この記事の概要を簡単まとめ!
- クソフトバンクからNUROモバイルへMNPしたKIBEKIN
- Xperia 1は2019登場の初代モデルであり、5Gには非対応
- MNPするにあたって自分で5G対応モデルを調達することに
- Xperia、1や5は過剰、Aceは貧弱、最適解は10だった
- 2022年の新モデルXperia 10 IV, 楽天/MVNO向けSIMフリー版の中古を入手
- ミリ波非対応だが5Gの主要Sub6に対応し、どのキャリア回線でも利用可能
- Snapdragon 695 5GはAnTuTu平均39万点台、ゲームも高画質でないなら割とできる
- HDRはないが、cleaちゃんの動画を1080pで再生して綺麗に観れる
- 主目的のテザリング、SoCが中間性能なのでバッテリー消費も低め
- Xperiaはミドルレンジでも満足する性能を持っていた
キャリア乗換というのはそれまでは一大決心的な事であったが、MVNOが存在する今は深く考えるべきことでもなくなった。この前はようやく、デメリットだらけのデッドウェイトだったクソフトバンクを離れ、MVNOの中でも回線速度と品質を重視しているNUROモバイルに変更した。他にも選択肢は存在したが、それらも比較した結果でNUROモバイルのNEOプランを選択したのである。
よく言われているMVNOの格安SIMプランは、本当に安い場合は共用回線のような感じで品質が低いが、上位プランの場合は料金こそ高いが専用回線と豊富なオプションを用意し、総合的には三大キャリアの最低プランよりも安くて品質が良いということが多くなっている。また、5Gオプションも上位プランなら問題なく使用でき、大元もキャリア回線なのでちゃんと回線を選べば、クソフトバンクダメダーのような下手なホームルーターよりも優秀であることは多い。
ただ、5Gを利用する上で必要なことが、スマートフォンが5Gに対応しているかどうかである。回線エリアが5Gでも受信側が5Gに対応しないなら使えない。なので殆どの人は契約時に端末も同時購入することが多い。しかし私は中古で自分で調達した。その際にXperiaを候補としていたが、1や5は性能が過剰で、Aceでは足りない。これにより自ずと候補は10に絞られた。2022年7月、Xperia 10 IVが各キャリア版とSIMフリー版で同時発売され、その中からSIMフリー版のXQ-CC44を入手した。Xperiaでも10は性能不足、そう思っていた私でさえ納得する仕上がりのこれを見ていくこととする。
だから私は、Xperia 10
Xperiaと5G
Xperiaを使い始めた日
ソニーの製品は、ソニーグループの技術の結晶であると同時、非常に壊れやすく「ソニータイマー」と揶揄されることもあるものである。実際のところは運次第であるのだが、そうであってもユーザーは非常に多い。その代表格はPlayStationであり、それ以外にはテレビ、オーディオ、カメラに強く、スマホで音楽を聴く時代でも音楽専用プレイヤー「ウォークマン(Walkman)」を展開している。カメラはデジタル一眼カメラ「α」シリーズが、テレビはブラビアが有名で、有機ELディスプレイ=ソニーの図式は当たり前に成り立つものになっている。
一方、ソニーは2008年、スマートフォン事業への進出を狙って、それまで”Walkman Phone”や”Cyber-shotケータイ”を販売していたのとは別のシリーズとして新たに発表したのが、ソニー・エリクソン名義でOSはWindows Mobileの”Xperia X1“である。本当の意味の初代Xperiaであり、ここからXperiaシリーズが始まることとなる。だが当時ソニーは開発力がなかったため、HTCによるOEM供給で開発していた。また、このモデルは日本未発売である。日本で最初に発売されたXperiaは、2010年にdocomoから発売されていたXperia X10(SO-01B)である。このモデルから初めてAndroid OSが採用され、後のモデルは全てAndroid OSになる。Xperiaはいずれのモデルもソニー製品の技術を取り込んだものになっていることが特徴で、X10はサイバーショットとウォークマンの技術が取り入れられている。ただ、不具合も多かったようで、まだ不完全という代物ではあった。
しばらくはXperiaは「Androidスマートフォン」ということでdocomoのみ供給・販売していたが、auはXperia acroより販売を開始する。2014年10月から販売開始したXperia Z3は三大キャリアがそれぞれの仕様に合わせたモデルで同時発売となり、ようやくソフトバンクも提供するようになった。しかしiPhoneを主軸とするソフトバンクはXperia自体置くことが非常に少なかった。そのためXperiaは基本的にdocomoかauのものとなっている。とはいえ、Xperiaは2010年代でも難点が多かったようで、爆熱Xperiaとして有名なZ4はもはやホッカイロと呼ばれるほどだった。そんな私が初めてXperiaを触ったのはZ3からで、その頃は白ROMとしてアプリ開発用に持っていた。実はZ3もカメラを長時間使うと爆熱になって強制終了するという欠点を持っており、熱問題はその頃から存在していた。このため、Xperiaは残念ながら、ワロウズと呼ばれるARROWS共々、評判は良くなかったのである。
