【1本多役】ビクトリノックス「フィールドマスター」をレビューする

この記事の概要を簡単まとめ!

  • スイスに本拠地を置くマルチツールの代表、ビクトリノックス
  • 用途とスタイルに合わせた多彩なマルチツールをリリースする
  • 軍、民間は勿論救急やドラマでも使用されるグローバルアイテム
  • その中から愛用の1本、フィールドマスターをレビュー
  • 屋内作業でもフィールドワークでも万能に使える
  • 総評:☆4.5 これがあればかなり安心な一本
  • 価格:¥4,640+10%

日常で使うもの、アウトドアや過酷な環境下で使うもの、軍用、救急で使うもの。それぞれ求められる仕様や耐久性は違うものになる。だが、それぞれの顧客に合わせた仕様にしてそれを提供することは容易なことではない。生産ライン、技術者、配送ルート他、様々な事情を考慮して、それらを1つ1つクリアしていかなくてはならないためである。

刃物、所謂「ナイフ」と呼ばれるものもその中の1つである。日常で使うならキッチンナイフ=包丁、アウトドアはナイフ以外に様々な機能を入れたマルチツール、軍用は一般的なシースナイフ(鞘)、フォールディングナイフ(折り畳み)、マルチツールと様々だ。救急は救急に特化したナイフ(マルチツール)が採用されていることもある。また、あるドラマでは重要な小道具として使われている。

そこで今回は、ナイフに様々な機能が付与されたマルチツールに焦点を当てる。マルチツールはビクトリノックスとウェンガーの2大メーカー(両者ともスイス)が製造していたが、2005年4月25日にビクトリノックスがウェンガーを傘下に収めたことで、マルチツールは事実上ビクトリノックスの物となっている。そのビクトリノックスが製造するマルチツールのシリーズの1つである、フィールドマスター。私の一本目であり愛用しているこれを、独自の観点から勝手にレビューしていく。

ビクトリノックスとマルチツール

ビクトリノックスの概要

私の場合はいつもの通り、歴史の勉強から始める。何も知らずに本題に入るのは、何もわからないままで終わるからである。

ビクトリノックスは、スイス・シュヴィーツ州を本拠地とする、ナイフ・腕時計メーカーである。特にマルチツールの製造メーカーとして有名である。また、それら以外にも料理向けの様々な刃物類、アウトドア・ビジネスのそれぞれに特化したバッグ類、香水を製造しこれを販売している。いずれについても非常に質の高いものを提供している高級ブランドである。社名の由来は創業者カール・エルズナーの母の名「ビクトリア(Victoria)」と、フランス語でステンレス鋼を表す略語「イノックス(INOX)」の造語である1)参照:ビクトリノックス – Wikipedia

1884年、創業者のカール・エルズナーが母ビクトリアと共に、シュヴィーツ州イーバッハにナイフ工房を開いたことが始まりである。当時のスイスは貧しかったため、カールは刃物職人として修業を積んだ後、地元で工房を開いて雇用を創出していた。この工房が注目されるようになったきっかけが1891年、ソルジャーナイフをスイス陸軍に納入したことである。これが高く評価され、以降はスイス陸軍のナイフ納入業者となった。そして1897年にオリジナルのスイスオフィサーズナイフとスポーツナイフが特許を取得している。現在ではスイス・アーミーナイフとして世界中で知られている。



1909年、母ビクトリアが死去。カールは母を偲んで母の名を商標登録した。またこの年から類似品、いわば偽物が出回り始めた。そこでハンドル部にクロス&シールドのエンブレム(スイス国章)を商標登録し、本物の証明とした。これが現在のビクトリノックスのエンブレムとして120ヵ国以上で商標登録されている。

1921年、ステンレス鋼(INOX)2)INOX: Inoxydable(仏)の略語。ステンレス鋼。ビクトリノックスの時計ブランドにもI.N.O.X.というシリーズがあり、これもステンレス鋼が採用されている。が発明された。このINOXの名称、そして商標であるビクトリア(Victoria)。この2つを組み合わせてビクトリノックス(Victorinox)とした。これが今日の社名及びブランド名となっている。

