【どの言語も読める】TwiChaDash使ってみた!~そのコメント、翻訳しよう~ | Kibekin BLOG.

【どの言語も読める】TwiChaDash使ってみた!~そのコメント、翻訳しよう~

この記事の概要を簡単まとめ!

  • 配信には欠かせないツールを制作するNao氏
  • 代表作のゆかコネ以外にも多数のツールを開発し、多方面で利用されている
  • 配信中のコメントが母国語以外であると意思疎通に苦労する問題
  • コメントを翻訳し、自分のコメントも翻訳して打ちこめるのがTwiChaDash
  • 指定したユーザーのチャット欄について翻訳と翻訳後のコメント送信が行える
  • 置き換えや読み上げにも対応しており、多数の連携機能も存在
  • 配信を「見る側」がメインのツールであるが配信者でも使える
  • 使用感:特に重く感じることはなく、邪魔にならない
  • 海外配信を見るための強い味方、モデレーターにもおすすめ

私は過去、VTuberに対して否定的だった。それは今から19カ月程前、死のコロナウイルス情勢の拡大で従来型メディアの有名人が次々とYouTubeに参入した結果、YouTuberとVTuberは淘汰され、オワコンが加速するだろうと断言した記事だ。その時点の私は、反V主義でもあった。では19カ月後の今はどうかと言えば、VTuber全体、かつてない盛り上がりを見せている。さらに驚くべきは、clea氏の存在である。過去の私にclea氏と交流が深いと伝えれば、きっと心肺停止するくらいの衝撃になるはずだ。

配信においての面倒事は多い。配信準備、配信中の問題対応、コメントや治安、配信後の後処理。それらの面倒事を解決するために様々なツールが順次開発・更新されている。しかし配信は観てくれる人がいて初めて成り立つもの。そのためリスナーへの配慮も欠かせないが、リスナー補助を目的とするツールというのは、実際少ないものである。多くの人が使用しているものも、殆どが配信者の補助のためのものになっている。

配信における「母国語以外のコメント」というのは、突然来ると配信者はもちろんリスナーでも翻訳作業を挟む結果、対応が遅れるというのはよくあることだ。特にモデレーターを担当している場合、これは厄介なことでもある。配信において不審な行動をされれば即対応するのが理想だが、言語問題によって対応できなかったら、それはそれで問題である。そこでNao氏が制作したツールが、コメントを中心に翻訳を行うツール、TwiChaDashだ。名前からしてTwitch想定なそれは、果たしてリスナーにどんなプラス効果をもたらすのだろうか。実際に使用して、確かめることにした。

ブンブンハロー何でも読めるコメント翻訳ツール、どうもKIBEKINです。

配信を支える配信ツール

配信には欠かせないツールを制作するNao氏

世の中は様々なソフトウェア・ツールで溢れている。それらの1つにも世話にならずに生活することは不可能な時代である。同時にそれらのツールのおかげで様々な面倒事を省略し、快適に生活することや活動することができている。ツールは企業が制作したものは殆どが有料で販売され、個人の場合は無料で配布されているものが多く、内容によっては一部機能を有料化ないしライセンス制またはサブスクリプションにして販売しているものもある。その場合の配布先はboothやfanboxなどの制作物や活動に対するサブスクリプション機能が対応しているプラットフォームになる。

静岡福祉大学太田研究室1)2022年3月に太田教授は退職したため、研究室自体は閉鎖されることとなった。研究そのものは残存するメンバーで続行される。 参照:まあちゃんバザール | UD Caption Tool トップページの最下段にある。で行われた研究成果を大学の外=一般向けに公開しているページ『まあちゃんバザール』。そこでは音声認識をメインとした様々なツールを提供している。そのツールを主に制作しているのが、同研究室所属の非常勤講師のNao氏である。『まあちゃんバザール』で確認できるだけでも、これまでに10のツール2つのタイプのプラグインを制作したことが確認できる。