メインスマホになったXperia 1
そんな悪評を覆すべくソニーが2019年6月に打ち出したのが、今後のXperiaのベースとなる『1から生まれ変わった、ソニー渾身の新フラッグシップ。』Xperia 1である。その時点でのソニー製品で採用されているあらゆる技術を詰め込んだもので、21:9の4K HDR対応有機ELディスプレイ(3840×1644)をスマートフォンとして世界初搭載とし、このディスプレイをフル活用するために高画質化エンジン X1 for mobileを搭載している。このディスプレイはマルチウィンドウによって画面を2分割して、それぞれ別のアプリを表示可能にしている。カメラはαの技術を取り入れ、Xperia初のトリプルカメラで標準・望遠・超広角の3つのタイプを使い分けることができ、BIONZ X for mobileを搭載して世界初の瞳AFも実現した。また、本体性能も非常に高く、ゲームも高画質で問題なく動かすことができ、画面性能の向上で広く、鮮明に見えることもXperia 1の売りとなっていた。標準搭載アプリのゲームエンハンサーによって、さらにゲームを快適にプレイできるような機能も提供している。
2019年9月、まだかろうじて自分を偽って社畜していた頃、それまで使用していたiPhone6Sは、性能不足が露呈し、外装の破損も激しくなっていた。そこで、近くのヨドバシカメラで新しいスマートフォンを、iPhone以外から選択しようとなったわけであるが、ここでソフトバンクであったことのデメリットが発生する。ソフトバンクはXperiaの取り揃えが悪すぎるのである。どれくらい品揃えが悪いかはこのページを参照してもらうと分かるとして、当時はXperia 1しか置いていなかったのである。つまりXperiaが欲しくても、そもそもそれしかなかったわけで、こうしてメインスマホはXperia 1となったのである。
私としては、別に高性能なものを求めているわけではなかった。しかし、ここであえてXperia 1を選んでおけば、性能的にしばらくはスマホを変える必要はなくなる。今後のことを考えた私は、当時の価格で12万1440円であり、ヨドバシのカードで一括支払いをすることによるポイント還元分は10%+1%で、1円未満を切り捨てた10万8081円のそれを購入した。そこから私は、正式にXperiaがメインのユーザーとなったのである。
5Gの登場、非対応のXperia 1
2020年3月、海外に大きく遅れる形で5Gの一般利用が開始された。この5Gはまず都市部から整備を開始し、徐々に住宅地や地方へ展開していくという形である。基地局の整備や5G普及率の向上はauとソフトバンクが率先して行っており、docomoはこれに遅れていた。しかし前者は4G転用による5G、所謂「なんちゃって5G」や「エセ5G」による、見た目だけの普及率増加を優先していた。したがって、表示上は5Gでも実際は4Gと全く変わらないという、よくよく考えれば景品表示法違反にもなるであろうことを行っていたわけである。docomoは4G転用の5Gはそれにあたる可能性があると考えていたようで、先に5G設備の増強を行って、4G転用はそれがある程度進んだ時点で行っていた。そのため、2023年4月時点でそれぞれのエリア比較(D, a, S)をすると、docomoが都市部での真の5G率が高く、auとソフトバンクはエセ5Gであることがわかりやすいくらいになっているはずだ。なお、楽天モバイルに関しては、MNOとしてまだ出たばかりのため設備準備中という印象である。
場所は明かせないが、どのキャリアが5Gエリアにかかっているかを確認したところ、docomoの5G(Sub6)の範囲内にいることが分かった。前回私はMNP権を行使してクソフトバンクからNUROモバイルに移行したわけだが、その際にそれに合わせて回線をdocomoに変更したのである。ただその際に1つだけ問題があり、使用中のXperia 1は5Gが正式に運用開始となる以前に登場したものであるために、4Gまでしか対応していないのである。これは三大キャリアモデルとSIMフリーモデルのいずれでも共通しており、本体の仕様である以上どう頑張っても対応することはない。
この関係でMNPに伴って新しいスマホの調達が必要になった。本来ならMNP時に対応するスマホを同時に購入すれば解決するのだが、金のない私が真面目に新品を買うとなれば、それだけで重い出費である。なのでこの点を考慮して、MNP実行前に状態が良く、5Gに対応する中古品のスマホを探して手配することにしたのである。