その後は1989年に時計事業進出、1992年に販売子会社のビクトリノックス・ジャパンを設立、1999年にトラベルギアに参入。2005年4月25日、ライバルでもあったウェンガーを傘下に収め、2013年にウェンガーのマルチツール、キッチンナイフ事業はビクトリノックスブランドに統合された。このようにして、ビクトリノックスは現在に至る3)参照:歴史 | ビクトリノックス・ジャパン  歴史の解説自体は英語のため翻訳した文章を改修して記述。

様々なユーザーに合わせたマルチツール

歴史の勉強はここまでにして、本題に入る。ビクトリノックスは創業当初はマルチツールを中心とするナイフを主体に製造し、それを民間から軍、医療(救急)に納入している。その後は90年代から時計、トラベルギア、キッチンナイフ、果てはフレグランス(香水)も手掛けるようになっていった。現在はアウトドアに限らずビジネス向けのバッグなども製造しており、ビクトリノックスの高い技術力を窺い知ることができる。その中でも今回はマルチツールに焦点を当てる。

マルチツールの原型は1891年のソルジャーナイフであるが、明確なコンセプトが確定したのは1897年に特許を取得してからである。初期のマルチツールであるソルジャーナイフは現在よりも厚ぼったい無骨なデザインであり、現在のマルチツールはかなりスタイリッシュですっきりした形になっている。

左: ソルジャーナイフ1891(復刻・限定品) 無骨なデザインである。
右: 現在のモデル。この形が一般的。例としてティンカー スモールの画像を用意した。

果たして利便性はどうだったのかはわからないが、これが当時からスイス陸軍で使用されていたことを考えると、その品質は確かであるとわかる。それが今でもマルチツール=ビクトリノックスというブランドに繋がっているのである。

そんなマルチツールも、徐々にターゲット層を広げていく。当然ながら民間にも売り出すようになるが、だが一口に民間と言っても、ユーザー毎に求めている機能は違う。アウトドア、インドアの活動、電子工作、機械系、日常生活、そしてスポーツ。他にも様々なシチュエーションが考えられる。それぞれのシチュエーションにおけるユーザーの求める機能は、そのシチュエーションであらゆる問題が発生しても何事もなく対処できるものが理想である。

そのためビクトリノックスは用途とスタイルに合わせた多彩なマルチツールを製造、販売している。その機能数、最小とされるネイルクリップ 582で4機能、最大とされるスイスチャンプ XAVT4)ビクトリノックス史上最大の機能数を誇るミディアム・マルチツールの1つ。1つのマルチツールにあらゆる機能を詰め込んだ結果、全長91mm/幅65mm, 重量351gになった。幅65mmは一般成人の手にギリギリ収まる幅であり、他のマルチツールと比較しても大きすぎて比較にすらならない程である。大きすぎるため、実用性に関しては皆無である。コレクターズアイテムとしての側面が大きい。価格は¥40,800+税10%で83機能と、かなり幅広い。無論これは極端な例であるが、通常のマルチツールであれば10~20機能が一般的である。そしてこれらはビクトリノックスが想定しているシーンまたはスタイルに合わせてそれぞれが設計されている。そのため、自分のスタイルに合った1本を手元に置いておけば、絶大な安心感を得られることは間違いないのである。

軍、民間は勿論救急やドラマでも使用される

先にも解説した通り、軍から使われるようになったマルチツールは民間でも様々なユーザーが使用するようになる。そこからさらに救急に特化したマルチツール”レスキューツール5)プロの救急隊員と協力し何年もかけて完成された、緊急脱出に特化したマルチツール。分類はラージ・マルチツールになる。特に車両事故が想定されており、シートベルトカッター、ウインドウブレーカー、ガラスのこぎりが搭載された13機能のマルチツールである。使用時に消耗が激しいウインドウブレーカーとガラスのこぎりは専用工具を使わずに交換できるようになっており、交換用の単体部品も常時販売されている。価格は¥10,800+税10%が開発され、実際に救急隊員が使用している。最近は一般事故が多いことを考慮してか一般家庭でも購入可能になっている。

また、マルチツールはドラマでも重要な小道具として活躍する。そのドラマは、1985年9月~1992年5月にアメリカで放送されていた『冒険野郎マクガイバー』および2016年9月から放送中の『MACGYVER/マクガイバー』である。冒険野郎マクガイバーは、銃嫌いの主人公アンガス・マクガイバーが豊富な科学の知識と愛用のマルチツールで即席の道具を作って世界を救う、アクション/アドベンチャードラマである。MACGYVERはそのリブート版であり、基本的な設定は変わらないが現代の科学事情に合わせているのでよりスケールが上がっている。



