この記事の概要を簡単まとめ!
- 字幕と翻訳の「ゆかコネ」、コメントで右に出るものはない「わんコメ」
- 現在、ゆかNEOは2.0、わんコメは4.0に更新されている
- 過去記事もまだ有効であるが情報が古くなってきているので作り直すことに
- 連携ルートはHTTPまたはWSの2つ、一般に使用されるのはWS
- WS連携することで翻訳と追加の読み上げ音声が使用可能になる
- 翻訳の方法も複数あり、方法次第でAPI節約も可能
- ゆかNEOではわんコメテンプレを使って字幕表示もできる
- WordPartyもゆかNEOの音声認識経由で起動可能になる
- それぞれのメジャーバージョンアップデートで追加された機能も確認
- 連携しなくてもいい、だが連携すれば相乗効果を得られる
情報更新は常に行われるものである。それはどんなものでも例外ではない。既にサポート終了したものでさえも情報が更新されていることは最近は珍しいことではない。その場合は公式に代わって有志が開発・サポートを行うことも多い。とはいえ、元の開発者ではないので解説が不完全になることは少なくない。
ゆかコネ/ゆかNEOやわんコメの解説は、偶然に始めたことによって継続して解説していることである。これまでに多くの機能について解説してきたが、それはいずれも「その当時最新の情報」をベースに構成されたものである。両方の開発ペースは比較的早い方であるので、下手をするとすぐに古い情報になってしまうことは良くあることである。既に様々な情報が古い情報になった。
今でも多くの人がゆかNEOとわんコメの情報を求めていることが分かっており、Discord内でも度々そのような情報を欲している人がいる。その際に私が書いた記事が参考資料として使われることもある。だが、バージョンが古いこともあるので、現在のバージョンと合致しないことによるUIの変更で分からなくなることや不具合も想定される範囲の1つである。今回はゆかNEOとわんコメの連携まわりについて、メジャーバージョンアップデートに伴って追加された機能の解説も含めて見ていく。
ひとっ飛びできる目次
いつまでも古い情報じゃ、頼りにならないから
ゆかコネ/ゆかNEOとわんコメ
振り返り:ゆかコネ/ゆかNEOとわんコメの解説記事
これまで本ブログでは、ゆかコネ/ゆかNEOとわんコメについての解説記事を書いている。それが以下である。
- 2021/12/15 ゆかりねっと×ゆかりねっとコネクターによる字幕表示方法を解説
- 2021/12/22 ゆかりねっとコネクター×UDトークでの字幕表示方法を解説
- 2022/01/初旬 Nao氏とcleaちゃんが上記2つの記事に反応し、cleaちゃんと交流が始まる
- 2022/02/16 ゆかりねっとコネクターNEOについて解説
- 2022/04/19 ゆかコネ3周年イベント後にゆかNEOについての新機能解説を行った
- 2022/05/18, 25, 6/1 わんコメを3部作に分けて解説。第1回目、第2回目は単体で、第3回目はゆかNEOと連携する解説を行った
- 2022/07/13 ゆかNEOでわんコメテンプレも使えるようになったのでこれを解説
- 2022/08/14 ゆかNEOをVRで使用する方法を解説。ここではおおまかに見ている
- 2022/10/31 ゆかNEO2.0更新に伴いこれを解説
- 2022/11/23 ゆかNEOをVRChatで使用し、字幕と翻訳を持ち込む方法を解説
- 2022/12/14 cleaちゃんを徹底分析した記事を公開
- 2023/01/04 ゆかNEO、わんコメでVOICEVOXを使用する方法を解説
ゆかコネを初めて触ったのが2021年12月のことなので、そこから考えて14ヶ月もゆかコネに関わっていることになる。わんコメは2022年5月なので、約7ヶ月となる。元々の計画は無音声で喋った内容を字幕として反映させられないか、ということを解決するために調査が始まったこれも、いつの間にか使い方を解説する側に回っていた。そうしてゆかコネ3周年からわんコメの存在を知り、VR方面の記事を制作しながらも、裏ではわんコメの調査も行っていたような、マルチタスク状態であった。
元々は単に調査するだけではあったが、それではせっかく導入したツールを生かしていないので、配信もわずかながらに行うようにしていた。ただ、「威圧感」の問題と時代的に一億総VTuber時代が来ていることから、私とは異なるVTuberとして、「無音烏」という名で妹ちゃんを立てた。これによって私は裏方に回り、配信とVRアカウントは妹ちゃんがメインとして運用されるようになった。とはいえ私の本業が忙しいこともあって殆ど配信が出来ていないのが現状ではあるが、主にメトロイドシリーズをVTuberに普及させたいという強い意志のもと、活動している。