Nao氏制作のツールで最も注目されているものといえば、ゆかりねっとコネクターだ。だが登場当初から使われていたわけではない。寧ろ当時はあまり注目されていなかったであろうそれは、VTuberであるclea氏が2020年12月9日に「ゆかりねっとコネクター」多言語字幕アンバサダーに就任したことをきっかけに、clea氏の活動とNao氏の継続した改良とサポートによってユーザー数を伸ばしていき、2022年3月でめでたく3周年目に突入した。現在のメインはゆかりねっとコネクターNEOに移行しており、同時にclea氏を公式ガイドに役職変更、新たに8名のアンバサダー就任によってよりゆかコネ/ゆかNEOの宣伝体制が強化された。それ以降は、やはり急激にとはいかないものの確かにゆかNEOを使用するユーザーが増えている。私の場合は非公式活動だが、ゆかNEOの解説記事と身近な人への使用提案などで、使用者が少しでも増えるように努めている。



配信中のコメントが母国語以外であると意思疎通に苦労する問題

ところで、配信中または誰かの配信を観ている時に、自分が最も使用できる言語、つまり母国語以外のコメントが来て、少し戸惑ったことがある人は多いはずだ。そのうち最も多いパターンは英語コメントだ。その次にアジア圏、ヨーロッパ、その他の地域の言語になると思われる。これは配信地域が近いという物理的距離も考慮に入りやすい。

戸惑う理由は簡単で、母国語ではないからだ。通常、人が話す言語は無意識に出身地の言語を使用するわけで、それ以外の言語についてはネイティブと会話して違和感と言葉詰まりがないくらいに修得していないと、即座に切り替えて使うことが非常に難しい。それは文字ベースの場合でも殆ど同じことで、口語と文語でそれぞれ表現方法や文法が違い、加えて略語に関する知識も身に付けておく必要があるわけだ。場合によっては文化的背景や地方による表現の違いも修得する。しかし多くの人にとって言語修得は容易ではないことだ。殆どの人は仕事や趣味と並行して勉強するということは難しく、一生をかけても難しいことでもある。それで本来やるべきことが進まなくなってしまうのは本末転倒になってしまう。

だからといってそれに対応しないのもナンセンスだ。コメントしたユーザーが荒らしや違法行為を目的としたものではない、普通のユーザーであるなら何かしらの反応を返したいところである。何故ならそのユーザーは、将来的にリスナーになる可能性があるからだ。この場合は配信者自身が何か反応を返すか、周りの観ている人が反応を返すかのどちらかであるが、配信者が忙しい状況に置かれていると反応できなかったり気付けないことも多いので、その場合は周りの人が助けられると理想的だ。だが、翻訳サイトを開きながら観ているという用意周到な人は少ないであろうし、デバイスがスマートフォンからの場合は余計に難しい。そして一番問題となるのがリアルタイム性だ。これはどこに行っても切り離せない問題であり、「そのコメント」が反映されるまでに配信や周りの話は進んでいて、置いていかれるということも少なくない。配信者もリスナーも悩ませる問題、5Gが登場してもなおこれは解決の糸口が掴めないようだ。

ツールの力でリアルタイム翻訳でコメントを読んで打ち込む

だが、こういう時はNao氏のツールの力を借りれば大半が解決できるものである。様々なことを想定してツールを制作しているNao氏は、配信中に投稿されるコメントの翻訳と指定言語に翻訳しコメント欄に投稿する機能を持つ、コメント欄特化のツールも制作していたのである。しかもそれは、配信者はもちろんリスナーが使用することもできるものである。