Xperiaで探す:1, 5は過剰、Aceは貧弱、最適解は10
その候補について、既に前提条件は決めていた。Xperiaを使っていることから、次に使うのもXperiaである方が何かと都合がいいと考え、Xperia縛りで探すことにした。現行のXperiaはそれぞれ、1・5・10がIV、AceがIIIとなっている。また、特殊機としてXperia 1 IIIベースのカメラ特化版であるXperia PRO-Iと、Xperia 1 IV専用ゲーミングギアのXperia Streamがある。なお、2019年に登場したXperia 8は同時期に海外向けに出していたXperia 10の国内版であり、その関係で国内ではXperia 10(無印)の扱いがなく、10シリーズはIIからとなっている。なお、性能はあまりよくなかったようである。
ソニーのXperia公式サイトの以前の機種一覧では、数字系列がIIまで、Aceは初代までとなっている。このあたりは5Gの出始めで登場したものになり、SIMフリーモデルであればSub6(n77, n78, n79)は完全に対応している。なお、1 IIはn77, n79が、5 IIはn77の利用にアップデートが必要である。なお、10 IIとAce IIは5Gには対応していない。次に各モデルのIIIでは、SIMフリー版は1と5は全てのSub6に対応し、10はn77, n78のみでdocomo系のn79には対応していない。ただしdocomo版の10ではn79も対応している。AceはSIMフリーモデルが存在せず、docomo, au, Y!mobileのみで何故かソフトバンク版は存在しない。対応するSub6はそれぞれのキャリアに合わせたものになっている。ミリ波対応については、各キャリアモデルのみとなっている。最新となる各モデルのIVは、SIMフリーではいずれもSub6のみ対応している。ミリ波対応は10のみ対応せず、1と5のみである。また、ミリ波は各キャリアモデルでのみの対応で、これはまだミリ波が一般的ではないことによる対応であると考えられる。
上記の情報と、各モデルの性能を照らし合わせると、IVになってしまうと1と5ではもはや過剰すぎるものになり、かといってAceでは貧弱でありモデルも少し古いものになる。かといって性能を求めてIIやIIIの1と5にするかといえば、それらは既に古いものとなり、今後のアプリ対応やOSアップデートを考えても現実的とは言えない。そうして答えは自ずとXperia 10 IVに絞られた。私としても、普及率の関係からミリ波は捨てても問題ないと考えているので、docomoのSub6が使えるdocomo版かSIMフリー版を探したのである。どうやらクソフトバンクはXperia 10 IVのバラマキを実施していたために市場には「粗悪品」が紛れ込んでいたが、それを上手く回避して発見したのがIIJmio版。楽天モバイルまたはMVNOから提供されているものは全てSIMフリー版であり、中古品ながら状態はよく、前任者のはからいで箱付きに保護用のフィルムとケースが付属した状態で入手することに成功した。Xperiaとしてはミドルレンジでありながら、IVまでくればその性能は十分であるはずと考えたこれは、果たしてどんなものなのだろうか。
新スタンダード”Xperia 10 IV”
基本調査:Xperia 10 IVの仕様
まずは公式サイトから確認できる情報をもとに、Xperia 10 IVのカタログスペックを記載する。なお、SIMフリーモデルを基準とする。
- 名称:Xperia 10 IV
- 型番
- docomo: SO-52
- au: SOG07
- SoftBank: A202SO
- Rakuten, MVNO (SIM free): XQ-CC44
- 全長×全高×厚さ:約67mm×約153mm×約8.3mm
- 重量:約161g
- バッテリー:5000mAh(内蔵電池)
- OS:Android 12(アップデートで13を利用可能)
- CPU:Qualcomm Snapdragon 695 5G Mobile Platform 8 Cores/8 Threads ( 2x Kryo 660 Gold (Cortex-A77) 2.20GHz + 6x Kryo 660 Silver (Cortex-A55) 1.70GHz)
- GPU:Qualcomm Adreno 619 840~940MHz (推定値) ( OpenGL ES 3.2, OpenCL 2.0, DirectX 12.1, Vulkan 1.1 )
- RAM:LPDDR4X 2133MHz 6GB
- ROM:128GB
- 外部ストレージ:microSD/microSDHC/microSDXC (最大1TB, 設置場所はSIMトレイ手前側)