私はMACGYVERしか知らないが、本編では必ず1回以上登場する。また、シーンによって使用するマルチツールのモデルがそれぞれ異なっており、何をするかによって変えている。殆どはミディアム・マルチツールから登場しているようだ。ドラマなので仕方ないが、大抵はビクトリノックスの想定する事態や使用方法を無視していることが多いのも特徴である。いくら何でもそこまで想定していない、とツッコミを入れたくなるだろう。だが全体としては非常によくできているため、普通に観てても面白いものである。

このようにして、ビクトリノックスは様々なユーザー、様々な組織、様々な活動で使用されている、グローバルアイテムの1つである。世界中にユーザーがいて、それぞれが求めるマルチツールをビクトリノックスは製造し供給する。アーティストの中にもマルチツールの愛用者がいて、ビクトリノックスはそれを自社ホームページで公開している。このことから、マルチツールは人を選ばないと言える。

マルチツール「フィールドマスター」レビュー

全く軽くではない軽いビクトリノックスの紹介が終わったところで、マルチツールのうちの1つについて取り上げ、それをレビューする。私の一本目はミディアム・マルチツールから「フィールドマスター」である。かつてはハントマンPDと呼ばれていたこれは32ヵ月前、2018年3月にこれを手にして以来、ずっと使っているものである。

ビクトリノックス フィールドマスター
ビクトリノックス フィールドマスター ミディアム・マルチツールであり、屋外でも屋内でも使えるものを搭載。右はアクセサリの皮のケース(別売)である。

レビュー1:搭載されている機能

フィールドマスターに搭載されている機能についてリスト化する。以下15の機能がある。

  1. ラージブレード(刃渡り(実測)61mm)
  2. スモールブレード(刃渡り(実測)33mm)
  3. 缶切り
  4. マイナスドライバー 3mm(缶切りの先端)
  5. 栓抜き
  6. マイナスドライバー 6mm(栓抜きの先端)
  7. ワイヤーストリッパー
  8. リーマー(穴あけ)、千枚通し(ワイヤーストリッパーと複合)
  9. プラスドライバー(フィリップス型 1/2)
  10. はさみ
  11. のこぎり
  12. マルチフック
  13. つまようじ
  14. ピンセット
  15. キーリング

これだけの機能が入って、全長91mm、幅20mm、重量100gのコンパクトなマルチツールである。特にはさみやドライバーは日常生活でよく使うので、これが入っていると非常に便利である。なお、これの対のモデルとなるハントマンはプラスドライバーがコルク栓抜きになっている。その名称からするに、獲物を仕留めた後の晩酌をワインで嗜むというものなのだろう。だが、日本ではその風習はあまりなく、ワインもコルク栓は少ないので、微妙なモデルである。それならプラスドライバーになっているフィールドマスターがいいというものだ。

ちなみにMACGYVERの話となるが、シーズン1#21「シガーカッター」で、(フィールドマスターではない)シガーカッターとプラスドライバーが搭載されているマルチツール6)私が調査した限りでは、シガーカッターとプラスドライバーが同時に搭載されているモデルは確認できなかった。シガーカッター付きはコルク栓抜きになっているシガー 79のみである。シーン別に持ち替えた可能性が高い。で、強化ガラスのドアを破壊するというシーンがある。現実では流石に不可能であると思われるが、プラスドライバーの展開位置がマルチツールの中心部に来るため、写真のようにナックルを持つようにすると力が集中する。そのため普通のガラスなら割れるであろう。もっとも、プラスドライバーの本来の使い方ではないが。

フィールドマスター プラスドライバーのナックル持ち
フィールドマスターのプラスドライバーを展開し、ナックルを持つように持った図。構造上握って持てるため、力を加えやすい。また先端が尖っていて表面積が小さいため、力が一点に集中するのもポイントである。

レビュー2:実際に使用してどうなのか

ではこのフィールドマスター、実際に使用してどうなのだろうか。これだけ機能を備えていたとして、扱いにくかったり或いは使用者が使いこなせなくては意味がない。したがって、それぞれの機能のうち、頻繁に試す機会の多いものについて、その使用感を再度確かめることにする。