現在のゆかNEOとわんコメ
2023年1月現在、ゆかNEOとわんコメはどうなっているかを確認する。まずゆかNEOは公式発表で2022年10月26日に2.0へアップデートされた。そしてわんコメも公式発表で2022年10月26日に4.0へアップデートされた。それぞれはNao氏、アスティ氏主導の、開発者が異なるツールである。それが何故同日アップデートかというと、最も使われている2つのツールの連携での利用を重視した結果である。あらかじめ両者間で打ち合わせを行い、インストーラのリリース日を決定して、その通りに動いたということだ。
ゆかNEOは基本機能は1.9の頃のものと殆ど変わらないものになっていて、それをベースに2.0からはUIに改良を加えて、メニューを開閉式に変更、上部アイコンは使用頻度の高いものを固定表示、それ以外はメニューから選択して呼び出す形となった。また、初めて使う人向けにマウスオーバーによる説明が表示される機能も搭載し、今後のユーザー増加に伴う「使い方が分からない」という声がなるべく起きないような設計になっている。これとは別に、公式サイトのドキュメントも随時更新される。そしてプラグインはDiscordでリクエストされるバグ報告と修正要望、卯塚ウウ(うーちゃん)からのリクエストを中心に導入されている。特にうーちゃんのリクエストは他の人が欲しいとは思っているがなかなか文章化しにくいことを綺麗な文章にまとめてNao氏に送ってくれるため、これに助かっている人は多い。また、そのリクエストを送る時間がよく深夜3時に行われることから、『AM3時リクエスト』という愛称がNao氏からつけられている。
わんコメは解説開始時のバージョンは3.0.7であった。つまりメジャーバージョンは3系ということになる。このバージョンの特徴としては、コメント内の特定の単語をキーとして演出を発生させることができるWordPartyが標準搭載となり、支援により使用できるPro版の準備が進められていた頃である。後の3.1.0でPro版を正式導入し、その頃問題となっていたYouTubeスパム対策に、緊急アップデートで3.0.6で採用したアイコン非表示/置き換え機能を正式化して、アイコンの許可設定をより厳密に行えるようになった。また、参加型の場合に参加者の順番待ちリスト表示ができる機能が追加され、ファンサービス対応がしやすくなった。
以降は権利関係でニコニコ動画風のコメントは廃止せざるを得ない結果になったが、WordPartyの強化、ゆかNEOとの連携の機能を最適化、対応配信プラットフォームの追加が行われ、Pro版機能追加や時々発生する微妙な不具合への対応などを重ねていき、現在4.1.1がリリース済みの最新バージョンとなっている。ドキュメントには4.2.0もあるが、コミュニティ内での先行試験状態であり、正式リリースにはまだ至っていない。
決意:大きく更新がなされたので作り直す
現在も本業の合間を縫って更新が続けられているゆかNEOとわんコメ。殆どはマイナーアップデートであるが、10月26日に両者がメジャーアップデートを迎えたことで、私の中で1つ、危惧していることがある。それは今まで書いた記事の情報が古くなってしまうことである。いくら基本部分に変更がないとはいえ、マイナーアップデートの過程で見た目やメニューの配置が変わっていることは良くあることで、それ以前に解説したのであれば昔の情報は往々にして「役に立たない」ものになってしまうこともあり得る。そこにそんなものはない、ということで早速引っかかってしまうためだ。
幸いにして、古い情報となっている私がこれまでに書いたものは、直接的なクレームは受けていない。といっても日本人の特性上、クレームを抱え込んでいることは少なくないことで、或いはエゴサすればそのような情報はあるかもしれない。だが私自身、嫌われ者であることを自負しているのであえて自分の精神を削るようなことはしたくない。よって今のところは特に問題ないといえばそれまでだ。
それでも私としては、折角情報を使ってくれるのなら、ゆかNEOとわんコメを解説する側の責任として、情報を更新すべきであるという結論に至った。これは義務ではないが、しかし最新の状態に合わせて記事を新規に作っておくことは、現在も増え続けているゆかNEO新規ユーザーと、ゆかコネからの乗り換えをする既存ユーザーのサポートになるためだ。よって次項より、ゆかNEO2.0、わんコメ4.0以降のバージョンを前提とした解説を行っていく。
ゆかNEO2.0×わんコメ4.0 連携手引書
ゆかNEOとわんコメを連携するにあたって、ゆかNEOはv2.0.48、わんコメは4.1.1である。この前提の下で解説する。また、インストール手順については省略する。
