【クソフトバンクの尻拭い】Xperia 1 改造レポート:ROM焼きで延命する | Raven's Articles

【クソフトバンクの尻拭い】Xperia 1 改造レポート:ROM焼きで延命する

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この記事の概要を簡単まとめ!

  • 2019年のフラッグシップ、Xperia 1
  • 4年目になっても基本性能ではXperia 10 IV/Vを超える
  • Androidは11までだが802SOは何故か10までしか上げられない
  • ROM焼きし、認識を802SO以外にしてしまえばあげられるはず
  • Xperiaの場合、ROM焼き専用のモードとツールがあり、これを利用する
  • 原則初期化が必要なため、あらかじめユーザーデータはバックアップする
  • 簡単な手順で書き込みは自動で行われ、書き換えは完了する
  • カメラが使えない現象、追跡調査でTAを削除しない選択が必要になった
  • 焼き方の問題か、カメラが使えなくなるので結局802SOに戻した
  • 結論:クソフトバンクはXperiaをダメにするから二度と扱うな

Xperia 1は間違いなくXperiaの起死回生の原点になった。それまで悪評続きだったXperiaシリーズ、そして国内メーカーがAndroidスマートフォンを作ると微妙になるというイメージを完全に一新し、ハイスペックスマートフォンの地位を確立した。そこから派生したXperiaナンバリングモデルとエントリーモデルへの分岐。5は1よりコンパクトながら性能を妥協せず、10は性能は下がるがXperiaに必要な物を備えてさらにコンパクトになり、AceはXperiaを手軽に体験したい人のためのモデルとなり、これもまた成功してXperiaは続いている。

だが未だにスマートフォンはキャリアモデルとメーカー直販のSIMフリーモデルがそれぞれ存在し、旧式の非効率な販売モデルが展開されている。昔は回線事業者は三大キャリアしか存在しなかった寡占市場ゆえにそれでよかったが、現在は4社目のキャリアである楽天モバイルと多数のMVNOが存在するのでキャリアモデルを未だに販売していること自体、時代錯誤である。そこに「所詮ジャップ」と感じてしまうところがある。

この影響を受けたXperia 1がある。802SO、ソフトバンクモデル。実のところ、Androidスマートフォンはソフトバンクで買うなということが言える。当初からiPhoneをほぼ独占で販売していたことがあるのか、それ以外はまともに取り扱う気がないようで、2019年10月時点でXperia 1だけしか置いていないという体たらくだった。そのうえアップデートは10までで止まっており、他が11まで上げられることを考えると、クソフトバンクと怒ったものである。そこで今回は、先駆者の情報をもとに危険行為の1つであるROM焼きに挑戦し、認識を802SOから別のモデルにして延命処置を行うことにした。

クソフトバンク版は産廃だ

Xperia 1(802SO)の不遇

Xperia起死回生の原点

Xperiaはソニーのスマートフォンブランドであることは誰もが知っている。Androidは基本的に低価格でミドルレンジモデルが多い中で、Xperiaは高価格帯でハイスペックであることを基本としている。それはソニーの他分野の製品技術をXperiaに入れているためである。ソニーといえばテレビ(ブラビア)、音楽(ウォークマン/Walkman、オーディオ機器全般)、カメラ(一眼レフ「α」)で有名であり、これらの技術を惜しみなく入れ、そこに専用の最適化システムを新規開発、端末の新規設計によって登場したのが、2019年6月に発表されたXperia 1である。

Xperia 1が登場するまでは、残念ながら悪評が多かった。特に有名なのがXperia Z4で、SoCはSnapdragon 810を採用したので性能こそ高かったのだが、元々問題のあるSoCゆえにすぐに爆熱になり、負荷の軽いものでさえ本体背面温度が簡単に上昇するという欠陥を抱えたXperiaになってしまったのである。だが実のところ、Z4の1つ前のZ3でさえもカメラを長時間使うと発熱で強制終了することがあったので、性能はいいがこの調子では使い物にならないという感想が強い。Z3は過去にAndroid開発用に持っていて、カメラ機として使用していたが動画撮影時は時間と共に熱くなって手に持つのが危なくなるほどであった。肝心なところで使いにくいということで、メイン機になり得ないものだった1)参照:「Xperia Z4」はどれだけ“熱い”のか? 放射温度計で測定してみた:「Xperia Z4」ロードテスト – ITmedia Mobile Z3も持ち出して実際に温度比較を行っている。数値から本当に爆熱になっていた。