- ディスプレイ:約6.0インチ/有機EL トリルミナス ディスプレイ for mobile/FHD+
- カメラ(メイン)
- 16mm(超広角):有効画素数約800万画素/F値2.2
- 27mm(広角):有効画素数約1200万画素/F値1.8
- 54mm(望遠):有効画素数約800万画素/F値2.2
- カメラ(フロント):有効画素数約800万画素/F値2.0
- 外部接続
- Wi-Fi:IEEE802.11a/b/g/n/ac
- Bluetooth:ver.5.1
- 外部デバイス:USB Type-C
- 防水/防塵:防水(IPX5/IPX8)
- おサイフケータイ:○
- 情報取得/リンク(NFC):○
- 生体認証:○(指紋)
- 3.5mmオーディオジャック:○(4極ヘッドセット(CTIA規格準拠)対応)
- ワンセグ/フルセグ:-
- FMラジオ:-
- ワイヤレス充電:-
- 伝言メモ:○
- SIM仕様:nanoSIM/eSIM (デュアルSIM対応)
- その他
- 日本語入力システム:Gboard
- メールアプリ:Gmail
- 画像閲覧アプリ:Google フォト
- 対応バンド
- 5G:n3/n28/n77/n78/n79
- LTE:B1/B3/B4/B5/B8/B12/B18/B19/B21/B38/B41/B42
- 3G:B1/B4/B5
- GSM:850/900/1,800/1,900MHz
- カラー:ブラック、ホワイト(楽天モバイルは左2種類に加えてミント、ラベンダー)
- メーカー直販サイト価格(本体のみ):¥60,500
Xperiaの区分として、あらゆることに特化したフラッグシップ・ゲーミングモデルの1、1から機能を少しオミットして小さめに仕上げた5、基本性能は下げつつもXperia特有の機能はしっかり装備したミドルレンジの10、最低限の機能で手軽に使えるAceという区分になる。実のところ、XperiaもIVまでいくと1や5は性能が高すぎて使いきれないものになりがちで、そうなると機能を削減しつつもXperiaにあるべき機能がしっかり実装されている10が選択肢になるのである。また、ミリ波普及率と今後の普及期待度的に当分先になることも考えれば、ミリ波に非対応でも問題ないのである。Sub6の重要バンドであるn77/n78/n79の3つに対応しているので、MVNOを使うのならこれで十分である。
さて、10 IVの外見であるが、基本は1や5に準拠しつつも、10では右側面のボタンは指紋認証兼電源ボタンと音量ボタンの2つのみで、カメラボタンを持たない。そのためすぐにカメラモードを起動することは難しくなり、撮影も画面上のボタンをタップすることでしか撮影できなくなっているが、カメラモードの起動自体は電源ボタンを2回素早く押下することによって起動できるようになっている。左側はSIMトレイ・microSDカードトレイのみで、それ以外に余計なものは存在しない。上側面は各XperiaのIIから復活した4極タイプのφ3.5mmイヤホンジャックを持ち、下側面は標準規格のType-Cとマイクが実装されている。正面下部にはスピーカーがあり、モノラルとなっている。標準のオーディオとしてはやや欠ける部分こそあるが、イヤホンで聴くのが当たり前の時代にスピーカーはおまけのようなものであると言える。また、映画等を見るにしてもそれはブラビアなどで代用が効く以上、コスパを優先すれば10 IVには不要という判断になるため、オミットされているとも考えることができる。その意味では合理的な設計がされていると言える。
Xperia 10 IVの機能と1, 5との違い
Xperia 10 IVは公式サイトで推していることが、2022年5月11日現在、5G対応でバッテリーが5000mAhのスマートフォンでは最軽量の約161gであることだ。そうでありながら、1や5と比較して小さめに設計されているので、片手で持つのに苦労せず、ポケットに入れて持ち運ぶにも楽である。通常使用であれば1日以上持つ容量であり、加えてAndroid13標準機能であるいたわり充電が制限容量常時80%モードも追加され、このことから公式サイトでは3年使っても劣化が少ないロングライフバッテリーということであるようだ。解説ページは5 IVであるが、IV系列は全て共通の5000mAhバッテリーを使用している。これに10 IVはSoCがSD695 5Gであるので、消費電力的に長持ちするものと考えられる。また、3年経つ頃には10もVIくらいになって、ミリ波普及率も上がっているためミリ波対応することも予想されるので、それまでパフォーマンスが目に見えて低下することなく使い続けることができるのも利点と言える。
