【外見より中身だ】中古PC買い方指南~リンクス岐部流の選び方~

この記事の概要を簡単まとめ!

  • 世界中のPCは常に「更新」され続けている
  • 新しいPCを購入したら古いPCは売られる
  • 法人向けPCも中古PCとして売られる
  • 中古PCは性能価格販売者(出品者)状態で選べ
  • 傷や汚れだけでランクが下げられているものは狙い目
  • 法人向けPCは意外な「掘り出し物」がある
  • バッテリーは諦めろ、ACアダプターは新しいものを一応確保しろ
  • 最後は「自分の求める基準」に達するものを買え

実は、ある記事を書いている途中で検証できなくなる事態が発生してしまった。それは1週間程度の「メンテナンス」であるという。既にその情報は出回っていたため、記事を書くための情報収集はある程度行っておいたものの、正直書くには難しい状況になってしまった。こんなことが起きるのは、ネタ作成型クリエイターあるあるだ。予定は常に未定である。

なのでPCの話をしよう。この前は大学生協PCのクソ高い価格に対してツッコミを入れた。その時中古PCについて触れたが、あくまで提案の1つに終わった。中古PCの紹介をするわけではないので、そこで詳細を語るのは相応しくないと思ったためである。果たしてどれくらいの人が、生協PCを買っていくのだろうか。或いは買わずに他のPCを買っていくのだろうか。気になるところではあるが。

それはともかく、私が使ってきた自分専用PCは全て中古であり、法人向けであった。現在はHP EliteBook 8570wで3代目である。初代は富士通 FMV-R8250、2代目はHP EliteBook 8440pと、どれも癖のあるPCだった。性能も極端で、初代はC2D/RAM 4GB, 2代目はi5(初期のモバイル用)/RAM 8GB, そして3代目はi7(3th Gen)/RAM 24GBと、段階を踏んで向上していった。最初は中古PCの選び方がわからなかった私だが、3つの中古PC購入と運用を経て、どのように選ぶべきかがわかってきたのである。

そこで今回は、中古PCの買い方について指南する。ECサイトをはじめとしたオークション・フリマサイトでも売られている中古PC、その性質上当たりはずれが大きいアイテムになりやすい。そこでリンクス岐部流の選び方を身に着けて、中古PCの当たりはずれを見分けられるようになれば、もっと快適なPCライフを送れることであろう。

PCと世界

PCは常に「更新」され続けている

PC/AT互換機, 一般にPCと呼ばれるそれは、今や当たり前の存在である。PCという言葉自体は、既にPC/ATのことではなく一般家庭ないし企業や組織に普及している「パソコン」のことを示す。最新技術導入を渋る、IoT大幅周回遅れ無能国家ジャップ以外は、仕事はPCでするのが当たり前であり、これがないと仕事にならないのは言うまでもない。伝統工芸や職人の仕事も、PCを利用して事業を展開することがだいぶ浸透してきており、柔軟な変化をしているようである。

それほどまでに生活必需品となったPCである。そしてPCでできることは理論上、制限がない。普通の使い方は勿論、サーバーを動かすことも、クリエイティブな作業もでき、或いは世界のパワーバランスを変えることすらできてしまう。ただし、これらはそれぞれの用途に特化/チューニングされたPCをパーツ単位で揃えて運用することが多い。そのため「万能」なPCは、細分化して考えれば存在しないことになる。それができたら世界の支配者になれるだろう。



もっとも言いすぎると本題から逸れるためこれくらいにしておくが、一般生活におけるPCとは大きく分けて個人用か仕事用かである。ここでは個人用について考える。個人用の場合、何に使うかによって求めるPCは変わってくる。例えば、Word/Excel/PowerPointなどの一般事務程度にしか使わない場合は性能より携帯性や薄さ・軽さなどのハード面で選び、そこに動画視聴などをする場合は性能も考慮し、グラフィック系の作業を行う場合はCG系に強いCPU専用の内蔵GPU搭載、或いはMacを使用する。ここまではラップトップ(ノートPC)で纏まる範囲だ。ゲーム用途の場合、プレイするゲームによるが多くの場合、パーツの関係からデスクトップPCで構成される。ゲーミングラップトップもあるが、これはあまり使われない。