Xperia 1はそれらの悪評を一気に覆すとともに、これまで培ってきた様々なソニー製品の技術を取り入れ、『1から生まれ変わった、ソニー渾身の新フラッグシップ。』を実現した。2019年6月時点で世界初を実現したのが21:9の4K HDR対応有機ELディスプレイ(3840×1644)であり、これに対応する専用の高画質化エンジン X1 for mobileを搭載している。また、αの技術を取り入れたXperia初のトリプルカメラ2)各カメラは標準(26mm, 有効画素数約1220万画素/F値1.6)・望遠(52mm, 有効画素数約1220万画素/F値2.4)・超広角(16mm, 有効画素数約1220万画素/F値2.4)となっている。で、ここにBIONZ X for mobileを搭載することで世界初の瞳AFも実現した。また、6.5インチの画面を2分割する21:9マルチウィンドウによって、1つの画面で2つのアプリを同時に使用可能にするなど、スマートフォンの常識を塗り替えていくものが多く搭載されていたのである。



こうしてXperia 1が起点となり、Xperia 5とXperia 10のナンバリングモデル、Aceのエントリーモデルが作られ、これがXperiaの標準となった。基本設計はXperia 1に準じ、基本的にどのモデルでもFHD+ディスプレイ(1080p)を採用している。相違点があるのは性能はもちろんだが、初期のモデルはカメラの位置や個数も異なっていた。現在はAceを除いてトリプルカメラが共通化しており、音楽は全てのモデルでハイレゾ対応である。また、初代Aceを除き、初期のナンバリングモデルは何故かイヤホンジャックが存在せず、これが唯一にして最大の欠点でもあった。II以降は全て標準搭載となり、無線でも有線でも楽しめるようになった。こうしてXperiaは現在も人気スマートフォンシリーズの1つとなっている。

性能:4年経った今もXperia 10 IV/Vに勝つ

少し前、クソフトバンクからNUROモバイルへ変更し、Xperia 1からXperia 10 IVに変更した。これによってSIMカードが入っているのがXperia 10 IVとなり、これまで使用していたXperia 1はSIMが無効化されてWi-Fi機となった。ただWi-Fi機になったとしても外で使えないだけであり、他の機能は問題なく使用できる。ただ、SIMが無効化されている状態でSIMを入れていると電池消費の原因になりやすいので、機内モードにしたうえでWi-Fi接続した方が安定する。機内モードでは一部機能が無効化されるものの、既にメイン機ではなくなっているので問題にはならない。

そのXperia 1はSoCがSnapdragon 855であり、キャリアモデルは共通でRAM 6GB/ROM 64GB、SIMフリーモデルはRAM 6GB/ROM 128GBとなっている。対してXperia 10 IVはSnapdragon 695 5Gで、キャリアモデル・SIMフリーモデル共通でRAM 6GB/ROM 128GBである。この2つについて、性能比較表を作成した。それが以下である。

表1 性能比較表(Xperia 1(キャリアモデル・SIMフリーモデル分け), Xperia 10 IV)
比較項目 Xperia 1 キャリアモデル Xperia 1 SIMフリーモデル Xperia 10 IV
SoC Snapdragon 855 Snapdragon 695 5G
RAM[GB] 6 6
ROM[GB] 64 128 128
Android OS (最大バージョン) 11(802SOのみ10) 11 12~
AnTuTuスコア(v9 総合平均値) 520000~530000 390000~395000
AnTuTuスコア(v9 GPU平均値) 180000~192000 100000~102000