そのツールの名はTwiChaDashである。名前からして海外勢が多いTwitchでの使用を想定しているツールであるが、その名前に反してYouTube(Live)でも使用可能である。配信内容と活動実績によっては、どのプラットフォームでもリスナーの国籍と使用言語は全く縛られていないものと考えてよく、その実例はclea氏の活動だ。YouTubeでもTwitchでも様々な地域のリスナーが居て、それぞれは各国の言語でコメントを送信していることを確認できる。一部は日本語の勉強も兼ねて日本語で送信している人もいるようだ。だがそうであってもつい興奮して、彼らにとっての「母国語」が出てしまうことはあり得る。そんな状況が発生したとしても、普段通りにコメント欄を見て、それが配信者自身なら(ゆかコネ/ゆかNEOの翻訳字幕で)反応を返したり、リスナーなら外部ブラウザの翻訳サイト・ツールを経由せずともそこに打ち込むだけで翻訳されたコメントを直接送信できるような設計になっている。

ということで次項よりTwiChaDash(以下TCD)を詳しく見ていき、このツールの構成はどうなっているか、実際に使ってみてどうかという部分を中心に取り上げていく。配信者中心のツールが多い中で存在する、リスナーが使うのにも適しているツールは、果たしてどこまで配信を行う、または視聴するのに貢献してくれるのであろうか。




TwiChaDash使ってみた!

基本:まあちゃんバザールのダウンロードページ確認

ゆかNEOは最も需要があり様々な地域・タイプのユーザーが使用している関係から、更新頻度が非常に高い。だからと言ってそれ以外のツールの更新頻度が低いというわけではない。TCDのダウンロードページを確認すると、確認時点では安定版がv2.0a59, 開発版がv2.0a63となっている。過去のバージョンを見てみると数字+半角英字1文字と、場合によってはその後ろに細かいバージョンの数字が付属するようにバージョンが割り振られている。このことから更新頻度は割と高いようで、需要があることが分かる。

TCD(というより、Nao氏の制作するツール全体)はWindows OSのみの想定としているが、未だに32bitOSのPCも少なくないため、32bit版も存在する。とはいえ特別な事情がない限り64bitであろう。よって64bit版を前提として解説を行う。ちなみにインストーラについては、zipファイルの中にインストーラが入っている「二重包装」の状態でアップロードされている。よってダウンロード容量は比較的大きいものとなるので、回線速度が早く、リアルタイム接続が必要な作業をしていないタイミングでダウンロードし、インストールしておくこと。インストール手順については既に分かっているものとして、ここでは省略する。

なお、相変わらずWindowsはガバガバで、インストールしようとするとWindows Defenderの誤認識によってインストール前の警告が表示される。それは当然無視して、表示されているウィンドウの「詳細」を開いてその下の「実行」をクリックすればインストールを進めることができる。

TCD初期画面と使用のための準備

ガバガバWindowsを制してインストールが完了したら、デスクトップに作成されたアイコンまたはスタートメニューから”TwiChaDash(日本語版)”を起動する。インストールの時点で自動で英語とスペイン語(español)も同時にインストールされるようで、デスクトップにはOSが使用中の言語のみ、スタートには全ての言語が表示される仕組みとなっている。別に日本語以外でもいいが、解説の関係上日本語版を使用する。初めて起動したときの画面が以下である。

TCD初回起動
TCDを初回起動したときの画面。ゆかりねっとコネクターに準拠した構成である。最初にチャットが開かれており、上メニューの”Connect”(接続)が点滅している。

もちろん初回起動した状態では何も設定されておらず、このままでは使えない。そのため、まずはTCDが使えるようになるための準備を行う。設定手順についてはまあちゃんバザールのTCDの紹介ページに簡易的に書かれているため、これを参考に行う。

準備1:接続先を指定し、接続のための準備を行う

まずは左のメニュー欄から「接続設定」を開き、どこのプラットフォームに接続するかを選択する。v2.0a63時点で選択できるプラットフォームは以下である。

  • Twitch
  • YouTube Live
  • マルチプラットフォーム
  • マルチコメントビューア経由
  • Discord
  • Mildom