連携準備:ゆかNEOの「翻訳/発話連携サーバ」をチェック
まず行うのは、ゆかNEOとわんコメを連携するために必要な情報の確認である。ゆかNEOが他のアプリ・ツールと連携する場合も殆どがプラグインで可能で、httpポート番号を指定した接続とWebSocket接続の2つのうちの任意の方法で接続することができる。この方法では同一PC内にソフトがある場合でも、別のPCにソフトがある場合でも理論上は使用できるようになる。これの、翻訳や読み上げ特化のプラグインとして「翻訳/発話連携サーバ」を探し出し、これを有効にして、「設定」からアクセスに必要な情報を確認する。プラグインのバージョンは2.0.48ではv1.4bになっている。
- [Access Port]
- http://127.0.0.1:8080
- ws://127.0.0.1:52000
- ※ポート番号は基本的にこの値で固定される。
連携準備:ゆかNEOの情報を使いわんコメで設定する
上記の情報をどこかにメモしておいて、わんコメに移動する。わんコメでは右上にメニュー(三点リーダー)があり、ここから「連携」を開くとゆかNEOをはじめとする、各種連携の設定が行える。ここでは次の設定について確認を行う。
- まず「ゆかりねっとコネクターNEO / Trans-through」のチェックボックスにチェックを入れる。
- 自動起動及び自動終了はオプション。自動起動を適用する場合はゆかNEOのexeファイルを絶対参照で指定する。通常はProgram Files以下に存在する。
- 接続方式をws(WebSocket), http, httpsから選択する。ここではWebSocketを使用する。ホスト名は、同一PC上でゆかNEOを起動している場合はlocalhost(127.0.0.1)のままで、ポート番号は52000にセットする。ゆかNEOが起動中の場合、その右の更新ボタンで自動でポート番号をセットしてくれる。翻訳除外ユーザーは必要に応じて使用する。
- 読み上げ連携:WebSocketでの接続のみ利用可能。これにチェックを入れると各種読み上げ音声を使用可能になる。
- 複数言語翻訳:翻訳したい言語が複数ある場合はチェックを入れる。ゆかNEOは安定版も2.0.47なので、2.0以上という条件は既にクリアしている。
- 読み上げ言語:読み上げる言語を限定する場合に使用する。これを設定した場合、「読み上げタイプ」はグレーアウトする。
- 読み上げタイプ:読み上げる対象を選択する。通常はどちらかを専門に読み上げる方が読み上げ音声が過労死しない。前述の設定がされているとグレーアウトする。
- 接続テスト・読み上げプレビュー:正常に接続できているかはこれで確認できる。読み上げ音声を使用する場合は読み上げプレビューでも確認できる。
- 棒読みちゃんもゆかNEOと同じ形式で、ポート番号を指定する形で設定する。ただし、対象ではないためここでは省略する。

ここまでの手順は、ゆかNEOとわんコメのバージョンが上がるにつれて簡略化され、連携することによって利用できる機能も増えた。これまでは読み上げは棒読みちゃんなどの標準的なものしか利用できなかったのが、ゆかNEOでもCeVIOやVOICEROID, VOICEVOXといったものに対応したので、わんコメも連携経由で利用できるようになった。ちなみにVOICEVOXを使用した読み上げ音声の適用については、1つの記事として仕上げてあるのでそれを参照するとすぐ使えるように設定できる。
連携することで使える翻訳機能
コメントの読み上げについては別記事で紹介しているため省略するとして、連携することで使える機能に、コメントの翻訳がある。これはVTuberに限らず、あらゆる配信者が欲している機能であるはずだ。わんコメ単体では取得したコメントは単純に表示するだけで特に何もしないが、ゆかNEOと連携することでゆかNEOの翻訳機能を借りてコメントについても翻訳をかけることができるようになる。設定方法は難しいようで簡単である。
- わんコメのメイン画面の左上の「追加」で任意の枠を生成し、「視聴URL」にチャンネルのURLを入力する。YouTubeであれば、設定されているのであれば@から始まるIDで取得できる。
- 指定した配信の「翻訳」のプルダウンメニューから翻訳したい言語を設定する。設定した順番に従って翻訳が優先されるため、設定時は順番を気にすること。
- URLが正しいことを確認し、「接続」をONにすることで、指定したプラットフォームでコメントが送信される度に自動でわんコメが取得する。その際、翻訳も同時に行われる。