1と5はドイツ・カールツァイスのT*コーティングカメラを採用しているが、10は通常のカメラである。アプリもPhotography Proではなく、これまでのデフォルトのカメラアプリである。しかしトリプルレンズであることは共通している。カメラ性能的にはXperia 1(2019)に似ているもので、瞳AFこそないが、前機種をずっと使ってきた私には違和感のないものになっている。解像度は4:3(12MP)がデフォルトになっており、サイズは4000×3000となっている。Xperia 1(2019)は4032×3024なので少しだけ小さいものの、10 IVではズーム構図アシストが存在するので撮影しやすさは圧倒的に上がっている。そのため、Xperia 1(2019)から変更したとしてもカメラは満足するだろう。
個人的見解としては、クリエイターは迷わず1 IVを選ぶべきであり、クリエイターではないが妥協したくない人は5 IVとした方が満足するであろう。それとは別に、クリエイターではなく、ゲームもあまりしないので過剰な機能も要らないが、カメラもサウンドも他より妥協したくないという人には10 IVとなるであろう。また、現在IIIまでしか存在しないAceは、IVが出てきたときに10 IVとどれくらい異なるかによっても、選択肢が増えるものになると考えられる。少なくとも、悪くはならないはずだ。
Xperia 10 IV使ってみた!
Xperia 10 IVを実際に使用し、その結果をレポートしていく。
一般実験:ブラウザとcleaちゃんを1080pで再生
Xperia 10 IVは、ディスプレイがHDRに対応していない。Xperia 1(2019)では対応している。1と5では標準装備である分、10 IVのコストダウンのために削られた機能であると考えることができる。また1と5のように120Hz駆動ではないので、高速スクロールやゲームプレイ時にはこれが足枷になることもあり得る話になる。とはいえ、ソニー特有の有機ELディスプレイは共通で、かなり画面が綺麗に見えるはずだ。なお、SoC単体でのベンチマークはこのページから、Xperia 10 IVとしてのベンチマークはこのページから確認できる。
まずはいつものテストとして、ブラウザ利用をテストする。文字入力、画像の表示等を行い問題がないかどうかを確認し、同時にいつものベンチマークサイトを利用する。その様子をAndroid標準のスクリーンレコードで動画として収録したのが以下である。なお、解像度とFPS値は容量の関係で落としている。
上記では、特に問題なく動かせていることが確認できるはずである。もっとも、アップロード時点で容量を落としている関係で遅く見えるが、実際には遅くなることはなかった。なので一般利用においては問題なく使用でき、実験時はWi-Fi環境であるが、最大で802.11acに対応するので、遅くなることは少なくともありえないはずである。
次の検証は、YouTubeで1080pの動画を再生したとき、果たしてスムーズに再生できるかを確認する。対象の動画はcleaちゃんの「なにやってもうまくいかない」である。どういうわけかやはり内部音声をキャプチャすることができなかったので、scrspy(ver2.0)を経由してOBSで録画している。容量の関係で、解像度とFPS値を落としたうえで実験している。その結果が以下である。
まず結果からすると、問題ないのである。遅延もドロップも発生せずに完全に再生することができた。10 IVそのものはHDR非対応でリフレッシュレートも仕様には非記載だが開発者モードで確認すると60Hzであり、一般的なスマートフォンの画面と同じである。そのため、YouTubeやTwitchの1080p60fpsを見る分には特に問題は起きないものとなる。Xperia特有の有機ELディスプレイで、ほかのスマホで見るよりも綺麗に見えることは確かなので、その分のアドバンテージはある。だがそれならPCで見た方が早い気もするが。
負荷実験:PUBGモバイルをしてみる
人はスマートフォンを語るとき、何回やっても孕原神をベンチマークにしたがる。私は別に好きでもないので、逆にFPSでベンチマークを行うことにした。APEXモバイルはもう終了したのでベンチマークには使用できないうえにXperia 1(2019)でようやくスタートラインだったので、それよりもずっと前からリリースされて今でも遊ばれている簡易ピネガキ製造スマホFPSことPUBG Mobileをベンチマークの代わりとした。
これまでPUBG Mobileをベンチマークとしているのは、現在はもう手元にないAlldocube iPlay 30 ProとLenovo TAB6の2回だが、それらはいずれもAndroidタブレットでの検証である。Xperia 10 IVは知っての通りスマートフォンであり、画面が小さいものになる。だがSoC性能自体はその過去2回よりも良く、最も近い存在となるTAB6(SD690 5G)とは1世代違いというだけのものであるが、プロセスは6nmで、メインCPUクロックが0.20GHz向上しており、GPUがAdreno 619で’L’が無くなったことによって基本性能が向上し、RAMがLPDDR4X 2133MHzでクロックが上がったことにより、ゲームのしやすさは確実に上がっている。これを考慮し、画質クオリティをHD、フレームを高、アンチエイリアス無効、シャドウ有効の設定で行った。その際の一部分が以下となる。