ここで、マルチプラットフォームは文字通り複数のプラットフォームに同時接続し、マルチコメントビューアはRyu氏制作のツール(Nao氏とは別の人物のもの)2)配布先のホームページは非常に簡素なものである。リンク先:コメビュとかツールとか – であり、それと連携するものである。ただし今回はこれ単独でTwitchとYouTube Liveに接続するので、それぞれの接続方法について解説する。

準備2-1:接続するプラットフォームに合わせた接続設定(Twitch)

対象となるプラットフォームの接続設定は、嬉しいことにTwitchとYouTube Liveのそれぞれで設定が保存できるようになっている。ただし設定を行うには、「プラットフォームの選択」のプルダウンメニューから指定のプラットフォームを選択しておかないと内容を編集することができないため、編集にあたってはそれぞれのプラットフォームにして編集しなければならない。



Twitchの場合、次の項目がある。TCDの紹介ページを参考に、以下のように設定を行っていく。

  • あなたのユーザID:自分のアカウントのIDを入力する。単純にIDのみでOK。
  • パス:oauthから始まる文字列を入力する。下の「パス取得」をクリックするとブラウザに移行する。そこで生成できるoauthのパスを貼りつけることで完了となる。
    • 「パスを取得」をクリックしてブラウザに表示されたページの”Connect”をクリックすると、トークンジェネレータにTwitchアクセスの色々を許可するかどうかのページになる。許可するとトークンが表示されるので、それをそのままコピペすればいい。
  • 視聴したいチャネルのID、URL:視聴したいユーザーのIDを入力する、またはそのチャンネルのURLをそのまま入力する。URLを入力した場合、自動でIDに変換される。
  • なるべく新しいエモート表示を利用:標準でチェックが入っている。何の効果があるかは不明。
  • 新たな参加者やフォロー者などを通知する:標準でチェックが入っていない。新規ユーザーの初コメントやフォローした場合にそれを通知する機能である。
TCD Twitch接続セッティング
Twitchに接続するための設定の手順。パスを取得する作業が必要であるが、これはTCDに内蔵されたリンクから取得できる。確実に必要なのは自分のIDのみだ。

画像では例としてclea氏のTwitchのチャンネルを指定したが、これを自分のチャンネルにする場合は「あなたのユーザID」と同じにする。この状態で上のメニュー欄にある”Connect”(ケーブルを繋げるアイコン)をクリックすることで、Twitchに接続され、自動でチャットに移動する。その状態で実際に配信を行い、コメントが送信されれば自動でコメントが読み込まれ、通常のコメントに加えて指定された言語によって翻訳された文が同時に表示される仕組みとなっている。また、接続を解除するには”Connect”の右の”Disconnect”(ケーブルを外すアイコン)で解除できるようになっている。これらの詳細は次項以降解説する。

準備2-2:接続するプラットフォームに合わせた接続設定(YouTube)

もう1つ、YouTubeの場合は次の項目がある。なお、TCD紹介ページには設定方法は載っていなかった。

  • 通信選択:プルダウンメニューで次から選べる。
    • 受信のみ:投稿されたコメント欄を受信し、翻訳だけを行う。
    • 書き込みあり(個人で取得したAPIキーが必要):TCDから書き込みもできるようにする。APIキーは個人で取得する必要があるため、設定が面倒。取得は下にある「キー取得」で行えるが、その手順が面倒であり、書き込みを行わないなら無理に使う必要はない。
    • 受信のみ(Web経由):Web経由で受信するルートに変更する。それ以外は変わらない。
  • あなたの名前(表示用):表示用の名前を設定する。
  • 視聴したいチャネルのID、URL:これは配信中のURLをコピペした方が早い
YouTube接続設定
YouTubeに接続するための参考画面。パスを取得する作業が必要で、これはTwitchよりも厳格で設定が面倒である。書き込みを考えないのであれば、ここは無理する必要はない。

