【あの声に変える】Voidol使ってみた!~期間限定無料配布で君も手軽にボイチェン!~ | Raven's Articles

【あの声に変える】Voidol使ってみた!~期間限定無料配布で君も手軽にボイチェン!~

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この記事の概要を簡単まとめ!

  • VTuberにはある意味必須ツールとなったボイスチェンジャー
  • フリーソフト、Web連携機能、市販品とソフトウェア形態は様々にある
  • AIを駆使したボイスチェンジャーVoidol」が期間限定で無料配布される
  • 実際に使用してどのようなものなのかを確かめることにした
  • ソフトウェアをインストールしてからライセンスキーを入力する一般形式
  • ASIOに対応するVoidol, もちろん直接マイクから音声を入力できる
  • 使い続けると音声モニタに遅延する現象があることに注意
  • 追加の音声モデルも各ECサイトから購入可能
  • 使い方は人それぞれ、持っておいても損はない

「食」について考えるとき、前提が外食またはテイクアウトなのか自炊なのかで話が変わる。これは死のコロナウイルス情勢になったときに話題に上がりやすかったものである。その状況下になったときに起きたのが外食ができないためにコンビニやテイクアウトを利用した結果、店に在庫がない状況が頻発したということだ。利用者は自炊をあまりしないタイプだが、外食で済ませていた人がいかに多かったかを示すものでもあった。

さて、私自身はVTuberではなく配信者でもないのだが、どういうわけか配信において必須となるツールを解説することが1つの活動目的になりつつある現在。私はこれまで本ブログでゆかりねっとコネクター、わんコメについて書いてきた。それぞれは字幕及び翻訳、コメントの取得と表示・装飾を担当するツールで、個人開発で支援依存型のものである。いずれも現在の配信では必須ツールとなっていて、利用者も少しずつだが増加している。

ところで、VTuber=女の子のイメージが明らかに強い気がしている。私の知る限り純男性型は伝説の男(トロオドン)かclea氏以外を知らないのである。そのためか、声をボイスチェンジャーによって女の子化している人も多いわけで、加えて女の子アバターを使うと、それをどういうわけかバ美肉と呼ぶ。私はこの名称が軽蔑を含む言い方なので嫌いだが、ボイスチェンジャーも配信ツールの1つであることもわかる。そんな中、しっかりしたメーカー製ボイスチェンジャーは殆どが高額なソフトウェアだが、あるものが期間限定で無料になっていた。それを実際に使って確かめるのが今回の記事である。

※はじめに

もう本家リスペクトを失っているので、あれは前回でやめました。

VTuberとボイスチェンジャー

VTuberの活動に必要なもの

2020年から確実に増えているVTuber。それと対抗する形で従来型メディア出演者のYouTube他の動画投稿・配信プラットフォーム参入によって、今やYouTubeのロゴの色と同じレッドオーシャンと化した動画・配信界隈。現状はカオスと呼ぶにふさわしい状況だが、ここでは主にVTuberに関して注目していくこととする。

基本的な大前提は一旦省略させてもらうとして、VTuberを始めるなら最初に必要かと言われれば、「」と答える。これがVTuberの前提なところがある。その制作方法は自作か依頼か市販品かの数パターンあるが、いずれの場合もこれがなければお話にはならないだろう。そこから、その皮を動かすためのソフトウェア・ツールのインストール、自身の環境に合わせた設定、配信ないし動画制作に必要となるハードウェアを揃え、それが問題なく稼働するかを確認した上で実際に動画撮影を行ったり配信を行う、というのが定石である。もっとも、「はじめかた」は検索すればすぐ出てくるほどに一般化しているので、敢えて詳しく解説する必要もないだろう。