このように様々な用途に使われるPC、デスクトップPCは各種パーツが、ラップトップはメーカーの製品自体がそれぞれ、常に「更新」され続けている。それは新しいPCやパーツが販売されたかと思えば、すぐに新しい製品についての情報が流れてくるといったレベルである。そのため、新しいモデルが販売開始された1秒後には、そのモデルは既に型落ちになっていると言っても過言ではない。ゲーミングラップトップについてはこれが顕著で、しかも性能はデスクトップの80%程度であることが多く、買うものではない。

新しいPCを購入したら古いPCは売られる

PCは家電量販店を見ても、PC専門店を見ても、或いはインターネットで検索しても、どこにでも売っているようなものになった。そのため現在の入手難易度は低く、新しいPCは新品か中古かによらず、すぐに買って持ち帰り、セットアップしてすぐ使い始めることができる状況になっている。価格も、最新モデルで完全な新品については平均的な給料1ヶ月分を必要とすることが多いが、所謂型落ち、展示品(新古品とも)、中古PCに関しては非常に手頃な価格で入手できることが多い。

さて、新しいPCを購入したとき、殆どの場合において今使っているものよりも性能が高いものを購入する。その際、必然的に古くなる現在使用中のPCは、売られることが多い。一部、予備PCとして保管しておく人もいるようだが、大抵は長く放置されることになるので再び日の目を見る頃にはまともに動かなくなっていることであろう。それを考えたとき、売る人の方が多くなる。

その際、パーツをそのままにしたうえでディスクのみcipher.exeや通常のフォーマットでデータを復元不可能な状態にしたうえで売りに出すか、使えるパーツのみ抜き取って、最低限使える状態にしたうえで売るかのどちらかである。売りに出す先はオークション・フリマサイト、PC専門店・ジャンク屋などだ。廃棄処分は全く使えない状態になっているか、機密情報漏洩の心配がある場合とドラマ撮影で破壊するときに行われるようだ。しかしディスクと違ってPC本体に対する廃棄処分というのはあまりない。本体のパーツもジャンクとして売られることがあるためだ。CPUもディスクもない本体だけのものからモニターだけ取り外し、それを同じモデルの別のPCのモニターに繋げる荒業もすることがある。これは流石に好きな人しかやらないことではあるが。

法人向けPCも中古PCとして売られる

PCの中でも性能と機能を抑えてコストを安くしたものが、法人向けPCである。これはメーカーサイトで注文可能になっている。ただし一般ユーザーが注文できるかどうかは不明である。これらのPCは通常、リースを行う企業1)企業向けに、通常は購入すると非常に高額な測定機器やPCなどをレンタルするサービスを行う企業である。代表的な企業に横河レンタ・リースがある。親会社である横河電機は電気関係の高性能な測定機器を開発・製造していることで有名で、その自社製品のレンタルも行っている。や会社で貸出用PCを用意する場合に使用されることが多い。詳細は流石に知らないが、おそらくこれらのPCもある一定の期間使用すると、PC自体が劣化するため一定期間で機種そのものが交換になるだろう。その際「古い」法人向けPCは、リフレッシュを行ったうえで中古PCとして販売されている。販売元の例として、日立キャピタルサービス横河レンタ・リース自体が行っている。

日立キャピタルサービスオンラインショップと横河レンタ・リース"Qualit"
法人向けPCの中古PCとしての販売例。販売元は左が日立キャピタルサービスオンラインショップ、右が横河レンタ・リース”Qualit”である。これ以外にも法人向けPCを販売するサイトが多数存在する。

上記のようなサイトがリフレッシュされた法人向け中古PCを一般向けに販売しているほか、PC専門店でも法人向けPCが新古品やリフレッシュされた中古PCとして販売していることも多い。また、古物商許可証を持った個人や中古品の売買をする小規模ショップも、ネットショップ、特にオークション・フリマサイトに出店し中古PCを出品している。個人から買い取りを受けたものや、法人向け中古PCをどこからか買い取ったものに少し手を加えて販売しているものと考えられる。それらは普通に検索すればすぐ出てくるのでわかりやすいものである。