YouTubeに関しては書き込みにはGoogle OAuth2でキーを取得する必要があるが、この手順が面倒なものであった。Google Cloud Platformで設定しなければならないようで、それが複雑で、おそらく金がかかるものであると思われる。そこまで手間がかかるのであれば書き込み(コメント送信)についてはあまり無理をする必要はなく、コメントを受信するだけの設定で問題ないであろう。どうしても翻訳投稿が必要なら、リアルタイム性は失われるがブラウザの翻訳サービスを利用することで間に合うからだ。

TwitchでもYouTubeでも、上記で設定が完了する。

接続して自動翻訳を行う

ここまで完了すれば、どちらの場合でも”Connect”を接続することで、指定したユーザーのコメント欄にアクセスする。実際の起動中の例が以下になる。今回は検証中にちょうど配信中だった、”伝説の男”トロオドンのリアル友人である蟹パン先生(@kanipan1008)を例として使用する。

TCDのTwitchの実際の動作
Twitchでたまたま配信していた蟹パン先生を対象に、TCDを実際に使用したもの。このように本文+翻訳が左に、左下に翻訳もできるテキスト入力場所、右上がユーザー情報、右下が自由記述欄と投票の時に使える機能である。

接続中はリアルタイムで投稿されたコメントを順次読み込み、それを翻訳していく。その下には使用された絵文字も表示される。なお、翻訳言語指定は左下の下側入力欄(翻訳結果または母国語への再変換)の下にあるプルダウンメニューから選択できる。この部分を変更することで、別の言語で翻訳されるようになる。ただし、複数の言語を選択することは不可能である。とはいえ大半の配信で使用されているものは英語なので基本は英語で問題なく、視聴先のメイン言語が判明しているならあらかじめその言語に合わせておけば、コメントが読めないという事態は発生しないはずだ。

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またYouTubeの場合についても検証した。YouTubeでの配信は周りにはclea氏しかいないので、clea氏の配信を対象に行った。これも検証中にちょうどレゴ®スターウォーズでエピソードIIIを配信していたので、その配信のURLをYouTube Liveの設定の「視聴したいチャネルのID、URL」に入力して実際にそのコメントを受信し、どのようになるのかを検証した。

YouTubeの実際の動作
clea氏のYouTubeの配信を対象に、TCDを実際に使用したもの。Twitchと変わるのが絵文字表示とアイコン表示である。絵文字が表示されない分、YouTube(Google)で登録されているアイコンが表示されるようになっている。

YouTubeとTwitchでは表示される内容は一部異なっており、Twitchでは絵文字が、YouTubeでは投稿者アイコンが表示される。と言っても殆ど同じため、TCDなら配信プラットフォームを気にすることなく使用することができることが分かる。なお、ユーザー一覧の上にあるメニューについては、通常運用であれば使うことはあまりないためここでは割愛する。

補足:TCDの右上側メニューの機能について

ところでTCDの右上には、アイコンがある。これらはTCDを使用する上で必要な機能が入っている。その機能が以下である。

  • Connect(ケーブルを繋げる):設定したチャンネルに接続する。接続済みだとクリックできない。
  • Disconnect(ケーブルを外す):接続を解除する。解除済みだとクリックできない。
  • Clear Log(箒):チャット画面の結果を全て消去する。
  • Auto Scroll(下矢印):画面がいっぱいになった場合自動でスクロールする。どんな場合でも一番下まで強制スクロールするため、ログを追いたい場合はこれを一旦オフにする必要がある。
  • Regular Expressions(試験管):正規表現の設定を行う。後述。
  • Swap(左右矢印):コメント欄とユーザー一覧の位置を入れ替える。「チャット」でのみ有効。

基本はConnectとDisconnectで、ログを追う場合にAuto Scrollを解除するという使い方になるであろう。Swapは好みによる。正規表現については、設定画面が開き、次のようになっている。