仕様情報はXperia公式サイトで公開されているもので、ベンチマークはAnTuTuで先駆者の情報をもとに記載した。4年前のモデルであるにもかかわらず、現行のミドルレンジにも勝てるほどの性能を持っていることがこのことからわかる。ちなみに、Xperiaは1と10はVが発表されたが、10 IVと10 Vでは基本性能が全く変わっていないので掲載していない。Xperia 10 IVの記事では性能的にライトゲーム向けと評価したが、本格的なゲームをやるのならXperia 1はまだ出番があるということになる。とはいえ、APEXモバイルは終了し、原神もPUBGもやっていないのでゲームでの出番はないであろう。カメラ性能に関してはまだXperia 1が機能とズーム時解像度で優勢であるので、その用途ではまだ使い道があるようだ。

ちなみに、Xperia 1および5にはあまり知られていない機能として、Displayport Alternate Modeが搭載されている。Type-CからHDMIやType-A, 充電ポートを含めた変換コネクタを利用し、モニタに直接繋ぐことによってXperiaの画面を映すことができるようになっている。ただし、Android自体の仕様によりHDCPが実装されているため、通常の手段では(・・・・・・・)PCに取り込めないので注意。だがこの機能とSoC性能の高さにより、スマホゲームを配信する手軽さが上がったのは間違いない。なお、10およびAceにはこの機能は存在しない。ただし例外として10 IIIは対応していることが有志の実験により判明している。




802SOの悪行:OSが10までしか上げられない

Wi-Fi機となった今、大抵は倉庫行きか売り払うのが常であるが、性能の高さとそもそも古いモデルなので売ったところで大した額にすらならないことで現在も使用している。Wi-Fi規格は802.11acまでなので今後のWi-Fi6以降の恩恵は受けることはないが、それでもまだ使うことができるレベルである。OSについても人権のある最低条件の10であるので、その点でも問題なく使える。これはscrsndcpyを使用する場合に必要な物であるが、そもそもDisplayport Alternate Modeがあって、HDCPをどうにかできる方法を知っているので使うことは少ない。

ただ、802SOであることに1つの欠点があった。Xperia 1は当然のことながらdocomo(SO-03L)とau(SOV40)が存在し、SIMフリーモデルは国内ではデュアルSIM対応版のJ9110となっている。これらは全て、Android OSは11まで上げることができる。だが何故かわからないが、802SOのみ、Android OSは10までしか上げられないのである。これは本当に意味が分からない。iPhone以外はまともにサポートしないという、クソフトバンクのユーザーが損正義になる悪質商法なのかとも疑ってしまうほどである。このために、他モデルのXperia 1ではまだまだ使えるところ、802SOはゴミ同然の切り捨てによって扱えないような状態になってしまい、実質的に早々の買い替えを強いられるような形になる。また、これが影響しているのか、中古市場で安売りされるXperia 1も802SOであることが多いようである。ある意味で「不純物」が蔓延していることになる。

延命治療:ROM焼きへのチャレンジ

だが、iOSにできなくてAndroidにできることがある。カスタムROMに書き換えることによって端末上の認識を802SOから全く別のものにし、それによってアップデートを行い、Android OSを11にする。所謂ROM焼きである。書き換えによってキャリアモデルからSIMフリーモデルに変更することができるので、その意味ではAndroidユーザーの特権である一方、やり方を間違えれば電源すらつかなくなるゴミになる危険もある行為で、実際に焼く場合はゴミになる原因を排除してから、専用のフラッシュツールを使用して行う。ただし実行にはroot権限の取得、bootloader unlockなどが必要であるため、この手間が面倒で行わない人も多い。そもそも通常は行う必要のない行為であり、それをしなくてはならないクソフトバンクが問題である。

Xperiaではflashtoolによる書き込みができない。代わりに書き込みにはnewflasherを使用する。また、Xperiaは電源を切った後、音量ダウンキーを長押ししながらUSBケーブルでPCに接続し、緑ランプが点灯した状態になるとフラッシュモードとなるようで、これにより通常は行えないROM焼きを実行することができる。ただしROM焼きはデータが初期化されることが一般的なので、重要なデータはバックアップしてから実行する必要がある。ゲームデータに関しては移行設定などを準備してから再ダウンロードした方が安全であることも少なくない。いずれにせよ、何が起きてもいいように準備した上でやるべきである。

