころぶが11、その他が14種類あることが判明した。全数は66種類である。任意のポーズタイプを選択してから矢印カーソルを変更することでしか変更ができず、欲しいポーズをダイレクトに選択できないという制約こそあるが、現時点ではこれだけでも十分であると言える。今後はVRMで任意のポーズを取らせることのできるソフトウェアと同様な機能が追加されることも予想される。

なお、固定のポーズを取らせている間はVSeeFaceからのモーション受信を一時的に遮断する。その際の口や目の動きは反映された状態で固定されるので、場合によっては口が開いたまま、目が半開きのままということもあり得る。これを避けたい場合、タイミングを見計らってセットするといい。ポーズを解除+受信再開には「モーション受信再開」をクリックすることで有効になる。また、ポーズ情報をOSC/VMCプロトコルを使用して外部へ送信することもできる。このときのデフォルトは39540となっていて、任意の番号に変更できる。この機能を使う先については不明だが、覚えておいて損はない。

F2でどこでもマイクが出せる

キーボード”F2″はマイクの表示/非表示を行うものである。マイクの用途は基本、歌う場合に使う。歌う場合にはそれ用の部屋があるのでそっちの方が使われやすいが、当然にその場で歌いたくなったり、声にエフェクトをかけたいと考える場合にはマイクがあった方がなんとなく見栄えもいいはずだ。その場合はF2でマイクを出し、或いは消すことができる。この操作はサブメニューからも行える。マイクは原則としてモデルの正面に現れるようになっている。

サブメニューではマイクの位置と高さを調整できる。位置は前後左右のみで、マイクスタンド自体を浮かすことはできない。高さはマイクの伸びる部分を伸ばす感覚である。これでいい感じの位置にマイクを配置すれば即席のライブスタジオの完成である。ちなみに、標準でマイクが置いてある部屋についてはF2でマイクを消す動作になる。もう一度F2で出すことができる。VRoomでダンスする場合には使えるはずだ。

VRoomで動画を流せる「どこでもモニター」

VR-SNSの多くは、VR空間内でも動画を流せるシステムが構築されている。VRoomでも同じことができ、これは「どこでもモニター」として実装されている。サブメニューから「モニターON/OFF」で表示できる。画面については次の白い画面が所定の位置に表示され、これを移動・方向調整して大きさも変更することで使用できるようになる。

どこでもモニターの例
どこでもモニターの例。ショートカットキーは登録されていない。基本はサブメニューから制御する。位置・大きさ・流す対象もここから。

この機能で再生可能なものは、確認した限りではローカルファイルまたはインターネット上の拡張子mp4の動画ファイルに限定されており、それ以外の拡張子やYouTube, ニコニコ動画にある動画を流すということはできなかった。安全上、インターネット上のmp4を直接実行するのは殆ど不可能で、基本的にはローカルファイル再生のために使用することになるはずだ。また、シークバーと音量調整はなく、途中からの再生もできない。StopまたはモニターOFFで再生を終了するようになっており、その場合は最初からの再生になる。このことから、あくまでも最低限の機能のみ備わっているようである。

とはいえVRoom内で動画を流すことはあまりないであろう。曲を流して歌う場合はOBSで制御できるからで、では一体何を流すかということになる。それはVRoomを使って何をするかによって変わるので、ここでは省略する。

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背景を変えて雰囲気を変える

一部の部屋には外が見える窓がある。その背景についてはあまり気にしない人が多いと思われる。主役はあくまでもそこに表示したモデルだからだ。その背景をちょっと変えられる機能もVRoomに搭載されている。これはプリセットから選択するのみであり、Ver0.9.5では4種類存在する。そのすべての背景が以下である。

背景変更(全4種類)
窓が見える位置で背景を確認したもの。この4種類が使用できる。流れ星はどの背景でも流れる仕様になっている。

殆どの部屋の初期位置では窓は見えず、見えるのは”My Room”の時である。ここに窓が見える位置にカメラとモデルを持っていき、そこで撮影している。スピーカーがあるので、歌うにはちょうどいいポジションではある。背景に関してはほぼお好みという感じであり、或いは時間帯によって変えてみるのもいいだろう。現実世界で夜なら夜の背景にすると、案外似合うかもしれない。

ちなみに、部屋ごとにデフォルトの背景は異なるようで、例えば”Particle Stage”では惑星がデフォルトに設定されている。もちろん変更も可能である。今後の更新で、この背景が任意の画像に置き換えられる機能も追加されると予想している。そうなった場合、より広い見せ方もできるようになるであろう。

