この記事の概要を簡単まとめ!
- VTuberの配信スタイルは様々にわたる
- よくある配信スタイルの1つに「耐久配信」がある
- しかし私としては同意しかねることが多くある
- 基本は条件を設けるが、やり方を間違えると超時間やることになる
- 日常生活のリズムを破壊してまでも行うことは「異常」である
- どうしてもやりたいなら「自分専用のガイドライン」を作れ
- やってもやらなくても、耐久配信の画一的な「ガイドライン」は作るべきだ
様々な配信関係機材を調査することは1つの趣味のようなものになっているが、実はその調査が本来すべきことのはずが疎かになっている気がしている。また、調査に際して見本となるいいアイデアが浮かばないこともある。折角多数の機能があるのに使いきれていないことに、少し悩んでいる。
一方で配信に関して、あるパターンの配信については言いたいことが溜まっていて仕方ない。所謂「耐久配信」とそれに準ずる配信は、見ていて痛々しいものだ。その理由は多数列挙でき、そしてそれに対して単純否定ではなく回避策の提案によって、禁止ではなく妥協という部分で指摘を行っていく。
ひとっ飛びできる目次
生活に影響するならそれは辞めろ
苦行とエンターテインメント
多岐にわたるVTuberの配信スタイル
配信はエンターテインメントであり、VTuberはその中の1つの表現方法、ジャンルとなる。また、VTuberも動画投稿型・ショート中心型と配信中心型の2つに大きく分類されるものと考えられる。ここでは配信について考えるものとする。通常1回の配信は特に事情がない場合2時間程度が平均的であり、これを基準に配信時間が上下するものとなる。現実において人間が休憩なしに集中できる時間が約2時間程度とはどこかで聞いた話であり、その場合の休憩時間は10分前後らしい。もっとも噂程度の話なので、事実かどうかは不明だ。
配信については、その内容次第でスタイルが変わることは間違いない。例えば単一のことを配信で行う際は、その所要時間を長くとることだろう。2時間以上4時間未満といったところだ。これが複数の場合は短い時間に切り分けて、場合によっては配信を一旦停止し、変更後に再度実行することもあるようだ。録画する人もいて、アーカイブとして残しておく場合はこれも同様に切り分けするようだ。こうすることで、シークバーをいちいち操作して探さなくて済むので、見る側からすれば優しいものになる。
また、配信する際にどのデバイスを使うかによってもスタイルを変えることができるだろう。殆どは単一のPCおよびコンシューマ機をキャプチャーボードを介してのゲームが一般的で、ちょっと進むとVRデバイスを使った配信をする人も現れる。特殊型として、最近第一弟子が爆誕したうーちゃんの場合は元々現実で大道芸人として活動していて、表現拡張の目的でVTuberになったタイプであるため、現実世界の映像とV体のミックス配信もある。以前はVTuberは現実を映すことについては否定的な意見が多かったが、現在はその制限思考こそ時代錯誤であり、道を外れなければほぼ何をしてもOKな状態である。
よくある配信スタイルの1つ「耐久配信」
さて、VTuber戦国時代とも言うべき今において、配信スタイルの1つとして取り上げられるのが「耐久配信」である。簡単に言えば「帰れま10」方式で、配信内で任意の条件を設定し、その条件を達成するまでは配信を終了しないというものである。これはテレビでもよく見るようなものだが、テレビの場合は編集されているのでだいたい1時間に収まるようになっている。対して配信は全てがリアルタイムで進行する関係で、無編集で進み、所謂「グダグダシーン」も全部ノーカットで見ることになる。つまり、テンポの悪いタイミングが多く存在することになる。
そして耐久配信は、良くも悪くも「ゲームセンス」が配信時間を左右する。つまりゲームがド下手くそか、あまりにも難しいゲームで、それをクリアまで耐久配信するというのであれば、それは愚の骨頂である。進むことすらままならないような状態ではもはやクリアは絶望的であり、つまり一生終わらないということになる。その場合は大抵、時間切れで終わりである。そんな無謀なことをするのはゲームセンターCXだけでいい。
これについて私個人としては、同意しかねる事が多い。まずシンプルに超時間配信すること自体に問題があると感じている。加えてそれを見ているリスナー側への身体的・精神的な悪影響、時間的問題、配信者自身の日常生活への影響は決して無視できないものになるはずだ。なので私としては耐久配信というもの自体を忌むべきものとして扱っている。
とはいえ単純否定は馬鹿でもできることである。そのため今回は耐久配信することの問題点を指摘し、それについて、一個人の見解だが画一的なものとなるであろうガイドラインを制定し、世に蔓延る「配信版自傷行為」を無くす提案をしていくこととする。
ここがやばいぞ耐久配信
耐久配信をすることによって起きる問題
まずは耐久配信をすることによって起きる問題について、その概要を列挙してみる。
- 超時間配信:前述の通り、せいぜい4時間程度が上限である。それを超えての配信は、体力的・精神的な問題を引き起こす可能性がある。
- リスナー側への影響:リスナー側にもやることやそれぞれの生活がある。継続しての視聴は基本的に不可能である。また、アーカイブで見るにしても長すぎることで見ないということもあり得る。