先駆者の情報は既に多く出回っている。それらを参考に、次項から実際にROM焼きを実施する。以下はその過程を記録したものとなる。

802SOに焼きを入れる

※警告※

これより下記に記載の事項は、任意のXperia端末に対して特殊な操作を行い、安全のために本来アクセス不可能な領域にアクセスし、システムを書き換えることを行っています。これらの操作はスマートフォンに関する通常よりも高度な知識、PCでも高度な知識を要求される操作となります。また、基本的にユーザーデータの削除を伴うものであり、バックアップが必要になりますが、バックアップしたデータを差し戻しても復元できるとは限らないものになっています。また、1つでも操作を間違った場合、端末が起動しなくなる等の重大な問題が発生する可能性もあります。記載されている内容についてご自身で実行し、それにより何らかの問題が発生しても、私は一切の責任を負いかねますのでご了承ください。記載事項についての私へのコメントやメールでの問い合わせは一切お受けしておりません。また、Xperiaスマートフォン製造元のソニーマーケティング株式会社への問い合わせは大変ご迷惑となりますので行わないようお願いいたします。

上記内容に納得できる方のみ、続けてお読みください。

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焼きの準備:必要なツール

まずは焼きを入れるために必要なツールを収集する。ファームウェアはXperia専用のファームウェアダウンロードツール”XperiFirm“で、書き込みは”newflasher“である。XperiFirmは公式サイトから、newflasherはXDAのフォーラムからそれぞれ入手することができる。これら2つのツールは検索することで結果が出てくるので、そこからダウンロードするのが最も安定する。

XperiFirmはダウンロード時はZIP形式で、その中からx64のものを取り出して使用する。基本的に最新のファームウェアのみダウンロードできる。古いファームウェアをダウンロードしたい場合Xperia FTFにアクセスすることで、一部の古いものをダウンロードできる。特に802SOの55.1.B.0.202は特殊需要で珍しくクソフトバンク版でも重宝されている。ただしXperia FTFのものはFTF形式でパッケージ化されているので、任意の解凍ソフトを用いて中身を抜き出す必要がある。

newflasherもZIP形式で、この中から拡張子がexeのものを取り出して使用する。これは実際に焼く場合に対象のディレクトリにコピーして配置し、そこから起動するものになっている。この2つを任意の場所(なるべくROMと同じ階層)に置き、いつでも使用できるようにしておく。

必要なツールを揃える
ROM焼きに必要なツールを揃える。まずはXperiFirmとnewflasherを用意し、任意の場所に配置する。

任意のファームウェアの入手

ここではXperiFirmを基準に進める。起動するとこれまで登場したサポート終了の過去モデルから現在の最新モデルまで、ほぼすべてがリストアップされる。次の操作で目的のファームウェアをダウンロードする。

  1. 左側のモデル一覧から対象のモデルを選択、その後ファームウェアのタイプ(キャリア・SIMフリー・海外モデルなど)を選択する。Xperia 1の場合はJ8110(グローバル版、シングルSIM)・J8170(アメリカ版)・J9110(グローバル版、デュアルSIM)・J9150(Professional Edition)・J9180(中国版)・SO-03L(docomo)・SOV40(au)・802SO(SoftBank)がある。それを選択後、右に表示される一覧からダウンロードしたいバージョンを選択し、”Available Firmware”下のビルド番号をクリックする。
  2. ファームウェアの情報が表示される。”Download”をクリックすることで保存先を指定するダイアログボックスが表示されるので、任意の場所を指定してダウンロードを開始する。
  3. ダウンロードの進捗が別ウィンドウでリスト表示される。XperiFirmはFTFをダウンロード後、自動で解凍してくれるので待つだけである。完了すると通知音により知らせてくれる。
XperiFirmで任意のFTFをダウンロード
XperiFirmで任意のファームウェアをダウンロードする。ダウンロード時はFTF形式で、これを自動で解凍してくれる。解凍まで完了すると通知音で終了を知らせてくれる。