ただ、始めるのは簡単でも継続することは難しいのが配信者であり動画投稿者だ。これはVTuberに限った話ではない。あらゆる物事が同じように継続が難しいのだが、先に挙げたことについてはそれが顕著である。個人的には3年の見極めがあると考えており、3年やって結果が伴わなかったり自分には無理だと分かったら素直に手を引くのが理想的だとしている。3年を超えてそれだけでも生活が維持できるというのであれば、自分にできることとして継続していく、というのがいいだろう。それが好きなことではなく、しかし別に嫌だとは思わないでできる場合は、仕事として適性があると言える。仕事となると、少々「他人事」になりやすいかもしれないが。

必須になりつつあるボイスチェンジャー

人はどうやら「女の子」が主人公でないと落ち着かないらしい。その理由は、女の子は本質的に「かわいい」からであると思われる。では配信者が「男」であり皮が「女の子」のとき、一体何の問題が起きるかといえば、「声」に問題が発生する。何も考えずに声を出したら、見た目が女の子の皮から、場合によっては野太い声が出てくるということになる。つまり、キャラクターの声がイメージと違うと言われかねない事態が起き得るのだ。見た目と声の質が一致しないということだが、これについてどう捉えるかはその人次第である。

一部の人は地声のままで配信しているようだが、殆どの人(特に男)は声を変えることによって対応するようになる。ただしそれは自らの声帯を改造するという手間のかかる原始的な方法ではなく、文明の利器を利用した方法だ。マイク等のオーディオインタフェースによって音声を取得し、それを加工できるソフトウェア・ツールで任意の音質に変換して出力し、あたかも別人がしゃべっているように見せる、というものである。これが一般に言われるボイスチェンジャーのことである。

ボイスチェンジャーは、それ自体はテレビでも使われるもので、お遊び道具として手軽なものも市販品として存在する。極端にアナログな手法としてはヘリウムガスを吸って変声するという方法があるが、それはただの余興である。配信の場合はミキサーを利用するか変換を通したうえで出力、動画編集の場合は音声部分だけ抜き出し、ピッチや速度を変えて後で動画と合成するやり方になるであろう。ただ音声のみを加工する場合は、音声を別のラインで録音した方が、配信そのものの音に被らないため加工しやすい。

これを用いて、声を全く別の、皮に合うよな声に変えるというわけだ。このやり方で特に男から女の子の声にする場合、誰が言ったか知らないがそれを「バ美肉」と呼ぶらしい。だが私はこの呼び方は好かない。私がその呼び方が軽蔑を込めた言い方に感じるためだ。なので別の言葉で表現するなら、声を自身の性別とは逆のものにして(元の性を限定しない)、配信ないし動画投稿をしているということで、”Voice Change VTuber“, 略称をVCn/VTとする。VCnと命名したのは、VCと書いた場合ゲームで用いられるボイスチャットの略と混同してしまう可能性を考慮した上での決定である。世界には略称が同じになるものが多すぎる。それはともかく、皮が女の子で声も女の子のようにしたい場合、ボイスチェンジャーは必須であることが分かるはずだ。

フリーソフト、Web連携機能、市販品とソフトウェア形態は様々にある

さて、ボイスチェンジャーを使って何をしたいかといえばVCn/VTしたいわけで、声を変えた後の最終的な出力先は配信の音声になる。ここで、配信を行う手段はPCから配信用ソフトウェア・ツールを使用して行うのが一般的である。つまり、音声はPCに取り込まれるようにしたいわけだ。この時、音声をどの状態で取り込むかによってやるべきことが変わってくる。例えば生の音声をPCに直接取り込んだ場合は、取り込んだPC上で加工して配信に乗せる。既に加工済みの音声を取り込んだ場合はその音声を直接配信に乗せる、というような形になるはずだ。ここでは前者であると想定する。