このように、中古PCは生活においてごく一般的な物となっている。しかし中古PCはその特性上、当たりと外れの差が大きいものである。状態のいい中古PCは外装に目立たない少しだけ傷があるとか、パームレストに色ムラがあるとか使用に支障がないレベルから、状態の悪いものは起動必須パーツがない、液晶割れ、通電不可、バッテリーやACアダプターがないなどの全く使えない状態と、商品状態(販売者側で言うランク)差が大きい。「正直な販売者」であればそれらの情報は必ず載せてくれるが、それ以外で悪意がある場合意図的に情報を載せない場合がある。それで外れを引いてしまっては、元も子もないというものだ。



しかし私としては、中古PC、特に法人向けPCの良さというものを、3つの法人向けPCの経験から知った。最初こそ何も知らなかった私だが、自分でPCをカスタマイズし、さらに買うわけではないが他の中古PCの情報を調査していくことで、どのようなものがあるか、ということを理解できるようになっていった。そこで、中古PCの購入を考えている人向けに、どのように選んでいけばいいか。その考え方について次項から解説していく。

リンクス岐部流、中古PCの選び方

ここからはお待ちかね、私リンクス岐部流の中古PCの選び方についてを一般向けにレクチャーする。なお、ここで紹介することはあくまで考え方の1つに過ぎないので、既に自己流の方法がある人や他の方法が紹介されていてそれを先に見ている場合は、1つの案として見てもらいたい。

選択の基本:性能と価格と販売者(出品者)と状態で選べ

まずは選択の基本からである。中古PCを買う際の選ぶ基準は「性能」「価格」「出品者」「状態」の4点である。これらについてはそれぞれ個別に解説していく。

基本1:性能

新しくPCを買う時、性能について考えない人は普通いない。PCにおいて性能とは何ができるかを決定する重要な要素である。これが貧弱だと何もできないが、過剰では使いこなせないで持て余す。当然のことながら、性能は価格と比例関係にあり、基本的に高性能なほど中古PCでも高額である。そのため性能が高すぎると手の出せない価格になっていることも多い。このことは後述する。

性能で考えるとき、まずは自分が「PCで何をしたいか」を軸に考える。何かを買うときに目的が必要なのはどれもそうだが、PCでは特に重要である。その目的については冒頭でも書いているが、大半の人は「Office+ブラウザ+動画+SNS」ができる構成が好きである。何故この構成なのかはわからないが、一種のSNS中毒であることは伺える。

殆どのPCにおいて採用されるCPUはIntel製が多い。よってIntel製CPUを基準として考えれば、Pentium/Celeronは論外であり、i3も旧世代のものではなかなかきついものである。ただ、現行の1世代前のラップトップ(2018年前後)はi5やi7(第7~8世代)が多く、i3は少なめのようである。10年以上前のラップトップには、i3を使用するモデルは多い。ただし、一部のラップトップはIntelの命名規則に従わない、モバイル向けの特殊なCPU(Core m系、Atomは例外)を採用しているので、こればかりは詳細を調べなければ何とも言えない。例えば、Panasonic法人向けPCのCF-RZ5にはm5-6Y57が採用されており、単に性能だけではi3(第2世代)相当だが、消費電力などを総合的に考えるとm5の方がいいなど、難しいところがある。ただ、私の見解としては少なくともi5であれば(第2世代以降から)大丈夫であると考えている。

i5-2410Mのスペック(公式ページ)
Intel公式ページでのi5-2410Mの基本スペックデータ。2C/4Tで2.30GHz(up to 2.90GHz)なので決して弱くはない。この頃のターボブーストは熱くなりやすいので注意。

なお、CPU以外の他の性能についてであるが、先に示したことを行いたい場合のRAMは8GB以上、ディスクは好みによるが最低でも256GB以上(SSD基準)、ディスプレイは1366×768(HD)以上またはサブモニターの導入、内蔵GPUはお好みによる。インターフェースはUSB3.0が最低1以上か、ExpressCard/34・54が存在することが前提となる。HDMI出力はあればいいが、古い法人向けPCはDisplayPortが多いのでDP-HDMI変換機を1個持っておくといい。テンキーの有無については、ラップトップではこだわらなくていい。以上のことに注目していくと、中古PCを買う基準がまず1つ定まるのである。

基本2:価格

何かを新しく得るには、通常は金と等価交換である。それは中古PCも同じである。稀に中古PCを譲りうけることで無料で貰える場合があるが、それは特殊な場合である。もっともその場合は不良品の押し売りということもあり得なくはないが。