XperiFirmは見やすいUIになっているため、目的のファームウェアをダウンロードするのに手間はかからないであろう。また、ダウンロードできるバージョンの中にもオペレータとビルド番号が異なるものが存在する。基本的には最新のバージョンを選択しておけば問題ない。ダウンロードは実行後、解凍完了まで自動で全て処理が行われ、その間はキューに新たなファームウェアを登録することや、一時停止・中断の操作も途中で可能である。XperiFirmに欲しいものがなければXperia FTFで探す方がいいが、こちらは海外版ファームウェアが存在せず、容量の関係で最新バージョンになっていないものも多く、モデルはXperia PRO(XQ-AQ52)までである。また、ファームウェアによってはまともに動かないものがあり、しかし実際に動かさないと分からないものも多いので、あらかじめ複数のファームウェアをダウンロードしておくと安定するであろう。




ファームウェアの処理:TAファイル削除(例外あり)

ダウンロード完了、あるいはFTF解凍完了後にまずやるべきことがフォルダ内のTAファイルの削除である。これをそのまま焼いた場合停止することが多くの先駆者から報告が上がっている。そのためまずはこれらを除去しなくてはならない。該当するファイルは以下である。

  • フォルダ内: auto-boot, cust-reset, master-reset, osv-restriction, reset-kernel-cmd-debug, reset-non-secure-adb, reset-wipe-reason, simlock
  • boot内: [Xperia Code Name]_XBootConfig_MiscTA.ta
  • 拡張子は全て”.ta”, [Xperia Code Name]はそのXperiaに割り当てられたソニーでの開発ネーム。
TAファイル削除
ダウンロード及び解凍したFTFからTAファイルを削除する。この確認作業は重要であるので、何度でも確認して確実に削除しているかを見ること。

TAファイルの削除はROM焼きにおいて真っ先に行うことである。これはそのまま焼いた場合、フリーズを起こすと言われているためである。つまり、ゴミになるということ。そのため基本的にはこの作業は必ず行うことになる。だがこれについては一部有識者では、一部モデルではそのまま焼かないと一部のアプリが動作しないなどの問題が発生するので焼くべきとの意見もあり、こればかりは「皆がそうしているからそうする」というところが大きい。正確な情報が得られないのが難しいところである。

ただ、そうであるとしても確実な情報として、simlock.taだけは確実に削除してから焼けという情報を得られた3)参照1:NewFlasherでXperiaにストックROMを焼く方法|yama827 URLは該当箇所に強調スニペットが行くようになっている。newflasherを利用したやり方で、ここではsimlock.taだけを削除し、それ以外は残している。4)参照2:国内版Xperia1にGSIを焼くまでの道のり…|Re*Index. (ot_inc) 802SOの先駆者。こちらはroot化の試みで、simlock.ta以外は焼かないとフリーズするという。802SO固有症状であると思われる。。したがってこれ以外のTAファイルは、端末が正常に動作しない場合に限り行うべきである。今回実施する802SOのROM焼きでは先行調査でどれに焼いてもうまくいかないことが多かったので、simlock.taのみ削除を行った。その上での実施である。

newflasherで事前に行うこと

処理が完了したら、フォルダ内にnewflasherをコピーして配置する。newflasher自体は他のアプリケーションと同様に直接起動可能である。このタイミングで、Xperiaは電源を落として5秒以上経過してから音量ダウンボタンを長押ししながらPCに接続する。これでLEDが赤から緑に変わればフラッシュモードになる。これを確認出来たら手を離して問題ない。

次にnewflasherを起動して、先にドライバインストールのためのインストーラを取得する。起動後の入力待ちで’y’を入力してエンターで、newflasherの起動ディレクトリに”Sony_Mobile_Software_Update_Drivers_x64_Setup.msi”が生成される。これを起動して、まずはドライバをインストールする。

ドライバのインストール
newflasherでドライバインストールのためのインストーラを取得し、それを起動してインストールする。一度インストールした後は以降この質問には’n’で進める。