このときに使うソフトウェア・ツールについては、フリーソフト、Web連携機能、企業開発で一般販売されている市販品に大きく分けることができる。殆どの人は無料で使える前2つを好み、金があるプロ級であれば手軽で機能とサポートの充実する市販品を好むことだろう。完全に無料で使えるものにはkoigoe, Clownfish Voice Changer, GarageBand(Apple製=Mac版が本体), ボイスチェンジャー by ユーザーローカル(ブラウザ上で使用), RoVee(ver 1.21)(DAWが必要)が挙げられる。他のソフトウェアやツールは試用版であったり購入が必要などがあり完全無料ではないのでここでは除外している。



これらのソフトウェア・ツールの使用には、一部は少々工夫しなければならない。というのも、単にそれらを使って変換したとしても、出力して配信に反映させるにはひと手間必要であるからだ。場合によっては正直にそのソフトウェア・ツールだけ使っても変換した音声を出力することができず、仮想オーディオインタフェースをPCにインストールし、それを経由して出力しなければならないという少々面倒な設定が必要になる。このあたりの設定は検索すれば出てくるほどには一般的だが、PCの知識が一定以上ないとなかなか難しいものである。

最も楽な方法としてはVCn機能を備えたハードウェア=物理オーディオインタフェースを購入し、それを接続してしまうというものであるが、これらは総じて高額になるうえ、実際に買って試さないと分からないことが多い。相性問題によって使えないという可能性も全くないと言い切れないためだ。とはいえその手の物は1度購入してしまえば破損によって買い替えが必要となるなどの場合を除いて、使用するPCによらないのは利点ではある。

AIを駆使したボイスチェンジャーに「Voidol」が存在する

そんな中、クリムゾンテクノロジー株式会社という企業がある。AIと音楽を融合召喚し、音楽分野においてクリエイターを技術的にサポートするソフトウェア・ツールを製作している企業である。そこが考え出したのがAIを駆使したリアルタイムの音声変換である。しかし作るのは容易ではないということで、製作にあたって名古屋大学の戸田智基教授協力のもとで共同開発が行われた。そして2019年8月に発売されたのが「Voidol」である。通常価格は¥2,200であり、ダウンロード形式販売のため多くのECサイトで販売されている。

さて、企業製であり大学の協力を真面目に得ているものであるので、通常は金を払って使うものである。そんなちゃんとしたソフトウェアであるこれが、期間限定で無料配布を行うということが公式より発表された。2021年12月時点で後継となる「Voidol2」が発売となり、自社名の知名度向上とVoidolシリーズの販促を兼ねたものとしてVoidolが無料配布に至った、と考えられる。なおVoidol2は2022年6月24日時点で¥13,200となっており、メーカー製純正コンデンサマイク1本にも相当する。ハードが先かソフトが先かの論争をしたいところだろうが、ここでは省略する。

この手のソフトウェアについては、既に使い方は検索すればいくらでも出てくる上、利用者だってそれなりに多いので今さら何を解説することがあるのか、ということになる。だが無料配布ということは、この手のソフトウェアに初めて触れる人がいることも推測できるわけだ。つまり、初めて使うことを前提とした構成で記事を書けば、その手の層に対してのちょうどいい取扱説明書になるはずだ。そんな私も、Voidolは初めて触れるソフトウェアである。同じ目線からのスタートとなるので、次項よりVoidolについて、配信や動画編集で使えるようになるまで、詳しく見ていくこととする。

初めて使うVoidol:購入からセットアップまで

ここからは実際にVoidolをインストールし、セットアップを完了するまでを行う。なお、ここではOSをWindows 10に限定し、入力が任意のコンデンサマイクであると想定して話を進める。

前提:任意のECサイトでの購入とインストール

Voidolの販売形態はECサイト経由の販売である。現在はAmazonか楽天ブックスで販売されている。購入プラットフォームの違いだけで、中身は同じなので好きな方で購入するといい。ここではAmazonで購入したものとして進行する。