実際のプレイ時には、画質が高くても引っかかることはなかった。これはSD695 5Gの基本性能の高さによるものであると考えられる。当然、上位モデルである1と5にはあらゆる点で敵わないものの、ここまで快適に動くのであれば殆どのゲームで支障なくプレイできると考えられる。また、RAMが6GBでクロックも2133MHzであり、IntelCPUで第8世代以降のPCで利用できるRAMと同じ速度であることを考えれば、TAB6から画面を削って、その分を性能に割り振ったと言えるものになっている。とはいえ10 IVはゲーム用ではないことを忘れないことである。ハイスペックを要求されるような設定でなければできるというだけで、本格的にゲームをするならXperia 1 IVにしろとアドバイスするだろう。ちなみに、実験終了後はPUBG Mobileには消えてもらった。
主目的:テザリングと5G回線の利用
そもそも、Xperia 10 IVにしてNUROモバイル(docomo)にした理由は、真の5G回線をテザリングによってPCで利用するためである。テザリング自体はAndroid 13の場合は標準で利用可能で、PCにもスマホにもサードパーティアプリのインストールは不要である。テザリングの設定および有効化は”設定/ネットワークとインターネット/テザリング”にあり、テザリング方法はWi-Fi, USB, Bluetooth, イーサネットの4種類である。イーサネット以外は殆どのスマホで利用可能な方法であり、このうち最もやりやすい方法がWi-Fiであり、用意するものがスマホ本体のみで済む。Buletoothは少々安定性に欠ける。USBは安定性を重視したい人向けである。
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テザリングの設定自体は非常に簡単で、各テザリングモードのトグルスイッチをONにするだけで機能する。Wi-Fiの場合は自身をアクセスポイントにすることで、そこにWi-Fi経由で接続することで利用可能にするものである。ただしこの時、スマホはWi-Fiを利用できなくなる。またWi-Fi経由ではPC-スマホ間の通信を経てスマホ-キャリア回線となるので、ラグが多少存在する。接続周波数は電波法により屋外での5GHzの使用は原則禁止されており、2.4GHzしか使用できないことが多いので、その点ではどうしても遅くなることが多い。Xperia 10 IVではこの関係で提供されていないようである。しかしUSBケーブルを必要としないので、屋外では使いやすい。とはいえ安定性はUSBテザリングの方が高いのは確かである。しかし充電しながらテザリングすることがバッテリーを痛める原因になると考え、そのことからあまりUSBテザリングをしたくないのである。したがって、以下はWi-Fiテザリングの場合となる。
接続方法:任意のNICでルーターに接続するのと同じやり方で接続する
Wi-Fiテザリングでまず設定することは、AP名・セキュリティ・パスワードである。この3つをあらかじめ設定しておく。ただし、一度設定したものは変更すると再設定が面倒になるため、変更せず固定しておくこと。具体的には以下のようになる。
上記の設定を行ってからパスワードは入力できるようにメモを別でとっておく。その後、接続したい機器のWi-Fiからアクセスポイントを探すのと同じように、上で設定したAP名を探して接続を行い、パスワードを入力する。正しく入力されていれば、Wi-Fiとして接続されたのと同じ状態になるはずだ。
テザリング側に流したい場合の設定
ところでPCでインターネットに繋ぐ場合、複数のNICを持っているのはもはや当たり前である。しかし面倒なのは、1つのPCで複数のデフォルトゲートウェイが認識されている状態でインターネットに接続しようとすると、いざ接続しようとしたときに送信先で混乱を起こし、うまく接続できなくなることがあるという問題である。これはスタティックルーティングで解決できる。cmdを管理者権限を起動し、まずroute print
でテザリングしているNICのインタフェースNo.とデフォルトゲートウェイの値を確認し、次に接続先のIPアドレスをwhoisなどで検索し、IPアドレスとサブネットマスクの情報を記録する。その後、以下のコマンドを実行する。
1 2 3 4 5 6 7 8 |
