この記事の概要を簡単まとめ!
- VTuberが活動していく上で1つの収入源となる所謂「スパチャ」
- 実際はマージンがかかるので実際に貰える額は少なくなる
- 外部システムを用いれば「基準」に満たなくとも利用できる
- 従来型の銀行振込はマージンが高く個人情報の観点からも非推奨
- バーコード・QR決済系はマージンが低く個人情報保護もあるが登録作業が面倒である
- サードパーティサービスも増えているが熟考が必要である
- 手間を取るか効率を取るか、どちらにしても苦労はある
あるVTuberがいる。それは私にとって大事なご友人である。そのご友人から本気のSOSが来た。要約すると「明日を生きるための金すらない」というものであった。これについて私は、緊急支援を行った。金がなくなった原因は本来入るはずだった仕事が全て突然のキャンセルを食らったためで、VTuber以前に人として生きることすらままならなくなったということである。これは異常事態だと思った。
さて、一般的社畜を除き、VTuberとして活動する際の主な収入源はどこかを考えると、所謂「スパチャ」と答えるであろう。投げ銭のことである。だがこれは使用条件ラインが厳しく、その割に還元率が低いとの噂であり実は非効率的である。そのため一部ではプラットフォームに依存しない外部サービスを利用している人がいるが、これは逆にスパチャする側が使ってないことが多い。手間vs効率に集約されるこれを考えることにした。
ひとっ飛びできる目次
手間と効率は常に表裏一体の存在
VTuberと活動資金
収入源の1つ「スパチャ」
VTuberの側にいることによって分かるものというのは多い。それは見方が変わることによるものであろう。その1つに活動資金がある。この活動資金の得方は人それぞれであるが、最も一般的なのは社畜をしつつVTuberとして活動する方法である。これはもう珍しくないものになっている。元々リスナー側だったのが自分でもやろうと思ったことや、身内での活動から拡大してVTuberになるといったことが多いようである。その例をいくつか観測している。
この方法は最も活動資金が安定しているが、VTuberとしての活動はその社畜の活動時間に依存するため、長くは活動時間を取れず、動画投稿数や配信頻度はどうしても低くなるであろう。それ故、伸びにくいということはよくある話だが、当然の傾向でもある。伸ばしたくば専業でVTuberをやるのが理想である。その場合の収入源の1つとして充てられるのが投げ銭、業界用語的に「スパチャ」である。現実世界におけるチップやおひねりのデジタル版だと思えば分かりやすい。
これはうまくやればそれだけで生活できると言われている。だがそれは、仮にVTuberが100万人いたとして、その中の1人だけというレベルである。そもそもスパチャが有効になるスタートラインにすら立てていない人が全体で過半数である。加えて、たとえ有効であっても登録者数=スパチャの期待値となると仮定すれば、スタートラインに立てていない人と全く同じ状態であると言える。そのため実態は単なる小遣い稼ぎ程度でしかなく、それで生活できるのは大型事務所の雌だけである。それが世界の理である。
スパチャの噂:マージンが高い
そんな憧れの対象とも言えるスパチャだが、実はある噂を聞いている。一般的な配信プラットフォームとなるYouTubeやTwitchを始めとする、各プラットフォームのスパチャ還元率は実はそれほど高くないということである。それが意味するのは、マージン1)プラットフォーム側が持っていくシステム利用料みたいなものとする。や出金時の手数料が高いということである。