購入:Amazonの場合

Amazonの場合、以下の手順で購入し、インストールに必要なデータ一式をダウンロードする。

  1. 商品名が「Voidol for Windows 無料キャンペーン版|ダウンロード版」のVoidolを探し、その商品をカートに入れる。
  2. カートから会計画面に移り、¥0であることを確認して「注文を確定する」をクリックする。
  3. 注文確定画面に自動遷移する。この画面になれば問題なく「購入」できている。
  4. Amazonに登録したメールアドレス宛に、《Amazon.co.jpのご注文:「Voidol for Windows 無料キャンペーン…」》というメールが来る。これを開き、「コンテンツにアクセス」をクリックして注文履歴にアクセスし、「商品を表示」をクリックする。
  5. 表示されたページの「商品をダウンロードする」のところにライセンスキーとインストールに必要なデータのダウンロードリンクがある。まずはデータをダウンロードする。
  6. ダウンロードしたものはzip形式のため、中身を全て任意の場所に解凍する。
voidol購入~ダウンロード
Voidolを購入し、インストールに必要なデータをダウンロードするまでの手順。ダウンロードリンクは注文履歴から行くことで可能である。

この手順に従えば、注文(購入)が可能でインストーラのダウンロードも可能である。どうにもAmazonは現代では最大のECサイト故に、文章をちゃんと見ない人(・・・・・・・・・・・が一定数以上存在する。その中の低評価レビューにおいて、ダウンロードできないなどとほざいている馬鹿書いているものが見受けられた。これらによって評価がひどいことになっているが、評価は一切無視してかまわない。この手のソフトウェアは「自分が使ってどう感じるか」が重要だからである。




インストールからライセンスの有効化まで

解凍できたらインストールとライセンスの有効化を行う。インストール作業は解凍したファイルの中の”VoidolSetup.exe”をクリックすることで始まる。管理者権限が必要なためこれは許可することを前提として、インストールを進めていく。ダイアログに従って進めていく形式のため迷うことはないはずで、少し放置しておけばインストールは完了する。インストール後、ライセンス登録を求められる小ウィンドウが表示され、そこにライセンスキーを入力する。これは注文後に送られてきたメールまたは「商品を表示」から見れるライセンスキーをそこに入力して「登録」をクリックすることで、認証がさくっと完了する。メイン画面が出れば、この作業は完了だ。

Voidolインストールからライセンス認証
Voidolをインストールからライセンス認証を完了するまでの手順。インストールもライセンス認証も画像の通りに行えば迷うことはないはずだ。

初期設定:入出力デバイスを設定する

ライセンス認証が完了すれば自由に使用できるようになる。次に行うのは、入出力デバイスの設定である。当然ながら初期状態では何も設定されていないので、Voidolが音声を認識し、変換後にそれをちゃんと出力できるように設定をしてやらなければならないのである。初めて起動したときには上面にでかでか、赤背景に白抜き文字で”Audio Device(Output)を設定してください”と言われてしまっている。設定に入るには、右上にあるギアマークをクリックする。すると設定画面が出るので、次のように設定してやるとうまくいくはずだ。

  1. 設定画面右側の”Audio Device Settings”を確認する。初期状態では何も設定されていないはずである。
  2. “Audio Device Type:”を選択する。今回はUSBマイクを直接PCに接続していると仮定し、”DirectSound”に指定する。
  3. 各種設定を行う。
    • Outputはスピーカーやヘッドホンを指定する。
    • Inputはマイクを指定する。どのマイクでも使用できるが、ソフトウェアの特性上コンデンサマイクを推奨する。
    • Active Input ChannelsはAUXを利用する場合に限り、LeftとRightの両方にチェックする。通常はLeftのみで問題ない。デフォルトはLeftにチェックが入っている。
    • Sample Rate: サンプリング周波数。デフォルトの44100Hzから変える必要は殆どない。
    • Audio Buffer Size: バッファサイズ。音質に関わり、1024以下はバリバリになる。値を高くするとより正確な声になるが、レイテンシが長くなるため、あまり高くしない方がいい。なおレイテンシはバッファサイズ/サンプリング周波数[単位: ms]により求められる。
    • Input Channels Routing: 出力先を決定する。通常は声に”Active Input Channels”で有効にしたチャンネルを指定する。AUXはここでは省略。
Voidol設定
Voidolで使用するデバイスの設定。多くの人はDirectSoundによってPCで直接使用できるようにするであろう。