ここでは翻訳先を日本語、英語の順で優先している。この時の翻訳ルールは、取得したコメントの言語判定が日本語である場合英語へ、それ以外の場合日本語へ翻訳されるように動作する。そのため、英語、日本語の順で選択した場合は、英語の場合は日本語へ、英語以外の場合は英語へ翻訳されるということになる。わんコメ側は翻訳先が日/英/中文(繁体)/中文(簡体)の4つしか対応していないが、将来的にはアスティ氏が本気を出したらあらゆる言語への翻訳が可能になるであろう。
なお、翻訳に使用するエンジンはゆかNEOのものになる。参照するエンジンは翻訳1番であるので、翻訳精度はその設定に依存する。まず翻訳1番から参照し、そのエンジンでの翻訳に失敗した場合、翻訳2番で翻訳を試みる。それでも失敗する場合は翻訳3番、翻訳4番といった形で翻訳を実行する1)ゆかNEOv2.0.120以降で安定動作を確認。情報提供:磯部もち。なお、デフォルトの共用翻訳サーバ(Lexicon/暫定β版/無料)はあくまでも「はじめて使う人向け」のエンジンであるので、なるべく早い段階で支援版APIまたはGoogle Apps Scriptを利用した翻訳(個人設定)に変更することを推奨する。支援版についてはNao氏のFANBOXから、GAS翻訳はゆかNEO2.0記事で解説している。
翻訳オプション:リスナー単位や後から翻訳にも対応
翻訳機能はゆかNEOのものを使用する関係上、音声認識による字幕・翻訳とAPIを共有する形となる。そのためAPI消費量はいつもの2倍以上になるものと考えた方がいい。これは支援版APIを使用している場合には考えたい問題になる。通常よりも早いタイミングでAPIを使い切ってしまう可能性が高くなるためで、これを考慮して翻訳量を節約したいと考える人は少なくない。APIの節約方法は、ゆかNEOのオプションで「翻訳APIの仕様を節約する」と「節約効果を最大化」にチェックを入れることで有効となる。わんコメでは、翻訳対象を絞ることによってそれを実現できる。
これまでの手順は配信単位での翻訳設定である。わんコメはリスナー単位での翻訳も行うことができる。これはリスナー記憶機能を使うと手っ取り早い。あるいは取得したコメントからも設定することができる。設定方法は簡単で、該当するリスナーの名前をクリックし、開かれるメニューから「翻訳」のプルダウンメニューをクリックし、翻訳したい言語を選択するだけである。選択順によって優先度が変わるのも、枠単位指定と同じである。
あるいは、後から個別で翻訳をかけることができる。この場合は該当コメントの右上の小さなアイコンから文Aと書いてあるものをクリックして、翻訳したい言語(日/英/中文(繁体)/中文(簡体))を選択すれば少しの間をおいて翻訳される。この形での翻訳結果はアプリ内だけでなく、テンプレートにも反映されるようになっている。これらの実際の例が以下である。

殆どの人は枠単位で翻訳を適用しているはずで、これは妹ちゃんもそうである。妹ちゃんの場合はAPIにGASを使用している関係で翻訳消費量はあまり気にならないが、支援プランの人は翻訳残量に気を遣うことは間違いない。なので翻訳の無駄撃ちをしないためにも、リスナーの地域が限定される場合は、全てのコメントに翻訳をかけることはせず、母国語以外のコメントが確認できた場合に後で翻訳して、その後もコメントしてくれるようであればリスナー指定で翻訳を適用すれば快適に使用できるようになる。この時にリスナー記憶機能を有効にしておくと、翻訳設定を管理しやすくなる。
ちなみに後から翻訳する機能は翻訳結果を書き換えることが可能である。つまり、
- [日本語本文](英語翻訳)
の形式となっているコメントに対して中文(繁体)で翻訳すると
- [日本語本文](中文(繁体)翻訳)
の形式に直してくれる。ただ、普段の配信でこれを使うタイミングがあるかと言えば微妙なところだが、覚えておくといつか使う日が来るかもしれない。
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ゆかNEOにもある連携の恩恵
ここまでの解説はわんコメについての解説である。なのでこのままではゆかNEOには何も連携した恩恵がないことになってしまう。だが心配することはない。連携したことでゆかNEOもわんコメの力を借りることができるようになっている。次はそれを見ていくこととする。
ゆかNEOでもわんコメテンプレが使用可能
ゆかNEOの字幕表示の種類は、ゆかNEOが登場したときよりも非常に多くなり、これにより見せ方も多彩になった。特にコラボ配信を行う際に便利なテンプレートである「トークセッション」は、UDトークと組み合わせることで最大の効果を発揮する。それとは別にわんコメと連携することにより、わんコメのテンプレートをゆかNEOの字幕として使用することも可能になる。