価格については、これは個々の予算上限と相談になるため、一概に何を基準としたらいいかについては断言することは難しい。しかし、自分が欲しいと思う性能のPCをCPUで調べていけば、CPU単体の価格と共にそれが採用されているPCが検索結果に出てくる。あるいはUserBenchmarkというサイトでCPUの詳細情報から下の方にある、Popular [CPU_name] systems:の欄に採用されているモデルが記述されているのでそこから調べる方法もある。画像はその例である。

UserBenchmarkからi7-3740QM採用モデルを調べる
UserBenchmarkでi7-3740QMが採用されているモデルを調べたところ。私の愛用するHP EliteBook 8570wはこれが採用されている。

ちなみに、ここに書いてあるモデルで使用可能な状態(ジャンク除外)の相場は、HP 8570wは2.5~4万、Dell M4700は2~4万である。ただしこのモデル群はワークステーションであるため、3DCGを快適に処理するためのGPU2)3DCGの場合、ゲーム用のGPUとは違う処理を求められる。そのためNVIDIAはQuadro, AMDはFireProと、それぞれ3DCGに特化したGPUが開発されている。なおそれぞれのシリーズは逆用途(3DCG→ゲーム用、ゲーム用→3DCG)には適さない。がセットされている。その分高額になっていることに注意する必要がある。そもそもCPUもvPro搭載の特殊なCPUであるが。

先の場合は単純な1つの例であるが、モデルそのものが古くても特別な機能が搭載されているために高額になることはよくある。その場合はどうしてもそのCPUやPCが欲しい場合を除いて、違うCPUにして探すことを推奨する。そうすることで、比較的安くて性能がいいPCを探し出すことができるためである。ケチあまり金をかけたくない人はここに注意するといい。

なお、高額は避けるべきであるが、極端に安すぎる場合も問題である。その場合は部品用ジャンクで使えないものであることが多い。もっともその場合は相場から外れている価格となっていることが殆どであるので、すぐ判別できるであろう。




基本3:出品者

商品を買うには、それを売る人がいなければ買うことはできない。中古PCであれば尚更重要である。中古という形容詞がつく以上、個人または有資格者によって売られるからだ。ここでは特にオークション・フリマサイトで中古PCを買う場合の出品者を想定して書いていく。

オークション・フリマサイトにおいて、殆どの場合出品者は個人である。購入者も個人であるため、構造はC2Cになりやすい。一部のサイトは企業の参入を許可しているため、たまに企業(それらサイトではショップまたはストアと呼ばれる)から購入する構造にもなる。ただ、取引相手についてそこまで意識したことはないという人の方が多いであろう。「金」を払って「物」が確実に届けばいいからである。

だが仮にも一時的に取引相手となり、金銭と物品の授受の関係が発生するのであれば、その相手が信用できる相手かどうかを見極めるのもまた購入者の務めである。通常は容易ではないそれだが、まともに整備されているサイトであれば信用できるかどうかの判定材料は揃っている。その1つが多くのオークション・フリマサイトで採用されている評価システムで、一部は双方の評価完了で取引完了・売上金反映とするサイトがあるほどだ。この評価システムは、大きく分けて良い・普通・悪いの3段階で、大半は誠実さと取引のスピードを問うものである。そのため良い評価が多い程信用できる目安となる。

ただ評価システムも万能ではない。これはあくまで目安に過ぎないのと、高評価サクラ3)岐部が作った造語である。高評価(常に最高評価)と引き換えに、何らかの特典を付与するやり方のこと。これは大手ECサイトでも平然と行われている。主にショップ・ストアが行う常套手段であり、過剰に高評価だけなショップ・ストアが存在するのはこのためである。が行われている場合があるためだ。評価システムも結局、外部の力が働いてしまうと意味を成さないことが多い。その代わりに目安となるのは、出品物の情報だ。出品物の情報は出品者が信用できるかを示すより確実な情報である。特に画像は、これが実際に撮影されたものであるか、どこかからダウンロードした画像の使いまわしかで判定しやすくなる。ショップ・ストアが行っている分には問題は然程ないが、個人でこれを行っていたら怪しいと思えばいい。文章はいくらでも誤魔化せるが、画像はそうそう誤魔化せるものではないのでよく見るといい。