VFXとライトの変更でちょっとした演出が可能

ファンクションキーのうちF3~F9にVFX制御、F10~F12にライト制御、(JPキーボードで)'[‘と’]’が部屋の明るさを上げる/下げる、’P’にカメラエフェクトのON/OFFが割り当てられている。VFXおよびライト制御はデフォルトでOFF、部屋の明るさは最低限(それ以上下げられない状態)、カメラエフェクトはONになっている。実験として、それらがどのように作用するかを以下の1つの動画にまとめた。音声はもちろんカットしている。

 

右は「どのキーを押したか」を視覚的にわかるように編集で追加したものである。なお、対応表は各自で確認してもらいたい。カメラエフェクトはデフォルトでONで、カメラで撮っているような感じのエフェクトを付与するものであるようだ。部屋の明るさは上限が存在しないようで、無限に明るくすることができる。とはいえ明るくしすぎると何も見えなくなるので一定以上は意味がない。少し見辛いと感じる場合には調整するといい。上下ライトはライブ向き、太陽光は窓のある部屋向きである。

VFXは単体でも、複数のエフェクトを同時に使用することもでき、6種類同時も可能である。ただし、スモーク、オーブ、雪は発生までタイムラグがある。全てのエフェクトを同時に使用するのは流石に画面がうるさくなってしまうのであまりしないであろう、使っても2種類前後であるはずだ。これらのエフェクトは終了する場合も同じキーを押せば終了する。全てのエフェクトを終了したい場合はF3で全て終了できる。ごちゃごちゃになったり負荷が高くなった場合にはF3で止めて、状況を落ち着かせるといい。

これらのエフェクトは総じて歌う場合に使うことが多いなるであろう。余裕があるときにこれを使用して、演出してみると面白くなるはずだ。

余談:舞台裏を見る

VRoomの部屋はどのような構造になっているのか気になった。ということで、カメラを可能な限りズームアウトして、外側から部屋を見るようにしてみた。すると、部屋はこのような形で生成されていることが分かったのである。

部屋の構造
部屋の構造の例。背景が置かれた3D空間の中に部屋を描写し、その中にモデルや小物を配置しているという構図であると分かった。

ここで気付くのが、後ろから見た場合の背景がちゃんと変わっていることである。このことから推測されるに、背景画像を円柱に変形し、その中に3Dの構造物とモデルを配置しているということである。とはいえこれは素人の推測なので、間違っている可能性もあるが。

以上で、VRoomの解説・検証を終了する。負荷については検証していないが、検証機のスペックで適切な設定であれば、問題ないはずである。

ちょっと3Dで見せたい時、VRoomの出番だ

単にVTuberと言っても、何をするかはそれぞれ異なる。ただ、個人的には従来のYouTuberと比較して、その自由度はかなり高いものであると考えている。また、VTuberだからと言って「本体」を非表示にしなければならないという制限は、表向きには存在するが実際には一切の制限がないので、やってもいいことである。このことはうーちゃんが証明している。もっとも、元々大道芸人として動画を普通に出していたため、ということもあるが。

多くのVTuberは3Dモデルを持つ。これは所謂メタバースでの活動に絶対的に必要になるためで、一意性の観点からとりあえずでも作っていることが多い。配信ないし動画制作の際はこれをどこかに表示しているが、いくら3Dモデルであっても画面はどうしても平面的になってしまう。これは仕様上、仕方ないことでもある。

だがVRoomなら、3D空間を生成してそこにモデルを置くことで、疑似的ながらVRでやっているようにも見える。もちろん完全なものではないが、普通にやるよりも3Dの特性を上手く活かせているはずだ。歌うなり踊るなり、或いは単純な雑談でもいい。負荷の観点からゲームは流石に同時には難しいが、普段よりもいい感じになることは間違いない。

ちなみに、うーちゃんがVRoomを使って何度か配信を行ったので、そのリンクをしておく。VRoomのバージョンは古いものの、参考資料にはなるはずだ。

 

以上、”VRoom”使ってみた!~VTuberの強い味方~、であった。次は何の記事で会おうかな?

 

KIBEKIN at 00:12 Sept. 6th, 2022


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KIBEKIN
会社員という働き方が合わないのに会社員になってしまってから、半ば自分からリタイア後ブログクリエイターとなり活動してきた社会不適合者。VRやVTuberに触れる機会が増え、今後はリスペクトだけではなく自分を作る意味を込め、VTuberならぬVBlogCreator"KIBEKIN"として新しいスタートを切る。

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