TCD正規表現設定画面
TCDの正規表現の設定。特定のコメントが入力されたときに置換するように設定を行うことができ、それのテストも行うことができる。

正規表現を使用するタイミングとしては、Twitchのbotコマンドであろう。botコマンドは配信者自身が設定するもので、これを実装することで配信に様々な効果を与えることができる。ただ、このあたりについては必要に応じて各自で設定するものとなり、私の場合は試せるものがないのでここは割愛する。テストは可能なため、正規表現の方法を参照しながら行うことでこの機能も使用できるはずだ。

TwiChaDashの余談

対応する連携機能について

TCDでは対応する連携機能がいくつかある。その内容については左メニュー一覧の「連携ツール」から確認できる。

TCD連携ツールの内容
TCDが対応する連携ツールの一覧。これらのツールの使い方についてはDiscordのサポートに相談するといい。

まあちゃんバザールにはこれらに関する詳細なリファレンスは存在しないが、ゆかNEOと同様、これについてもDiscordでサポートを受け付けている。また、VRデバイスを使用時にそのチャット画面をオーバーレイする機能やDiscordへの転送、HTTP経由の通信を可能にするものなど、ツールは多岐にわたる。TCDはPython(2系)をサポートしており、カスタムAPPで独自機能を付与することができる。これについてはカスタムAPPの解説ページをベースにPythonのリファレンスを読みながら作れば、難しいことなく作ることができるようになっている。この部分は実際に触ってみた方がわかりやすいであろう。

音声認識に対応するTCD

Nao氏制作のツールは多くが音声認識対応のツールとなっている。TCDでも音声認識は有効で、同時に読み上げツールとの併用にも対応している。音声認識に関しては、Nao氏制作ツールの基本となる「まあちゃん」を経由する必要がある。が、音声認識した後の動作を決めることができ、認識した結果をそのまま送信または翻訳して送信する、入力欄に入力する、チャットログに表示する(送信しない)といった動作を規定できる。これは配信者にとって便利な機能になる。



また、読み上げについてもサポートしている。この部分は読み上げを行うツールの指定と読み上げの方法についても割と詳細に決定できるものとなっている。対応する読み上げソフトウェアは棒読みちゃん・Text to Speech(TTS)・CoeFontで、読み上げの方法はどのソフトウェアを使うか、読み上げ方の設定、文章の加工を行うかどうか、である。また、フィルタによって一括置換の設定や特定フレーズの場合に読み上げをしないといったことも設定することができる。このあたりについては実際に見てもらった方が早い。

TCDの音声設定
TCDの音声の設定。音声入力にはまあちゃんを利用する必要があることに注意。読み上げ手段にはよく使われているソフトウェアに対応している。読み上げ方法も割と細かく決められる。

翻訳設定について

左メニューの「翻訳設定」から、翻訳に関する設定を変えることができる。この翻訳設定はNao氏制作の他のツールと殆ど同じ仕様である。見た目にはゆかコネと同じだ。また、翻訳エンジンには以下のものがある。なお、Google翻訳ライブラリ、DeepL Free以外は有料になっている。

  • Google翻訳ライブラリ(標準のもので無料。ほぼテスト用)
  • Google翻訳システム(個人契約。無料のものとは別である)
  • Microsoft翻訳システム(個人契約)
  • DeepL Pro翻訳システム(個人契約)
  • DeepL Free翻訳システム(個人契約 月50万まで無料)
  • IBM Watson翻訳システム(個人契約)
  • Papago翻訳システム(個人契約)
  • ゆかりねっとコネクターNEO経由
  • 翻訳なし

これらの設定が、第1翻訳システム、第2翻訳システムの両方で選択できる。ところでTCDを使用している人は多くがゆかNEOを利用していることであろう。その場合、支援プランを利用して有料APIで翻訳している人も多い。その場合は新規に翻訳APIを契約するのではなく、ゆかNEOのものを共有できるように「ゆかりねっとコネクターNEO経由」が存在する。これを利用することで、API契約を重複させることなく翻訳を適用できるようになる。