わんコメテンプレを使用するには、まずは「カスタムレイアウト(わんコメ仕様テンプレ)」のプラグインを有効化する。執筆中にゆかNEOの更新(2.0.53)があったため、バージョンはv1.5cである。次に設定をクリックして別ウィンドウで設定画面を開いたら、次の手順で有効化し導入する。
- 初期状態では何も表示されていないはずである。まずは「わんコメのテンプレートを直接使う(わんコメv3.2~)」にチェックを入れる。「わんコメv4.0仕様」は公式に説明がないが、ここではわんコメは4.0以上を前提としているのでチェックを入れておいて問題はないはずだ。この状態で真ん中の虫眼鏡ボタン(Qに見える)をクリックすると、わんコメのテンプレートが表示される。
- 一覧から導入したいテンプレートを選択する。2通りの導入の仕方がある。
- ローカルファイルを使う:to OBSの”●file”をドラッグ&ドロップでOBSに入れた後、プロパティを開いてカスタムCSSのところに入れた行と同じ”▲CSS”をドラッグ&ドロップする。デフォルトで入力されているものは削除しても構わない。
- URLを使う:to OBSの”■URL”をOBSにドラッグ&ドロップする。これだけで完了である。こちらはlocalhost経由で動作させている。
- いずれの場合も、ソース名はそれとわかるように変更しておく。
- この設定後、音声認識や手動入力で文字を送信すると、わんコメのテンプレで字幕として表示されるようになる。この方法では消滅しないタイプが多い。

ゆかNEOも字幕表示パターンが増えているが、こちらはこちらで見せ方が異なり、配信内容によってはこちらの方が字幕もコメントも見せやすいことがあるので需要がある。例えばVRを使った配信は、VRの特性上自分が見ている映像を任意のモニタに全画面表示でデスクトップに出力し、これをOBSでキャプチャする。その場合は両サイドで字幕とコメントを表示した方が見やすいであろう。ちなみにこの機能はうーちゃんが積極的に使用している。うーちゃんの場合は普段の配信でも使用している。
ちなみに直接参照を行うと、ゆかNEOでもPro版テンプレートを利用可能である。以前は直接参照ができなかったことでPro版テンプレートは使用できなかったが、直接参照の実装で現在はその問題は解消されている。もちろん連携しないでもテンプレートは利用できるが、手順が面倒になるので、せっかく公式で連携をサポートしているのだから直接参照した方ができることも広がるのである。
ヒント:自分流したいときはテンプレートエディタで
わんコメが用意するデフォルトのテンプレートでも十分に魅せられるが、それで満足せず自分流をしたい人は少なからず存在するはずだ。その場合はわんコメ公式で用意しているテンプレートエディタ(サイト)を利用することで可能である。これは任意のデフォルトのテンプレートをベースとして、それに対してカスタムCSSで上書きして改造するCSSコードを作成可能である。元々のテンプレートがHTML+CSS2)コメント取得、移動などの動作はJavaScript(script.js呼び出し型)で実現している。1つのサイトのような感覚である。で記述されているのでこのような改造ができるようになっている。
エディタで設定できることは多岐にわたり、フォントや色を変えることはもちろん、アニメーションを追加することもできるようになっている。また、アプリと同様にコメントテスターが実装されており、これによって改造したテンプレートがどのように動作するかをテストすることができる。特に、コメントを一定時間後に非表示にする機能はデフォルトではflipboardのみ搭載で、他のテンプレートに対してはエディタで追加できる機能となっていて、その動作テストもその場で出来るので便利である。そこまでしなくとも、既存のテンプレートで文字の見辛さなどを感じた場合は、自分なりに納得いく調整をするのもいいだろう。
WordPartyがゆかNEOの音声認識でも起動可能になる
わんコメの特徴の1つとして、WordPartyが挙げられる。このテンプレートは取得したコメントを参照し、ユーザーが設定したワードと一致するものを文章中に発見した場合、それを起動キーとして様々な演出を行える特殊なテンプレートである。あらかじめ設定しておけば、コメントだけで画面が盛り上がるようになる。
これも導入自体は他のコメントテンプレと全く同じ方法でOBSに導入できる。わんコメでは既に”word-party-preset”が存在し、これをそれぞれ思い思いに改造することで独自の演出を行うことができるようになる。エディタはわんコメに内蔵されており、「メニュー/テンプレート/word-party-preset」の欄の鉛筆マークをクリックすることでエディタが開き、編集できる。