@echo off rem テザリングのNICに対して指定のIPアドレスはそれを経由するように設定する。 rem 必要な情報はIPアドレス、ネットマスク、テザリングのゲートウェイ、NICインタフェース番号 rem route addコマンドは管理者権限が必須。また、テザリングのゲートウェイはスマホの再起動などで変動する可能性があるので-pオプションは使用しない。 route add [接続先のIPアドレス] mask [接続先のネットマスク] [テザリングのゲートウェイ] if [テザリングを接続しているNIC番号] rem 設定を削除する場合はroute delete [接続先のIPアドレス]で可能 route delete [接続先のIPアドレス] |
このうち角括弧内は自分の環境に応じて変更する。この時実際に設定している時に判明したのが、スマホを再起動した場合、デフォルトゲートウェイが変更されるということである。そのため再起動後も保持するオプションである-p
オプションは使用しない。接続先のIPアドレスとネットマスクは基本的に変動しないため問題はないが、NIC番号は構成変更によって番号が変わることがあるので注意する。デフォルトゲートウェイは事前に確認する方法がないため、必ず接続してからroute print
で確認する作業が必要となる。その上でこの作業を行って、指定のIPへの接続はテザリング経由となるようにするのである。
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テザリングによる影響の調査
Wi-Fiテザリングは通常よりも消費電力が高くなり、プランによっては通信容量をあっという間に食らい尽くしてしまう。そのデメリットが存在するので、実際にどれくらい影響があるのかを配信することで調査した。幸いにしてNEOプランはあげ放題であるので、アップロードに関しては容量を消費しない。そのため、容易に実験することができる。定期企画であるスーパーメトロイドの配信をTwitchで、合計ビットレートを3500kbps(映像3308kbps+音声192kbps)で実施した際の、開始前と終了後でバッテリー消費量、およびテザリング時の容量消費量をスクリーンショットで記録したのが以下である。
Xperia 10 IVの場合、次の結果が得られた。このときテザリング中の10 IVで他の通信は行っていない。配信時Twitchはサーバーを東京に指定して、そのIPである52.223.192.0/18
と99.181.64.0/18
をテザリング経由で流すようにしている。ただしこの場合は普通にTwitchにアクセスした場合のダウンロードもこれを経由することになるので、配信終了後にTwitchにアクセスして諸作業する場合は、接続を解除してから行う方が容量を消費しない。
さて、実験結果であるが、テザリングを行っていた時間は約3時間、実配信時間はTwitchのアーカイブから2時間36分4秒。この時間の間に4.12GB使用したことが分かる。Twitchは配信をCBRにすることを推奨しているので、3500kbps固定でこの時間分行えば、合計32,774,000kbit送信したことになる。これをギガバイトに変換すれば4.09675GBとなる。約4.1GBを送信したことになり、テザリングで表示されている使用量とほぼ一致していることが分かる。テザリングにあたってはダウンロードと接続時の通信も含まれることになるので、その分も考えれば計測された通信量は正しいことになる。なお、実際の使用にあたっては、それぞれが契約しているプランの通信量やオプションを確認すること。
同時にバッテリーに関しては、約3時間のテザリングで消費したのは68%から44%まで減ったことにより、24%である。なお、この10 IVは入手時に既に半年使用されていたもので、バッテリーは完璧ではない状態である。また、充電状態によっても消費量が異なることを前提に、純粋なポケットWi-Fiとしてのテザリングであれば、そこまでバッテリーは消費しないということである。もっとも10 IVはSoC性能が少し低い分消費電力は低くなるため、SoC性能が高い1や5と比較すればテザリングの有効時間は長い方になるはずである。とはいえ、通常利用ではテザリングする機会はそれほどなく、いつもテザリングしているわけではないので、これで問題になることはないはずだ。
SIMフリーモデルは余計なものは少ない、しかし邪魔なものはPCから削除する
一般にスマートフォンはキャリアモデルの場合、プリインストールで余計なものが大量に入っていることが多く、しかも削除できないようになっているので、それらがRAMとROMを圧迫しがちである。それに対し、SIMフリーモデルは必要最低限のものしか入っていないので、随分と快適である。とはいえ、一部にとっては不要なものも存在するので、容量を確保し、RAMを軽量化するには削除した方がいい。その場合、通常はUSBデバッグでadbを利用して削除する。しかしこの方法はcmdを使用するものであり、皆が慣れ親しんでいるGUIではないので、削除が難しいことや、間違って別のアプリを削除するというミスが発生しやすい。それを防ぎつつもっと楽に削除できる方法として、GUIで同じ操作ができる”ADB AppControl“がある。これの使い方についてはTAB6で同じことをしたのでそれを参照してもらうとして、これを利用すれば少しだが負荷を軽減することができる。