VoidolはASIOが推奨されており、つまりオーディオインタフェースを使用していることを前提とした設計がなされていることが分かる。とはいえその手のものは所謂「音楽家」でなければ持っている人は少ない。ここ最近は配信流行に合わせてYAMAHAが割と手の届く価格のAG03MK2を出しているなどあって入手がしやすく持っている人も増えたが、やはり本格的にやる人でなければ持つことは少ないであろう。その場合はDirectSoundになる。なお、Windows Audioも使用可能ではあるのだが、何故か私の環境ではエラーの原因となって使うことができなかった。よって、環境に左右されないのがDirectSoundということになる。

設定段階で注意するべき点がもう1つあり、それがサンプリング周波数とバッファサイズの関係である。その関係はリストにも書いてあるが、基本的にサンプリング周波数が高くバッファサイズが大きい程高音質となるわけだが、同時に処理時間を増やすことになるのは、コンピュータの基本を学んでいる人は知っている。こと音楽関係ならそれがオンラインゲームにおける回線速度並みに重要なことは想像に難くない。人間の耳はある一定以上の周波数の音は聞こえず、それにより無駄にサンプリング周波数を高くしても意味がないことが言われているので、それに従ってサンプリング周波数は44100Hz、バッファサイズは確認しながら決めていくといい。負荷を低くすることもこの手のソフトウェアでは重要項目の1つとなる。




実際に確認:適当にしゃべって動作させる

ここまで設定できていれば、Voidolはマイクと出力先を認識しているはずだ。ただ使用するにはもう少しだけ設定が必要である。まずはギアマークを再度クリックして設定を閉じメイン画面に戻る。このメイン画面から、以下のように設定を行う。

  • VOICE-CONVERSION MODEL(画面中央)から変換モデルを選択する。2つのモデル選択エリアがあり、どちらかを選択して使用し、変更の際はプルダウンメニューでモデルを選択する方式である。プリインストールはくりむ蔵・ヨネちゃん・奏ミナト・音宮いろは(CV遠野まゆ)の4種類。別のモデルについても対応するモデルのライセンスキーを購入して追加することができる。BYPASSは無効化して直接声を出力する。
    • モデル選択後にナレータータイプを選択する。これは自身の声質(男なら男性1, 2、女の子なら女性1,2など)に合わせる
  • 画面下方にはAUXの設定とエフェクト設定の項目がある。AUXは本記事では省略する。スペース機能とノイズゲート機能がある。スペースは声に広がり(ホールのような反響効果)を付与するもので、ノイズゲートはノイズキャンセリングである。割合調整でつまみを回すか数値入力で設定する。
    • スペースはROOM S・ROOM M・HALL S・HALL M・HALL L・PLATEの6種類。0%にすると無効にする。
    • ノイズゲートは一定値以上にするとノイズ以外もキャンセルしてしまうため、適宜調整する。
  • OUTPUTは出力を調整し、ミュートのON/OFFが行える。アンプを使用している場合は調整してもいいだろう。
Voidolメイン画面の設定
Voidolメイン画面で設定を行う。プリインストールは4種類で、対応するライセンスキーを別途購入することで別のモデルを使用できる。スペース効果は反響を与え、ノイズ除去もできる単純だが優秀な機能を有している。

この状態で、何か適当に喋ってみる。設定が間違っていなければ、普通に喋った声が任意に設定した、ちょっと機械的な感じの声になっているはずである。またバイパスを行うと声が変換されずそのまま聞こえるはずである。このときスペースやノイズゲートを設定していれば、それも反映される。実際にテストしたのが以下である。