通常はコメントがキーになるそれも、ゆかNEOから直接参照してそれをOBSに取り込むと、音声認識の結果も起動キーとして演出できるようになる。一応わんコメでは3個までマウスクリック起動(右、左、ホイール)を登録できるが、それをしなくても手放しで自分から起動できるようになるという、便利な機能となっている。
上級テクニック:WordPartyの「ゆかNEO用」を作るには
ただ、わんコメはWordPartyをデフォルトで1つしか用意していない。そのため通常はゆかNEOとわんコメでword-party-presetを共有する形で運用している人が多いはずだ。しかしこの場合1つ問題があり、ある演出はコメントだけ有効、また別の演出は音声認識結果だけ有効としたくても、それらを分離することができないのである。例えば「あいうえお」で起動するものがあって、それは音声認識だけで起動させたくても、コメントで「あいうえお」があればそれでも起動してしまう、といった形だ。
これを避けるには、「ゆかNEO用」のWordPartyがあれば簡単に実現できる。だが、テンプレートエディタにはWordPartyはなく、それは「できない」と考えてしまうはずだ。そこで目をつけるのが、デフォルトのテンプレートである。簡単な話、それをまるっとコピーしてしまえばいいのである。その上でフォルダ名をゆかNEO用だと分かるように”word-party-yneo”とでも書き換えてしまえば、あとはそれをOBSに取り込めば分離完了だ。イメージは以下である。

本来は非推奨行為であるが、実は公式ドキュメントのテンプレート解説ページの「テンプレートで自分のコメントにだけスタイルを適用する方法」や「テンプレートで配信サイトごとにスタイルを適用する方法」の冒頭に『※必ずテンプレートを複製して別名のフォルダを作ってカスタマイズしてください』とある。この文面を見る限り、複製しての運用は前提で考えられていることが分かった。これはWordPartyに限らず、先のエディタで作ったテンプレートを、改造ベースとは別で置いておきたい場合にも役に立つはずだ。
「ゆかNEO用」WordPartyをOBSに入れて実験
WordPartyを分離したところで、実験を行う。ここではデフォルトのものも入れておく。その上で、両方のWordPartyに「同じ条件で同じものを起動する」ように設定を行う。その際は違いが分かるよう、エフェクトの発生位置を変えて検証する。検証材料として、遊戯王アークソファイブでお馴染みの乱入ペナルティでLPが-2000になる素材を、「乱入」を含む文章を音声認識、コメントで取得したのをキーとして画面端に流すことを行う。音声認識の場合左下、コメントの場合右下で、その検証結果が以下の動画である。
このように分離することによって、自分では起動したいがコメントでは起動しない、または自分では起動しないがコメントでは起動する演出を完全に分けることができる。分けることの利点は前述のことに加え、配信者が意図しないタイミングで音声認識経由で演出を発生させるのを防ぐことができる。また、この運用方法はそれぞれで異なる演出を入れることが前提となるので、管理は少々大変だが設定しておくと配信の一意性を高めることができるはずだ。
余裕があるなら、WordPartyテンプレを「配信内容ごとに作る」というのもありで、リソース管理は大変だがこれができるとゆかNEO×わんコメユーザーとしては相当の凄腕と言ってもいい。
補足情報:WordPartyはどんな演出設定ができるのか
ところでWordPartyはどんな演出設定ができるのかを確認しておく。わんコメ4.0以上の場合、次の設定が可能である。
- クラッカー:クラッカーを発破したときの演出を行う。原則画面両端から飛び出てくる形になる。エフェクトは紙吹雪・絵文字・画像から選択できる。量(デフォルト20)と大きさ(デフォルト16)は共通項目である。
- 紙吹雪は16進数で色を指定でき、空の場合はランダムで色が決定する。
- 絵文字は1行単位で入力する。
- 画像は複数設定できる。画像のみ、大きさに代わって拡大率を指定することができる。デフォルトは1。
- 落下物:上から物体を降らせる演出を行う。絵文字と画像が設定できる。設定方法はクラッカーの場合と同じ。
- 発生位置・表示時間・倍率といったものを細かく設定できる。これらは実際にやった方が早い。
- 固定表示:画像や動画を表示する演出を行う。画像やGIF表示でよく使われる。動画表示という割にはmp4非対応である。
- 表示アニメーションを出現、表示中、終了でそれぞれ設定できるようになっている。これらも実際にやった方が早い。