プリインストールではBooking.com(v.36.3)とLinkedln(v.4.1.807)があるが、それぞれ47.1MB, 32.7MBと大きめである。また、サブスク型有料動画サービスのうちプライムビデオ(v.3.0.344.100347)は38.8MBとなっており、それぞれは容量を圧迫する原因になりやすい。これらは全く使わないというのであれば、早いうちに削除してしまった方が楽である。幸いにしてADB AppControlはアイコンも表示してくれるので、削除ミスが起きる可能性はほぼ0に近い。また、後で使用する可能性が出てくる場合に備え、アンインストール時にapkそのものをバックアップすることができるので、安心して削除してしまえる。他に使わないアプリがあるのならこれらをうまく活用して削除し、自分流のXperia 10 IVを作っていくといいだろう。
Xperiaはミドルレンジでも満足する性能を持っていた
クソフトバンクという、改悪に改悪を重ね続け、ユーザーが損正義を続けていることへの反発からクソフトバンクを離れてNUROモバイルにした私。この詳細は前回記事にあるが、その際1つだけ問題だったのが、使用中のXperia 1(2019)は5Gに対応していないということである。また、クソフトバンクである以上モデルは802SOであるわけで、そこからMVNOであるNUROモバイルへ移行する場合は好きなキャリア回線を選べるが、その回線は真の5Gエリアにかかっているdocomo回線を使用する予定であった。だがこのままでは4Gすらまともには使えないであろう、そう考えて個別で新しいスマートフォンの調達に乗り出したのである。
別に縛りを設けているわけではないが、Xoeria 1(2019)を使用していたので、その次に使うのもXperiaにしようと考えていた。だが最新モデルとなるIVシリーズは1も5もあまりにも高額で、しかし機能は多すぎて、性能もあまりにも高すぎるので、使いきれるようなものではないと感じていた。かといって古いモデルとなるIIやIIIのシリーズは、OSのサポートを考えると使うのは微妙であり、バッテリーについても登場時期から考えれば長く使えなくなることは容易に想像できることになる。また、エントリーモデルとなるAceは現時点でIIIもあったが、明らかな性能不足なのでそもそも候補ではなかった。その頃考えていたのが性能ではなく長く使えるかどうかであり、これに従うのであれば最新モデルに近いものを選んだ方がいいのは明白である。
そんな中2022年7月に登場した、Xperia 10の最新モデル”Xperia 10 IV”。初代モデルは何故か国内ではXperia 8として販売されていたものであるが、性能は察しの通りというべきものであったので、少し前までは候補にならないものであった。しかし世代が上がるにつれて基本性能は上がっていき、カメラもトリプルレンズが標準となり、カメラ性能はミドルレンジでも少しずつ良くなっていった。そうしてIVになったとき、普通に使うには十分な性能を持ち、5G(Sub6)にも対応し、カメラも当然トリプルレンズである。それでいて価格はそこまで高くなく、SIMフリーモデルも中古市場に多く出回っている。これは私には好都合であった。
Xperia 1(2019)と比較して、性能そのものは落ちたが、逆にAndroid OSは13なので出来ることが多くなり、Xperiaの基本機能にも手が加えられて使いやすくなっていた。加えてバッテリーは5000mAhまで向上し、それでいながら重量は約161g、手に持ってもフィットする感覚はとても扱いやすく、常に手元に置いておきたいスマートフォンになっていたのである。MNPによってXperia 1(2019)はSIMが無効となったのでWi-Fiのみでの利用となるが、万が一の場合は10 IVでテザリングすれば問題なく、性能が求められるゲームやメタバースならまだ出番がある。ただし欠点がイヤホンジャックが存在しないことで、ここだけはXperia 1(2019)の唯一の失敗である。とはいえ、今までそれを使ってきた私が満足するものに仕上がっているのだから、もし古いXperiaや他の機種からXperiaにしようと考えているが、性能を1や5クラスまで求めていないのなら、10 IVは十分選択肢になる。その理由を、私自身が証明したからだ。
以上、Xperia 10 IV使ってみた!~だから私は、Xperia 10~であった。次期Xperia 10は、もっとすごいことになるはずだ。
KIBEKIN at 00:00 May 3rd, 2023
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