もっとも私はスタートラインすら立てていないので内実を知っているわけではない。だが何故そう思ったか。それはcleaちゃんがいつしかの配信で独り言かのように言っていたことに起因する。その時のcleaちゃんは、YouTubeのスパチャは実はそれほど還元されないのでグッズを買ってほしいというような内容(うる覚え)を言っていたはずである。あくまで推測の域を出ないがこれが事実とすれば、スパチャではあまり支援にならないということである。
ということは主要プラットフォームの1つでもあるTwitchでも同じことが言えるであろう。こちらはビッツであるが、執筆時点(2023年10月4日確認)での1ビッツのレートは¥2.23前後となっている。ただしまとめて購入した場合は少しだけ割引されるようである。したがって1ビッツは単純計算で¥2ということになるが、それを現金化する際の各種手数料については詳細は不明である。だがYouTubeのことを考えればビッツ通りのレートで貰えるということはあり得ないはずで、その割合がどれくらいにしろ、効率が悪いと言えるはずだ。
外部システムを用いれば「基準」に満たなくとも利用できる
だが現代は様々な決済手段が存在し、投げ銭システムを提供している企業やサービスも多くなっている。理論上はこれらを利用すれば、そのプラットフォームでのスタートラインに立てていなくともスパチャを利用することが可能になる。ただしその場合は「金」が関わるので、それらのサービスでも結局本人確認が必要になる。もっともこれは他の「金」が関わるサービスでも同じことである。YouTubeでもTwitchでもスタートラインに立ったら、いずれ必要になるものだ。
特定の決済手段や外部サービスについての解説についてはここでは行わないが、これらのサービス・システムとプラットフォーム標準機能とを比較し、使用方法・効率・個人情報・セキュリティといった様々な面でどれくらいの差があるかを確認する。その上で、最適解をこれ1つと決めるのではなく、シチュエーションや行動タイプ等の事情に合わせて、どれが最適であるかを示す形で比較していくこととする。
スパチャの最適解―それぞれの事情に合わせて―
銀行振込:最もスタンダードだが色々と面倒
皆が確実に1つは持っている銀行口座。持っていないのは余程の理由があるか、口座を解約してどこかに逃げる時くらいである。一般用途では必ず普通口座として登録するはずで、そこを給与の入金とクレジットカードによる各種引き落とし先として指定する。一昔前は口座は1つのみというのが通例であったが、現在はインターネットバンキングや会社指定の口座が必要という例もあるので、複数口座を持っていることは一般的であるようだ。
口座の登録には個人情報が必須であり、一般的な銀行は氏名と本人確認書類が必要である。これはインターネットバンキングでも同様で、加えてATMで使用するためのキャッシュカードを受け取るために住所情報が必要である。ただし口座自体は銀行名(銀行コード)・支店名(店番号)・口座番号と氏名のみで振り込みが行えるようになっている。そのため、一般的な給与振込では、この方法で受け取っていることが殆どのはずだ。
それでは銀行振込を行うと仮定して、しかし面倒事が多いことが分かる。まず振込に必要な情報である口座情報と氏名(大抵はカタカナ)を相手に知らせる必要があり、この時点で氏名が知られるのと、口座情報が知られることによる悪用の危険性がある。また、銀行によって振込手数料がそれぞれ大きく異なるものになっており、インターネットバンキングを利用すれば最小の手数料で済むが、一般的なATMや窓口入金では大きく手数料を取られ、効率が非常に悪い。個人情報にダイレクトに繋がりやすいことを考えれば、普段のスパチャとしては利用できない。
バーコード・QR決済系の流用はしやすい?