はさみ:小さいのに切れやすくスムーズ

まず、最も使用機会が多いであろうはさみ。展開すると、ハンドル部を柄として握り、親指ではさみを動かして切る構造になる。または逆持ちでハンドル部を指で押さえながら人差し指で動かし、親指は添えるだけで切る構造にもなる。展開時の全長はおよそ170mm(実測)である。

普通のはさみと異なる点が、一方を完全に固定し、もう一方の可動部で刃を閉じて切ることである。このとき固定している側に独自開発したばねが可動部との間に入っており、手を放すとばねの反動で戻るようになっている。切った後、はさみを抜くときにわざわざ指を動かさなくても刃が自動で戻って安全に抜くことができる。これははさみが搭載された全モデルで共通である。



このはさみもステンレス鋼で構成されている。切れ味は抜群であり、普通に紙を切るのは勿論のこと、重ねた紙も難なく切ることができる。また、薄い段ボールも途中で引っかかることなく切ることができ、少し厚いのも力を入れれば切れる。果てに薄い金属や針金も綺麗に切れるほど、このはさみは強力である。流石にワイヤーカッターとして使う強度はないが、日常生活であれば十分である。太めのワイヤーを切ろうとしたら刃こぼれしそうだったので途中でやめた。

なお、はさみのあるモデルは多数存在する。ネイルケアのマルチツールにもついているため、爪を切ることにも使える。ただし、手まで切らないように注意する必要がある。

のこぎり:押し引き両方に対応した刃でスムーズに切れる

のこぎりは木材のDIYで必須の道具である。マルチツールでも一般的な折り畳みのこぎりと同じ感覚で使用するが、マルチツールの特性上非常に小振りなのこぎりとなる(展開実測値165mm)。しかし見た目だけで侮ってはいけないのがビクトリノックスのマルチツールである。

のこぎりは世界的には押して切るタイプ、西洋のこぎりが一般的である。一方、日本は身体的に小柄なため押す力が弱いということで、引いて切るタイプが主流である。ビクトリノックスはこれを両方で使用できるよう、刃が交互に並んでいる。グローバルアイテムだからこその設計である。

フィールドマスター のこぎり展開
のこぎりを展開した図。刃が交互に並んでいることがわかる。これにより、押しても引いても切ることができる。ステンレス鋼なので切れ味は言うまでもない。

ガーデニングというわけではないが、時々成長しすぎた木を切るのにマルチツールののこぎりが役に立つ。太い枝のものや幹は、刈込はさみであっても切り落とすのは難しい。不可能ではないが非常に大きな力が必要で、はさみ自体を痛める危険がある。その代わりにマルチツールののこぎりを展開し、切りたい太い枝や幹にこれを使うと、スムーズに刃が入っていき、腕の力だけで切り落とすことができる。また、これは全体が小さいので、高所や枝が生い茂っている状態でも切っていくことができる。小さい分長いものは時間がかかるものの、動かす範囲が少なくて済むというのは便利である。ただし腕は筋肉痛になりやすいので注意。

小さいこのメリットはもう1つ、それは屋内の作業でも座りながらのこぎりを使えるということである。これは普通ののこぎりではなかなか難しい。通常は立たないと長さ的に危険だからである。ちょっとした木の何かを削りたいときに座りながらなら、疲れることもないだろう。のこぎり1つをとっても便利であることがわかる。

ドライバー類:すぐ出してねじを回せる、ただし一部はハンドル部が引っかかる

ドライバー類もマルチツールの中でもよく使う。プラスドライバーは単体、マイナスドライバーは3mmと6mmが缶切り、栓抜きの先端にある。日常生活においてねじ(ビス)を開け閉めする機会はそこそこ存在する。普段はドライバーセットを使用していることであると思うが、工具類は意外とどこかの棚の奥に置いていてすぐ取り出せないことがある。その場合には、マルチツールのドライバーを出せばすぐに対応できる。

基本、多くの製品がプラスねじを採用しており、その意味ではプラスドライバーがついているメリットは大きい。フィリップス型1/2なら、特別小さいねじ以外の殆どにフィットするため、これだけあればどんなものでもねじを外すことができる。しかしデメリットもあり、マルチツールの構造上ドライバー部分が短いので、深いスリットの奥にあるねじについてはハンドル部が邪魔になって届かないのである。したがって、横に余裕のない製品に対して使用するのは難儀である。