- 共通設定として、マウスクリックの登録、効果音(MP3/WAV)、除外サービスの設定、ギフトコメント・NEWコメントへの適用、複数判定、上限数、WordPartyの演出をしないユーザーの設定が可能である。

設定できる項目は多岐にわたり、わんコメ3.0時代よりも見やすくなっている。これらを好きなように調整して、コメントテスターを用いて動作を確認していくのが基本となる。使用例としてよく見るのは、落下物で草表現に画像と他の「草」を示す絵文字を使用することであり、それ以外でも色々なものを落下させている使い方である。もちろん、それら以外の使い方もあるので、色々と弄るのが使いこなすまでの近道となる。
ちょっと寄り道:メジャーアップデートで追加された機能
ゆかNEO、わんコメ共にメジャーアップデートに伴い、連携以外でも追加された機能が存在する。ここではそれぞれの追加された機能についても確認していく。
ゆかNEO:設定の「数値入力」が可能になった
これまでゆかNEOでは「感覚的」な部分を優先してきたため、設定値は殆どがスライダーでのみ操作可能であった。ユーザーからは「数値入力で設定したい」という声も度々挙がっていたため、これに応える形で2.0.51で数値入力出来るテキストボックスが追加された。基本的にスライダーのあるものの横に小さなテキストボックスが配置され、その中に入力する形である。
これによってより精密にレイアウトを設定することが可能となり、これまでは難しかった小数点以下の調整が楽に行えるようになった。また、テキストボックスで入力する際に起こりがちな「異常値入力」に対する処理も万全に対策されており、スライダーで設定できる最小値・最大値を超えるものは設定可能な最小値または最大値に強制的に調整され、マイナス記号を除く数値以外のものを入力した場合はデフォルトに戻すように設計されている。このため、異常値によってゆかNEO本体が破損しないように対策が施されているので安心して数値入力ができる。
ゆかNEO:従来のブラウザでの字幕表示で最前面表示を優先できるようにした
旧ゆかコネから使用している人は、字幕表示に際してブラウザに表示させたものを、OBSのウィンドウキャプチャなどで取り込んで表示させていた人が多いはずである。これは以前から使用されている方法であるが、これの問題点はブラウザが最前面に無いとき、字幕が停止してしまうことである。最前面にないとき、ブラウザは非アクティブ状態であるとOSが勝手に判断してしまい、それによって表示を止めてしまうという何とも迷惑な仕様に、昔から使ってきたcleaちゃんをはじめ多くの人が悩まされてきたものである。
そこでNao氏がオプションとして、字幕表示用のブラウザを表示する場合、可能な限り最前面表示にするようにする設定を追加した。チェックボックス式で、チェックを入れれば最前面表示を可能な限り維持し、うっかりウィンドウを非アクティブにしてしまっても字幕が停止しないようにできるのである。これでウィンドウを前面に持ってくる手間を省くことができる。
現在のゆかNEOはローカルファイルによる表示、OBS/SLD(旧SLOBS)向けのブラウザソースとしての表示に対応しているので、ウィンドウ表示を使わなくても良くなっていることはある。ただ、それに対応しない配信ソフトウェアを使用する場合には、ウィンドウ表示で字幕を表示する必要もあるはずだ。その場合でも字幕表示を安定して行うことが可能になる。これでもう場所もアプリも選ばないで使用できる。
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ゆかNEO:読み込むプラグインを選択できるようにした
ゆかNEOは各種アプリ・機能とはプラグインによって接続される。起動時には導入済みのプラグインを全て読み込むが、これによって使用可能になるまで少々時間がかかる。それでも起動スピードは十分速いが。また、人によっては不要だと思うプラグインはあるはずだ。その場合、メンテナンスツールを起動して読み込むプラグインのチェックを外すことで、そのプラグインは読み込まれなくなり、起動速度向上と軽量化が図れる仕組みになっている。
もっとも、配信前には準備時間を設け、その間に各種必須ツールを起動して準備するはずなので、起動時間はまず問題ないはずだ。また、負荷についても、ゆかNEOは負荷が大きくないように設計されているので、そこまで気になるものではないはずである。それでも軽量化したいという欲張りな人には、読み込むプラグインを絞ってあげれば快適な字幕・翻訳生活を送れることであろう。
わんコメ:バックアップの一般開放