画像以外では、送料が一律で固定されていてしかもクソ高い、海外発送がある(YHOC!の場合)、タイトルにやたら煽るワードが入っている、検索妨害のように特定のワードが入っているもの、他の出品物で画像が全く同じものを使っているなどは信用しにくい。このあたりを警戒しておくと、ゴミを掴まされることは少なくなる。

基本4:状態

中古PCは当然ながら「誰かに使われた」過去がある。それが誰に使われたか、どのように使われたかは、残念ながら詳細を知ることは難しい。しかし、出品者から提供される写真と説明で、ある程度は推測することができる。なお写真や状態を全く載せていない場合は論外である。

これについては、理想系は外装が全て撮影されていること(側面は特別な機能がない限り問題ない)、キーボードとモニターの状態がわかること、傷や汚れについての情報が掲載されていること、搭載されているパーツ情報が掲載されていること、BIOSロックが発生しているかどうかなどが必要である。中古PCを売却する場合において、通常はOSが未インストールまたはクリーンインストールした状態で販売されるのが前提であるため、ここには触れない。譲渡問題について言及するのは面倒なためでもある。

殆どの場合は正直に書いてもらえるので心配することはない。ここで注目したいのは、傷や汚れによって状態ランクが下がっているかどうかである。これはショップ・ストアが独自に定めているものが多いが、彼らから見ると軽度の傷でさえランクを下げる要素のようで、それによって市場の平均価格から下げられて販売されていることが多い。また私の話で申し訳ないが、8570wを購入したときも、キーボードとパッドの傷によっていくらか下げられていたものであった。このくらいでは使用に支障がないので購入を決めたものである。

8570wのキーボードとマウスパッド画像
所有するHP EliteBook 8570wのキーボードとマウスパッドの画像。この程度の「傷」でも動作には全く影響がないので購入しても大丈夫である。

このように、見た目はどうだっていいという人であれば、敢えて傷や汚れのある中古PCを選ぶのも手である。外装も新品のPCを買って大事に扱ったとしても多少の傷はついてしまうわけで、傷がつくならそれは新品も中古も同じである。大事に扱われたうえでの傷は仕方ないものであり、気にすることはない。また、該当する傷が交換可能な部分であるなら、交換してしまうのも手である。ただしその場合は完全分解を要することが多いので、失敗した際は全て自己責任となる。とはいえ中古PCの大半はサポート終了かサポートを受けられないことが多いので、気にしなくてもいいだろう。私個人の見解としては、傷や汚れのあるPCはある意味で狙い目である。

選択の基本は以上である。




法人向けPCは意外な「掘り出し物」がある

さて、ここまで何度か書いているが、中古PCは法人向けPCも販売されている。私としてはこの法人向けPCこそが中古PCで最も魅力的な部分である。というのも、通常は一般向けには販売されることがないこれは殆どは性能が控えめであるのだが、その中にたまに紛れ込んでいる一般向けと同等、或いは高性能でありながら安価な法人向けPCを入手できる可能性があるためだ。

法人向けPCは元々は仕事用にチューンされたものであるため、どうしても外観が無骨であったり、性能を求めたために重量が一般向けよりも重いということがある。これについてどう思うかは個人の価値観によるため詳細は語らないが、その分「一般には出回らなかった特別なPC」に出会える確率は高いのである。私が保有するHP EliteBook 8570wもそれであり、だがインターネット上においてこれのユーザーは実に少ない。実際はYHOC!で確認するとそれなりに売れているので、他にも保有している人はいるはずだが、全く情報が上がっていないのである。あとは単純に、同じもので比較したら良かった、という理由だけである。

また、これはものによると思われるが、大抵の法人向けPCは社畜訓練を十分に受けた者PCを正しく扱える人に使われていたことが多い。そのため、過剰な負荷をかけた運用などをしたことが殆どないということも珍しくないことだ。それは「劣化が少ない」ことでもあるので、もし性能やトレンドにこだわらず、中古で1つのPCを長く使いたい人には、法人向けPCは相性がいい。検討してみる価値は十分にある。

バッテリーは諦めろ、ACアダプターは新しいものを一応確保しろ

一般にPCはバッテリーと専用のACアダプターがセットである。これら2つがなければPCは使えない。だがバッテリーもACアダプターも、どちらも消耗品であり、特にバッテリーはACアダプターを常に接続した状態で使用することが多いため消耗しやすい。また、ACアダプターも内部部品の劣化やヒューズが飛ぶことによって使用不可能になることもある。これらの問題は新品であるなら考えなくてもいいが、中古PCを購入する場合には必ずついてくる問題である。