キャッシュレス化においてメジャーになっているのがバーコード・QR決済サービスである。そのサービスはいずれも大企業の運営する決済サービスの1つであることが多く、同企業が展開する他のサービスに特化したものであることが多い。憎き三大キャリアもそれぞれが提供しているものがある。
- docomo: d払い スマホアプリ「d払い」で利用できるdocomoの決済サービス。支払い方法が5種類あり、当然残高支払いも可能。アプリ自体もポイントが貯められるようになっている。dカードとの併用で両方にポイントが貯まる二重取りが可能で、非常にポイントが貯まりやすい。
- au: au PAY スマホアプリ「au PAY」で利用できるauの決済サービス。au PAY残高かクレジットカードで支払いが行えるもので、Pontaとの連携が可能である。特記すべきことが見つからない。
kuSoftBank: PayPay スマホアプリ「PaiPai」「PayPay」で利用できる、PayPay株式会社の決済サービスだが、親会社がクソフトバンクとLINEであるので実質クソフトバンクの決済サービス。LINE Payとは異なる。原則残高での支払いで利用するもので、三大キャリア系決済サービスの中では最も縛りがきつく、度重なる改悪でポイントが貯まりにくいことでも有名である。PayPay経済系崩壊済み。
これらを代表的存在として、他にも有名なのがLINE Pay, メルぺイ、Amazon Payといったものがある。これの他にも探せば多くあるはずで、もはや”Pay”をつけることに抵抗がない企業のほうが多くなっている。だが殆どの人はそうはいっても汎用性と対応の広さで従来のクレジットカード決済を選ぶ人が多いであろう。日常生活ではそのはずだ。
だがこれらのバーコード・QR決済のうちごく一部に存在するのが、同じアプリ(決済サービス)間での送金・着金機能だ。私が確認できる範囲ではPayPayのみだが、これにはアプリ間で手数料0円・1円単位で送金し、それを受け取ることのできる機能がある。
私はこの機能を使う相手がいないので使ったことがないが、送金手数料が0であるので理論上は無損失で送金できることになる。出金に関してはPayPay銀行を利用している場合、月1回の出金手数料無料を利用したり出金額が3万円以上であるとその手数料を無料にできる。したがって、ある意味ではスパチャの最適解であると言えるものになる。
サードパーティサービスも増えているが熟考が必要
ここ最近の傾向として、最初から高すぎるスタートラインを達成することは諦め、投げ銭のサードパーティサービスを利用することもある。そのサービス自体はそもそも他の用途でも使用されているものであることが多く、クリエイター向けのサービスとして展開されていることの方が多いはずだ。代表的なものではPixiv FANBOXやPatreonといったものであろう。
ただしこれらのサービスも決して完全ではない。サービス毎に異なる手数料が当然の如く存在し、それに気を付けなければプラットフォーム標準機能のスパチャよりも効率が悪くなる可能性がある。一般にPatreonはクソ高手数料であるはずで、FANBOXも還元率はそこまで良くはなかったはずだ。もっとも、本業に対する副産物の公開場所や特殊サービスを提供する場としての利用が多いので、そこまで気になってはいないのであろう。
それとは別で、YouTubeやTwitchと連携を前提とするサービスも多数存在する。外部のスパチャシステムということで規制対象なのではという心配がなされているが、そのサービスが公式に許可を取っている場合は問題ないとの回答を得られているようである。それ以外の場合は使うべきではない。また、これも先の決済サービスと同様、手数料がサービス提供元で異なり、その手数料が発生するタイミングも異なるので、それらはよく確認する必要がある。だがスタートラインに立たずとも使えるという部分では、戦国時代を生きるためのいい手段であると言える。
特徴と事情を踏まえた上での考察
さて、これらの特徴と個々の事情を踏まえた上で、どれが最適解であるかを考察していく。
面倒が嫌いな人=プラットフォーム標準機能
ACPPでお馴染みのスティンガーの如く、面倒が嫌いな人は多い。つまり、外部サービスは原則使いたくないという人は必ず一定数存在し、その場合はプラットフォーム標準機能のスパチャを利用することになるはずだ。しかしその機能を解放するには、各プラットフォームが定めるスタートラインに到達しなければならないので、それに達していない場合は利用できない。よってこれは一種の「非現実的な方法」にも分類されるであろう。加えてスタートラインに到達するまでの血のにじむ努力とマージンによる低効率も考慮すれば、到底現実的ではないであろう。