わんコメでは3.2.0よりPro版の機能として自動バックアップが追加されていた。これが4.1.0で一般ユーザーにも開放された。バックアップする内容はC:\Users\[username]\AppData\Roaming\live-comment-viewer
の以下のものについてである。
- .comments(ディレクトリ):内部にはコメントのログがある。
- templates(ディレクトリ):テンプレートの設定情報を保存する。
- auth.db:認証情報を記録するものだと思われる(開けるソフトがないため詳細不明)。
- comment.json:コメントを取得する際に必要なJSON。
- config.json:配信毎の設定を保存するためのJSON。
- user.db:取得したユーザーを記録するものだと思われる(開けるソフトがないため詳細不明)。
これらがバックアップした日付と共に1つのzipファイルとなる。余程のことでもない限り、わんコメのデータが破損するということはないのだが、テンプレートの設定を間違って消してしまったなどの人為的ミスは想定されることである。それらをカバーすることができる機能となるので、心配なら有効にしておくとなんとなく安心できるはずだ。
わんコメ:コメント受信時に音と通知を出せるようにした
通常、コメントが来たかの確認は目視か、読み上げ音声によるものが一般的であった。集中している間は目視できないものであると仮定すれば、読み上げ音声が唯一の反応手段となる。ただ、読み上げ音声も時々つっかえたり停止することがあるので完璧ではない。その際の代替手段があると嬉しいが、わんコメでは4.0.0でコメント取得時に音を鳴らせるようになり、OSの通知機能が追加された。
鳴らせる音は一般的な音声ファイルの殆どに対応しており、多くの場合はWAVを使うことになるであろう。音は通常のコメント取得に加えてNEWコメント、ギフト受信時で音声を変更できるようになっている。通知はOSのデフォルトの画面構成なら右下の通知に表示されるようになる。その場合標準の通知音は鳴らないようになっている。これらはどちらも除外ユーザーを登録できる。
通知に関しては画面を見れないのであればあまり意味のないものになるが、取得時の通知音を独自に設定できることで、コメントを取得したことが分かりやすくなることは間違いない。読み上げ音声が不安定であったり他の音にかき消されやすいことを考えれば、設定しておくのは無駄ではない。ただし、コメントが大量に来ることが約束されている「ガソリン」の場合は、うるさくなってしまう可能性が高いので場合によっては切っておいた方がいいだろう。
他にも、ゆかNEO・わんコメの両方には様々な機能が追加されている。自分で確認し、ドキュメントを参照し、コミュニティで質問することで、使いこなすことができるはずだ。
連携しなくてもいい、だが連携すれば相乗効果を得られる
ゆかりねっとコネクター/ゆかりねっとコネクターNEO、わんコメ。それぞれは開発者の異なる、それでいて配信はもちろんVRでも必須ツールに数えられるようになってきたものである。まだわんコメはVR対応機能はないが、そのうちVR-SNS内でコメントを共有できるような機能が、各種システム、プラグイン、アイテムを経由して実現する日もそう遠くはないかもしれない。
同時に使われることが多いこともあって、ゆかNEOとわんコメが連携することは必然の流れであったようにも思える。開始段階ではまず非公式という扱いで開発版やコミュニティ限定の先行配布版でテストされた。それが後に公式に連携されると、わんコメに翻訳機能が付与され、ゆかNEOの字幕テンプレートが増えた。次に読み上げ音声がわんコメで強化され、少し特殊な操作をしてやればゆかNEO用のWordPartyを使用することができるなど、できることがより多岐に渡ることになった。
無論、それぞれは単独のツールとして成り立つものであるから、連携せずに使うことも可能だ。ただ、公式に連携可能であるというのなら、とりあえずは連携するのがいい。連携することによってそれぞれで相乗効果を得られることは間違いなく、連携することによるデメリットも存在しない。ゆかNEOもわんコメもバージョンが上がって新規ユーザーも増えているはずなので、まずはここから始めてみると、幸せになれるはずだ。
以上、ゆかNEO2.0×わんコメ4.0連携 備忘録な解説書、であった。次はどんな機能が追加されるかな?
KIBEKIN at 00:00 Jan. 11th, 2023
追記情報
2023年4月11日 ゆかコネ第2期アンバサダー/わんバサダー磯部もちから、わんコメでのコメント翻訳における動作変更の情報を得たため、それについて追記
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