これのインストールはすぐに済むもので、一度インストールした後は、以降のnewflasherでの書き込み時にはこの入力待ちに対して’n’で進める。その次に書き込み前にTA領域のバックアップを行う。本来は焼かないものであるTAも焼く以上、元データをあらかじめバックアップしておく必要がある。方法はこのページを参考に、入力待ちでn, s, yと入力する。これにより、newflasherを起動したディレクトリにtadumpディレクトリが作成され、その中にtadump_1.ta, tadump_2.taが保存される。復元する場合はtadump_2.taとnewflasherを置き、その状態で接続してnewflasherを実行し、入力待ちはn, s, nで実行される。これにより一応の保険をつけることができるようになる。これらを準備したら、次は実際に書き込みを行う。

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newflasherによる書き込みの実行

準備が整ったら焼きたいファームウェアのフォルダにnewflasherを置き、書き換え対象のXperiaをフラッシュモードで接続した状態でそれを起動する。起動後、省略していたそれぞれの入力待ちには次の意味がある。

入力待ち1:ドライバインストーラの生成

ここでの入力待ちは、先に行ったドライバをインストールするためのインストーラを生成するかどうかの選択である。ここでyを選択した場合、newflasherはそれを生成後に終了する。1度インストールした後はこの入力待ちには’n’で進めて問題ない。

入力待ち2:ユーザーデータの保持の選択

2回目はユーザーデータを保持するかの選択である。’y’で保持し、’n’で削除する。ただROM焼きではユーザーデータも削除して焼かなければうまくいかないことが殆どであり、この選択において’y’で進めることは全く意味のないことになりがちである。また、この関係でユーザーデータのバックアップは必須である。バックアップしたところで復元できるとは限らないが。

入力待ち3:フラッシュモードの選択

3回目はフラッシュモードを選択する。書き込んだ後、接続しているXperiaをどうするかを選択する。

  • a: 通常の再起動をする。
  • f: ファストブートする。
  • s: 同じモードで再起動する。
  • p: 電源を切る。
  • n: 何もしない(表記がないが、nを入力して決定するとこの操作になる)。

このような操作になっている。TAバックアップ作成と復元をする場合は先に説明した通りに行えば問題ない。ROM焼きの実行はこれに’n’を入力して進めるのが正しい手順となっている。

入力待ち4:TA領域のバックアップ

4回目はTA領域のバックアップを実行するかを選択する。’y’でバックアップを実行し、これが先に解説した通りの動作になる。ただしこれは先に説明した通りのやり方で行うもので、ここでは行わない。そのため、ROM焼き時には’n’で進めるのが正しい手順である。

また、ここまで挙げた内容についての画像が以下である。

newflasherの入力待ち
newflasherを実行して発生する入力待ちの文とその動作の解説。このような動作になっているので、しっかり読んで理解してから入力することが必要である。

4回’n’を入力して実際に焼き込む

実際のROM焼きは、newflasherの入力待ちに4回’n’を入力することで焼きが実行される。その様子が次である。

 

入力待ちを考慮しない場合、ROM焼きに要する時間はおよそ5分である。4回’n’を入力したら後は待つだけという簡単なものになっている。自動で終わるまで待ち、終われば入力待ち状態になる。これに何らかのキーを入力してnewflasherを終了することで、PCとの接続を解除しても大丈夫になる。その後の再起動で、成功か失敗かが分かる。