フィールドマスター ドライバーのある部分のみ展開
ドライバーの部分のみ展開した図。マイナスドライバーは撮影用に90°まで展開(180°まで可能)。プラスドライバーはハンドル部で回し、マイナスドライバーはドライバーごと回す形になる。この形からわかるように、ハンドル部が邪魔になりやすい。スリットの奥には届かないことが頻発する。

マイナスねじは採用箇所が少ないため、マイナスねじを回すためにマイナスドライバーを使うということはあまりない。ねじ穴がちょっと合わないときにプラスドライバーの代わりに使うことがある程度しかない。寧ろねじのためには使わず、手を入れる隙間のない蓋を開けるときにマイナスドライバーの先端を突っ込んで抉じ開ける使い方が多い。S&Bの業務用缶は手が入らないので、これがよく重宝する。

正直、ドライバーに関してはハンドル部が邪魔になる関係から、マルチツールよりも専用の工具の方が上である。ちょっとした小型の電化製品のねじを開けるのに使うなら最適であるが、ここは本業には敵わないという評価になる。

その他の機能

さて、メインに挙げた機能以外についても軽く評価をしていくと、ブレード各種は切れ味が非常によく、下手をすると手が綺麗に切れてしまうのである。扱いには要注意である。なお、肉も野菜も綺麗に切れるくらいに切れ味が良いので、キャンプの際は重宝するであろう。普段の料理なら素直に包丁を使った方がいい。ちなみに、ビクトリノックスは包丁も製造している。

缶切りや栓抜きも、開け口のない缶詰を開けたり瓶の蓋を開けたりするのに使うが、アウトドアではよく持っていくと想定されるのでやはりこれもアウトドアで活躍するものになる。開け口のない缶詰については非常食も考えられるので、起きないに越したことはないが避難生活でも心強いであろう。



ワイヤーストリッパーや千枚通しについては使う機会がないのでわからない。外の被覆を剥がすのはブレードを使っていたので、使うタイミングがなかった。マルチフックは120°まで曲げられるが、基本は90°で固定し、何かを引っ張るときに使う。力を入れやすいので、割と使える。重いものでもある程度大丈夫なようだ。ピンセットは毛抜きに、つまようじは何か食べるときに使える。この2つはキーリング方の側面にあり、消耗品なので補充用が常時販売されている。よってこれらは無くしたり壊れたりしても大丈夫である。積極的に使っていくといい。

ちなみに、キーリングはキーチェーンにつけるようなものと全く変わらない。そのため、何かのキーチェーンに通しておき、紛失しないようにすることができる。ただ、樹脂製キーチェーンはマルチツールの重量的に不安がある。そのため、金属キーチェーンにしておく方が安全である。あるいは、専用のアクセサリを別途購入するといい。なお、スモール・マルチツールでも同じキーリングがあり、その場合はペンダントのようにすることもできる。

レビュー総評

さて、ここまで十分レビューしたので、総評を出す。動画じゃなくてすまないね。

総評:☆4.5

※個人の感想です。この評価は性能を保証するものではありません。

まず高評価のポイントは、ステンレス鋼の切れ味。ブレードをはじめとしたはさみ、のこぎりその他の刃がついているものは、殆どの物を難なく切ることができる。当然、専用の道具/工具と比較して小さいが、それを補うだけの性能があり、十分と言える。

次にマルチツールそのもの。全長91mm、幅20mm、重量100gで15機能が搭載されているわけで、だが大きすぎることはない。キーリングがあるため、キーチェーンで鍵や小物と一緒にしても違和感がなく、スモール・マルチツールならより違和感がない。ペンダントにしてもいいくらいである。ミディアム以上であれば専用のアクセサリがあるので、それを使うのもいい。

ただ、唯一のマイナス点はドライバーである。ハンドル部が邪魔になるので、一部のねじは回せないことが必然的に発生してしまう。マルチツールが万能ではなかった瞬間であるので、この点だけはマイナスにせざるを得ない。よって少し引いて☆4.5評価とした。

結局マルチツールでできることに限界はあるが、デメリットを差し置いてメリットが大きいので、これくらいのことは問題にならない。実際言ってしまえば総評もあくまで形だけのものであり、私としては万能の一言に尽きる。持っておいて損はない。

大事なことを忘れていたが、価格は¥4,640+税10%。¥5,000にちょっとプラスしたら買える。また、ビクトリノックスはアプリ会員を随時募集しているので、ついでに登録しておくといい。ポイントがついてお得になる。