- 生活リズムの破壊:必須の生活リズムとしては、食事と睡眠は絶対に外せない。「終わるまで」とするならばこれらを無視することになり、生活リズムを破壊することになる。これは往々にして身体的な悪影響を及ぼすことは確実である。
多くはこのようなものになるであろう。もっと細かく分類すれば他にも存在するとは思われるが、今回はこれをメインとして取り上げることとする。
やり方を間違えたときに起きる上記の問題
さて、実際に任意のゲームで耐久配信をしたと仮定する。その終了条件が独自に設定したクリアまでであるとして、ゲーム難易度があまりにも高い、エンディングまでかなり時間がかかるものであるとした場合は理論上無限に配信することになるだろう。この場合、何かのトラブルが発生しない限りは終わらない状態になる。終わらないということは配信やゲームを中断せずに進行することになるので、そのまま進めていくといずれは食事や睡眠などの時間に配信が被ってしまうことは容易に想像できる。
そうなれば生活リズムを破壊することは確定であり、食事に関してはインスタントや出前などを利用すれば中断することなくできるであろうが、睡眠は残念ながら中断または停止しなければ不可能だ。そして前述の通り、人間が出せる最大パフォーマンスの限界時間は2時間程度、そこから先は落ちていくようなものである。つまり無駄に長く続くと次第にパフォーマンスが落ち、その結果より長くグダグダな配信が続くループに陥るのである。これを考えれば、耐久配信における問題点が浮き彫りになってくるのである。
日常生活のリズムを破壊してまでも行うのは「異常」である
指摘としては、日常生活のリズムを破壊してまでも配信を行うのは「異常」であるということ。これは私の持論であるが、日常生活が問題なく成り立っているというベースがあって、その延長線上に配信等のエンタメがあるべきと考えている。つまり配信は(「ガソリン」のような本業なり得る存在以外には)多くあるエンタメの1つでしかないということだ。それを前提に考えれば、日常生活のリズムを破壊してまで超時間やる意味はなく、ただ自分が苦しい思いをして終わるだけになる。それは達成感だとかの感情的問題ではなく、身体という変えられない資本への悪影響を考慮してのことだ。
人によっては一度決めてしまったことだから、とどうしてもやり通してしまうようなことが多い。ことジャップは「予定病」とも言うべき、計画してしまったら必ずその計画を実行しなければならないという謎の強迫観念を持ちがちである。だがその計画を無理矢理遂行すること、身体を壊してしまうことをそれぞれ天秤にかけ、どちらが良いかを判定することができれば、そのような無理はしなくなると思われる。
どうしてもやりたいなら「自分専用のガイドライン」を作れ
そうはいっても予定病よろしく、どうしてもやりたいという声が挙がることは容易に予想できる。そうならば私はもう止める言葉はかけない。その代わり、耐久配信の「自分専用のガイドライン」を作れということだけアドバイスしておく。多くの人は配信する際に「これはOK」「これはNG」ということをおそらく決めているはずで、そこに耐久配信の場合のOKとNGを加えるというものである。
具体例を示す場合、食事の時間にまでずれ込む場合はしばらく休憩してから再開する、指定した就寝時間を超えた時点で強制終了といった形である。一度決めたからといって予定病を発動する必要は一切なく、予定は所詮予定であるのだから、唐突に変えても問題ないはずだ。元々配信とは配信者が主体となってあらゆることを決めるのだからそれでいいはずだ。
やってもやらなくても、耐久配信の画一的な「ガイドライン」は作るべきだ
広義のVTuberとして活動し、他のVTuberとも交流するようになって参考情報として様々な配信を見るようになった私がずっと気になっていた「耐久配信」という配信スタイル。確かにそれも配信スタイルとしては間違ってはいないのだが、個人的に見ていて痛々しいものが多く感じられた。条件を設定し、それを達成するまでは決して終われないというのが基本となるそれは、まるで一種の自傷行為にも思えた。ある意味で身体が資本とも言える配信で、身体を自ら壊すようなことをしているのはシンプルに愚かに感じる。ちなみに激辛を食べるのもまた自傷行為のようなものだ。
配信には基本的なガイドラインが存在するが、それは往々にしてどこかのサービスのもので、内容も著作権関係、禁止行為に関してのガイドラインくらいしかない。配信スタイルに関しては特に何も規定されていないのである。つまりは耐久配信について、事実上ガイドラインは存在しないことになる。もっとも、個々のサービスにおいては規定するほどではないために存在しないものと考えられるが。
私としてはそんな馬鹿げた自傷行為は毛頭するつもりないが、それでも数字のためだとか期待に応えるだとか何だかくだらないことでやりたがる馬鹿もいるはずだ。それらに向けて言うことは1つ。やってもやらなくてもいい、だがやるときは自分専用のガイドラインを作れということだけだ。また、配信業界全体への提案としては、耐久配信における画一的な「ガイドライン」を作るべきである。そもそも帰れま10形式で受けるのは昭和のテレビの中だけで時代錯誤的にも思えるが、私は言いたいことを言ったのでこれで終わりとする。
以上、VTuber活動のトリセツ~耐久配信はガイドラインが要る~であった。身体を大事にしろ、壊れたら直す時間や金が勿体ない。
KIBEKIN at 00:10 Dec. 1st, 2023
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