ただしこれについては、ゆかNEOであらかじめ支援プランを導入しておく必要があるのか、私の場合で第1翻訳システムをゆかNEO経由にして、ゆかNEOを起動した状態でも正しく翻訳されることはなかった。また、TCD側には翻訳をゆかNEOから受信するような設定項目、ゆかNEO(v1.936)側にはTCDに翻訳を送信するような設定項目がないため、この部分については検証することがどうしてもできなかった。そのためこの部分についてはDiscordのサポートに聞いた方が早い。私は開発者ではないからである。

これで、TwiChaDashの解説を完了する。使用感は、特に重くなく、邪魔にならないものであった。

海外配信を見るための強い味方、モデレーターにもおすすめ

ゆかコネ、ゆかNEOと始まったNao氏制作ツール解説。最近の動画制作ないし配信における字幕の重要性から注目され、多くの人に使われるようになったそれは、主体はあくまでも動画制作者ないし配信者である。リスナーにとっても最近は母国語以外の配信を観に行くことや、いつも見ている母国語の配信で母国語以外のコメントが来るということは普通になっている。その際にもやはり、言語の壁はそれらとコミュニケーションを取る上での問題として立ちはだかるものとなっていた。

しかしその壁を壊し、リスナー側のコミュニケーションも容易にすることができるツールがTwiChaDashだった。通常通り配信画面を見るついで、TCDを裏で走らせておけば、いきなり母国語以外のコメントが来ても大丈夫になり、母国語以外の配信を見に行くのであればこれでコメントを翻訳して、ブラウザで翻訳する手間を省くことができる。もっとも母国語以外の配信を完璧に観るには、配信者がゆかコネ系列の字幕表示をしているのでもなければ、どうにかして音声を翻訳するように設定を変更するなどは必要であるが。

ところでTwitchでは配信中、自身が忙しい場合に治安維持を信頼できるリスナーに任せることのできる、モデレーターを設定できる。どういうわけか”伝説の男”トロオドンのモデレーターにもなっているのだが、基本的に荒しは来ないため普段は平和だ。傾向としては30日中に1回の確率で荒らしが発生するのだが、その大体は母国語以外のコメントである。わかりやすいフォロースパムはともかく、母国語以外でいきなり罵倒してくることもあった。それも感覚的に攻撃だと判別できるが、しかし一部は内容を精査しないと「普通に見えて罵倒している」こともある。そんな時にこれを使えば、翻訳によって内容を(完全ではないにしろ)読むことができ、それで対応することができるようになる。そう考えると、TwiChaDashはモデレーターにもおすすめだ。ツール名がそもそもTwitchで使用するのを想定したような名前なので、相性がいいのは当たり前なのだろう。とにかく、これは導入しておいて損のないツールであると言える。

 

以上、TwiChaDash使ってみた!~そのコメント、翻訳しよう~であった。それでは、次回の記事で会おう。ン、バァーイ!

 

KIBEKIN at 00:03 May 11th, 2022


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脚注

脚注
本文へ1 2022年3月に太田教授は退職したため、研究室自体は閉鎖されることとなった。研究そのものは残存するメンバーで続行される。 参照:まあちゃんバザール | UD Caption Tool トップページの最下段にある。
本文へ2 配布先のホームページは非常に簡素なものである。リンク先:コメビュとかツールとか –
KIBEKIN
会社員という働き方が合わないのに会社員になってしまってから、半ば自分からリタイア後ブログクリエイターとなり活動してきた社会不適合者。VRやVTuberに触れる機会が増え、今後はリスペクトだけではなく自分を作る意味を込め、VTuberならぬVBlogCreator"KIBEKIN"として新しいスタートを切る。


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