その理由は簡単である。製造ないし使用開始から既に数年経ったタイミングで中古PCとしてそれが出回るため、それ以前に何度も充電と放電が繰り返され、自分の手に渡る時点でのバッテリーの劣化はかなり進行してしまうためである。そのため、メーカーサイトに書かれているバッテリー駆動時間以下しかバッテリーが持たないことは確実であり、バッテリーの持続性能は全容量の50%以下しか期待できないことが普通である。ACアダプターも同様、内部部品が消耗して、いずれはPCに接続しても充電しなくなることが起きる。その時はACアダプターは「寿命」である。

したがって、中古PCを買う際はバッテリーは諦めなくてはならない。また、ACアダプターについても、劣化が心配であれば同型のACアダプターを別途購入し、それを使用するのが得策である。幸いにして、生産終了モデルでもいくつかはバッテリーやACアダプターの互換品(動作確認済み)が販売されているため、まだ対応することができる。ただし、探しても互換品の無いモデルもあるので、その時は素直に別のモデルにした方がいい。このことを許せないのであれば、中古PCを買うことはお勧めできない。逆にいくらでも対応できるという人は、買う価値がある。

リンクス岐部流の中古PCの買い方については、以上である。少しは参考になったものと思う。

最後は「自分の求める基準」に達するものを買え

ここまで、PCの現状、中古PCの販売状況、そしてリンクス岐部流の中古PCの買い方指南について書いてきた。1人1台、或いはそれ以上のPCを持つことが当たり前となった今、何気なく使っていることであろうPC。新しいPCが出れば欲しくなるであろうし、試したいということもよくわかる。最新技術を追う人、それを仕事とする人にとっては、新しいPCが出たら試さずにはいられないというものである。

だが同時に、中古PCにも注目を向けると、新品・新製品とは違った面白さがある。中には、中古PCでなければ知ることも手にすることもないであろうPCが、発売から数十年経って当時の1/10くらいの価格で入手できるという、ある意味では経済的でもあることが行える。当然のことながら劣化している部品はあるが、当時と全く変わらずの部品もあるわけで、交換可能であるなら交換して自分好みにカスタムできるということは、中古PCならではの魅力である。なお、中古PCでも最近のモデルでは普通には開けられない構造になっていることが多いので、こうはいかない場合がある。それでもマストドンである人物がキメラ修理を行っていたので、やろうと思えばできるものである。

と、散々言ってきたはいいが結局どうするべきか、といえば「自分の求める基準」に達するものを買え、ということである。その上で、ここで挙げたことを実践していけば、必ずいい中古PCに出会えるのである。この記事が、全ての中古PCを求める人への「トリセツ的存在」になることを願って。

 

以上、中古PC買い方指南~リンクス岐部流の選び方~であった。それでは、次回の記事で会おう。

 

リンクス岐部(LINKS-KIBE) at 22:13 Jan. 16th, 2021


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脚注

企業向けに、通常は購入すると非常に高額な測定機器やPCなどをレンタルするサービスを行う企業である。代表的な企業に横河レンタ・リースがある。親会社である横河電機は電気関係の高性能な測定機器を開発・製造していることで有名で、その自社製品のレンタルも行っている。
3DCGの場合、ゲーム用のGPUとは違う処理を求められる。そのためNVIDIAはQuadro, AMDはFireProと、それぞれ3DCGに特化したGPUが開発されている。なおそれぞれのシリーズは逆用途(3DCG→ゲーム用、ゲーム用→3DCG)には適さない。
岐部が作った造語である。高評価(常に最高評価)と引き換えに、何らかの特典を付与するやり方のこと。これは大手ECサイトでも平然と行われている。主にショップ・ストアが行う常套手段であり、過剰に高評価だけなショップ・ストアが存在するのはこのためである。
KIBEKIN
会社員という働き方が合わないのに会社員になってしまってから、半ば自分からリタイア後ブログクリエイターとなり活動してきた社会不適合者。今後の活躍の約束とHIKAKINリスペクトの意味を込め、リンクス岐部からKIBEKINに改名した。

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