 

動画のようになっていれば、第一段階は完了ということになる。後は望みの感じになるまで調整を重ねていくといいだろう。

Voidolを配信や動画に反映する

次に行うのは、変換した声を配信や動画に反映することである。ここではOBSで配信ないし録画する動画が反映するかによって、検証とする。

設定:OBSの音声出力キャプチャ設定

OBSに変換した音声を出力したい場合、Voidolの初期設定においてOutputのデバイスをどれにしたかを確認しておく。そのデバイスをOBSのソースの「音声出力キャプチャ」で選択することで、Voidolで変換された声を出力することができるようになる。例えば私の環境では、画像の通りの設定を行っている。

VoidolとOBSの出力一致確認
出力をVoidolとOBSで一致しているかを確認する。この設定が間違っているとOBSで出力されない。

この設定を一致させることでOBSでVoidolの変換した音声を流すことができるようになる。OBSではソースを追加してオーディオの詳細プロパティを変更していなければモニターオフになっているため、音声が出ているかどうかが分からない。そのため音声が出ているかどうかはOBSの音声ミキサーのゲージの動作またはオーディオの詳細プロパティで音声モニタリングを「モニターと出力」にすることで音声そのものを確認することができる。そしてそれを実際に出力したものが以下の動画である。

 

Voidolは基本的に入力さえしっかりしていればきっちり変換してくれる。今回はUSBのコンデンサマイクを直接接続したDirectSoundによるものであるが、ソフトウェアの推奨としてはASIOである。そのため音声自体は認識できているが、変換がうまくいっていないような感じで言葉が時々途切れてしまっている。これに対する改善策としては、一番はASIOを使えばいいのだが、それ以外にもマイクアンプを利用することも考えられる。が、私は検証機材を持っていない。ともかく、音声入力がしっかりしていると、変換は問題なく行われることが判明した。




長い間起動していると音声モニタに遅延が発生する

これは検証中に判明したことである。情報をまとめる際、私は起動したままその情報を記事化したり、画像や動画を撮影後に編集を行うため、時間にすると30分程度起動した状態を維持していることになる。その際、マイクのゲインは0にしておくため、マイクからは何も入力されない。よってVoidolでは何も処理が行われていない状態である。その後、気が向いて再度テストしようとマイクのゲインを上げてVoidolに音声認識させると、処理自体は正常に行われるが、音声モニタ(聞く側)には遅延が発生するのである。

一般的なソフトウェア・ツールの場合、長時間起動したまま一定時間以上何も動作をさせていない場合、自動で停止するか省エネモードのような、何か動作を検知した場合に再起動するようなものが多い。この場合は起動完了して最初の動作が行われるまでに少しのラグが発生するが、一度起動が完了してしまえば通常通りの即反応になる。このことは別に何も難しい話ではない。

ただ、Voidolはどうやら違ったようだ。長時間使用していて、それが継続して変換していても何も入力していなくても、サンプリング周波数×バッファサイズで指定したレイテンシを明らかに超える、モニタのみの遅延が頻発したのである。意図せずにいっこく堂をしているような感覚で、自分の声を聞きながら何かするタイプ(歌系)で支障が出ることは確実である。それをしたい人はやはりオーディオインタフェースは必須ということであろう。

修正方法については簡単で、ソフトウェア自体の再起動を行うほかはサンプリング周波数かバッファサイズを変更することで遅延を元に戻すことができる。使っている間に違和感を覚えたなら、適宜修正を行っておくといいだろう。

追加の音声モデルも各ECサイトから購入可能

ところで、Voidolはプリセットのモデル以外にも、対応するモデルデータのインポートを行うことで音声モデルを追加することができる。追加に関しては各ECサイトで販売されているライセンス付きのデータを購入し、購入後はVoidolをインストールした時と同じ手順でダウンロードし、Voidolにそのモデルデータをインストールする際にライセンスキーを入力することで使用することができるようになるというものである。この時に使用するのが拡張子ppkのファイルである。