非効率が嫌いな人=バーコード・QR決済
逆にスパチャの非効率性が嫌いである場合、バーコード・QR決済が選択の1つになる。これについては、最も効率が良くなるのが現時点で確認できるものでPayPayである。それ以外のものも、同じサービス間での送金・着金は原則として手数料がかからないものになるはずだ。ただし受け取った金を現金化するには、その決済サービスと同じ系列の銀行サービスを利用しなければならず、同時に出金機能の利用には本人確認が必須であることが多い。これらはいずれも手間のかかるもので、しかし一度有効化してしまえば確実に手数料無料の恩恵を受けられ、着金に必要な情報も最小限で済むのがメリットであると言える。唯一の問題は相手も同じサービスを使っていなければ適用できないことだが、本当に支援したい気持ちがあるのなら相手が合わせるはずである。それくらいはやってもらう方がいい。
面倒が嫌いで非効率が嫌いな人=外部サービス
さて、両方とも嫌いだという人は必ずいるはずだ。その場合は外部サービスの利用が選択されることになる。この場合はログイン方法を普段使っているGoogleアカウントやTwitchアカウントなどと連携することで可能で、決済手段もクレジットカードをはじめとした、インターネット上で完結する方法によって支払うこともできることが多い。このシステムは配信者側の作業が少しだけ面倒であるが、双方において利用は簡単なものになっていることが多い。ただし外部サービスという部分に引っかかって使わない人が多いのが推測されるため、そこへの誘導をどう行うかが重要になる。もっとも使わないというのなら、そいつはその程度にしか考えていないことの証明であり、そんなものは気にしない方がいいということだ。
手間を取るか効率を取るか、どちらにしても苦労はある
一億総貧困強制時代という、心を持たない人間の姿をした蟲が世界一存在するのが金メッキの剥がれた錆びたブリキ国家ジャップ。このせいで一般社畜はもちろん創作活動をしている人ですら、「最低限の人として生きること」ができない状況に陥ることが当たり前のことになり、それはVTuberも例外ではない。冒頭で示した「ご友人」も、直接的な原因は向こう側の一方的な仕事のキャンセルであるが、元をたどればクソジャップ政府のせいであることは十分考えられる。一般国民は上級國民の「奴隷」ではないのだが、人間の姿をした蟲である以上理解はできないであろう。
そうしてまともに生きられなくなるとき、やはり人は誰かに頼らざるを得ない状況となる。一般にYouTuberないしVTuberに分類されるタイプは、間接的収入として広告導入によって稼ぐことはできても微々たるものであることは多く、そもそもそのシステム自体が「スタートライン」に達することが必要であることも多く、全く現実的ではない。現金の授受における一般的手法である銀行口座振込に関しては、氏名がカタカナではあるが判明してしまうことが多く、加えて送金方法、他行間手数料の差が非常に大きく、現実的な方法ではない。
そうして挙げたのが標準機能を除く2種類の方法。バーコード・QR決済の送受金サービスの流用と、公式に許可を取っているサードパーティサービスの利用である。前者は本人確認と対応する銀行口座(インターネットバンキング)の作成が必須で少し手間がかかるが効率は非常に良い。後者は公式に許可を取っているかどうかは、YouTube=Google, Twitchでのログインが可能かどうかで判定する。こちらは残念ながら効率は100%ではないことの方が殆どであるが、少々手間は省ける。
どちらにせよ苦労はすることは間違いないが、プラットフォーム標準機能のスパチャが使えない、あるいは還元効率に疑問があるなら、別経路を用意することはごく普通で当たり前のことである。ある事象への解決策は1つということはなく、複数存在するのでそれを試すだけ試し、その中に自分が合うものがあればそれを使い、無いなら別の方法を探すだけである。脳死で1つの方法に拘るよりは賢い生き方と言えるはずだ。
以上、VTuber投げ銭論~最も「ダイレクト」な方法を考える~であった。これはずるいんじゃない、少し変わった「賢い」やり方だ。
KIBEKIN at 00:00 Oct. 9nd, 2023
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脚注
本文へ1 | プラットフォーム側が持っていくシステム利用料みたいなものとする。 |
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