これがあればかなり安心な一本

今回はビクトリノックスのミディアム・マルチツール「フィールドマスター」についてレビューした。その前段階でビクトリノックスの歴史やマルチツールについてある程度の概要を解説しているため、実質的なレビューは全体の半分であるが。私の一本目のマルチツールであり、銘も彫っているので思い入れが非常に強いものである。

元々はMACGYVERを見て欲しくなったのだが、その際は店舗(銀座店)で様々なモデルを見た中で、搭載機能でよく使いそうなのが入っているかどうかで選んだ。その結果選んだのはフィールドマスターである。他のモデルもそれぞれ特徴があって面白かったが、今回は実用性で選んだ。だが、収集を目的として購入してもいい。

マルチツールはコレクターズアイテムが存在する。その内のスモール・マルチツールのシリーズにクラシック リミテッドエディションがあり、これは同シリーズのクラシック SDをベースに特別な柄がプリントされた、毎年のはじめあたりに製造される限定モデルである。ベースはクラシック SDで固定されているため、機能は必ず同じものにしかならないが、デザインがどれも秀逸なためマルチツール愛好家はこれを毎年購入しているのである。価格は¥2,600+税10%で、種類が多い(7~10種類)。全部買っていくもよし、毎年1個だけもよし。意外と遊べる。他にも様々なコレクターズアイテムがあるので、詳細はビクトリノックスの公式ホームページをチェックするといい。

そんな私も、2本目が欲しいと思っている。PC等のIT機器に特化したマルチツール「サイバーツール」シリーズだ。ただ私は専用の工具セットを持っているのでコレクターズアイテムと化す可能性はある。だが仮に出張修理をするときには、コンパクトかつスタイリッシュなこれを持ち運べば、修理するのに困ることはないだろう。さらにビクトリノックスのマルチツールの凄さを見せるいい機会にもなる。ビクトリノックスも時代に合わせて進化していることを教えてくれるものである。

話が長くなってしまったが、ビクトリノックスのミディアム・マルチツール「フィールドマスター」、その素晴らしさはわかってもらえたことと思う。ひいては、ビクトリノックスのマルチツール全体、素晴らしいものが揃っているということもわかってもらえたことだろう。もしこれを読んで気になったら、近くのビクトリノックス販売店へGOだ。実物を見ながら選ぶ方が、好みの「一本目」に出会えるからだ。

 

以上、ビクトリノックス「フィールドマスター」レビューであった。それでは、次回の記事で会おう。

 

リンクス岐部(LINKS-KIBE) at 0:42 Nov. 21th, 2020


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脚注

参照:ビクトリノックス – Wikipedia
INOX: Inoxydable(仏)の略語。ステンレス鋼。ビクトリノックスの時計ブランドにもI.N.O.X.というシリーズがあり、これもステンレス鋼が採用されている。
参照:歴史 | ビクトリノックス・ジャパン  歴史の解説自体は英語のため翻訳した文章を改修して記述。
ビクトリノックス史上最大の機能数を誇るミディアム・マルチツールの1つ。1つのマルチツールにあらゆる機能を詰め込んだ結果、全長91mm/幅65mm, 重量351gになった。幅65mmは一般成人の手にギリギリ収まる幅であり、他のマルチツールと比較しても大きすぎて比較にすらならない程である。大きすぎるため、実用性に関しては皆無である。コレクターズアイテムとしての側面が大きい。価格は¥40,800+税10%
プロの救急隊員と協力し何年もかけて完成された、緊急脱出に特化したマルチツール。分類はラージ・マルチツールになる。特に車両事故が想定されており、シートベルトカッター、ウインドウブレーカー、ガラスのこぎりが搭載された13機能のマルチツールである。使用時に消耗が激しいウインドウブレーカーとガラスのこぎりは専用工具を使わずに交換できるようになっており、交換用の単体部品も常時販売されている。価格は¥10,800+税10%
私が調査した限りでは、シガーカッターとプラスドライバーが同時に搭載されているモデルは確認できなかった。シガーカッター付きはコルク栓抜きになっているシガー 79のみである。シーン別に持ち替えた可能性が高い。
Links_Kibe
会社員という働き方が合わないのに会社員になってしまった、自称社会不適合者。自力で稼いでいくために奮闘中。PCとラーメンとXperia 1をこよなく愛する、自由になりたい人である。ゲームやガジェット、仕事中心に書いていく。

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