詳しい手順についてはクリムゾンテクノロジーの公式ユーザーガイドの≪5.ボイス変換モデルを追加する≫に書かれている。また、提供されている音声モデルについては、VOCALOID系・人気声優のものが多い。中にはお遊びで作られたのか、鷹の爪団吉田君(FROGMAN)の音声モデルがあるようで、その幅は広いようだ。誰が使うのかはわからないが。なお、音声モデル自体はVoidol, Voidol2の両方に対応しているようである。

ただ1つ言えるのが、VOCALOID系の音声モデルを買うくらいなら素直にVOCALOIDを買え、ということである。Voidolは喋ったことが「それ風」にこそなるが、完全再現ではない。またVoidol2とは違い、ソフトウェアとして「少々粗い部分」があることも否めないので、新しくモデルを買って使うまでの価値があるかといわれると、それは微妙と言わざるを得ない。とはいえ、豊富な音声モデルはVoidolを使う理由の1つとなるわけで、もし気になる音声モデルがあるなら使うのも一興である。

使い方は人それぞれ、持っておいても損はない

Voidolに関する解説は以上で完了となる。製品としてちゃんと作られたソフトウェアでありながら、製作元のクリムゾンテクノロジーは無料配布を行った。Voidol2の宣伝を兼ねたものであるそれは、製品版が無料で入手できるということから多くの人が配布開始予定日に待機していたようである。その結果、開始日にアクセスが集中したこともあって結局3日間は対応のために一時的に取り扱いを停止する事態となった。再開したのは6月19日からで、それでもアクセス(購入)が集中する度にライセンスキーの新規生成が追い付かず、一時的に取り扱い停止を繰り返していたほどである。このことから多くの人が無料配布情報をどこかで見ていたということになる。

調査・解説して判明したのが、Voidolは確かに製品としてよくできているが、これを使いやすいと見るか、それとも使いにくいと見るかが大きく分かれるであろうということだ。私が使用した際は、既に恋声というフリーツールがあり、それと仮想オーディオインタフェースを利用した出力方法を既に会得している。とはいえフリーソフトの限界があり試してみたが、どうやら私が求めるものとは少し違ったようである。少なくともオーディオインタフェースを持っていない私には、認識精度の関係から少々使いづらいものであった。インストールしておいてなんだが、出番は少ないものとなるであろう。

しかしVoidolには音声モデル以外にポイントがあり、それがスペース機能とノイズゲートだ。要するにエコーとノイズキャンセリングである。エコーはいいとして、ノイズキャンセリングはフリーソフトではなかなか使いづらいものが多く、詳細に設定できる分感覚的に調整するのが難しいものが多かった。わざわざ音声を変換しないバイパス機能があるということは、その機能のためだけにVoidolを使う想定もされているということになるはずだ。この場合はやはり仮想オーディオインタフェースが活躍することになる。その代わり、起動するソフトウェアが増えるのでPC自体の負荷が増える上に画面がまた足りなくなるので、そのあたりの対策もした上で使うなら、Voidolをインストールした意味があるものとなるだろう。

実際に使うかどうか、使い方は人それぞれだ、しかし持っておいても損はないと言える。配布期間は9月15日までの予定であるので、利用したい人はAmazonか楽天ブックスで購入(インストール)してくるといいだろう。

 

以上、Voidol使ってみた!~期間限定無料配布で君も手軽にボイチェン!~、であった。次は何の記事で会おうかな?

 

KIBEKIN at 00:00 June 29th, 2022

 

Voidol以上に使えるボイチェン、下の記事より。

 


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RA管理人。名前は時にない。かつてこのサイトを管理していた前任者はどこかへ消えてしまった。


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