802SO ROM焼き結果

対象のファームウェアとその結果

手持ちの802SOに対して焼きを入れたROMは次の通りである。

表2 802SOへのROM焼きの実験結果表
ファームウェア オペレータ ユーザーデータ条件 TA条件 セットアップ 不具合
J8110(ver.55.2.A.4.332-R4C) Customized UK 削除 TA全て削除 動作可能 カメラが使用不可
SO-03L(55.2.D.3) NTT DoCoMo JP 削除 TA全て削除 そもそもROM焼きできず終了
SOV40(55.2.C.3) KDDI JP 削除 TA全て削除 動作可能 カメラが使用不可
J8170(55.2.E.0.165-R7C) Customized US 削除 TA全て削除 動作可能 全般的にタッチ反応が悪くSoCの発熱が激しい
J9110(55.2.A.4.332-R10C) Customized EU 削除 TA全て削除 そもそもROM焼きできず終了
J9110(55.2.A.4.332-R4C) Customized JP 削除 TA全て削除 動作可能 カメラが使用不可
J9110(55.1.A.9.127-R1B) Service Exchange Unit 削除 TA全て削除 そもそもROM焼きできず終了
J9180(55.2.A.4.154-R12C) Customized CN 削除 TA全て削除 動作可能 カメラが使用不可、規制のためかGoogle PlayやCinema Proが存在しない。
J8170(55.2.E.0.165-R7C) Customized US 保持 simlockのみ削除 SONYループで先に進めず不可
802SO(55.1.B.0.565-R10B) SoftBank JP 保持 simlockのみ削除 上のJ8170焼き実施後に戻すために実施するも、Xperiaロゴから先に進まない状態になった

上記が私が実際に行った範囲での結果をまとめたものである。実はやり方をかなり間違えていたことが後で発覚し、これはそれに気づく前に行ったものである。TA領域もsimlock以外は焼かなければ動作しないということをこの時点では判明していなかったので削除してから焼いていたが、XDAで関連する情報を探すと、TAも焼いたことで、NFCは動かないがそれ以外は動くという情報があったので試そうとしたものである。しかし試そうにも既に見切りをつけて802SOに戻し、完全にカメラ機としての運用を確定していたので、802SOに戻して終わらせようとしたのである。

起動できなくなってしまったらXperia Companionが最終手段

しかしJ8170も802SOも、焼く際にユーザー領域を保持するようにしていた。これが原因なのか、うまく焼けずに終わり、まずJ8170として起動しようとして失敗。次に元に戻すために802SOを同じようにユーザー領域を保持する形で実行した。このせいか、SONYロゴはクリアできてもXperia表示から先に進めなくなり、ソフトウェア的に破損した状態になってしまったのである。

一旦こうなってしまうとどうにもならないのが殆どだが、ソニーはXperia専用ツールのXperia Companionを提供しており、これを利用することで破損したソフトウェアを修復し、起動できる状態に戻すことができる。当然この動作で全てのデータは削除されることになる。だがもっともな話、ROM焼きしている時点でデータはほぼ消えるので問題ではないが。修復方法はROM焼きするのと同じようにフラッシュモードにして接続し、Xperia Companionの指示の通りに操作していくだけである。そうすることによって、一旦は元に戻すことができる5)参照:Xperia Companionを使ってソフトウェアの修復を行う方法 | Sony JP。そのため万が一に備えてXperia Companionは導入しておく必要がある。

ROM焼き失敗の考察

実はここでのROM焼きは、おそらく正しい手順を踏んでいない。これによって失敗してしまったのではないかという考察をしている。XDAでの情報を精査すると、ユーザー領域も削除して、その部分にもデータを書き込む必要があるという感じであった。また、日本語で書かれている先駆者の情報も、simlock.ta以外のすべての内容を焼く必要があることが書かれていた。ただ、それらの情報は総じて「焼いた後の情報が全く無い」のである。また、元の端末がどのような条件で、どのファームウェアを焼いたかという細かい部分の情報も不足していることが多く、その不足部分は手探りで探していかなければならなかったのも失敗要因の1つになると思われる。

もっとも、同じ802SOであったとしても端末単位で固有の「癖」が存在する。それによって偶然うまくいくことと、逆にうまくいかないことがある。私の場合はどっちであったかはわからないが、少なくともやり方そのものが間違っていたと判定することができる。私としてはカメラが使えなくなるのであればXperia 1である価値はないと考えており、カメラが使えるうちは元の802SOのままでも問題にはならない。唯一の問題はmocopiがXperia1/5でありながら非対応になることだが、現段階で私が使うことはあり得ないので今はスルーしても問題ないはずだ。それの最も簡単な方法は、Xperia 10が対応すればいいだけの話である。mocopiの生産コストが低下、5G(ミリ波)の一般化が進めば、将来的にそうなるはずだ。

結論:クソフトバンクはXperiaをダメにするから二度と扱うな

今回の結論を出すと、次のことが言える。

通常運用ならクソフトバンク版は絶対に買うな

これに尽きる。特に怒りたいことはAndroidのバージョンを10で止めたことである。これは重罪である。SIMフリーモデルは当然ながらdocomo, auも11まで上げることができるのに、何故かクソフトバンク版だけは10までにしている。これはもはや地雷というべきで、これによってXperia 1も性能的には十分なのに使い物にならなくなる。直系のSoC同型・画面が少し小さいだけのXperia 5(901SO)もこの影響を受けており、やはりXperia 1と同様に使い物にならなくなってしまう。まるで早く別のモデルにするかiPhoneにしろという露骨なユーザーアンフレンドリー感が漂い、前から言ってきているユーザーが損正義」を体現しているかのようである。これでは全くもって、クソフトバンクを使おうとは思えない。2年以上持つモデルを早々に切り捨てる愚行は決して許されるものではない

もっともな話、キャリアモデルという縛り自体時代遅れと言わざるを得ない。それは楽天モバイルの存在とMVNOの全体的な品質が安定してきていることからの指摘である。キャリアモデル神話論を崩壊させたのは皮肉にもdocomo自身ではあったが、逆にdocomoがahamoを発表しなければ一生何も変わらなかったと考えれば、全体にとっては利益だった。正直なところ、キャリアモデルで機能を制限したとしてその分何かプラスになるものがあるのかと考えれば、「何もない」が答えである。むしろデメリットしかないであろう。そして最もデメリットが多いのがクソフトバンク、というわけである。これのせいで多くの有能なスマートフォンがゴミと化し、しかもさらに悪いことにバラマキキャンペーンを多々開催するせいで、中古市場でクソフトバンク版という粗悪品が流通してしまっている。ROM焼きができるのなら多少は救われるにしろ、それをやったとしても一部機能に不具合が発生することもあり、不完全なものしか生まれない。つまりクソフトバンク版というだけで全てがマイナスである。なので私はクソフトバンクにこう言う。

クソフトバンクはXperiaを扱うな

そもそもクソフトバンク自体もう契約しない方がいい。MNO三大キャリアはこれからdocomo, au, 楽天モバイルに変更でいいくらいである。それくらいにクソフトバンクは酷いものである。NUROモバイルに変えたからこそ分かる酷さを再び痛感したのであった。

 

以上、Xperia 1 改造レポート:ROM焼きで延命する、であった。ROM焼きはしなくてもなんとかなるが一番だが、クソフトバンクを掴まされたら試す価値はある。

 

KIBEKIN at 00:00 May 31th, 2023


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脚注

脚注
本文へ1 参照:「Xperia Z4」はどれだけ“熱い”のか? 放射温度計で測定してみた:「Xperia Z4」ロードテスト – ITmedia Mobile Z3も持ち出して実際に温度比較を行っている。数値から本当に爆熱になっていた。
本文へ2 各カメラは標準(26mm, 有効画素数約1220万画素/F値1.6)・望遠(52mm, 有効画素数約1220万画素/F値2.4)・超広角(16mm, 有効画素数約1220万画素/F値2.4)となっている。
本文へ3 参照1:NewFlasherでXperiaにストックROMを焼く方法|yama827 URLは該当箇所に強調スニペットが行くようになっている。newflasherを利用したやり方で、ここではsimlock.taだけを削除し、それ以外は残している。
本文へ4 参照2:国内版Xperia1にGSIを焼くまでの道のり…|Re*Index. (ot_inc) 802SOの先駆者。こちらはroot化の試みで、simlock.ta以外は焼かないとフリーズするという。802SO固有症状であると思われる。
本文へ5 参照:Xperia Companionを使ってソフトウェアの修復を行う方法 | Sony JP
RA管理人
RA管理人。名前は時にない。かつてこのサイトを管理していた前任者はどこかへ消えてしまった。


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